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処方箋医薬品注)
オピオイド誘発性便秘症
通常、成人にはナルデメジンとして1回0.2mgを1日1回経口投与する。
オピオイドの投与を中止する場合は本剤の投与も中止すること。
消化管潰瘍、憩室疾患、浸潤性消化管がん、がんの腹膜転移、クローン病などの患者では、消化管穿孔の危険性が高まるおそれがある。
脳腫瘍(転移性を含む)などの患者では、オピオイド離脱症候群又はオピオイドの鎮痛作用の減弱を起こすおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験において、ウサギで流産及び早産、胎児体重の低値、ラットで分娩中の母動物の死亡、出生率及び出生児生存率の低下、並びに発育遅延が報告されている。また、ラットで胎児への移行が認められているが、いずれの動物種でも催奇形性は認められていない1)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットで乳汁中への移行が報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
一般に生理機能が低下している。
,
本剤の血中濃度が上昇し、副作用が発現するおそれがある。
CYP3A4を介する本剤の代謝が阻害される。
本剤の血中濃度が低下し、効果が減弱するおそれがある。
CYP3A4を介する本剤の代謝が促進される。
本剤の血中濃度が上昇し、副作用が発現するおそれがある。また、血液脳関門への影響により、本剤の脳内濃度が上昇するおそれがある。
P-糖蛋白を介する本剤の輸送が阻害される。
脱水症状まで至ることがあるため、異常が認められた場合には補液等の適切な処置を行うこと。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
消化器
下痢(21.3%)
腹痛、嘔吐、悪心、食欲減退
*その他
ALT増加、AST増加
倦怠感
オピオイド離脱症候群
海外臨床試験(0.01~3mg単回投与)において、1mgを投与した場合に、重度の悪心、胃痙攣を含むオピオイド離脱症候群が認められている。
特異的な解毒剤はない。本剤は血液透析により除去されない。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男女に、0.2mgを空腹時(15例)又は食後(高脂肪食)(18例)に単回経口投与したときのナルデメジンの薬物動態パラメータを表16-1に、平均血漿中濃度推移を図16-1に示す。空腹時投与と比べ食後投与でCmaxは35%減少したが、AUCはほぼ同様の値であった。Tmaxは空腹時の0.75時間から2.50時間に遅延した。食事摂取による吸収の遅延が示唆されたが、吸収量への影響は認められなかった2)(外国人データ)。
投与量(㎎)
食事条件
例数
Cmax※1(ng/mL)
Tmax※2(hr)
AUC0-inf※1(ng・hr/mL)
T1/2,z※1(hr)
0.2
空腹時投与
15
3.07(18.7%)
0.75(0.50、2.00)
23.79※3(17.1%)
10.9※3(14.3%)
食後投与
18
2.01(19.0%)
2.50(0.75、5.02)
23.13(14.0%)
10.9(17.9%)
※1:幾何平均値(%変動係数)
※2:中央値(最小値、最大値)
※3:14例
健康成人男性各9例に3注1)、10注1)、30mg注1)を1日1回10日間空腹時反復経口投与したとき、血漿中濃度は2日以内に定常状態に達し、Cmax及びAUCはわずかに蓄積(1~1.3倍)した3)。
オピオイド誘発性便秘症(OIC)を有するがん患者に0.2mgを1日1回14日間経口投与したときの投与1日目の薬物動態パラメータを表16-2に示す4)。
16
2.02(31.4%)
2.00(0.96、11.50)
23.79※3(19.7%)
9.53※4(19.7%)
※3:8例
※4:13例
OICを有する非がん性慢性疼痛患者に0.2mgを1日1回28日間反復経口投与したときの投与1日目及び28日目の薬物動態パラメータを表16-3に示す5),6)(外国人データ)。
日数
AUC0-τ※1(ng・hr/mL)
1
9
1.89(48.2%)
1.03(0.97、4.02)
15.95※3(42.6%)
8.47※4(35.9%)
28
4
2.00(22.7%)
1.00(1.00、1.03)
16.94(46.6%)
7.11(28.7%)
※4:7例
0.02~2μg/mLの濃度範囲で、ヒト血清蛋白結合率は93.2~94.2%7)、ヒト血球移行率は13.9~15.5%8)であった(in vitro試験)。
放射能で標識した[carbonyl-14C]-ナルデメジン及び[oxadiazole-14C]-ナルデメジン2mg注1)をそれぞれ健康成人男性6例に空腹時単回経口投与したとき、[oxadiazole-14C]-ナルデメジン投与では投与された放射能の57.3%及び34.8%がそれぞれ尿及び糞中に排泄され、[carbonyl-14C]-ナルデメジン投与では投与された放射能の20.4%及び64.3%がそれぞれ尿及び糞中に排泄された。投与量の約20%が尿中に未変化体として排泄された9)(外国人データ)。
健康成人、軽度~重度腎機能障害患者、血液透析を要する末期腎機能不全(ESRD)患者各6~8例に0.2mgを単回経口投与したとき、健康成人と比較し、軽度、中等度、重度の腎機能障害患者及びESRD患者でAUC0-infの比がそれぞれ1.08、1.06、1.38、0.83倍であった。ナルデメジンは血液透析により除去されなかった11)(外国人データ)。
健康成人、軽度(Child-Pugh分類A)、中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害患者各8例に0.2mgを単回経口投与したとき、健康成人と比べ軽度及び中等度の肝機能障害患者でAUC0-infの比がそれぞれ0.83及び1.05倍であった12)(外国人データ)。
母集団薬物動態解析で、OICを有するがん患者の高齢患者(65~85歳)47例と非高齢患者(37~64歳)50例を比較した結果、年齢は本剤の薬物動態に影響を及ぼさなかった。また、OICを有する非がん性慢性疼痛患者の高齢患者(65~79歳)58例と非高齢患者(19~64歳)387例を比較した結果、年齢は本剤の薬物動態に影響を及ぼさなかった13)(外国人データ)。
本剤又はプラセボ投与開始日前14日間のオピオイド投与量が安定し、かつその間の自発排便回数が5回以下であるOICを有するがん患者に、本剤0.2mg又はプラセボを2週間投与した。主要評価指標である自発排便レスポンダー率は表17-1のとおりであり、本剤のプラセボに対する優越性が示された。
投与群
レスポンダー率※1
レスポンダー率の95%信頼区間※2
プラセボ群との対比較
下限
上限
群間差(標準誤差)
p値※3
プラセボ
96
34.4%
25.0%
44.8%
36.8%
(6.7%)
<0.0001*
0.2mg
97
71.1%
61.0%
79.9%
※1:自発排便回数が3回/週以上かつベースラインから1回/週以上増加した患者の割合
※2:Clopper-Pearson法
※3:カイ二乗検定
*:有意差あり(p<0.05)
副作用発現頻度は21.6%(21/97例)であった。主な副作用は下痢17.5%(17/97例)、腹痛2.1%(2/97例)、嘔吐2.1%(2/97例)であった18),19)。
OICを有するがん患者131例を対象として、本剤0.2mgを12週間投与した。患者報告型便秘症状評価(PAC-SYM)の全体スコア、患者報告型便秘QOL評価(PAC-QOL)の全体及び満足度スコアは治療期間にわたりベースラインと比較し有意な改善がみられた。最終観測時点のPAC-SYM(全体)レスポンダー率は18.5%、PAC-QOL(満足度)レスポンダー率は35.3%であった。
副作用発現頻度は15.3%(20/131例)であった。主な副作用は下痢9.2%(12/131例)であった20)。
本剤投与開始日前14日間のオピオイド投与量が安定し、かつその間の自発排便回数が5回以下であるOICを有する非がん性慢性疼痛患者53例を対象に本剤0.2mgを48週間投与した(2試験の併合)。有効性評価項目未観測1例を除く計52例における、投与2週間での自発排便レスポンダー率は82.7%であった。
副作用発現頻度は32.1%(17/53例)であった。主な副作用は下痢18.9%(10/53例)、腹痛5.7%(3/53例)であった21)。
ナルデメジンは末梢性μオピオイド受容体拮抗薬(peripherally-acting mu-opioid receptor antagonist: PAMORA)で、消化管に存在するμオピオイド受容体に結合し、オピオイドの末梢性作用に拮抗することによりOICを改善する22),23)。
受容体結合実験において、選択的なヒト組換えμ、δ及びκオピオイド受容体結合親和性を示した24)(in vitro試験)。
ヒト組換えμ、δ及びκオピオイド受容体に対し、アンタゴニスト活性を示し、アゴニスト活性を示さなかった24)(in vitro試験)。
単回経口投与により、ラットでモルヒネ及びオキシコドン皮下投与により誘発される小腸輸送能阻害作用及びヒマシ油誘発下痢モデルにおけるモルヒネにより誘発される便秘に対する改善が0.03mg/kg以上で認められた25)。
ラットに皮下投与したモルヒネの鎮痛作用に対し、単回経口投与で3mg/kgまで有意な影響を及ぼさなかった26)。
モルヒネ依存ラットへの単回経口投与で1mg/kgの用量まで中枢性のオピオイド離脱症状は認められなかった27)。
ナルデメジントシル酸塩(Naldemedine Tosilate)(JAN)
(5R)-17-(Cyclopropylmethyl)-6,7-didehydro-4,5-epoxy-3,6,14-trihydroxy-N-[2-(3-phenyl-1,2,4-oxadiazol-5-yl)propan-2-yl]morphinan-7-carboxamide mono(4-methylbenzenesulfonate)
C32H34N4O6・C7H8O3S
742.84
白色~微褐白色の粉末である。ジメチルスルホキシドに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、水又はエタノール(99.5)に溶けにくく、アセトニトリルに極めて溶けにくい。
明確な融点は示さない。
1.02[1-オクタノール/水]
遮光して保存すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
14錠[14錠(PTP)×1]50錠[10錠(PTP)×5]
1) 社内資料:生殖発生毒性試験(2017/3/30承認、申請資料概要2.6.6.6)〔201700044〕
2) 社内資料:商用製剤と治験用製剤とのBA/FE試験(2017/3/30承認、申請資料概要2.7.6.2)〔201700053〕
3) 社内資料:健康成人を対象とした反復投与試験(2017/3/30承認、申請資料概要2.7.6.4)〔201700052〕
4) 社内資料:がん患者を対象とした日韓後期第Ⅱ相用量設定試験(2017/3/30承認、申請資料概要2.7.6.12)〔201700054〕
5) 社内資料:非がん性慢性疼痛患者を対象とした海外後期第Ⅱ相用量設定試験(2017/3/30承認、申請資料概要2.7.6.18)〔201700055〕
6) Webster LR. et al.: Pain Med. 2017;18:2350-2360〔202000096〕
7) 社内資料:In vitro蛋白結合(2017/3/30承認、申請資料概要2.6.4.4)〔201700031〕
8) 社内資料:血球移行性(2017/3/30承認、申請資料概要2.6.4.4)〔201700032〕
9) 社内資料:海外マスバランス試験(2017/3/30承認、申請資料概要2.7.6.5)〔201700061〕
10) 社内資料:In vitro代謝試験(2017/3/30承認、申請資料概要2.6.4.5)〔201700034〕
11) 社内資料:腎機能障害患者での薬物動態試験(2017/3/30承認、申請資料概要2.7.6.6)〔201700059〕
12) 社内資料:肝機能障害患者での薬物動態試験(2017/3/30承認、申請資料概要2.7.6.7)〔201700060〕
13) 社内資料:母集団薬物動態解析(2017/3/30承認、申請資料概要2.7.2.3)〔201700068〕
14) 社内資料:In vitro薬物相互作用試験(2017/3/30承認、申請資料概要2.6.4.7)〔201700035〕
15) 社内資料:シクロスポリンとの薬物相互作用試験(2017/3/30承認、申請資料概要2.7.6.8)〔201700063〕
16) 社内資料:リファンピシンとの薬物相互作用試験(2017/3/30承認、申請資料概要2.7.6.9)〔201700065〕
17) 社内資料:イトラコナゾール又はフルコナゾールとの薬物相互作用試験(2017/3/30承認、申請資料概要2.7.6.10)〔201700066〕
18) 社内資料:がん患者を対象とした国内第Ⅲ相検証試験(2017/3/30承認、申請資料概要2.7.6.13、2.7.4.7)〔201700047〕
19) Katakami N. et al.: J Clin Oncol. 2017;35:3859-3866〔201700421〕
20) 社内資料:がん患者を対象とした国内第Ⅲ相継続投与試験(2017/3/30承認、申請資料概要2.7.6.14、2.7.4.7)〔201700048〕
21) 社内資料:非がん性慢性疼痛患者を対象とした国内第Ⅲ相オープンラベル試験の併合(2017/3/30承認、申請資料概要2.7.3.3、2.7.4.7)〔201700050〕
22) Kanemasa T. et al.: Neurogastroenterol Motil. 2019;31:e13563〔201900207〕
23) Watari R. et al.: Drug Metab Pharmacokinet. 2019;34:126-133〔202000097〕
24) 社内資料:ナルデメジンの効力を裏付けるIn vitro試験(2017/3/30承認、申請資料概要2.6.2.2)〔201700036〕
25) 社内資料:ラットにおける便秘改善作用(2017/3/30承認、申請資料概要2.6.2.2)〔201700037〕
26) 社内資料:ラットにおけるモルヒネ鎮痛に対する作用(2017/3/30承認、申請資料概要2.6.2.3)〔201700038〕
27) 社内資料:その他の毒性試験(2017/3/30承認、申請資料概要2.6.6.8)〔201700045〕
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