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処方箋医薬品注)
アレルギー性鼻炎
成人には、通常1回各鼻腔に2噴霧(1噴霧あたりフルチカゾンフランカルボン酸エステルとして27.5μgを含有)を1日1回投与する。小児には、通常1回各鼻腔に1噴霧(1噴霧あたりフルチカゾンフランカルボン酸エステルとして27.5μgを含有)を1日1回投与する。
本剤の十分な臨床効果を得るためには継続的に使用すること。
症状を増悪するおそれがある。
出血を増悪するおそれがある。
本剤の鼻腔内での作用を確実にするため、これらの症状がある程度減少するよう他の療法を併用するとよい。
全身性ステロイド剤の減量中並びに離脱後も副腎皮質機能検査を行い、外傷、手術、重症感染症等の侵襲には十分に注意を払うこと。また、必要があれば一時的に全身性ステロイド剤の増量を行うこと。これらの患者では副腎皮質機能不全となっていることが考えられる。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。グルココルチコイドは実験動物で催奇形性を示すとされているが、本薬を吸入投与したラット(91μg/kg/日まで)及びウサギ(8μg/kg/日まで)において催奇形作用はみられず、ラットの出生前後の発生に影響は認められていない。高用量の吸入曝露により、母動物毒性に関連した胎児の低体重、胸骨の不完全骨化の発現率増加(ラット)、及び流産(ウサギ)が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に、生理機能が低下している。
CYP3A4阻害作用を有する薬剤
副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状があらわれる可能性がある。なお、類薬であるフルチカゾンプロピオン酸エステル製剤とリトナビルを併用した臨床薬理試験において、血中フルチカゾンプロピオン酸エステル濃度の上昇、また血中コルチゾール値の低下が認められ、全身性のステロイド作用が発現したとの報告がある。
CYP3A4による代謝が阻害されることにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
1.1%未満
頻度不明
*過敏症
発疹、血管性浮腫、蕁麻疹
鼻腔
鼻出血、鼻症状(刺激感、疼痛、乾燥感)
鼻潰瘍、鼻中隔穿孔
精神神経系
頭痛、睡眠障害
その他
血中コルチゾール減少、白血球数増加
眼圧上昇
レセルピン系製剤、α-メチルドパ製剤等の降圧剤には、副作用として鼻閉がみられることがある。このような降圧剤服用中のアレルギー性鼻炎の患者に、本剤を投与すると、鼻閉症状に対する本剤の効果が隠蔽されるおそれがあるので、臨床的観察を十分に行いながら投与すること。
本剤110、220、440μg注)の単回及び1日1回(440μg/日注))7日間反復鼻腔内投与した時の血中濃度は、220μgまでの単回投与では定量下限(10pg/mL)未満であった。440μgでは単回投与で8例中1例、反復投与で8例中3例に定量下限値をわずかに超える値がみられた。定量下限値を超えた単回投与の1例と反復投与の3例の最高血漿中濃度は、10.7~14.6pg/mLであった。
本剤55μgを1日1回12週間鼻腔内投与した時の最終投与日の投与0.5~2.0時間後の血中濃度は、大部分の被験者において定量下限(10pg/mL)未満であった。定量下限値を超えた2歳以上6歳未満の2例の血漿中濃度は10.9及び13.1pg/mL、6歳以上15歳未満の3例は14.9~23.7pg/mLであった。
In vitroでのヒト血漿蛋白結合率は99%以上であった。
本剤は主に肝臓でCYP3A4により代謝を受け、健康成人における経口投与時の血中主要代謝物は17β-カルボン酸体であった(外国人データ)。
主な排泄経路は糞中であり、尿中排泄率は経口投与で約1%、静脈内投与で約2%であった(外国人データ)。
本剤の肝障害患者への鼻腔内投与は検討していない。なお、中等度肝機能障害患者に本剤400μgを単回吸入投与注)した結果、Cmax及びAUCの増加が認められている(外国人データ)。
強力なCYP3A4阻害薬であるケトコナゾール(200mgを1日1回経口投与、国内未発売)との7日間併用投与により、本剤110μgを反復鼻腔内投与した時の血中濃度は20例中6例で定量可能であり、プラセボとの併用投与時の20例中1例より増加した。併用投与7日後の24時間血清コルチゾール値の加重平均値の比(90%信頼区間)は、プラセボ投与時と比較して0.95(0.86-1.04)であった(外国人データ)。注)本剤の承認用量は、成人には1回各鼻腔に27.5μgを2噴霧(110μg/日)、小児には1回各鼻腔に27.5μgを1噴霧(55μg/日)1日1回投与である。
通年性アレルギー性鼻炎を対象として、本剤110μg/日、220μg /日注)又はプラセボを1日1回2週間投与する用量反応試験を実施した1)。くしゃみ発作、鼻汁、鼻閉の3鼻症状の程度をスコア化(各症状0~3点、合計0~9点)し、ベースラインと全投与期間(2週間)における、3鼻症状合計スコア平均の差を変化量として評価した。その結果、3鼻症状合計スコア平均の変化量(調整済み平均値)は、本剤110μg群で-1.95、220μg群で-2.14、プラセボ群で-1.16であり、本剤群はプラセボ群に比し有意なスコアの減少が認められた(表1)。本剤110μg群における副作用発現頻度は、8%(6/80例)であった。主な副作用は、血中コルチゾール減少3%(2/80例)であった。
投与群
症例数
ベースライン(平均値±SD)
全投与期間(平均値±SD)
変化量(調整済み平均値注1)±SE)
プラセボ群との差(調整済み平均値の差)
本剤110μg群
80
6.3±1.17
4.3±1.48
-1.95±0.163
-0.791*
本剤220μg群
81
5.8±0.96
3.9±1.47
-2.14±0.160
-0.985*
プラセボ群
79
6.5±1.07
5.2±1.50
-1.16±0.165
-
注1)共変量にて調整*p<0.001(共分散分析,Dunnettの多重比較)
季節性アレルギー性鼻炎を対象として、本剤55、110、220、440μg注)又はプラセボを1日1回、2週間投与する用量反応試験を実施した2)。全ての用量でプラセボと比較して4鼻症状(くしゃみ発作、鼻汁、鼻閉、鼻内そう痒感)合計スコアの有意な減少が認められた。なお、110μg以上の用量で眼症状(眼のかゆみ、流涙、眼の赤み)合計スコアの有意な減少が認められた。本剤110μg群における副作用発現頻度は、11%(14/127例)であった。主な副作用は、鼻出血7%(9/127例)、鼻漏、鼻中隔潰瘍、頭痛各2%(2/127例)であった。
季節性アレルギー性鼻炎を対象として、本剤(110μg/日、1日1回)、フルチカゾンプロピオン酸エステル(FP、200μg/日、1日2回)又はプラセボを2週間投与する比較試験を実施した3)。その結果、3鼻症状合計スコア平均の変化量(調整済み平均値)は、本剤110μg群で-1.23、FP 200μg群で-1.06であり、本剤のFPに対する非劣性が検証された(表2)。本剤110μg群の効果発現までの日数(プラセボと比較し、有意差が認められた最初の日までの日数)は1日であり、FP 200μg群の効果発現までの日数は2日であったことから、本剤ではFPより早い効果の発現が確認された。さらに、本剤110μg群と本剤プラセボ群の3鼻症状合計スコア平均の変化量を比較した結果、調整済み平均値の差は-1.689であり、本剤プラセボ群に比し有意なスコアの減少が認められた(表3)。本剤110μg群における副作用発現頻度は、6%(9/149例)であった。主な副作用は白血球数増加1%(2/149例)であった。
調整済み平均値の差(両側95%信頼区間)
147
5.8±1.33
4.4±1.73
-1.23±0.140
-0.173(-0.51、0.17注2))
FP 200μg群
144
5.9±1.43
4.6±1.55
-1.06±0.142
注1)共変量にて調整注2)非劣性の同等限界値(Δ)=0.75。両側95%信頼区間の上限が0.75未満の場合に非劣性が検証されたと判断する。
変化量(調整済み平均値±SE)
調整済み平均値の差
-1.27±0.151
-1.689*
本剤プラセボ群
70
5.9±1.28
6.1±1.62
0.42±0.201
*p<0.001(共分散分析)
6歳以上15歳未満の通年性アレルギー性鼻炎を対象として、本剤(55μg/日、1日1回)又はプラセボを2週間投与する二重盲検比較試験を実施した。その結果、全投与期間における3鼻症状合計スコア平均の変化量(調整済み平均値)は、本剤55μg群で-1.98、プラセボ群で-0.89、変化量の差は-1.089であり、本剤のプラセボに対する優越性が検証された(表4)。本剤55μg群における副作用発現頻度は1%未満(1/131例)であり、鼻部不快感1例であった。
本剤55μg群
131
5.0±0.94
3.1±1.53
-1.98±0.12
-1.089*(-1.41、-0.76)
130
5.2±1.06
4.2±1.55
-0.89±0.12
注1)共変量にて調整*p<0.001(共分散分析)
通年性アレルギー性鼻炎を対象とした臨床試験において、本剤110μgを1日1回6週間投与した場合、視床下部-下垂体-副腎皮質系機能への影響は認められなかった4)。
思春期前の小児の通年性アレルギー性鼻炎を対象として、本剤(110μg/日注)、1日1回)の成長に対する影響を検討することを目的とした二重盲検比較試験を実施した(投与期間:52週間)。投与52週後における成長速度(cm/年)のベースラインからの変化量は、本剤110μg注)群で-0.534、プラセボ群で-0.287、群間差[95%信頼区間]は-0.270[-0.48,-0.06]であり、群間差の95%信頼区間は、事前に規定した値(0.5cm)の範囲内であった。注)本剤の承認用量は、成人には1回各鼻腔に27.5μgを2噴霧(110μg/日)、小児には1回各鼻腔に27.5μgを1噴霧(55μg/日)1日1回投与である。
フルチカゾンフランカルボン酸エステルは合成副腎皮質ステロイドであり、グルココルチコイド受容体を刺激することにより、アレルギー性鼻炎抑制作用、好酸球浸潤抑制作用及び抗炎症作用を示す。
ラットのアレルギー性鼻炎モデルにおいて、鼻腔内投与により鼻症状(くしゃみ、鼻掻き行動)を抑制し、その効力はフルチカゾンプロピオン酸エステルと同程度である。また、作用の持続時間は、鼻掻き行動に対してはフルチカゾンプロピオン酸エステルと同程度であり、くしゃみに対してはフルチカゾンプロピオン酸エステルよりも長い5)。
能動感作ラットにおいて、気管内投与により気管内への抗原誘発好酸球浸潤を抑制し、その効力はフルチカゾンプロピオン酸エステルと同程度である。
ラット及びマウスの遅延型過敏症モデルにおいて、耳介塗布により抗原誘発耳介浮腫を抑制し、その効力はフルチカゾンプロピオン酸エステルと同程度である。
フルチカゾンフランカルボン酸エステル(Fluticasone Furoate)
6α,9-Difluoro-17β-[(fluoromethylsulfanyl)carbonyl]-11β-hydroxy-16α-methyl-3-oxoandrosta-1,4-dien-17α-yl furan-2-carboxylate
C27H29F3O6S
538.58
白色の粉末である。
6g[1瓶]×1
10g[1瓶]×1
1) Okubo K,et al.:Curr Med Res Opin.2008;24:3393-3403
2) Martin BG,et al.:Allergy Asthma Proc.2007;28:216-225
3) Okubo K,et al.:Allergy Asthma Proc.2009;30:84-94
4) Patel D,et al.:Ann Allergy Asthma Immunol.2008;100:490-496
5) 中野祥行ほか:薬理と治療.2008;36:1119-1122
グラクソ・スミスクライン株式会社
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