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劇薬
処方箋医薬品注)
狭心症
本剤は狭心症の発作緩解を目的とした治療には不適であるので、この目的のためには速効性の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用すること。
通常、成人に対し1日1回1枚(ニトログリセリンとして27mg含有)を胸部、腰部、上腕部のいずれかに貼付する。なお、効果不十分の場合は2枚に増量する。
血管拡張作用によりさらに血圧を低下させるおそれがある。
心拍出量が低下し、ショックを起こすおそれがある。
心室内圧較差の増強をもたらし、症状を悪化させるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている1)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
頭痛、頭重、血圧低下等が発現するおそれがある。本剤は主として肝臓で代謝されるが、高齢者では一般的に肝機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続する。
ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤
降圧作用を増強することがある。本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。
本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤
本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
降圧作用及び血管拡張作用を有する薬物
血圧低下を増強するおそれがある。
血圧低下作用を相加的に増強する。
他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤
頭痛、血圧低下等の副作用を増強するおそれがある。
血管拡張作用を増強する。
非ステロイド性抗炎症剤
本剤の作用を減弱するおそれがある。
プロスタグランジンI2等の合成が阻害され、血管拡張作用を減弱する可能性がある。
アルコール摂取
血圧低下作用を増強するおそれがある。
5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
循環器
血圧低下、めまい
心拍出量低下、顔面潮紅、熱感、動悸
精神神経系
頭痛
頭重
消化器
嘔気
嘔吐
皮膚
発赤、そう痒感
発疹
健康成人男性(20例)の胸部に本剤1枚を24時間貼付した場合、最高血漿中ニトログリセリン濃度(Cmax)は0.441ng/mL、最高血漿中ニトログリセリン濃度到達時間(Tmax)は3.6時間であった。24時間後の血漿中ニトログリセリン濃度は0.163ng/mLであり、剥離30分後(24.5時間後)には測定限界(0.05ng/mL)以下であった2)。
Cmax(ng/mL)
Tmax(h)
AUC0→24(ng・h/mL)
0.441±0.253
3.6±0.8
5.220±2.524
Mean±S.D.
狭心症患者(160例)を対象とした剤形サイズ等変更前製剤の臨床試験における全般改善度の有効率は63.1%(101例/160例)であり、発作回数、速効性硝酸薬消費量、自覚的運動能力、心電図所見等に改善が認められた。また、運動耐容能を指標とした試験において、運動耐容時間の延長及び心電図ST偏位の改善が認められた。なお二重盲検比較試験において有用性が認められた3),4),5),6),7),8),9)。
ニトロ血管拡張薬は血管平滑筋の弛緩を起こす。低濃度のニトログリセリンは動脈よりも静脈を優先的に拡張させる。この静脈拡張作用の結果、静脈還流の減少により左右心室内容積が減少し、拡張末期圧が低下するが、全身循環の血管抵抗はあまり変化しない10)。
健康成人男性(8例)で、ニトログリセリンの心臓、血管系に対する作用を、Mモード心エコー図及び下大静脈内腔の変化を超音波断層法により検討した。静脈還流量を示す下大静脈Indexは、静脈のコンプライアンスの増大による血液の末梢への再配分が示され、下大静脈内腔は縮小を示した。また、左房径、左室拡張終期径等が減少し、前負荷軽減作用が認められた。これら血行動態諸指標は血漿中ニトログリセリン濃度とよく相関した11)。
剤形サイズ等変更前製剤2、4及び8枚/イヌ経皮投与(ニトログリセリンとして54、108及び216mg/イヌ経皮投与)により、用量依存的な脈圧低下作用が認められた。脈圧低下作用は投与後1~24時間持続し、プラセボ投与群に比較し有意な低下であった。同時に測定した血漿中ニトログリセリン濃度も24時間持続した。投与24時間後に本剤を剥離すると血中からニトログリセリンは速やかに消失し、また、脈圧低下作用はプラセボ投与群とほぼ同程度まで回復した12)。
麻酔開胸犬にニトログリセリンとして5、10及び20mg/kgを経皮投与することにより、左心内圧及び大動脈圧を低下させ、心臓に対する後負荷を軽減するとともに、肺動脈楔入圧を低下させ前負荷をも軽減し、心機能の改善作用が認められた13)。
麻酔開胸犬の左冠状動脈前下行枝起始部に狭窄を加えることにより作成した実験的虚血心に対し、ニトログリセリンの5mg/kgの経皮投与では、虚血の著しい心筋内層側の血流に対し増加作用を示し、心筋内血流分布を改善した14)。
イヌにおける冠動脈結紮、高コレステロール食飼育ウサギにおける心臓ペーシング負荷、ラットにおけるバソプレシン若しくはアドレナリン投与等により惹起された心電図上のST・T偏位に対し、ニトログリセリンは著明な抑制を示し、心筋における酸素需要バランスの改善作用を示した。また、2週間の連用によってもラットにおけるバソプレシン投与により惹起された心電図上のST/T偏位に対して効果の変化はみられなかった15),16)。
ニトログリセリン(Nitroglycerin)
Glyceryl trinitrate又は1,2,3-Propanetriol trinitrate
C3H5N3O9
227.09
本品は、常温では無色澄明の粘稠性の液体で、味は甘く灼熱感がある。
35枚(1枚×35)、140枚(1枚×140)、350枚(1枚×350)
1) 井上恒昭 他:応用薬理. 1984;28(3):485-491
2) 藤田雅巳 他:薬理と治療. 2001;29(5):331-346
3) 社内資料:狭心症に対する有用性および安全性の検討
4) 廣澤弘七郎 他:基礎と臨床. 1991;25(13):4105-4119
5) 廣澤弘七郎 他:基礎と臨床. 1991;25(14):4417-4441
6) 山田和生 他:基礎と臨床. 1991;25(13):4121-4136
7) 渡辺賢一 他:臨床成人病. 1991;21(4):785-798
8) 花島寛治 他:薬理と治療. 1991;19(2):633-651
9) 関口守衛 他:基礎と臨床. 1991;25(15):4833-4844
10) グッドマン・ギルマン薬理書(第12版)廣川書店. 2013;949
11) 岡島智志 他:基礎と臨床. 1984;18(6):2489-2504
12) 社内資料:作用持続性の検討
13) 社内資料:心循環機能に対する作用
14) 林 元英 他:基礎と臨床. 1981;15(4):1935-1946
15) 林 元英 他:基礎と臨床. 1981;15(4):1921-1932
16) 林 元英 他:基礎と臨床. 1981;15(4):1947-1949
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