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希釈液:10mL中無痛化剤としてリドカイン43.27mg(塩酸リドカインとして50mg、0.5%)を含有する
劇薬
処方箋医薬品注)
脱出を伴う内痔核
本剤の投与に先立ち、局所麻酔により肛門括約筋を弛緩させる。用時、ジオン注無痛化剤付1バイアル(10mL)に添付の希釈液10mLを加えて20mLとし、硫酸アルミニウムカリウム水和物として2%溶液に調製する。通常、成人には、1つの主痔核あたり2%溶液として9~13mLを分割して粘膜下に投与する。なお、投与量は患者の病態により適宜増減することとし、1回の治療あたりの総投与量は2%溶液として60mL以内とする。
痔核上極部の粘膜下層:3mL痔核中央部の粘膜下層:2~4mL痔核中央部の粘膜固有層:1~2mL痔核下極部の粘膜下層:3~4mL
希釈液にリドカインが含まれており、生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある。
希釈液に含まれるリドカインが症状を悪化させるおそれがある。
放射線治療歴及び放射線直腸炎による直腸粘膜障害の程度を確認し、投与の必要性を検討すること。前立腺等の骨盤内癌への放射線治療により、放射線直腸炎や強い線維化を生じている可能性があり、本剤の投与により、難治性潰瘍や重篤な直腸狭窄を生じるおそれがある。また、重篤な直腸狭窄を発現し、人工肛門が造設され、排便困難や便失禁のリスクから人工肛門の閉鎖が困難となった症例が報告されている。,,,
投与しないこと。本剤の有効成分である硫酸アルミニウムカリウム水和物に由来するアルミニウムは、主に腎臓から排泄されるため、アルミニウムの排泄が極端に遅延するおそれがある。
尿量が十分に確保できることを確認してから投与すること。アルミニウムの排泄が遅延するおそれがある。また、重篤な腎機能障害のある患者では、希釈液に含まれるリドカインの中毒症状が発現しやすくなるおそれがある。
希釈液に含まれるリドカインの中毒症状が発現しやすくなるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で胎児へのアルミニウムの移行が認められている。
投与しないこと。動物実験(ラット)で乳汁中へのアルミニウムの移行が認められている。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
尿量が十分に確保されていることに注意すること。一般に腎機能が低下していることが多い。また、希釈液にリドカインが含まれており、生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある。
血圧低下、呼吸困難、顔面浮腫、紅潮等が症状としてあらわれることがあり、アナフィラキシーショックに至った例も報告されている。
本剤の投与後に出血、肛門痛等を伴った直腸潰瘍があらわれることがあるので、本剤投与後は定期的に観察を行い、このような症状があらわれた場合には、抗生物質・痔疾用坐剤を投与するなど適切な処置を行うこと。,
本剤投与後は定期的に観察を行い、このような症状があらわれた場合には、狭窄部の切開やブジー等の適切な処置を行うこと。,,
本剤投与後は定期的に観察を行い、瘻孔が認められた場合には、手術等の適切な処置を行うこと。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
血液
リンパ球減少、好中球増加、白血球数上昇
好酸球増加、APTT延長
単球増加、赤血球数低下、ヘモグロビン減少、プロトロンビン時間延長
皮膚・粘膜
蕁麻疹
腎・泌尿器
尿中β2マイクログロブリン上昇
尿酸上昇、尿糖陽性化、尿潜血陽性化、尿中NAG上昇
頻尿、血尿、多尿、BUN上昇・減少、尿蛋白陽性化、尿ウロビリノゲン上昇、血清カリウム上昇
尿閉
循環器
徐脈、血圧低下
消化器
下痢、食欲不振、嘔気
不快感、胃潰瘍
下腹部痛、嘔吐
肝臓
総ビリルビン上昇、AST上昇、ALT上昇、ALP上昇、γ-GTP上昇
アルブミン低下、A/G比低下、トリグリセライド上昇、LDH上昇
精神神経系
頭痛
その他
発熱、CRP上昇(12%)
全身倦怠(感)、血栓形成性痔核
肛門不快感、頚肩痛、熱感
肛門周囲膿瘍、直腸周囲膿瘍、直腸炎、肛門浮腫、肛門周囲炎、肛門縁腫脹、肛門出血
**本剤は添加剤として亜硫酸塩を含有している。喘息患者では非喘息患者よりも亜硫酸塩に対する過敏症が多く認められるとの報告がある。
本剤を、局所麻酔剤を用いて硫酸アルミニウムカリウム水和物として2%溶液に調製し、内痔核患者に投与したときの血清中アルミニウムの薬物動態パラメータは以下のとおりである1),2)。
(平均値±標準偏差)
被験者a)
投与液量b)(mL)
投与量c)(mg/kg)
tmax(h)
Cmax(μg/mL)
t1/2(24-168h)(h)
AUC0-24h(μg・h/mL)
AUC0-∞(μg・h/mL)
非高齢者d)
33.5(27~42)
10.7(8.4~13.7)
0.71±0.37
1.80±0.51
49.7±9.9f)
13.8±3.7
30.1±5.1f)
高齢者e)
37.8(34~41)
13.1(10.4~16.3)
0.25±0.00
2.09±0.33
48.8±5.1
16.0±2.6
33.7±5.9
( ):最小値~最大値a)非高齢者(n=15):平均年齢49.3歳(30~64歳)高齢者(n=6):平均年齢70.0歳(69~74歳)b)硫酸アルミニウムカリウム水和物として2%に調製した溶液の投与量c)硫酸アルミニウムカリウム水和物の量d)1%プロカイン塩酸塩注射液を用いて調製e)0.5%リドカイン注射液を用いて調製f)n=14(1例において7日後の採血を実施しなかった)
本剤を痔核内に投与後、アルミニウムは血中に移行し、血清中濃度が一過性に上昇しその後減少するが、タンニン酸はほとんど血中に移行しないと考えられる。
ヒト血清に硫酸アルミニウムカリウム水和物(最終アルミニウム濃度:1、5、20mg/mL)を添加し、アルミニウムの血清蛋白結合率を限外ろ過法により測定した結果、各濃度における結合率はそれぞれ91.6±2.6、94.9±0.8、99.1±0.3%(平均値±標準偏差、n=4)であった(in vitro)。
非高齢者において、投与後96時間までの尿中排泄率はアルミニウムが56.6±11.1%、タンニン酸が8.4±6.7%であった。また高齢者において、投与後96時間までのアルミニウムの尿中排泄率は48.7±4.8%であった。
脱出を伴う内痔核(Goligherの内痔核分類第Ⅲ、Ⅳ度)患者を対象として、15例の「脱出」、「排便時出血」及び「痔核の大きさ」の消失率について検討した結果は以下のとおりである1)。
評価項目
局所麻酔剤による調製注)
1%プロカイン塩酸塩注射液※1
脱出
100%(15/15)
排便時出血
92%(11/12)
痔核の大きさ※2
93%(14/15)
※1ジオン注無痛化剤付に添付されている希釈液中の局所麻酔剤としては、臨床第Ⅱ相試験ではプロカインを、第Ⅲ相試験ではリドカインを用いた。申請は第Ⅲ相試験と同様にリドカインを無痛化剤とする製剤としてなされ承認された。※2「痔核の大きさ」の消失率については、「痔核の大きさ」が投与後に「ほとんどなし」という状態に治癒した症例の割合を算出した。
自他覚症状の有害事象は40%(6/15例)に発現した。その内訳は、吐き気、血栓形成性痔核、上気道感染、血圧低下、かぜ症候群、血尿・頻尿・多尿が各7%(1/15例)であった。臨床検査値異常は27%(4/15例)に認められた。その内訳は、CRP上昇20%(3/15例)、APTT延長13%(2/15例)、白血球数増加、アルブミン低下、A/G比低下、プロトロンビン時間延長、ALT上昇、尿糖陽性増悪、尿蛋白陽性化、尿沈渣・赤血球増多、尿潜血陽性化、尿中β2マイクログロブリン上昇が各7%(1/15例)であった。投与後合併症(本剤の投与により発現することが予想された合併症)の発現率は、肛門部硬結100%(15/15例)、排便困難33%(5/15例)、肛門部疼痛27%(4/15例)、肛門部出血27%(4/15例)、排尿困難、肛門部壊死が各7%(1/15例)であった。
脱出を伴う内痔核(Goligherの内痔核分類第Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ度)患者を対象として、総症例103例の「脱出」、「排便時出血」及び「痔核の大きさ」の消失率について検討した結果は以下のとおりである3)。
局所麻酔剤による調製
生理食塩液注)による調製
合計
0.5%リドカイン注射液
92%(44/48)
96%(53/55)
94%(97/103)
88%(21/24)
100%(30/30)
94%(51/54)
痔核の大きさ※1
56%(27/48)
60%(33/55)
58%(60/103)
※1「痔核の大きさ」の消失率については、「痔核の大きさ」が投与後に「ほとんどなし」という状態に治癒した症例の割合を算出した。
自他覚症状の有害事象は41%(43/105例)に発現し、本剤との因果関係「関連なし」を除いた副作用の発現率は19%(20/105例)であった。有害事象のうち発現頻度が3%以上のものは、発熱9%(9/105例)、嘔気6%(6/105例)、下痢、血圧低下、不眠症各4%(4/105例)、食欲不振、血栓形成性痔核、頭痛各3%(3/105例)であった。発現頻度が5%以上の臨床検査値異常は、CRP上昇11%(12/105例)、尿中β2マイクログロブリン上昇10%(10/105例)、リンパ球減少9%(9/104例)、尿糖陽性8%(8/105例)、白血球数変動(増加7%(7/104例)、減少1%(1/104例))、好中球増加7%(7/99例)、AST上昇、ALT上昇各5%(5/105例)であった。投与後合併症の発現率は、肛門部硬結74%(78/105例)、肛門部疼痛51%(54/105例)、腰椎麻酔後頭痛23%(9/39例)、排便困難19%(20/105例)、排尿困難18%(19/105例)、肛門部浮腫18%(19/105例)、皮垂8%(8/105例)、肛門部出血5%(5/105例)、肛門部壊死1%(1/105例)であった。
脱出を伴う内痔核(Goligherの内痔核分類第Ⅲ、Ⅳ度)高齢患者(65歳以上)を対象として、6例の「脱出」、「排便時出血」及び「痔核の大きさ」の消失率について検討した結果は以下のとおりである2)。
100%(6/6)
100%(3/3)
自他覚症状の有害事象は17%(1/6例)に発現し、因果関係を否定できない副作用は認められなかった。有害事象1例の内訳は、頭痛、頭重感、血圧上昇が各17%(1/6例)であった。臨床検査値異常は50%(3/6例)に認められた。その内訳は、好酸球上昇、赤血球数減少、ヘモグロビン減少、トリグリセライド上昇、総ビリルビン上昇、BUN上昇、CRP上昇、尿潜血陽性が各17%(1/6例)であり、尿中β2マイクログロブリン上昇が20%(1/5例)であった。投与後合併症の発現率は、肛門部硬結83%(5/6例)、肛門部疼痛33%(2/6例)、排便困難17%(1/6例)、肛門部出血17%(1/6例)であった。
注)「ジオン注無痛化剤付」の承認された用法は、「用時、ジオン注無痛化剤付1バイアル(10mL)に添付の希釈液10mLを加えて20mLとし、硫酸アルミニウムカリウム水和物として2%溶液に調製する」である。
本剤を痔核に投与すると、投与局所に壊死を伴う急性炎症が惹起され、その後、組織修復過程である肉芽形成及び線維化を経て、痔核は硬化退縮する。また、急性炎症により投与局所では血管透過性が亢進し、局所血液が濃縮され、血流は停滞・停止する。この血流量減少作用により、痔核の出血症状が早期に改善される。本剤の炎症惹起作用及び組織硬化作用は硫酸アルミニウムカリウム水和物による。また、タンニン酸は、硫酸アルミニウムカリウム水和物による急性期の白血球浸潤を抑制し、過度の急性炎症反応を制御することにより組織障害を防ぐ。
本剤及び硫酸アルミニウムカリウム水和物の皮下投与は、血管透過性亢進作用(投与直後、マウス)、白血球浸潤促進作用(投与3日後、ラット)及び肉芽形成作用(投与14日後、ラット)を示した4)。
本剤をラットの背部皮下に投与し、投与部位の組織変化を経時的に検討した。その結果、投与後早期に壊死を伴う炎症が発現し、投与7日後頃から、その修復像として類上皮肉芽腫が発現し線維化が認められた。類上皮肉芽腫は投与14日後をピークに増大し、線維化のピークは投与28日後であった。類上皮肉芽腫は線維化の進行とともに投与56日後にかけて縮小した4)。
タンニン酸の配合は、ラット皮下投与部位における硫酸アルミニウムカリウム水和物による白血球浸潤促進作用(投与3日後)を抑制したが、肉芽形成作用(投与14日後)は抑制しなかった4)。
硫酸アルミニウムカリウム水和物(Aluminum Potassium Sulfate Hydrate)
AlK(SO4)2・12H2O
474.39
無色~白色の結晶又は粉末で、においはなく、味はやや甘く、強い収れん性がある。水に溶けやすく、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。水溶液(1→20)は酸性である。
タンニン酸(Tannic Acid)
黄白色~淡褐色の無晶形の粉末、光沢のある小葉片又は海綿状の塊で、においはないか、又は僅かに特異なにおいがあり、味は極めて渋い。水又はエタノール(95)に極めて溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
ジオン注無痛化剤付:10mL 1バイアル希釈液 10mL 1バイアル添付
1) 高村 寿雄 他:薬理と治療. 2004;32(6):355-365
2) 高村 寿雄 他:薬理と治療. 2004;32(6):367-377
3) Takano, M. et al.:Int. J. Colorectal Dis. 2006;21:44-51
4) Ono, T. et al.:J. Pharmacol. Sci. 2005;99:353-363
5) Ono, T. et al.:J. Pharmacol. Sci. 2006;102:314-320
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