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モンテルカストチュアブル錠5mg「三和」

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.4代謝
16.7薬物相互作用
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

モンテルカストチュアブル錠5mg「三和」

添付文書番号

4490026F1206_1_03

企業コード

300297

作成又は改訂年月

2024年2月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

87449

薬効分類名

ロイコトリエン受容体拮抗薬
気管支喘息治療薬

承認等

モンテルカストチュアブル錠5mg「三和」

販売名コード

YJコード

4490026F1206

販売名英語表記

MONTELUKAST Chewable Tablets “SANWA”

承認番号等

承認番号

22900AMX00277000

販売開始年月

2017年6月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

基準名

日本薬局方

モンテルカストナトリウムチュアブル錠

一般的名称

モンテルカストナトリウムチュアブル錠

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

モンテルカストチュアブル錠5mg「三和」

有効成分1錠中「日局」モンテルカストナトリウム   5.2mg
(モンテルカストとして   5.0mg )
添加剤D-マンニトール、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、クロスカルメロースNa、ヒドロキシプロピルセルロース、サッカリンNa水和物、香料、三二酸化鉄、ステアリン酸Mg

3.2 製剤の性状

モンテルカストチュアブル錠5mg「三和」

外形表面
裏面
側面
大きさ直径約9.1mm
厚さ約2.9mm
質量222.0mg
色・剤形うすい赤色の素錠

4. 効能又は効果

気管支喘息

6. 用法及び用量

通常、6歳以上の小児にはモンテルカストとして5mgを1日1回就寝前に経口投与する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 モンテルカストチュアブル錠はモンテルカストフィルムコーティング錠及びOD錠と生物学的に同等ではないため、モンテルカストチュアブル錠5mgとモンテルカストフィルムコーティング錠5mg及びOD錠5mgをそれぞれ相互に代用しないこと。
  2. 7.2 1歳以上6歳未満の小児に対しては、モンテルカスト細粒4mgを1日1回就寝前に投与すること。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤は、喘息の悪化時ばかりでなく、喘息が良好にコントロールされている場合でも継続して服用するよう、患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に十分説明しておくこと。
  2. 8.2 本剤は気管支拡張剤、ステロイド剤等と異なり、すでに起こっている喘息発作を緩解する薬剤ではないので、このことは患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に十分説明しておく必要がある。
  3. 8.3 本剤を投与中、大発作をみた場合は、気管支拡張剤あるいはステロイド剤を投与する必要がある。
  4. 8.4 本剤投与によりステロイド維持量を減量し得た患者で、本剤の投与を中止する場合は、原疾患再発のおそれがあるので注意すること。
  5. 8.5 本剤との因果関係は明らかではないが、うつ病、自殺念慮、自殺及び攻撃的行動を含む精神症状が報告されているので、患者の状態を十分に観察すること。
  6. 8.6 本剤を含めロイコトリエン拮抗剤使用時に好酸球性多発血管炎性肉芽腫症様の血管炎を生じたとの報告がある。これらの症状は、おおむね経口ステロイド剤の減量・中止時に生じている。本剤使用時は、特に好酸球数の推移及びしびれ、四肢脱力、発熱、関節痛、肺の浸潤影等の血管炎症状に注意すること。
  7. 8.7 本剤投与により効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 長期ステロイド療法を受けている患者

    本剤投与によりステロイドの減量をはかる場合は十分な管理下で徐々に行うこと。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。海外の市販後において、妊娠中に本剤を服用した患者から出生した新生児に先天性四肢奇形がみられたとの報告がある。これらの妊婦のほとんどは妊娠中、他の喘息治療薬も服用していた。本剤とこれらの事象の因果関係は明らかにされていない。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。

9.7 小児等

  1. 9.7.1 1歳以上6歳未満の小児

  2. 9.7.2 低出生体重児、新生児、1歳未満の乳児

    国内において、低出生体重児、新生児、1歳未満の乳児を対象とした臨床試験は実施していない。

10. 相互作用

  • 本剤は、主として薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP)3A4で代謝される。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

フェノバルビタール

本剤の作用が減弱するおそれがある。

フェノバルビタールがCYP3A4を誘導し、本剤の代謝が促進される。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 アナフィラキシー(頻度不明)
  2. 11.1.2 血管浮腫(頻度不明)
  3. 11.1.3 劇症肝炎、肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
  4. 11.1.4 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑(いずれも頻度不明)
  5. 11.1.5 血小板減少(頻度不明)

    初期症状として、紫斑、鼻出血、歯肉出血等の出血傾向があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

0.1~5%未満1)

頻度不明

過敏症

皮疹

そう痒、蕁麻疹、肝臓の好酸球浸潤

精神神経系

頭痛、傾眠

異夢、易刺激性、情緒不安、痙攣、不眠、幻覚、めまい、感覚異常(しびれ等)、激越、振戦、夢遊症、失見当識、集中力低下、記憶障害、せん妄、強迫性症状

呼吸器

肺好酸球増多症

消化器系

下痢、腹痛、胃不快感、嘔気、胸やけ、嘔吐、便秘

消化不良、口内炎

肝臓

肝機能異常、AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、γ-GTP上昇、総ビリルビン上昇

筋骨格系

筋痙攣を含む筋痛、関節痛

その他

口渇、尿潜血、血尿、尿糖、浮腫、倦怠感、白血球数増加、尿蛋白、トリグリセリド上昇

出血傾向(鼻出血、紫斑等)、挫傷、動悸、頻尿、発熱、脱力、疲労、脱毛、遺尿

1) 副作用の頻度は、錠剤、チュアブル錠剤、細粒剤での国内臨床試験の結果を合わせて算出した。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

  1. 14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
  2. 14.1.2 本剤は、食事の有無にかかわらず投与できる。
  3. 14.1.3 本剤は、口中で溶かすか、かみくだいて服用すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

プラセボ対照臨床試験41試験を対象に統合解析を行った結果、本剤投与群9,929例中1例において自殺念慮が認められたのに対して、プラセボ群7,780例において自殺念慮は認められなかった1)
また、プラセボ対照臨床試験46試験を対象に統合解析を行った結果、行動変化に関連する事象(不眠、易刺激性等)が、本剤投与群11,673例中319例(2.73%)、プラセボ群8,827例中200例(2.27%)において認められたが、統計学的な有意差は認められなかった2)

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 生物学的同等性試験
    1. (1) 口腔内で噛み砕いた場合
      モンテルカストチュアブル錠5mg「三和」とシングレアチュアブル錠5mgをクロスオーバー法によりそれぞれ1錠(モンテルカストとして5mg)健康成人男性に口腔内で噛み砕いて水なし又は水と共に絶食単回経口投与し、血漿中モンテルカスト濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された3)
      〈水なし投与試験〉

      判定パラメータ

      参考パラメータ

      AUC0-24h
      (ng・h/mL)

      Cmax(ng/mL)

      Tmax(h)

      T1/2(h)

      モンテルカストチュアブル錠5mg「三和」

      2165.9
      ±474.2

      304.4
      ±54.3

      2.45
      ±0.60

      5.121
      ±0.931

      シングレアチュアブル錠5mg

      2218.2
      ±552.0

      298.2
      ±65.1

      2.78
      ±1.07

      5.310
      ±0.887

      (Mean±S.D., n=20)

      〈水あり投与試験〉

      判定パラメータ

      参考パラメータ

      AUC0-24h
      (ng・h/mL)

      Cmax(ng/mL)

      Tmax(h)

      T1/2(h)

      モンテルカストチュアブル錠5mg「三和」

      1750±378

      257±55.4

      3.1±1.2

      4.37±1.20

      シングレアチュアブル錠5mg

      1870±485

      274±66.1

      2.9±1.1

      4.49±1.02

      (Mean±S.D., n=20)

      血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

    2. (2) 口腔内で溶かした場合
      モンテルカストチュアブル錠5mg「三和」とシングレアチュアブル錠5mgをクロスオーバー法によりそれぞれ1錠(モンテルカストとして5mg)健康成人男性に口腔内で溶かして水なし又は水と共に絶食単回経口投与し、血漿中モンテルカスト濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された3)
      〈水なし投与試験〉

      判定パラメータ

      参考パラメータ

      AUC0-24h
      (ng・h/mL)

      Cmax(ng/mL)

      Tmax(h)

      T1/2(h)

      モンテルカストチュアブル錠5mg「三和」

      1610±364

      274±58.7

      2.6±1.5

      4.12±1.12

      シングレアチュアブル錠5mg

      1670±390

      282±62.3

      2.5±1.1

      3.99±1.04

      (Mean±S.D., n=19)

      〈水あり投与試験〉

      判定パラメータ

      参考パラメータ

      AUC0-24h
      (ng・h/mL)

      Cmax(ng/mL)

      Tmax(h)

      T1/2(h)

      モンテルカストチュアブル錠5mg「三和」

      1924.6
      ±439.7

      299.1
      ±53.3

      2.25
      ±0.66

      4.675
      ±1.002

      シングレアチュアブル錠5mg

      2047.9
      ±500.8

      313.5
      ±63.5

      2.40
      ±0.85

      4.906
      ±0.982

      (Mean±S.D., n=20)

      血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

16.4 代謝

ヒトにおけるモンテルカストの主要代謝物は側鎖メチル基の水酸化体及びベンジル位メチレン基の水酸化体であった。これら代謝物の生成にはそれぞれチトクロームP450(CYP)の分子種であるCYP2C8/2C9及び3A4が関与しており、CYP2C8がモンテルカストの主要代謝酵素であった。
更に側鎖メチル基の水酸化体はカルボン酸体まで酸化的代謝を受けることが確認されている。In vitro試験により治療時の血漿中濃度では、モンテルカストはCYP3A4、2C9、1A2、2A6、2C19又は2D6を阻害しないことが示された4),5),6),7),8)
また、in vitro試験によりモンテルカストはCYP2C8を阻害することが示されたが、in vivoにおいてはモンテルカストは主にCYP2C8で代謝される代表的な薬剤であるロシグリタゾンとの臨床薬物相互作用試験で、CYP2C8を阻害しないことが示された9)(外国人データ)。したがって、モンテルカストはCYP2C8で代謝される薬剤(パクリタキセル等)の代謝に影響を及ぼさないと考えられる。

16.7 薬物相互作用

  1. 16.7.1 フェノバルビタール

    健康成人にフェノバルビタール100mg(14日間反復)を経口投与したとき、モンテルカストとして10mg2)(単回)を経口投与により併用するとモンテルカストのAUC0-∞は約40%減少した10)(外国人データ)。

    2) 承認された用法及び用量は、6歳以上の小児に1回5mgである。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

モンテルカストは、システイニルロイコトリエン タイプ1受容体(Cys LT1受容体)に選択的に結合し、炎症惹起メディエーターであるLTD4やLTE4による病態生理学的作用(気管支収縮、血管透過性の亢進、及び粘液分泌促進)を抑制する。この作用機序に基づき、モンテルカストは抗喘息作用として、喘息性炎症の種々の因子を改善する11)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

モンテルカストナトリウム(Montelukast Sodium)

化学名

Monosodium{1-[({(1R)-1-{3-[(1E)-2-(7-chloroquinolin-2-yl)ethenyl]phenyl}-3-[2-(2-hydroxypropan-2-yl)phenyl]propyl}sulfanyl)methyl]cyclopropyl}acetate

分子式

C35H35ClNNaO3S

分子量

608.17

性状

本品は白色~微黄白色の粉末である。
本品はメタノール及びエタノール(99.5)に極めて溶けやすく、水に溶けやすい。
本品は吸湿性である。
本品は光によって黄色に変化する。
本品は結晶多形が認められる。

化学構造式

20. 取扱い上の注意

  1. 20.1 アルミ袋開封後は、湿気を避けて遮光して保存すること。
  2. 20.2 本剤は、添加剤により錠剤表面に斑点が見られることがある。

22. 包装

28錠(PTP14錠×2)、100錠(PTP10錠×10)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

株式会社三和化学研究所 コンタクトセンター

〒461-8631名古屋市東区東外堀町35番地

TEL 0120-19-8130 FAX (052)950-1305

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

株式会社三和化学研究所

名古屋市東区東外堀町35番地 〒461-8631

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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