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劇薬
処方箋医薬品注)
片頭痛
通常、成人にはスマトリプタンとして1回50mgを片頭痛の頭痛発現時に経口投与する。なお、効果が不十分な場合には、追加投与をすることができるが、前回の投与から2時間以上あけること。また、50mgの経口投与で効果が不十分であった場合には、次回片頭痛発現時から100mgを経口投与することができる。ただし、1日の総投与量を200mg以内とする。
例えば、以下のような患者では不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状があらわれるおそれがある。,
てんかん様発作が発現したとの報告がある。,
本剤はスルホンアミド基を有するため、交叉過敏症(皮膚の過敏症からアナフィラキシーまで)があらわれる可能性がある。
一過性の血圧上昇や末梢血管抵抗の上昇がみられたとの報告がある。
脳血管障害があらわれるおそれがある。
本剤は腎臓を介して排泄されるので、重篤な腎機能障害患者では血中濃度が上昇するおそれがある。
投与しないこと。本剤は主に肝臓で代謝されるので、重篤な肝機能障害患者では血中濃度が上昇するおそれがある。
中等度の肝機能障害患者に本剤を投与したとき、健康成人と比較して血中濃度が上昇した。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
本剤投与後12時間は授乳しないことが望ましい。皮下投与後にヒト母乳中へ移行することが認められている2)(外国人データ)。
10歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
高い血中濃度が持続するおそれがある。本剤は主として肝臓で代謝され、腎臓で排泄されるが、高齢者では肝機能あるいは腎機能が低下していることが多い。
*エルゴタミン
エルゴタミン誘導体含有製剤
血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。本剤投与後にエルゴタミンあるいはエルゴタミン誘導体含有製剤を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以上の間隔をあけて投与すること。
5-HT1B/1D受容体作動薬との薬理的相加作用により、相互に作用(血管収縮作用)を増強させる。
5-HT1B/1D受容体作動薬
血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。本剤投与後に他の5-HT1B/1D受容体作動型の片頭痛薬を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以内に投与しないこと。
併用により相互に作用を増強させる。
MAO阻害剤,,
本剤の消失半減期(t1/2)が延長し、血中濃度−時間曲線下面積(AUC)が増加するおそれがあるので、MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止2週間以内の患者には本剤を投与しないこと。
MAO阻害剤により本剤の代謝が阻害され、本剤の作用が増強される可能性が考えられる。
選択的セロトニン再取り込み阻害薬
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬
セロトニン症候群(不安、焦燥、興奮、頻脈、発熱、反射亢進、協調運動障害、下痢等)があらわれることがある。
セロトニンの再取り込みを阻害し、セロトニン濃度を上昇させる。よって本剤との併用により、セロトニン作用が増強する可能性が考えられる。
痙攣の閾値を低下させる薬剤,
てんかん様発作がおこることがある。
痙攣の閾値を低下させる可能性がある。
不整脈、狭心症あるいは心筋梗塞を含む虚血性心疾患様症状があらわれることがある。本剤投与後に、胸痛、胸部圧迫感等の一過性の症状(強度で咽喉頭部に及ぶ場合がある)があらわれ、このような症状が虚血性心疾患によると思われる場合には、以後の投与を中止し、虚血性心疾患の有無を調べるための適切な検査を行うこと。,
,
1%以上
1%未満
頻度不明
過敏症
蕁麻疹、発疹等の皮膚症状
呼吸器
呼吸困難
循環器
動悸
徐脈、低血圧、一過性の血圧上昇、頻脈、レイノー現象
消化器
悪心、嘔吐
虚血性大腸炎
眼
複視、眼振、視野狭窄、一過性の視力低下、暗点、ちらつき
精神神経系
眠気、めまい、感覚障害(錯感覚、しびれなどの感覚鈍麻等)
ジストニア、振戦
肝臓
肝機能障害
その他
痛み(胸痛、咽喉頭痛、頭痛、筋肉痛、関節痛、背部痛、頚部痛等)注)、倦怠感、脱力感
熱感注)、潮紅
圧迫感注)、ひっ迫感注)、重感注)、冷感注)
本剤の消失半減期は約2時間であり、少なくとも12時間、あるいは症状・徴候が持続する限り患者をモニターすること。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男性にスマトリプタン50mg及び100mgを単回経口投与した時の血漿中スマトリプタン濃度は下記のとおりである。血漿中濃度推移は2峰性を示した。スマトリプタンは速やかに吸収され、最初のピークは投与後1.5時間までに認められた。第2のピークは投与後2~3時間の間に認められ、消失半減期は約2時間であった。Cmax及びAUC0−∞は投与量の増加と共に増加した。また、Cmax及びAUC0−∞には個体間差が認められた。なお、健康成人男性にスマトリプタン50mg及び100mgを単回経口投与した時の薬物動態パラメータは下記のとおりであり、日本人と外国人の成績に大きな差は認められなかった(外国人データ)。
対象
投与量
Tmax(hr)
t1/2(hr)
Cmax(ng/mL)
AUC0−∞(ng・hr/mL)
日本人
50mg(16例)
1.8±0.9
2.2±0.3
32.6±8.4
117.8±23.7
100mg(16例)
2.0±0.9
2.4±0.5
58.2±17.2
234.7±56.4
外国人
50mg(19例)
1.5±0.8
2.3±0.4
29.3±9.3
100.4±30.2
100mg(18例)
2.3±0.8
2.2±0.5
51.5±16.4
197.5±58.2
平均値±標準偏差
健康成人男性にスマトリプタン50mg及び100mgを1日1回5日間反復経口投与した時、蓄積性は認められなかった3)。
健康成人男性にスマトリプタン200mgを空腹時及び食後単回経口投与した時、食後投与では空腹時投与と比較してTmaxは30分程度遅延したが、Cmax、t1/2及びAUC0−∞は同様の値を示した(外国人データ)。
経口投与した時の皮下投与に対する相対的生物学的利用率は約14%であった4)(外国人データ)。
In vitroでのヒト血漿蛋白結合率は約34%であった。
本剤は、主にMAO-Aにより代謝されると考えられる5)。,
健康成人男性にスマトリプタン50mg及び100mgを単回経口投与した時の投与後24時間までの未変化体及びインドール酢酸体の尿中排泄率は、それぞれ約2%及び約40%であった。
中等度の肝機能障害患者にスマトリプタン50mgを単回経口投与した時、健康成人と比較してCmax及びAUC0−∞は約1.8倍に上昇した(外国人データ)。
MAO-A阻害剤(モクロベミド)を予め単回経口投与することにより、本剤経口投与時のAUCは約4.4倍に増加し、消失半減期が約1.4倍に延長した6)(外国人データ)。,,
β遮断薬(プロプラノロール)、Ca拮抗薬(フルナリジン)あるいはアルコールとの併用投与において、スマトリプタンの薬物動態に変化は認められなかった7),8)(外国人データ)。
片頭痛患者を対象としたプラセボ対照、用量反応、二重盲検比較試験において、本剤50mg、100mgの服薬4時間後における有効率はそれぞれ71.4%(50/70例)及び66.7%(46/69例)であり、プラセボと比較し、2時間から3時間後より差がみられ、服薬4時間後において有意に高い有効率を示した9)。
副作用発現頻度は、50mg群で29.9%(23/77例)、100mg群で26.7%(20/75例)であった。主な副作用は、50mg群で動悸7.8%(6/77例)、悪心6.5%(5/77例)、傾眠及び倦怠感5.2%(4/77例)、浮動性めまい(回転性眩暈を除く)及び嘔吐2.6%(2/77例)、100mg群で上腹部痛及び倦怠感4.0%(3/75例)、灼熱感、鼻道刺激感、嘔吐及び胸痛2.7%(2/75例)であった。
片頭痛患者を対象としたプラセボ対照、用量反応、二重盲検比較試験において、異なる3回の発作に対して本剤50mg及び100mgを単回投与した時の1回目の発作時の服薬4時間後の有効率はそれぞれ77.1%(199/258例)及び76.6%(196/256例)であり、50mg及び100mgは服薬0.5時間後以降、25mg注)では1時間後以降、有効率はプラセボと比較して有意に高かった10)。また、50mg及び100mgは、服薬2時間後及び4時間後において、有効率が25mgと比較して有意に高かった。
1回目の投与時の副作用発現頻度は、50mg群で20.8%(63/303例)、100mg群で31.2%(93/298例)であった。主な副作用は、50mg群で悪心・嘔吐4.6%(14/303例)、胸部圧迫感/胸痛3.6%(11/303例)、錯感覚及び倦怠感・疲労2.3%(7/303例)、回転性眩暈2.0%(6/303例)、100mg群で倦怠感・疲労4.4%(13/298例)、浮動性めまい(回転性眩暈を除く)及び悪心・嘔吐4.0%(12/298例)、圧迫感及び熱感3.4%(10/298例)、胸部圧迫感/胸痛3.0%(9/298例)、筋骨格痛及び重感2.7%(8/298例)、回転性眩暈2.3%(7/298例)、傾眠及び口内乾燥2.0%(6/298例)であった。注)本剤の承認用量は1回50mgを経口投与、1日200mg以内である。
片頭痛患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験において、異なる3回の発作に対して本剤50mgを単回投与した時の1回目の発作時の服薬4時間後の有効率は62.5%(178/285例)であり、服薬1時間後を除いて50mgでの有効率はプラセボと比較して有意に高かった11)。
1回目の投与時の副作用発現頻度は、本剤群で14.8%(49/332例)であった。主な副作用は、浮動性めまい3.3%(11/332例)、悪心・嘔吐2.4%(8/332例)、倦怠感・疲労1.8%(6/332例)、感覚減退及び錯感覚1.5%(5/332例)であった。
10歳以上17歳以下の片頭痛患者を対象とした第Ⅲ相プラセボ対象二重盲検比較試験注)において、本剤投与2時間後の頭痛改善の割合は、本剤25mg及び50mg併合群(31.1%、23/74例)、プラセボ群(38.6%、27/70例)であり、統計学的に有意な差は認められなかった(p=0.345、χ2検定)。副作用発現率は、25mg群で12%(4/33例)、50mg群で12%(5/41例)であった。主な副作用は、25mg群で傾眠6%(2/33例)、50mg群で胸部不快感7%(3/41例)であった。注)本剤の承認用量は成人に1回50mgを経口投与、1日200mg以内である。
スマトリプタンは5-HT1受容体、特に5-HT1B、5-HT1D受容体に作用して、頭痛発作時に過度に拡張した頭蓋内外の血管を収縮させることにより片頭痛を改善すると考えられる12),13),14),15),16),17)。また、三叉神経に作用して、神経末端からのCGRP(calcitonin gene-related peptide)など起炎性ペプチドの放出を抑制することも、片頭痛の緩解に寄与していると考えられる18)。
本薬は、in vitroのレセプターバインディング試験において5-HT1B、5-HT1D受容体に対して選択的に高い親和性を示したが、5-HT2、5-HT3や他の受容体に対してはほとんど親和性を示さなかった19)。また、in vitroにおいて、5-HT1受容体を有する摘出イヌ伏在静脈に対して濃度依存的な収縮作用を示し、その収縮は、5-HT1受容体拮抗薬メチオテピンで抑制されたが、5-HT2、5-HT3受容体や他の受容体の拮抗薬によってはほとんど影響されなかった20)。
In vitroにおいて、イヌ及びヒトの摘出脳底動脈、ヒト摘出中硬膜動脈、ヒト側頭動脈、ヒト大脳動脈及びヒト摘出硬膜内の動脈を濃度依存的(1pM〜100μM)に収縮させた12),13),14),15)。これらの収縮は、5-HT1B/1D受容体の選択的拮抗薬であるGR55562やこれより選択性の劣る5-HT1受容体拮抗薬メチオテピンで抑制された(in vitro)12),13),14),15)。一方、イヌ冠動脈や大腿動脈などの末梢血管に対してはほとんど作用を示さなかった(in vitro)20)。ヒト摘出冠動脈に対しては、TXA2類似薬であるU-46619の0.1μMに対して最大約10%程の弱い収縮作用を示した(in vitro)22)。
麻酔したイヌに十二指腸内投与(0.01〜10mg/kg)すると、血圧、心拍数にはほとんど影響をおよぼさずに、用量依存的な頚動脈血管抵抗の上昇が認められた16)。静脈内投与(0.1〜1000μg/kg)によっても同様な頚動脈血管抵抗の上昇が認められたが、大動脈、冠動脈、腎動脈、上腸間膜動脈等に対しては、ほとんど作用を示さないか、示してもわずかであった16)。また、頚動脈血管抵抗上昇作用は、5-HT1受容体拮抗薬で抑制された。同様の結果が、ネコでも得られている16)。
片頭痛発作時の成人患者に3mg又は6mgを皮下投与すると、臨床症状の改善と相関して、内頚動脈と中大脳動脈の血流速度が用量依存的に増加することが報告されている(外国人データ)17)。
スマトリプタンコハク酸塩(Sumatriptan Succinate)
3-[2-(Dimethylamino)ethyl]-N-methylindole-5-methanesulfonamide monosuccinate
C14H21N3O2S・C4H6O4
413.49
白色〜帯黄白色の粉末である。水、ジメチルスルホキシド又はホルムアミドに溶けやすく、メタノールに溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
約166℃
-0.86(pH7.41、1-オクタノール/水系)1.04(pH10.7、1-オクタノール/水系)
12錠[6錠(PTP)×2]
1) International Headache Society:Cephalalgia.2018;38:1-211
2) Wojnar-Horton RE,et al.:Br J Clin Pharmacol.1996;41:217-221
3) 海老原昭夫ほか:臨床医薬.1993;9:757-765
4) Duquesnoy C,et al.:Eur J Pharm Sci.1998;6:99-104
5) Tarbit MH,et al.:Biochem Pharmacol.1994;47:1253-1257
6) Williams P,et al.:Cephalalgia.1997;17:408
7) Scott AK,et al.:Br J Clin Pharmacol.1991;32:581-584
8) Van Hecken AM,et al.:Br J Clin Pharmacol.1992;34:82-84
9) 坂井文彦ほか:臨床医薬.2001;17:1163-1187
10) 社内資料:S2CM09試験(2001年6月20日承認、申請資料概要ト.1.3)
11) 社内資料:S2CM07試験(2001年6月20日承認、申請資料概要ト.1.4)
12) Connor HE,et al.:Br J Pharmacol.1989;96:379-387
13) Parsons AA,et al.:Br J Pharmacol.1989;96:434-449
14) Humphrey PPA,et al.:Serotonin:Molecular Biology,Receptors and Functional Effects.Basel:Birkhauser Verlag,1991;421-429
15) Jansen I,et al.:Cephalalgia.1992;12:202-205
16) 後藤好史ほか:基礎と臨床.1993;27:3609-3630
17) Caekebeke JFV,et al.:Neurology.1992;42:1522-1526
18) Goadsby PJ,et al.:Ann Neurol.1993;33:48-56
19) McCarthy BG,et al.:Headache.1989;29:420-422
20) 後藤好史ほか:基礎と臨床.1993;27:3593-3607
21) Humphrey PPA,et al.:Br J Pharmacol.1988;94:1123-1132
22) Connor HE,et al.:Eur J Pharmacol.1989;161:91-94
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