当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
味覚感度の判定
(1)味質指示表(別添)を被検者に持たせるか、前に置く。
(2)ろ紙ディスクを1枚耳用ピンセットでつまみ、S-1の味質溶液をディスクに滴下し、湿らせる程度とする。
(3)湿らせたディスクを所定の測定部位へ静かに置く。
(4)口を開けたまま2~3秒で味質指示表のうち1個の答を指示させる。
(5)ディスクは検者が再びピンセットで取り除く。
(6)正答が得られない時はS-2、S-3……と同様の操作を繰り返し、認知閾値を求める。
(7)残味を防ぐため水でよく含嗽させた後、1分間以上の間隔をおき、次の味質へ移る。
(8)塩味液、酸味液について同様に操作し、認知閾値を求める。味質を変更するときには水で含嗽させる。
(9)最後に苦味液について同様に操作し、認知閾値を求める。
(10)次に別の測定部位についても同じ操作を繰り返し、各部位の認知閾値を求める。
(下図の斜線部分)
味覚感度
No.1で認知
Ⅰ
No.2で認知
Ⅱ
No.3で認知
Ⅲ
No.4で認知
Ⅳ
No.5で認知
Ⅴ
No.5で認知不能
Ⅵ
No.5で認知不能症例でも、味質溶液1mLをピペットで滴下する全口腔法ではNo.2又はNo.3で味質を認知できる患者が多い。No.5の全口腔法でも認知不能例は、味質脱失とする。
正常者の1~2割の者が偽陽性と判定されるので、味覚障害の診断は慎重に行うこと。
日本大学耳鼻咽喉科・冨田らによる味覚正常者108名の味覚閾値分布1)。
6名の対象者に2日連続、同時刻に検査を実施し、再現性を検討した。各濃度表示のNo.1、No.2、No.3、No.4、No.5及びそれ以上をそれぞれ1、2、3、4、5、6とし、第1日目の閾値より第2日目の閾値が2段階上昇した場合を+2、1段階上昇を+1、変動無しを±0、1段階低下を-1、2段階低下を-2とし、味覚神経支配領域別、味質別、全平均での閾値変動を検討した2)。
変動
甘味
塩味
酸味
苦味
合計
鼓索神経領域
+2
1
+1
3
2
6
±0
8
5
7
26
-1
4
14
-2
-4
-8
平均
-0.33
-0.17
+0.17
大錐体神経領域
0
25
-3
-5
-0.25
-0.42
舌咽神経領域
24
16
-11
-0.08
-0.23
全体
検査数
36
144
変動合計
-9
-27
-0.31
-0.22
+0.03
-0.19
測定部位別の電気味覚検査とろ紙ディスク法の比較検討を次のように実施した3)。
電気味覚検査とろ紙ディスク法での正常・異常の関係の比較。
電気味覚検査は鼓索神経領域で≦8dBを正常、≧10dBを異常、舌咽神経領域で≦14dBを正常、≧16dBを異常、大錐体神経領域で≦22dBを正常、≧24dBを異常とした。ろ紙ディスク法はNo.1~No.3を正常、No.4以上を異常とした。
測定部位別の電気味覚検査(EGM)及びろ紙ディスク法(DISC)の正常・異常の関係
測定部位項目
右
左
全症例数
187
記載内容不備による脱落※1
41
42
解析対象症例数
173
146
145
EGM正常でかつDISCも正常※2
19(11.0)
17(9.8)
15(10.3)
14(9.6)
8(5.5)
4(2.8)
EGM正常だがDISCが異常
28(16.2)
44(30.1)
30(20.7)
(内訳)※3
1味質の異常
11(6.4)
9(5.2)
13(8.9)
11(7.5)
6(4.1)
2味質の異常
7(4.0)
9(6.2)
12(8.2)
5(3.4)
7(4.8)
3味質の異常
4(2.3)
6(3.5)
4味質の異常
17(11.7)
13(9.0)
EGM異常だがDISCは正常
5(2.9)
2(1.2)
2(1.4)
3(2.1)
1(0.7)
EGM異常でかつDISCも異常
121(69.9)
126(72.8)
85(58.2)
106(73.1)
109(75.2)
10(5.8)
15(8.7)
10(6.8)
16(9.2)
89(51.4)
86(49.7)
56(38.4)
60(41.1)
94(64.8)
100(69.0)
※1 記載内容不備による脱落……EGM又はDISCいずれか未測定等
※2 ( )内は解析対象症例数に対する各項目の比率(%)
※3 1、2、3、4味質の異常とは甘・塩・酸・苦のうちそれぞれ1種・2種・3種・4種の味質に異常が認められたことを示す。
一定面積のろ紙ディスクに、一定濃度の味質溶液を浸して、所定の測定部位へ置き、2~3秒後に感じた味を申告させ、認知閾値を決定する方法である。
10回用
1) 株式会社三和化学研究所社内資料:正常者の閾値分布
2) 株式会社三和化学研究所社内資料:再現性
3) 冨田 寛 他:薬理と治療. 1980;8:91-115
株式会社三和化学研究所 コンタクトセンター
〒461-8631 名古屋市東区東外堀町35番地
TEL 0120-19-8130 FAX(052)950-1305
株式会社三和化学研究所
名古屋市東区東外堀町35番地 〒461-8631
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.