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処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
通常、ペラミビルとして300mgを15分以上かけて単回点滴静注する。
合併症等により重症化するおそれのある患者には、1日1回600mgを15分以上かけて単回点滴静注するが、症状に応じて連日反復投与できる。
なお、年齢、症状に応じて適宜減量する。
通常、ペラミビルとして1日1回10mg/kgを15分以上かけて単回点滴静注するが、症状に応じて連日反復投与できる。投与量の上限は、1回量として600mgまでとする。
Ccr
(mL/min)
1回投与量
通常の場合
重症化するおそれのある患者の場合
50≦Ccr
300mg
600mg
30≦Ccr<50
100mg
200mg
10※≦Ccr<30
50mg
Ccr:クレアチニンクリアランス
※:クレアチニンクリアランス10mL/min未満及び透析患者の場合、慎重に投与量を調節の上投与すること。ペラミビルは血液透析により速やかに血漿中から除去される。
添加剤(塩化ナトリウム、注射用水)によりナトリウムの負荷及び循環血液量を増やすことから心臓に負担をかけ、症状が悪化するおそれがある。
クレアチニンクリアランス値に応じた用量に基づいて、状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は腎排泄型の薬剤であり、高い血漿中濃度が持続するおそれがある。また、添加剤(塩化ナトリウム、注射用水)により水分、塩化ナトリウムの過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットで胎盤通過性、ウサギで流産及び早産が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットで乳汁中に移行することが報告されている。
低出生体重児、新生児、腎機能障害を有する小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を観察しながら投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下していることが多い。
血圧低下、顔面蒼白、冷汗、呼吸困難、じん麻疹等があらわれることがある。
AST、ALT、γ-GTP、Al-Pの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸が投与翌日等の早期にあらわれることがある。
因果関係は不明であるものの、インフルエンザ罹患時には、転落等に至るおそれのある異常行動(急に走り出す、徘徊する等)があらわれることがある。
1%以上
0.5~1%未満
0.5%未満
頻度不明
皮膚
発疹
湿疹、じん麻疹
消化器
下痢(6.3%)、悪心、嘔吐
腹痛
食欲不振、腹部不快感、口内炎
肝臓
AST上昇、ALT上昇
LDH上昇、ビリルビン上昇、γ-GTP上昇
Al-P上昇
腎臓
蛋白尿、尿中β2ミクログロブリン上昇、NAG上昇
BUN上昇
血液
リンパ球増加
好酸球増加
血小板減少
精神神経系
めまい、不眠
その他
血中ブドウ糖増加
尿中血陽性、CK上昇、尿糖
霧視
血管痛
本剤は血液透析により速やかに血漿中から除去されることが報告されている。
健康成人男性各6例に100mg、200mg、400mg、800mg注1を単回点滴静注したときの血漿中濃度を図16-1に、単回/反復点滴静注したときの薬物動態パラメータを表16-1に示す。Cmax及びAUCは用量比例的に増大し、平均滞留時間(MRT)は約3時間でペラミビルは速やかに消失した。反復投与での体内動態は単回投与時とほとんど変わらず、蓄積性は認められなかった1)。
投与量(mg)
例数
単回投与
Cmax
(ng/mL)
AUC0-∞
(ng・hr/mL)
CL※1
(L/hr)
MRT
(hr)
Vss※2
(L)
100
6
11200±2900
17513±2001
5.77±0.61
2.64±0.33
15.16±2.14
200
21100±1600
33695±3622
5.99±0.65
2.65±0.27
15.77±1.35
400
46800±7000
63403±8620
6.41±0.90
2.44±0.28
15.53±1.71
800
86200±15400
133795±19972
6.10±0.96
2.83±0.49
16.96±1.53
反復投与 (6日目)
AUC0-τ※3
10900±2000
16436±1540
6.13±0.56
19800±2300
30358±2980
6.64±0.69
45300±8000
65409±9498
6.23±0.93
85500±13100
131385±12871
6.14±0.58
※1:全身クリアランス
※2:定常状態分布容積
※3:定常状態の投与間隔(24時間)でのAUC
(測定法:LC/MS/MS)(平均値±標準偏差)
健康成人男性各6例に100mg、200mg、400mg、800mg注1を単回点滴静注したとき、上気道分泌液(咽頭分泌液及び鼻腔分泌液)中の薬物濃度は投与量の増加に伴い増大した。上気道分泌液中には血漿中に比し、AUCとして3~9%が移行することが確認された。また、400 mg投与時の咽頭分泌液及び鼻腔分泌液中の濃度は最高濃度としてそれぞれ平均930及び1210ng/mLであった1)。
ラットに[14C]-ペラミビル24mg/kgを単回静脈内投与したとき、すべての組織中放射能濃度は投与5分後に最高濃度を示した。また、作用部位である肺及び気管においても良好な分布が認められ、主排泄臓器である腎臓ではより高い分布が認められた。すべての組織中放射能濃度は、投与48時間後までに定量限界未満となり、組織への蓄積性及び残留性は低いことが示唆された。一方、脳内への移行性は極めて低いことが示された2)。
限外ろ過法により測定したヒト血清蛋白結合率は、1~100μg/mLの濃度範囲において0.3~1.8%であった3)(in vitro試験)。
健康成人男性6例に400mgを単回点滴静注したときの血漿及び尿中に代謝物は検出されず、未変化体のみが検出された1)。
健康成人男性各6例に100mg、200mg、400mg、800mg注1を単回点滴静注したときの投与開始後48時間までの尿中排泄率(平均値)は86.3~95.4%、6日間反復投与したときの総投与量に対する尿中排泄率(平均値)は77.2~92.6%であった1)。
(mL/min)
300mg投与相当
600mg投与相当
投与量
(mg)
AUC
10≦Ccr<30
50
4742
(3192-7467)
37162
(21433-87284)
9415
(6414-14591)
75745
(42922-173312)
9245
(6291-14323)
33669
(22976-50453)
18471
(12564-28283)
67786
(45769-102417)
50≦Ccr<80
300
27044
(18652-40920)
60233
(41298-87803)
600
54047
(37078-81364)
119015
(83155-175174)
80≦Ccr<140
26005
(18133-38645)
36423
(26114-52916)
51814
(36020-76820)
72307
(51520-104974)
※:中央値(90%予測範囲)母集団薬物動態解析ソフトNONMEMⓇに基づく薬物動態パラメータを用いたシミュレーション結果
CL
Ccr<30
5
13200±2910
137000±41100
21.1±4.68
13700±3780
108000±31200
26.8±5.35
50≦Ccr≦80
12500±3590
33900±7880
77.9±21.4
Ccr>80
12800±2860
26000±3180
108±9.90
小児患者115例(4ヵ月~15歳)に10mg/kg(体重60kg以上は600mg)を単回点滴静注したときの点滴終了後4時間までの血漿中濃度(185ポイント)を図16-5に示す。また、血漿中濃度が測定できた全297ポイントを用いて母集団薬物動態解析を行い、得られた薬物動態パラメータを表16-4に示す6)。
Cmax (ng/mL)
AUC0-∞ (ng・hr/mL)
全体
115
38768 (23880-58835)
56569 (37531-82620)
0~1歳未満
4
25848 (23880-28319)
47941 (43040-53535)
1~2歳未満
8
27587 (24793-37604)
44472 (41398-52018)
2~6歳未満
19
33804 (26787-42224)
46784 (37531-61870)
6~16歳未満
84
41127 (27216-58835)
60478 (41801-82620)
※:中央値(最小値-最大値)、母集団薬物動態解析ソフトNONMEMⓇに基づく薬物動態パラメータを用いたベイジアン推定値
健康高齢者(65歳以上)20例、健康非高齢者6例に4mg/kg注2を単回点滴静注したときの薬物動態パラメータを表16-5に示す。高齢者のAUCは非高齢者の約1.3倍であったが、Cmaxは類似していた7)(外国人データ)。
AUC0-12hr (ng・hr/mL)
高齢者
20
22648±4824
61334±8793
非高齢者
20490±3908
46200±4460
ペラミビルは主要なヒト肝チトクロームP450(CYP)酵素であるCYP1A2、2A6、2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4に対して阻害作用を示さず、CYP1A2、2A6、2C9、2D6及び3A4に対して誘導作用を示さなかった。また、ペラミビルはP-糖蛋白の基質ではなく、P-糖蛋白による薬物輸送も阻害しないことが示された8)(in vitro試験)。
注1:本剤の成人に対する承認最高用量は600mgである。
注2:本剤の成人に対する承認された用法・用量とは異なる。
成人患者を対象に、ペラミビル300mg、600mgを単回点滴静注したときの有効性について、プラセボを対照に二重盲検下で比較した。296例におけるインフルエンザ罹病期間(主要7症状が改善するまでの時間)の中央値を表17-1に示す。ペラミビルの各用量群はプラセボ群よりインフルエンザ罹病期間を有意に短縮させた9)。(いずれもp<0.05)
投与群
投与経路
中央値 (hr)
95%信頼区間
ペラミビル
静脈内
99
59.1
50.9, 72.4
97
59.9
54.4, 68.1
プラセボ
81.8
68.0, 101.5
副作用発現頻度は54.5%(108/198例)であった。主な副作用は下痢10.6%(21/198例)、尿中β2-ミクログロブリン増加9.6%(19/198例)、尿中蛋白陽性6.6%(13/198例)、N-アセチル-β-D-グルコサミニダーゼ増加6.1%(12/198例)であった9)。
成人患者を対象に、ペラミビル300mg、600mgを単回点滴静注したときの有効性について、オセルタミビル(75mg 1日2回、5日間経口投与)を対照に二重盲検下で検討した。1091例(日本742例、台湾244例、韓国105例)におけるインフルエンザ罹病期間の中央値を表17-2に示す10)。
364
78.0
68.4, 88.6
362
81.0
72.7, 91.5
オセルタミビル75mg
経口
365
73.2, 91.1
副作用発現頻度は16.1%(117/728例)であった。主な副作用は下痢4.7%(34/728例)、好中球数減少3.2%(23/728例)であった10)。
ハイリスク因子(糖尿病、慢性呼吸器疾患を合併、あるいは免疫抑制剤服用中)を有する成人患者を対象に、二重盲検下でペラミビル300mg又は600mgを1日1回1~5日間投与した。600mg群(19例)でのインフルエンザ罹病期間の中央値は42.3時間(90%信頼区間:30.0, 82.7)であり、ハイリスク因子を有する患者に対する効果が示された。なお、300mg群(18例)では114.4時間(90%信頼区間:40.2, 235.3)であった。また、ハイリスク因子を有する患者にペラミビルを反復投与することで、インフルエンザ罹病期間の短縮傾向が認められた。
投与群別投与期間別のインフルエンザ罹病期間の中央値を表17-3に示す11)。
投与
期間
併合 37例
300mg群 18例
600mg群 19例
中央値
90%
信頼区間
1日
10
92.0
14.6, 253.3
7
132.0
23.2, inf※1
3
14.6
13.2, 68.6
2~5
日間
27※2
64.1
41.5, 111.2
11
111.2
40.2, 123.1
16
42.7
30.0, 103.3
※1:無限大
※2:2日間23例、3日間2例、4日間1例、5日間1例
副作用発現頻度は33.3%(14/42例)であった。主な副作用は血中ブドウ糖増加7.1%(3/42例)、好中球数減少7.1%(3/42例)であった11)。
小児患者を対象に、ペラミビル10mg/kg(体重60kg以上は600mg)を非盲検下で1日1回1~2日間投与した。115例(4ヵ月~15歳)におけるインフルエンザ罹病期間の中央値は27.9時間(95%信頼区間:21.7, 31.7)であった。
インフルエンザ罹病期間について、年齢別の中央値を表17-4に、投与期間別の中央値を表17-5に示す6)。
年齢
0~2歳未満
12
31.0
20.8, 50.9
26.4
17.8, 68.9
6~12歳未満
46
25.6
20.8, 31.7
12~16歳未満
37
29.1
20.9, 36.3
投与期間
105
25.3
21.2, 30.6
2日間
47.8
29.4, 91.3
副作用発現頻度は29.1%(34/117例)であった。主な副作用は下痢10.3%(12/117例)、好中球数減少9.4%(11/117例)、嘔吐5.1%(6/117例)、好酸球数増加3.4%(4/117例)であった6)。
ヒトA型及びB型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼを選択的に阻害する。インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼはシアル酸切断活性を有し、糖鎖末端のシアル酸を切断することで、子孫ウイルスが感染細胞の表面から遊離できるように働く。ペラミビルはノイラミニダーゼを阻害することによって感染細胞の表面から子孫ウイルスが遊離するステップを抑制し、ウイルスが別の細胞へ拡散することを防ぎ、結果的にウイルス増殖抑制作用を示す12)。
ヒトA型及びB型インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼに対して阻害活性を示し、その50%阻害濃度はA型で0.54~11nmol/L、B型で6.8~17nmol/Lであった12)(in vitro試験)。
ヒトA型及びB型インフルエンザウイルス感染マウス致死モデルにおいて、ペラミビルの単回静脈内投与により用量依存的に生存数の増加が認められ、その50%有効量はA型で0.4~1.5mg/kg、B型で0.1~1.0mg/kgであった12)。
成人患者を対象とした国内第Ⅱ相試験及び小児患者を対象とした国内第Ⅲ相試験において、本剤投与前後で、本剤に対する感受性が3倍以上低下した株がA型のみ少数例に認められた6),9)。なお、成人患者を対象とした国際共同第Ⅲ相試験では、これらの感受性低下株と同じ亜型で同程度の感受性を示す株に感染した患者で治療効果が確認されている10)。また、in vitro耐性ウイルス分離試験において、類薬との交叉耐性を示す耐性株の出現が報告されているが、本剤に特有の耐性株は報告されていない13),14)。
ペラミビル水和物(Peramivir Hydrate)(JAN)
(1S,2S,3R,4R)-3-[(1S)-1-(Acetylamino)-2-ethylbutyl]-4-guanidino-2-hydroxycyclopentanecarboxylic acid trihydrate
C15H28N4O4・3H2O
382.45
白色~微黄褐白色の粉末である。水にやや溶けにくく、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けにくく、N,N-ジメチルホルムアミドに極めて溶けにくい。
242.0~243.5℃(分解)
log P=-1.16(P=0.069)[1-オクタノール/水]
*インフルエンザウイルスの本薬に対する耐性化に関する国内外の調査結果・情報については、随時、規制当局に報告すること。
1袋[60mL×1]
10瓶[15mL×10]
1) 社内資料:健康成人における薬物動態(2010/1/13承認、申請資料概要2.7.6.1)〔200902651〕
2) 社内資料:ラットにおける分布(2010/1/13承認、申請資料概要2.6.4.4、2.6.4.6)〔200902655〕
3) 社内資料:蛋白結合に関する試験(2010/1/13承認、申請資料概要2.7.2.2)〔200902654〕
4) 社内資料:母集団薬物動態解析(2010/1/13承認、申請資料概要2.7.2.3)〔200902652〕
5) 社内資料:腎機能障害者における薬物動態(2010/1/13承認、申請資料概要2.7.6.2)〔200902650〕
6) 社内資料:小児を対象とした国内第Ⅲ相試験(2010/10/27承認、申請資料概要2.7.6.1)〔201001514〕
7) 社内資料:高齢者における薬物動態(2010/1/13承認、申請資料概要2.7.2.3)〔200902653〕
8) 社内資料:薬物動態学的薬物相互作用(2010/1/13承認、申請資料概要2.6.4.7)〔200902656〕
9) 社内資料:国内第Ⅱ相試験(2010/1/13承認、申請資料概要2.7.6.5)〔200902657〕
10) 社内資料:国際共同第Ⅲ相試験(2010/1/13承認、申請資料概要2.7.6.5)〔200902658〕
11) 社内資料:国内第Ⅲ相試験(2010/1/13承認、申請資料概要2.7.6.6)〔200902659〕
12) 社内資料:効力を裏付ける試験(2010/1/13承認、申請資料概要2.6.2.2、2.6.2.6)〔200902660〕
13) Baz,M. et al.: Antiviral Res. 2007; 74: 159-162〔200902920〕
14) Baum,E.Z. et al.: Antiviral Res. 2003; 59: 13-22〔200902921〕
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