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日本薬局方
アゾセミド錠
処方箋医薬品注)
心性浮腫(うっ血性心不全)、腎性浮腫、肝性浮腫
通常成人1日1回2錠(アゾセミドとして60mg)を経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
通常成人1日1回1錠(アゾセミドとして60mg)を経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮をきたし、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。
痛風発作を起こすことがある。糖尿病が悪化することがある。
電解質異常を起こすことがある。
低ナトリウム血症を起こすことがある。
排泄遅延により血中濃度が上昇するおそれがある。
投与しないこと。低カリウム血症によるアルカローシスの増悪により肝性昏睡が悪化するおそれがある。
肝性昏睡を誘発するおそれがある。
妊婦(2カ月~6カ月)又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット、マウス)で、生後には消失する一過性の骨格異常が認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。類薬において、動物実験で母乳中に移行することが報告されている。
腎石灰化症があらわれるおそれがある。
電解質バランスがくずれやすい。
次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
デスモプレシン酢酸塩水和物
低ナトリウム血症が発現するおそれがある。
いずれも低ナトリウム血症が発現するおそれがある。
昇圧アミン
昇圧アミンの作用を減弱するおそれがあるので、手術前の患者に使用する場合には、本剤の一時休薬等の処置を行うこと。
併用により血管壁の反応性が低下するためと考えられる。
ツボクラリン及びその類似作用物質
ツボクラリン及びその類似作用物質の麻痺作用を増強するおそれがあるので、手術前の患者に使用する場合には、本剤の一時休薬等の処置を行うこと。
利尿剤による血清カリウム値の低下により、これらの薬剤の神経・筋遮断作用が増強されると考えられる。
降圧剤
降圧作用を増強するおそれがあるので、用量調節等に注意すること。
本剤はナトリウムの再吸収を抑制するため降圧作用を増強すると考えられる。
アミノグリコシド系抗生物質
アミノグリコシド系抗生物質の第8脳神経障害(聴覚障害)を増強するおそれがある。
アミノグリコシド系抗生物質の内耳外有毛細胞内濃度が上昇し、最終的には外有毛細胞の壊死を引き起こし、永続的な難聴が起こる場合もあると考えられる。
シスプラチン
シスプラチンの聴覚障害を増強するおそれがある。
シスプラチンの内耳外有毛細胞内濃度が上昇し、最終的には外有毛細胞の壊死を引き起こし、永続的な難聴が起こる場合もあると考えられる。
セファロスポリン系抗生物質
抗生物質の腎毒性を増強するおそれがある。
近位尿細管でのナトリウム再吸収の増加に伴い、抗生物質の再吸収も増加することにより、組織内濃度が上昇し腎毒性が増強する。
ジギタリス剤
ジギタリスの心臓に対する作用を増強するおそれがあるので、血清カリウム値及び血中ジギタリス濃度に注意すること。
利尿剤による血清カリウム値の低下により、多量のジギタリスが心筋Na+-K+ATPaseに結合し、心収縮力の増強と不整脈が起こると考えられる。
糖質副腎皮質ホルモン剤
ACTH
グリチルリチン製剤
甘草含有製剤
過剰のカリウム放出により、低カリウム血症が発現するおそれがある。
共にカリウム排泄作用を持つ。
糖尿病用剤
糖尿病用剤の作用を著しく減弱するおそれがある。
細胞内外のカリウム喪失がインスリン分泌の抑制、末梢でのインスリン感受性の低下をもたらすと考えられる。
ビグアナイド系薬剤
ビグアナイド系薬剤による乳酸アシドーシスを起こすおそれがあるので、脱水症状があらわれた場合には、適切な処置を行うこと。
体液量が減少し脱水状態になるおそれがある。
SGLT2阻害剤
利尿作用が増強されるおそれがあるので、血圧、脈拍数、尿量、血清ナトリウム濃度等を確認し、脱水症状の発現に注意すること。必要に応じ本剤の用量を調整するなど注意すること。
利尿作用が増強されるおそれがある。
リチウム
リチウムの毒性を増強するおそれがあるので、血中リチウム濃度に注意すること。
リチウムの腎での再吸収を促進し、リチウムの血中濃度が上昇すると考えられる。
サリチル酸誘導体
サリチル酸誘導体毒性が発現するおそれがある。
腎の排泄部位において両剤の競合が起こり、サリチル酸誘導体の排泄が遅れサリチル酸中毒が起こると考えられる。
非ステロイド性消炎鎮痛剤
本剤の利尿作用を減弱するおそれがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤が腎でのプロスタグランジン合成を阻害し、水、ナトリウムの体内貯留を引き起こし、利尿剤の作用と拮抗する。
尿酸排泄促進剤
尿酸排泄促進剤の尿酸排泄作用を減弱するおそれがある。
尿酸再吸収の間接的増大により、尿酸排泄促進剤の作用が抑制されると考えられる。
カルバマゼピン
症候性低ナトリウム血症が発現するおそれがある。
ナトリウム排泄作用が増強され、低ナトリウム血症が起こると考えられる。
低カリウム血症、低ナトリウム血症等の電解質異常があらわれることがある。,,,,
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
代謝異常
低クロール性アルカローシス、高尿酸血症
高血糖症、高コレステロール血症、高トリグリセライド血症
過敏症
発疹
消化器
嘔気、嘔吐、食欲不振、胃部不快感、下痢、腹痛、口渇
膵炎注2)(血清アミラーゼ値上昇)
血液
血小板減少
肝臓
AST上昇、ALT上昇
Al-P上昇、ビリルビン値上昇
腎臓
BUN上昇、クレアチニン上昇
泌尿器
頻尿
精神神経系
めまい、耳鳴、頭痛
その他
脱力感、倦怠感、筋痙攣、関節痛
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男性(6例)にアゾセミド60mgを単回経口投与した場合、血漿中濃度は次図のとおりである1)。
投与量(経路)
AUC(ng・h/mL)
Cmax(ng/mL)
Tmax(h)
T1/2(h)
アゾセミド60mg(経口)
2640±374
445±42
3.3±0.5
2.6±0.2
(Mean±S.E., n=6)
健康成人男性(5例)にアゾセミド60mgを経口投与したとき、尿中にアゾセミドの未変化体、酸化的脱テニル体、グルクロン酸抱合体がそれぞれ排泄された2)。
健康成人男性(5例)にアゾセミド60mgを経口投与したとき、48時間までに尿中へ4.4%、72時間までに糞中へ71.1%排泄された2)。
浮腫患者総計366例において本剤の臨床試験が実施された。浮腫性疾患を対象とした二重盲検比較試験の結果、本剤の有用性が認められた。また一般臨床試験においても本剤の有用性が認められた3),4),5),6),7),8)。
疾患
有効例数/効果判定例数
有効率(%)
心性浮腫
52/85
61.2
腎性浮腫
58/128
45.3
肝性浮腫
77/135
57.0
10/18
55.6
計
197/366
53.8
アゾセミドは、腎尿細管、主としてヘンレ係蹄上行脚におけるNa、Clの再吸収を抑制し、利尿作用を発現した(ラット9)、イヌ10)、ヒト11))。また、抗ADH作用12)(in vitro)も認められた。
アゾセミド(Azosemide)
2-Chloro-5-(1H-tetrazol-5-yl)-4-[(thien-2-ylmethyl)amino]benzenesulfonamide
C12H11ClN6O2S2
370.84
本品は白色~黄白色の結晶性の粉末である。本品はN,N-ジチルホルムアミドに溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。本品は希水酸化ナトリウム試液に溶ける。本品は光によって徐々に黄色となる。融点:約226℃(分解)
100錠(PTP10錠×10)、500錠(PTP10錠×50)、500錠(バラ、乾燥剤入り)、1,000錠(PTP10錠×100)
1) 社内資料:薬物動態に関する資料
2) 社内資料:ヒト経口投与後の排泄に関する資料
3) 大島研三 他:基礎と臨床. 1984;18(7):3025-3039
4) 大島研三 他:基礎と臨床. 1984;18(8):4117-4218
5) 大島研三 他:医学のあゆみ. 1984;130(1):70-94
6) 山田和生 他:基礎と臨床. 1984;18(9):4471-4490
7) 社内資料:アゾセミドの心不全に対する臨床効果
8) 藤沢 洌 他:肝胆膵. 1984;9(2):293-304
9) Greven J, et al.:Arzneim-Forsch. 1981;31(1)Nr 2:350-353
10) Greven J, et al.:Arzneim-Forsch. 1981;31(1)Nr 2:346-350
11) Brater DC:Clin Pharmacol Ther. 1979;25:428-434
12) 林 元英 他:応用薬理. 1984;28(5):859-877
13) 林 元英 他:応用薬理. 1984;28(5):837-849
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