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処方箋医薬品注)
待機的な観血的手技を予定している慢性肝疾患患者における血小板減少症の改善
通常、成人にはルストロンボパグとして3mgを1日1回、7日間経口投与する。
血栓症又は血栓塞栓症の発現リスクが高くなるおそれがある。臨床試験では除外されている。
投与しないこと。血中濃度が上がるおそれがある。臨床試験では除外されている。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠ラットに、80mg/kg/日(AUC比較で臨床曝露量の約143倍)を投与した場合に、胎児の発育抑制、40mg/kg/日(約131倍)を投与した場合に、胎児の頸部短小過剰肋骨(変異)の発現増加、母動物の妊娠期間の延長、出生児の生存性低下及び発育抑制、次世代の受胎能、黄体数及び着床数の低下傾向、並びに着床前死亡率の増加傾向、4mg/kg/日(約13倍)以上を投与した場合に、胎児の胸腰部短小過剰肋骨(変異)の発現増加が報告されている。また、ラットで胎児への移行が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットで乳汁中に移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
一般に生理機能が低下している。
門脈血栓症、腸間膜静脈血栓症等があらわれることがある。,
2~5%未満
2%未満
頻度不明
皮膚
発疹
血液
白血球数減少
血中フィブリノゲン減少、フィブリンDダイマー増加、FDP増加
肝臓
AST上昇、ALT上昇、ビリルビン上昇
消化器
悪心
精神神経系
頭痛
その他
発熱
倦怠感、疼痛
回転性めまい、血圧上昇、血中カリウム増加、関節痛
血小板数が過剰に増加し、血栓症、血栓塞栓症を起こすおそれがある。
血小板数の検査を頻回に行い、患者の状態を十分に観察すること。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
本剤はヒト及びチンパンジー以外のトロンボポエチン受容体に対し親和性を持たず、ヒト及びチンパンジー以外の動物に対して薬理活性を示さない。このため毒性試験において、薬理活性に付随する影響は評価されていない。
健康成人男性各6例に、1注、2注、4mg注を空腹時単回経口投与したときの薬物動態パラメータを表16-1に示す。
Cmax、AUCはいずれも投与量に比例して増大し、終末相消失半減期(T1/2,z)、みかけの全身クリアランス(CL/F)は投与量に依存しなかった1)。
投与量
(mg)
例数
Cmax※1(ng/mL)
Tmax※2(hr)
AUC0-inf※1(ng・hr/mL)
T1/2,z※1(hr)
CL/F※1(L/hr)
1
6
44.9(29.1)
4.0(3.5-4.0)
1340(21.5)
23.2(17.8)
0.748(21.4)
2
89.7(15.8)
3.8(3.5-4.0)
2210(16.0)
20.4(7.9)
0.905(15.9)
4
213(5.7)
5290(8.1)
20.5(9.0)
0.757(8.1)
※1:幾何平均値(%変動係数)
※2:中央値(最小値-最大値)
健康成人男性各6例に、0.25注、0.5注、2mg注を1日1回朝食後14日間注反復経口投与したときの薬物動態パラメータを表16-2に、初回投与直前~初回投与後168時間(8日目投与直前)までの血漿中濃度推移を図16-1に示す。
トラフ時の血漿中濃度は本剤の投与開始5日目以降に定常状態に達した。定常状態でのCmax及びAUC0-τは初回投与時の約2倍であった2)。
投与量(mg)
投与日
AUC0-τ※1(ng・hr/mL)
0.25
8.48(6.8)
8.0(5.0-10.0)
135(8.1)
-
7
19.7(5.3)
8.0(4.0-10.0)
333(11.9)
14
18.0(11.7)
6.5(4.0-10.0)
317(13.0)
27.8(6.5)
0.5
5
19.2(9.6)
327(7.1)
34.9(13.6)
657(12.8)
38.9(13.7)
6.0(4.0-6.0)
703(10.4)
32.0(10.2)
6※3
78.3(16.7)
4.0(4.0-10.0)
1280(12.3)
159(16.6)
2670(12.6)
156(5.7)
4.0(4.0-4.0)
2630(8.1)
30.1(11.7)
※3:14日目のみ5例
慢性肝疾患による血小板減少患者16例に3mgを1日1回7日間反復経口投与したときの、投与5日目以降のT1/2,zの幾何平均値(%変動係数)は、38.3時間(18.7%)であった3),4)。
慢性肝疾患による血小板減少患者7例に3mgを1日1回7日間反復経口投与したときの投与5日目の薬物動態パラメータを表16-3に、投与5日目の投与直前と投与後2、4、6、8、24時間の血漿中濃度推移を図16-2に示す5)。
Cmax※1
(ng/mL)
Tmax※2
(hr)
AUC0-τ※1
(ng・hr/mL)
3
250 (32.0)
6.0 (2.0-8.0)
4799 (32.9)
日本人健康成人男性15例に4mg注を空腹時又は食後(高脂肪食)に単回経口投与したとき、Cmax及びAUCに食事の影響はみられなかった6),7)。
ヒト血漿蛋白結合率は99.9%以上であった8)(in vitro試験)。
健康成人7例に14C-標識ルストロンボパグ2mg注を単回経口投与したときの血漿中代謝物を検索した結果、血漿中放射能の大部分は未変化体であり、代謝物として、β酸化カルボン酸、β酸化カルボン酸タウリン抱合体、脱ヘキシル体及びグルクロン酸抱合体が微量検出された。一方、糞中において、未変化体の割合は低く、β酸化関連代謝物が投与された放射能の約35%検出された9)(外国人データ)。これらの結果から、ルストロンボパグの主要な代謝経路はO-ヘキシル側鎖におけるω酸化及びそれに続くβ酸化であると推定された。
ルストロンボパグのω酸化(β酸化の初発反応)に関与する主な代謝酵素はCYP4A11を含むCYP4系酵素であることが示され、CYP3A4も一部関与する可能性が示唆された10)(in vitro試験)。
健康成人7例に14C-標識ルストロンボパグ2mg注を単回経口投与したとき、投与された放射能のうち約84%が投与後336時間までに回収され、約83%が糞中に、約1%が尿中に排泄された9)(外国人データ)。
健康成人、軽度(Child-Pugh分類A)及び中等度(Child-Pugh分類B)肝機能障害者各8例に0.75mg注を単回経口投与したとき、軽度肝機能障害者のCmax及びAUC、中等度肝機能障害者のCmaxは健康成人と同程度であり、中等度肝機能障害者のAUCは健康成人より約20%高かった11)(外国人データ)。
投与群
健康成人に対する比※2
Cmax(ng/mL)
AUC0-inf(ng・hr/mL)
健康成人
8
14.9(30.9)
328.4(20.6)
―
肝機能障害者
軽度
15.4(29.8)
344.1(25.6)
1.03(0.80,1.33)
1.05(0.85,1.30)
中等度
14.9(29.8)
395.6(28.7)
1.00(0.77,1.29)
1.20(0.97,1.49)
※2:幾何最小二乗平均の比(90%信頼区間)
母集団薬物動態解析で高齢患者(65~84歳)60例と非高齢患者(49~64歳)41例を比較した結果、年齢は本剤の薬物動態に影響を及ぼさなかった12)。
注)本剤の承認された用法・用量は、ルストロンボパグとして3mgの1日1回7日間経口投与である。
待機的な観血的手技を予定している慢性肝疾患患者(試験登録時の血小板数が5万/μL未満)に、本剤3mgを1日1回7日間反復経口投与したときの有効性について、プラセボを対照に二重盲検下で比較した。観血的手技は、投与開始から9~14日目の間に実施し、観血的手技の実施直前の血小板数が5万/μL未満の場合には血小板輸血を実施した。,全体集団における投与開始前の血小板数の平均値(最小-最大)は、4.04万/μL(2.3-5.5)であり、実施された観血的手技は、経皮的肝癌焼灼術、内視鏡的静脈瘤結紮術、内視鏡的硬化療法、肝動脈化学塞栓療法、アルゴンプラズマ凝固療法、肝生検及び経皮的エタノール注入療法であった。主要評価項目である観血的手技前の血小板輸血回避率(初回の観血的手技実施前に血小板輸血をしなかった患者の解析対象集団に占める割合)は、本剤投与群79.2%(48例中38例)、プラセボ投与群12.5%(48例中6例※)であった。副次評価項目である本剤投与群の血小板輸血回避患者における血小板数5万/μL以上の維持日数の中央値(最小-最大)は、22.1日間(5.7-33.5)であった。同じく副次評価項目である、本剤投与群の血小板輸血回避患者38例及びプラセボ投与群の血小板輸血実施患者41例※の血小板数の推移を図17-1に示す。なお、プラセボ投与群での1回あたりの血小板輸血量の平均値は12.3単位であった15),16)。
※:プラセボ投与群のうち1例は観血的手技前の血小板輸血実施可否を判断する前に試験を中止し血小板輸血をしなかったが、輸血回避率の集計では回避されなかった症例として扱った。
副作用発現頻度は8.3%(4/48例)であった。副作用は悪心4.2%(2/48例)、疼痛、発熱、門脈血栓症、頭痛2.1%(各1/48例)であった15),16)。
ルストロンボパグはヒトトロンボポエチン受容体に選択的に作用し、トロンボポエチンの一部のシグナル伝達経路を活性化することによりヒト骨髄前駆細胞から巨核球系への細胞の増殖ならびに分化誘導を促進し、血小板数を増加させる17)。
慢性肝疾患による血小板減少患者(成人)8例に3mgを1日1回7日間反復経口投与したとき、アデノシン二リン酸又はコラーゲン誘発の血小板凝集能やアデノシン二リン酸誘発による血小板放出能(P-セレクチンの発現)に対して影響は認められなかった19)。
ルストロンボパグ(Lusutrombopag)(JAN)
(2E)-3-{2,6-Dichloro-4-[(4-{3-[(1S)-1-(hexyloxy)ethyl]-2-methoxyphenyl}-1,3-thiazol-2-yl)carbamoyl]phenyl}-2-methylprop-2-enoic acid
C29H32Cl2N2O5S
591.55
白色~微黄白色の結晶性の粉末である。N,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けにくく、アセトニトリルに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
185.8℃
有機層に分配され、水層への分配は認められなかった。
7錠[7錠(PTP)×1]
1) 社内資料:健康成人における単回投与試験(2015/9/28承認、申請資料概要2.7.6.4)〔201500886〕
2) 社内資料:健康成人における反復投与試験(2015/9/28承認、申請資料概要2.7.6.5)〔201500887〕
3) 社内資料:慢性肝疾患による血小板減少患者を対象とした後期第2相臨床試験(2015/9/28承認、申請資料概要2.7.6.15)〔201500896〕
4) Tateishi,R. et al.: J Gastroenterol. 2019;54:171-181〔201800307〕
5) 社内資料:慢性肝疾患による血小板減少患者を対象とした前期第2相臨床試験(2015/9/28承認、申請資料概要2.7.6.14)〔201500895〕
6) 社内資料:食事の影響検討試験(2015/9/28承認、申請資料概要2.7.6.3)〔201500889〕
7) Katsube,T. et al.: Clin Ther. 2019;41:1747-1754〔201900426〕
8) 社内資料:ヒト蛋白結合率(2015/9/28承認、申請資料概要2.6.4.4.4)〔201500884〕
9) 社内資料:健康成人におけるマスバランス試験(2015/9/28承認、申請資料概要2.6.4.5.7、2.7.6.8)〔201500892〕
10) 社内資料:責任代謝酵素同定試験(2015/9/28承認、申請資料概要2.6.4.5.7)〔201500878〕
11) 社内資料:肝機能障害者での薬物動態試験(2015/9/28承認、申請資料概要2.7.6.9)〔201500891〕
12) 社内資料:母集団薬物動態解析(2015/9/28承認、申請資料概要2.7.2.3.5)〔201500890〕
13) 社内資料:ヒトトランスポーター基質評価(2015/9/28承認、申請資料概要2.6.4.7.5)〔201500881〕
14) 社内資料:健康成人でのミダゾラムとの薬物相互作用試験(2015/9/28承認、申請資料概要2.7.6.10)〔201500893〕
15) 社内資料:慢性肝疾患による血小板減少患者を対象とした第3相臨床試験(2015/9/28承認、申請資料概要2.7.6.16)〔201500897〕
16) Hidaka,H. et al.: Clin Gastroenterol Hepatol. 2019;17:1192-1200〔201800458〕
17) 社内資料:In vitroにおける作用(2015/9/28承認、申請資料概要2.6.2.2、2.6.2.3)〔201500860〕
18) 社内資料:In vivoにおける作用(2015/9/28承認、申請資料概要2.6.2.2)〔201500861〕
19) 社内資料:慢性肝疾患による血小板減少患者を対象とした血小板機能試験(2015/9/28承認、申請資料概要2.7.6.12)〔201500898〕
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〒541-0045大阪市中央区道修町3丁目1番8号
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本製剤の使用上の注意において、「開腹、開胸、開心、開頭又は臓器切除を伴う観血的手技の場合は、本剤の投与を避けること。」とされていることから、このような症例には使用しないこと。また、観血的手技の名称及び実施予定年月日を診療報酬明細書の摘要欄に記入すること。
塩野義製薬株式会社
大阪市中央区道修町3丁目1番8号
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