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劇薬
処方箋医薬品注)
気道過敏性検査
メタコリン塩化物100mg(1バイアル)に日局生理食塩液を加え溶解及び希釈し、通常0.039~25mg/mLの範囲の適切な希釈系列の希釈液を調製する。成人及び小児ともに、調製した希釈系列を低濃度よりネブライザーを用いて吸入し、気道過敏性検査を実施する。
希釈液
調製方法
濃度
A
本剤100mg(1バイアル)に日局生理食塩液5mLを加え、溶解する。
20mg/mL
B
Aから3mLを別の容器に取り分け、日局生理食塩液3mLを加え、希釈する。
10mg/mL
C
Bから3mLを別の容器に取り分け、日局生理食塩液3mLを加え、希釈する。
5mg/mL
D
Cから3mLを別の容器に取り分け、日局生理食塩液3mLを加え、希釈する。
2.5mg/mL
E
Dから3mLを別の容器に取り分け、日局生理食塩液3mLを加え、希釈する。
1.25mg/mL
F
Eから3mLを別の容器に取り分け、日局生理食塩液3mLを加え、希釈する。
0.625mg/mL
G
Fから3mLを別の容器に取り分け、日局生理食塩液3mLを加え、希釈する。
0.313mg/mL
H
Gから3mLを別の容器に取り分け、日局生理食塩液3mLを加え、希釈する。
0.156mg/mL
I
Hから3mLを別の容器に取り分け、日局生理食塩液3mLを加え、希釈する。
0.078mg/mL
J
Iから3mLを別の容器に取り分け、日局生理食塩液3mLを加え、希釈する。
0.039mg/mL
本剤100mg(1バイアル)に日局生理食塩液4mLを加え、溶解する。
25mg/mL
Aから2mLを別の容器に取り分け、日局生理食塩液2mLを加え、希釈する。
12.5mg/mL
Bから2mLを別の容器に取り分け、日局生理食塩液2mLを加え、希釈する。
6.25mg/mL
Cから2mLを別の容器に取り分け、日局生理食塩液2mLを加え、希釈する。
3.125mg/mL
Dから2mLを別の容器に取り分け、日局生理食塩液2mLを加え、希釈する。
1.563mg/mL
Eから2mLを別の容器に取り分け、日局生理食塩液2mLを加え、希釈する。
0.781mg/mL
Fから2mLを別の容器に取り分け、日局生理食塩液2mLを加え、希釈する。
0.391mg/mL
Gから2mLを別の容器に取り分け、日局生理食塩液2mLを加え、希釈する。
0.195mg/mL
Hから2mLを別の容器に取り分け、日局生理食塩液2mLを加え、希釈する。
0.098mg/mL
Iから2mLを別の容器に取り分け、日局生理食塩液2mLを加え、希釈する。
0.049mg/mL
心血管系に作用して不整脈を起こすおそれがある。
心拍数、心拍出量の減少により、症状が悪化するおそれがある。
消化管運動の促進及び胃酸分泌作用により、症状が悪化するおそれがある。
副腎皮質機能低下による症状が悪化するおそれがある。
消化管又は排尿筋を収縮、緊張させ、閉塞状態が悪化するおそれがある。
痙攣を起こし、症状が悪化するおそれがある。
ドパミン作動性神経系とコリン作動性神経系に不均衡を生じ、症状が悪化するおそれがある。
症状が悪化するおそれがある。
重度の気管支収縮を発現する可能性がある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。
副作用発現に留意し、経過を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に呼吸機能が低下している。
β遮断薬 ビソプロロール アテノロール メトプロロール等
本剤による気管支収縮が増強又は持続する可能性がある。
双方の気管支平滑筋収縮作用が増強されるおそれがある。
コリン作動薬 アセチルコリン塩化物等コリンエステラーゼ阻害薬 ネオスチグミン臭化物等
本剤のコリン作動性作用に基づく副作用を増強させるおそれがある。
双方のコリン作動性作用が増強されるおそれがある。
β2刺激薬、抗コリン薬及びテオフィリンなどの抗喘息薬及び抗アレルギー薬、パパベリンを含む製剤、カフェインを含む飲食物
本剤による検査において、正確な検査結果が得られない可能性がある。
気管支拡張作用があり、本剤の作用と拮抗するおそれがある。
吸入ステロイド薬 フルチカゾンプロピオン酸エステル ブデソニド フルチカゾンフランカルボン酸エステル等
抗炎症作用があり、検査結果に影響するおそれがある。
重度の気管支収縮及び呼吸困難があらわれた場合は、直ちに速効型吸入用気管支拡張薬(吸入β2刺激薬)を投与するなど適切な処置を行うこと。,,,
5%以上
1~5%未満
呼吸器
咳嗽(12.5%)
喘鳴、酸素飽和度低下、呼吸音異常、息詰まり感
経口投与又は注射投与の場合、心停止及び意識消失を伴うおそれがある。
重篤な中毒反応については、アトロピン硫酸塩0.5~1mgを筋肉内又は静脈内投与する。
残液は適切な方法で廃棄すること。
喫煙者の慢性閉塞性肺疾患又はその他の病態生理学的原因により、1秒率(FEV1%)が70%未満の慢性の気流制限がある場合、気道過敏性検査で陽性となる可能性がある。また、喘息症状のないアレルギー性鼻炎を有する患者又は将来喘息症状を発症し得る被験者でも陽性となる可能性がある。
健康成人(男女13例)に0.039~25mg/mLの本剤を漸増吸入して気道過敏性検査を実施し、最高濃度25mg/mLを吸入投与した後の全血中メタコリン濃度推移及び薬物動態パラメータを以下に示す3)。
吸入濃度
Cmax(ng/mL)
Tmax(min)
AUC0-∞(ng・min/mL)
t1/2(min)
3.31±1.43
8.5(3.0-15.0)
234±116
71.4±37.2
(各値は平均値±標準偏差、ただしTmaxは中央値(最小値-最大値)、n=13)
メタコリンはアセチルコリンエステラーゼにより加水分解される4)。ヒト血液中においてメタコリンは速やかに代謝され、インキュベート後15秒における血液中残存率は52.7%であったが、それ以降の代謝は緩やかとなり、終末相におけるメタコリンのt1/2は175分であった5)(in vitro)。
成人喘息患者15例(吸入ステロイド剤で治療中11例、73.3%)、健康成人15例を対象に、本剤注1)による気道過敏性検査を実施し、PC20(FEV1がベースライン値より20%低下する濃度)を測定した。PC20の基準値を8mg/mLとした場合、喘息患者での陽性率(感度)は66.7%、健康成人での陰性率(特異度)は86.7%であった。喘息患者において本剤との因果関係ありと判断された有害事象が15例中1例(6.7%)で4件(咳嗽、喘鳴、呼吸困難及び酸素飽和度低下が各1件)認められたが、すべて気道過敏性検査に伴う気道収縮により通常発現する生体反応と判断された。健康成人では有害事象は認められなかった3)。
小児喘息患者10例(吸入ステロイド剤で治療中9例、90.0%)を対象に、本剤注1)による気道過敏性検査を実施し、PC20を測定した。PC20が8mg/mL以下であった症例の割合は70.0%であった。本剤との因果関係ありと判断された有害事象が10例中7例(70%)で7件(主な事象は咳嗽4件、40%)認められたが、すべて気道過敏性検査に伴う気道収縮により通常発現する生体反応と判断された3)。
気管支平滑筋の収縮及び気管支分泌物の増加は、副交感神経(コリン作動性)支配を受けており、迷走神経の刺激によって、神経末端からアセチルコリンが放出され、受容体に作用することで生じる。メタコリンはアセチルコリンのβメチル同族体であり、直接アセチルコリン受容体に作用する4)。喘息を有する被験者がメタコリンを含む溶液を吸入した場合、健康被験者と比べてメタコリンに対する感受性が高く、より低用量で気管支収縮が生じる。この反応の差がメタコリン負荷試験の薬理学的根拠となっている。
摘出ヒト気管組織標本を用い、気管平滑筋の収縮に対するメタコリンの作用を評価した。ヒト気管平滑筋標本をKrebs溶液中で120分間平衡化させた後、メタコリン溶液で段階的に濃度を上げて処理し、標本より発生する張力を等尺性に測定した。その結果、メタコリンは1~100μmol/Lの適用で濃度に依存した収縮作用を示した6)(in vitro)。
摘出ヒト気管組織標本を用いた器官培養において、[3H]glucosamine、[14C]glucosamine、[3H]threonine及びNa2[35S]O4をトレーサーに用いて、粘液糖タンパク質分泌に対するメタコリンの作用を検討した。予め摘出ヒト気管組織標本を各トレーサーを含む培養液で16時間培養した後、これらを含まないコントロール培地にメタコリンを溶解させた培養液で4時間培養した。それぞれの培養上清の放射線量を測定して比を求め、粘液糖タンパク質分泌の指標とした。その結果、メタコリンは100μmol/Lの濃度で、気管組織の粘液糖タンパク質の分泌をコントロール培地と比較して62%増加させた。アトロピンは100μmol/Lの濃度でメタコリンの作用を阻害した7)(in vitro)。
メタコリン塩化物(Methacholine Chloride)
(2RS)-2-Acetoxy-N, N, N-trimethylpropylaminium chloride
C8H18ClNO2
195.69
本品は白色の結晶性の粉末である。本品は水、エタノール(99.5)及びクロロホルムに溶けやすい。
170~173℃
1バイアル
1) 日本呼吸器学会 肺生理専門委員会 編:臨床呼吸機能検査 第7版,メディカルレビュー社. 2008;181-187
2) Crapo RO, et al.:Am J Respir Crit Care Med. 2000;161:309-329
3) 相良博典 他:アレルギー. 2016;65:32-40
4) Brown JH, et al.:Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics, 9th Ed. 1996:141-160
5) 社内資料:in vitro 代謝試験(承認年月日:2016年1月22日、CTD2.6.4.5.1)
6) Jones TR, et al.:Can J Physiol Pharmacol. 1982;60:638-643
7) Shelhamer JH, et al.:J Clin Invest. 1980;66:1400-1408
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