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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の使用は、特発性肺線維症の治療に精通している医師のもとで行うこと。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
特発性肺線維症
通常、成人にはピルフェニドンとして初期用量1回200mgを1日3回(1日600mg)食後に経口投与し、患者の状態を観察しながら1回量を200mgずつ漸増し、1回600mg(1日1800mg)まで増量する。なお、症状により適宜増減する。
腎機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
肝機能障害を悪化させるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。ラットにおいて、妊娠期間の延長及び出生率の低下、胎児への移行が認められている。また、ウサギでは、流産又は早産が認められている。なお、いずれの動物試験においても催奇形性は認められなかった1),2)。
授乳しないことが望ましい。ラットにおいて、乳汁中への移行及び哺育中期以降に出生児の体重増加抑制が認められている1),3)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
一般に生理機能が低下している。
本剤のAUCが約4倍増加したとの報告がある4)。
これらの薬剤はCYP1A2を阻害する。
本剤のAUCが約1.8倍増加したとの報告がある4)。
本剤のAUCが約50%に減少したとの報告がある5)。
喫煙はCYP1A2を誘導する。
AST、ALT等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれ、肝不全に至ることがある。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
皮膚
光線過敏症(51.7%)、発疹
そう痒、紅斑、湿疹、扁平苔癬
消化器
食欲不振(23.0%)、胃不快感(14.0%)、嘔気(12.1%)、下痢、胸やけ
腹部膨満感、嘔吐、便秘、逆流性食道炎、口内炎、腹部不快感、腹痛、口唇炎
口唇びらん
循環器
動悸
精神神経系
眠気、めまい、ふらつき(感)
頭痛、頭重
抑うつ、不安、不眠
肝臓
γ-GTP上昇(20.0%)、AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、LDH上昇
ビリルビン上昇
血液
白血球増加、好酸球増加
血小板減少
その他
倦怠感
体重減少、発熱、味覚異常、筋骨格痛、ほてり
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男性各6例に本剤200mg、400mg及び600mgを空腹時単回経口投与したときの血漿中濃度を図16-1に、薬物動態パラメータを表16-1に示す。Cmax、AUCはいずれも投与量に比例して増大した11)。
投与量(mg)
例数
Cmax(μg/mL)
Tmax(hr)
AUC0-48(μg・hr/mL)
T1/2(hr)
200
6
3.88±0.82
0.75±0.27
13.97±2.71
2.10±0.45
400
9.24±1.74
0.58±0.20
29.10±11.77
1.96±0.55
600
10.57±1.78
0.83±0.26
37.03±11.97
1.76±0.40
(測定法:HPLC)(平均値±標準偏差)
健康成人男性12例に本剤200mg、400mg及び600mgを漸増法でそれぞれ1日3回朝、昼、夕の毎食後6日間(投与第1日目及び6日目は朝と昼投与の1日2回)計18日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータを表16-2に示す。各投与量における投与第1日目と6日目の血漿中濃度はほぼ同様の時間推移を示し、投与第6日目のCmax、AUCはいずれも投与量にほぼ比例して増大した11)。
1回投与量(mg)
投与日(通算)
Cmax0-4※1(μg/mL)
Tmax0-4※1(hr)
Cmax4-24※2(μg/mL)
Tmax4-24※2(hr)
AUC0-24※3(μg・hr/mL)
12
1
2.71±0.91
1.08±0.47
2.83±1.12
6.04±1.05
19.17±6.46
2.17±0.30
3.06±1.28
1.08±0.82
2.70±0.51
6.29±0.96
22.03±5.47
2.25±0.29
1(7)
4.94±1.29
1.79±0.89
6.22±1.59
5.79±1.36
46.13±10.01
2.42±0.48
6(12)
6.19±1.89
1.17±0.54
5.91±2.09
6.38±1.15
48.69±11.21
2.36±0.38
1(13)
8.20±1.29
1.25±0.45
9.21±1.97
6.33±1.15
77.22±15.44
2.53±0.42
6(18)
8.19±1.54
1.71±0.54
10.00±1.70
6.13±1.00
82.31±16.50
2.55±0.45
※1:朝投与における値
※2:昼投与における値
※3:1日2回投与における値
健康成人男性6例に本剤400mgを食後及び空腹時単回経口投与したときの血漿中濃度を図16-2に、薬物動態パラメータを表16-3に示す。食事によりCmax、AUCは有意に低下し、Tmaxは有意に遅延した11)。
食後
4.88±1.72
1.83±0.75
22.13±10.63
1.77±0.55
空腹時
ラットに[14C]-ピルフェニドン100mg/kgを単回経口投与したとき、血漿より高い放射能濃度を示す臓器・組織は、肝臓、腎臓、膵臓及び包皮腺であった。大部分の臓器・組織中放射能濃度は、投与後5~30分に最高濃度を示した後、半減期4~7時間で消失したが、包皮腺の半減期は他組織に比べ長く約15時間であった12)。
健康成人に本剤600mgを空腹時単回経口投与したとき、限外ろ過法にて測定した血清蛋白結合率は、投与後1時間及び3時間後において、54~62%であった11)。
ヒト肝ミクロソームにおいて、主に肝代謝酵素CYP1A2で代謝され、CYP2C9、2C19、2D6及び2E1も本剤の代謝に関与している13)(in vitro)。
健康成人男性各6例に本剤200mg、400mg及び600mgを空腹時単回経口投与したとき、いずれの投与量においても48時間までの尿中排泄率は未変化体1%未満、ピルフェニドン-5-カルボン酸体(主代謝物)約90%であった11)。
承認時におけるプラセボを対照とした二重盲検比較試験において、ピルフェニドン投与はプラセボに比べて52週後の肺活量の低下を抑制することが示された(表17-1)。なお、本試験の対象は、厚生労働省びまん性肺疾患調査研究班第4次改訂の特発性間質性肺炎の臨床的診断基準に基づき特発性肺線維症と診断され、投与前に実施したトレッドミルを用いた6分間歩行試験時の労作時SpO2最低値が85%以上かつ安静時SpO2との差が5%以上である患者とした14)。
群
有効性評価対象例数
調整平均(L)
標準誤差
プラセボ群との比較
調整平均の差(90%信頼区間)
両側p値
ピルフェニドン
1800mg/日
104
-0.09
0.02
0.07(0.01, 0.13)
0.0416
1200mg/日
54
-0.08
0.03
0.09(0.02, 0.16)
0.0394
プラセボ
103
-0.16
-
※:投与前値を共変量とした共分散分析
副作用(症状)は、本剤1800mg/日群で96/109例(88.1%)、本剤1200mg/日群で43/55例(78.2%)に認められた。主な副作用(症状)は、本剤1800mg/日群では光線過敏症56例(51.4%)、食欲不振15例(13.8%)、胃不快感11例(10.1%)、本剤1200mg/日群では光線過敏症29例(52.7%)、食欲不振及び胃不快感が各6例(10.9%)であった。
また、副作用(臨床検査値)は、本剤1800mg/日群で46/109例(42.2%)、本剤1200mg/日群で20/55例(36.4%)に認められた。主な副作用(臨床検査値)は、本剤1800mg/日群ではγ-GTP上昇18例(16.5%)、CRP上昇13例(11.9%)、本剤1200mg/日群ではγ-GTP上昇8例(14.5%)であった14)。
炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-1、IL-6等)の産生抑制と抗炎症性サイトカイン(IL-10)の産生亢進を示し、Th2型への偏りの改善(Th1・Th2バランスの修正)につながるIFN-γレベルの低下の抑制を示し、線維化形成に関与する増殖因子(TGF-β1、b-FGF、PDGF)の産生抑制を示すなどの各種サイトカイン及び増殖因子に対する産生調節作用を有する。また、線維芽細胞増殖抑制作用やコラーゲン産生抑制作用も有する。これらの複合的な作用に基づき抗線維化作用を示すと考えられる15)。
ピルフェニドン(Pirfenidone)(JAN)
5-Methyl-1-phenyl-1H-pyridin-2-one
C12H11NO
185.22
白色~微黄白色の結晶性の粉末である。メタノール、エタノール(99.5)又はジメチルスルホキシドに溶けやすく、水にやや溶けにくい。
108.2℃
500錠[瓶、バラ]100錠[10錠(PTP)×10]
1) 社内資料:生殖発生毒性試験(2008/10/16承認、申請資料概要2.6.6.6)〔200801754〕
2) 社内資料:胎盤・胎児移行性(2008/10/16承認、申請資料概要2.6.4.4)〔200801753〕
3) 社内資料:乳汁移行性(2008/10/16承認、申請資料概要2.6.4.6)〔200801755〕
4) 社内資料:フルボキサミン、シプロフロキサシンによる薬物動態への影響〔201400175〕
5) 社内資料:タバコによる薬物動態への影響〔201101506〕
6) 社内資料:光遺伝毒性(2008/10/16承認、申請資料概要2.6.6.9)〔200801779〕
7) 社内資料:皮膚光感作性試験及び皮膚光毒性試験(2008/10/16承認、申請資料概要2.6.6.8)〔200801778〕
8) 社内資料:がん原性試験(2008/10/16承認、申請資料概要2.6.6.5、2.6.6.9)〔200801756〕
9) 社内資料:遺伝毒性試験(2008/10/16承認、申請資料概要2.6.6.4)〔200801757〕
10) 社内資料:安全性薬理試験、心血管系(2008/10/16承認、申請資料概要2.6.2.4)〔200801758〕
11) 社内資料:臨床における薬物動態(2008/10/16承認、申請資料概要2.7.1.2、2.7.2.2)〔200801760〕
12) 社内資料:ラットにおける体内組織への移行性(2008/10/16承認、申請資料概要2.6.4.4)〔200801761〕
13) 社内資料:酸化的代謝に関与するCYP分子種の同定〔201101505〕
14) 社内資料:第Ⅲ相臨床試験(2008/10/16承認、申請資料概要2.5.5、2.7.6.5)〔200801759〕
15) 社内資料:抗線維化作用メカニズム(2008/10/16承認、申請資料概要2.6.2.6)〔200801766〕
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