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劇薬
処方箋医薬品注)
片頭痛
通常、成人にはナラトリプタンとして1回2.5mgを片頭痛の頭痛発現時に経口投与する。なお、効果が不十分な場合には、追加投与することができるが、前回の投与から4時間以上あけること。ただし、1日の総投与量を5mg以内とする。
例えば、以下のような患者では不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状があらわれるおそれがある。,
本剤はスルホンアミド基を有するため、交叉過敏症(皮膚の過敏症からアナフィラキシーまで)があらわれる可能性がある。
脳血管障害があらわれるおそれがある。
てんかん様発作が発現したとの報告がある。
一過性の血圧上昇や末梢血管抵抗の上昇がみられたとの報告がある。
投与しないこと。本剤は腎臓から排泄されるので、血中濃度が上昇するおそれがある。
軽度腎機能障害患者及び中等度腎機能障害患者に本剤を投与したとき、健康成人と比較して血中濃度が上昇した。,
投与しないこと。本剤は肝臓で代謝されるので、血中濃度が上昇するおそれがある。
肝機能障害患者に本剤を投与したとき、健康成人と比較して血中濃度が上昇した。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で経口投与後乳汁中への移行が認められている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
高い血中濃度が持続する可能性がある。本剤は肝臓で代謝されるとともに、腎臓から排泄されるが、高齢者では肝機能あるいは腎機能が低下していることが多い。
*エルゴタミン
エルゴタミン誘導体含有製剤
血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。本剤投与後にエルゴタミンあるいはエルゴタミン誘導体含有製剤を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以上の間隔をあけて投与すること。
5-HT1B/1D受容体作動薬との薬理的相加作用により、相互に作用(血管収縮作用)を増強させる。
5-HT1B/1D受容体作動薬
血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。本剤投与後に他の5-HT1B/1D受容体作動型の片頭痛薬を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以内に投与しないこと。
併用により相互に作用を増強させる。
選択的セロトニン再取り込み阻害薬
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬
セロトニン症候群(不安、焦燥、興奮、頻脈、発熱、反射亢進、協調運動障害、下痢等)があらわれることがある。
セロトニンの再取り込みを阻害し、セロトニン濃度を上昇させる。よって本剤との併用により、セロトニン作用が増強する可能性が考えられる。
狭心症あるいは心筋梗塞があらわれることがある。本剤投与後、胸痛、胸部圧迫感等の一過性の症状(強度で咽喉頭部に及ぶ場合がある)があらわれ、このような症状が虚血性心疾患によると思われる場合には、以後の投与を中止し、虚血性心疾患の有無を調べるための適切な検査を行うこと。,
1%以上
1%未満
頻度不明
過敏症
蕁麻疹、発疹等の皮膚症状
循環器
末梢性虚血
消化器
悪心、嘔吐
虚血性大腸炎
精神神経系
眠気、めまい
その他
痛み(胸痛、咽喉頭痛、頭痛、筋肉痛、関節痛、背部痛、頚部痛等)注)
倦怠感
重感注)、熱感注)、圧迫感注)、絞扼感注)
健康成人男性にナラトリプタン25mgを単回経口投与した際に、頭部ふらふら感、頚部緊張、疲労、協調運動障害及び血圧上昇が認められた(外国人データ)。
本剤の消失半減期は約5時間であり、少なくとも24時間、あるいは症状・兆候が持続する限り患者をモニターすること。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
投与量
Cmax(ng/mL)
AUC0-t(ng・hr/mL)
Tmax(hr)
t1/2(hr)
1mg
2.12±0.58
16.50±5.46
2.17±0.86
4.47±1.73
2.5mg
5.62±1.31
48.59±14.43
2.68±1.34
5.05±1.71
5mg
12.74±4.15
111.91±25.90
2.42±1.52
5.36±0.89
平均値±標準偏差、18例
健康成人男性にナラトリプタン5mg注)を1日1回5日間反復経口投与した時、反復投与による薬物動態への影響及び蓄積性は認められなかった。
健康成人男性にナラトリプタン2.5mgを空腹時及び食後に単回経口投与した時の薬物動態はほぼ同様であり、食事による顕著な影響は受けなかった。
健康成人にナラトリプタン5mg注)を単回経口投与した時の生物学的利用率は70%であった(外国人データ)。
In vitroでのナラトリプタン(50~1000ng/mL)のヒト血漿蛋白結合率は29%であった。
In vitroでのナラトリプタン(50~1000ng/mL)の血球移行率は52%であった。
ナラトリプタンはCYP1A2、CYP2C9、CYP2D6、CYP2E1、CYP3A4/5などの複数のCYP分子種で代謝された。
ナラトリプタンはモノアミンオキシダーゼ(A型及びB型)の代謝活性を阻害しない。また各CYP分子種(CYP1A1、CYP1A2、CYP2A6、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP3A4/5)の代謝活性も阻害しない。
健康成人男性にナラトリプタン2.5mgを空腹時に単回経口投与した時、投与後24時間までに投与量の約50%が未変化体として尿中に排泄された。
軽度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス;40~75mL/min)にナラトリプタン5mg注)、中等度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス;15~39mL/min)にナラトリプタン2.5mgを単回経口投与した時の薬物動態は、健康成人と比べて2.5mg投与量に換算したCmaxがそれぞれ39、43%上昇し、t1/2が86、62%延長した。また全身クリアランスは46、50%低下した(外国人データ)。,
クレアチニンクリアランス(被験者数)
>75mL/min(8例)
40~75mL/min(8例)
15~39mL/min(7例)
Cmax(ng/mL)(2.5mg投与量換算)
9.8±3.27
14.9±10.12
14.3±4.31
AUC0-∞(ng・hr/mL)(2.5mg投与量換算)
92.5±31.26
185.2±85.80
208.8±110.25
6.3±1.69
12.1±4.16
11.3±3.72
CL/F(mL/min)
510.7±213.05
275.3±129.19
238.8±99.69
CLr(mL/min)
173.7±78.40
85.3±46.53
47.7±14.95
平均値±標準偏差
肝機能障害患者(Child-PughグレードA又はB)にナラトリプタン2.5mgを単回経口投与した時の薬物動態は、健康成人と比べてAUC0-∞が48%増加しt1/2が42%延長した。また全身クリアランスは33%低下した。Cmaxはほぼ同様であった(外国人データ)。,
高齢者にナラトリプタンを1日量として2mg注)又は5mgを経口投与(1又は2.5mg投与4時間後にそれぞれ同量を追加投与)した時、若年者と比べてCmaxはそれぞれ28、15%上昇し、AUC0-∞は38、32%増加した。t1/2はそれぞれ18、14%延長し、全身クリアランスは28、24%低下した(外国人データ)。注)本剤の承認用量は1回2.5mgを経口投与、1日5mg以内である。
片頭痛患者を対象としたプラセボ対照、用量反応、二重盲検比較試験において、服用4時間後の頭痛改善の割合注)は、プラセボ群及びナラトリプタン2.5mg群でそれぞれ42%(46/109例)及び77%(84/109例)であり、ナラトリプタン2.5mg群では、プラセボ群に比し有意に高い頭痛改善効果を示した。
服用時の頭痛程度別サブグループ解析で、服用時の頭痛程度が中等度の場合も重度の場合も同程度の頭痛改善効果があった。
服用時の頭痛程度
プラセボ群
ナラトリプタン2.5mg群
中等度
44%(38/86例)
77%(62/81例)
重度
35%(8/23例)
79%(22/28例)
副作用発現頻度は、ナラトリプタン2.5mg群で13%(14/109例)、プラセボ群で25%(28/110例)であった。主な副作用は、ナラトリプタン2.5mg群で悪心5%(5/109例)及び嘔吐2%(2/109例)であり、いずれもプラセボ群でより多く見られた。その他の副作用はプラセボ群とナラトリプタン群と比較して同様であった。なお、いずれの副作用も軽度もしくは中等度であった。
片頭痛患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験において、服用4時間後の頭痛改善の割合注)は、プラセボ群及びナラトリプタン2.5mg群でそれぞれ34%(42/122例)及び60%(76/127例)であり、ナラトリプタン2.5mg群では、プラセボ群に比し有意に高い頭痛改善効果を示した(p<0.001)2)。副作用発現頻度は、ナラトリプタン2.5mg群で、1回目の投与時は23%(22/97例)、2回目の投与時は20%(6/30例)であった。主な副作用は、悪心及び嘔吐であり、それぞれ1回目の投与時は3%(3/97例)及び5%(5/97例)、2回目の投与時は7%(2/30例)及び3%(1/30例)であった。
片頭痛患者を対象としたプラセボ及びスマトリプタン対照二重盲検比較試験において、服用4時間後の頭痛改善の割合注)は、プラセボ群及びナラトリプタン2.5mg群でそれぞれ27%(28/104例)及び66%(132/199例)であり、ナラトリプタン2.5mg群では、プラセボ群に比し有意に高い頭痛改善効果を示した(p<0.001)。副作用発現頻度は、ナラトリプタン2.5mg群で、1回目の投与時は24%(47/199例)、2回目の投与時は15%(12/78例)であった。
片頭痛患者を対象としたプラセボ対照クロスオーバー二重盲検比較試験において、服用4時間後の頭痛改善の割合注)は、プラセボ群及びナラトリプタン2.5mg群でそれぞれ33%(197/602例)及び68%(396/586例)であり、ナラトリプタン2.5mg群では、プラセボ群に比し有意に高い頭痛改善効果を示した(p<0.001)3)。副作用発現頻度は、ナラトリプタン2.5mg群で、1回目の投与時は14%(63/440例)、2回目の投与時は13%(20/150例)であった。
片頭痛患者を対象とした長期投与試験において、服用4時間後の頭痛改善の割合注)は、ナラトリプタン2.5mg群で70%(改善件数/発現件数:9016/12930件)であり、服用回数の増加に伴う効果の減弱は認められなかった。副作用発現頻度は、ナラトリプタン2.5mg群で、1回目の投与時は39%(159/409例)、2回目の投与時は29%(105/360例)であった。主な副作用は、悪心及び傾眠であり、それぞれ1回目の投与時は10%(39/409例)及び8%(31/409例)、2回目の投与時は8%(30/360例)及び4%(13/360例)であった。注)頭痛の程度が「重度」又は「中等度」から「軽度」又は「なし」に改善した割合
ナラトリプタン塩酸塩は、頭蓋血管平滑筋に存在する5-HT1B受容体、頭蓋血管周辺の三叉神経終末に存在する5-HT1D受容体に対して選択的に作用し、片頭痛の発生機序である、頭蓋血管の拡張、三叉神経の活性化及びそれにともなう頭蓋血管透過性亢進を抑制することにより、片頭痛を改善すると考えられる。
In vitroにおいて、ナラトリプタン塩酸塩は5-HT1B及び5-HT1D受容体に対して選択的かつ高い親和性を示した。
In vitroにおいて、ナラトリプタン塩酸塩はイヌ摘出脳底動脈及び中大脳動脈に対して濃度依存的な収縮作用を示した。一方、ヒト摘出冠動脈に対する収縮作用は弱かった(in vitro)。麻酔イヌにおいてナラトリプタン塩酸塩は静脈内投与により、頚動脈血管抵抗を用量依存的に増加させた。また、大腿動脈、椎骨動脈及び冠動脈に対する血管抵抗増加作用は、頚動脈に対する作用に比較して弱かった。
麻酔ラットにおいてナラトリプタン塩酸塩は静脈内投与により、三叉神経刺激によって誘発される硬膜血管外への血漿蛋白漏出を抑制した。
麻酔ネコにおいてナラトリプタン塩酸塩は静脈内投与により、上矢状静脈洞刺激による第二頚髄における誘発電位及び発火確率を低下させた。
ナラトリプタン塩酸塩(Naratriptan Hydrochloride)
N-Methyl-2-[3-(1-methylpiperidin-4-yl)-1H-indol-5-yl]ethanesulfonamide monohydrochloride
C17H25N3O2S・HCl
371.93
白色~微黄色の粉末である。
1.95(1-オクタノール/水系)
20錠[10錠(PTP)×2]
1) International Headache Society:Cephalalgia.2018;38:1-211
2) Klassen A,et al.:Headache.1997;37:640-645
3) Mathew NT,et al.:Neurology.1997;49:1485-1490
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