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劇薬
処方箋医薬品注)
片頭痛及び群発頭痛発作の頭痛発現時に、通常、成人にはスマトリプタンとして1回3mgを皮下投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、1回3mg、1日6mgを超えないこと。
1回の頭痛発作において、初回投与で頭痛が軽減した場合には、24時間以内に起こった次の発作に対して追加投与することができるが、2回の投与の間には少なくとも1時間の間隔をおくこと。
1日2回の発作に投与することができるが、2回の投与の間には少なくとも1時間の間隔をおくこと。
例えば、以下のような患者では不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状があらわれるおそれがある。,
てんかん様発作が発現したとの報告がある。,
本剤はスルホンアミド基を有するため、交叉過敏症(皮膚の過敏症からアナフィラキシーまで)があらわれる可能性がある。
一過性の血圧上昇や末梢血管抵抗の上昇がみられたとの報告がある。
脳血管障害があらわれるおそれがある。
本剤は腎臓を介して排泄されるので、重篤な腎機能障害患者では血中濃度が上昇するおそれがある。
投与しないこと。本剤は主に肝臓で代謝されるので、重篤な肝機能障害患者では血中濃度が上昇するおそれがある。
中等度の肝機能障害患者に本剤を経口投与したとき、健康成人と比較して血中濃度が上昇した。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
本剤投与後12時間は授乳しないことが望ましい。皮下投与後にヒト母乳中へ移行することが認められている2)(外国人データ)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
高い血中濃度が持続するおそれがある。本剤は主として肝臓で代謝され、腎臓で排泄されるが、高齢者では肝機能あるいは腎機能が低下していることが多い。
*エルゴタミン
エルゴタミン誘導体含有製剤
血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。本剤投与後にエルゴタミンあるいはエルゴタミン誘導体含有製剤を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以上の間隔をあけて投与すること。
5-HT1B/1D受容体作動薬との薬理的相加作用により、相互に作用(血管収縮作用)を増強させる。
5-HT1B/1D受容体作動薬
血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。本剤投与後に他の5-HT1B/1D受容体作動型の片頭痛薬を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以内に投与しないこと。
併用により相互に作用を増強させる。
MAO阻害剤,,
本剤の消失半減期(t1/2)が延長し、血中濃度-時間曲線下面積(AUC)が増加するおそれがあるので、MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止2週間以内の患者には本剤を投与しないこと。
MAO阻害剤により本剤の代謝が阻害され、本剤の作用が増強される可能性が考えられる。
選択的セロトニン再取り込み阻害薬
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬
セロトニン症候群(不安、焦燥、興奮、頻脈、発熱、反射亢進、協調運動障害、下痢等)があらわれることがある。
セロトニンの再取り込みを阻害し、セロトニン濃度を上昇させる。よって本剤との併用により、セロトニン作用が増強する可能性が考えられる。
痙攣の閾値を低下させる薬剤,
てんかん様発作がおこることがある。
痙攣の閾値を低下させる可能性がある。
不整脈、狭心症あるいは心筋梗塞を含む虚血性心疾患様症状があらわれることがある。本剤投与後に、胸痛、胸部圧迫感等の一過性の症状(強度で咽喉頭部に及ぶ場合がある)があらわれ、このような症状が虚血性心疾患によると思われる場合には、以後の投与を中止し、虚血性心疾患の有無を調べるための適切な検査を行うこと。,
,
1%以上注1)
1%未満注1)
頻度不明注1)
過敏症
蕁麻疹、発疹等の皮膚症状
呼吸器
呼吸困難
循環器
頻脈、徐脈、一過性の血圧上昇、低血圧、動悸、レイノー現象
消化器
悪心、嘔吐
虚血性大腸炎
眼
ちらつき、視野狭窄
複視、眼振、暗点、一過性の視力低下
精神神経系
めまい、眠気、感覚障害(錯感覚、しびれなどの感覚鈍麻等)
振戦、ジストニア
肝臓
肝機能障害
注射部位
痛み、腫脹
灼熱感、紅斑、挫傷、出血
その他
痛み(胸痛、咽喉頭痛、頭痛、筋肉痛、関節痛、背部痛、頚部痛等)注2)、熱感注2)
圧迫感注2)、ひっ迫感注2)、倦怠感、脱力感、潮紅
重感注2)、冷感注2)
本剤の消失半減期は約2時間であり、少なくとも10時間、あるいは症状・徴候が持続する限り患者をモニターすること。
患者には本剤に添付の使用説明書を渡し、使用方法を指導すること。
健康成人男性にスマトリプタン(以下、アンプル製剤)又は本剤(以下、キット製剤)を用いて3mgを単回皮下投与した時の血漿中スマトリプタン濃度は下記のとおりである。両製剤は生物学的に同等であった。
製剤
投与量
Cmax(ng/mL)
AUC0-8(ng・hr/mL)
Tmax(hr)
t1/2(hr)
アンプル製剤
3mg
56.9±11.6
52.2±5.6
0.23±0.06
1.78±0.27
キット製剤
64.7±13.0
52.8±5.4
0.18±0.04
1.71±0.26
平均値±標準偏差、24例
Cmax
AUC0-8
幾何平均値の比(キット製剤/アンプル製剤)
1.138
1.010
幾何平均値の比の90%信頼区間
1.052-1.231
0.985-1.036
In vitroでのヒト血漿蛋白結合率は約34%であった。
本剤は、主にMAO-Aにより代謝されると考えられる3)。,
健康成人男性にスマトリプタン3mgを単回皮下投与した時の投与後24時間までの未変化体の尿中排泄率は約27%であった。また、健康成人男性にスマトリプタン6mgを皮下投与した時の投与後24時間までの未変化体及び代謝物の尿中排泄率は、未変化体約28%、インドール酢酸体約37%、インドール酢酸体のグルクロン酸抱合体約11%であった4)。
MAO-A阻害剤(モクロベミド)を予め経口投与することにより、本剤のAUCは約1.8倍増加し、消失半減期は約1.4倍延長した(外国人データ)。,,
β遮断薬(プロプラノロール)、Ca拮抗薬(フルナリジン)あるいはアルコールとの併用投与において、スマトリプタンの薬物動態に変化は認められなかった5),6)(外国人データ)。
片頭痛及び群発頭痛患者を対象に本剤(以下、キット製剤)を自己注射した時の成績は以下のとおりであった。
対象疾患名
有効率注1)
適正自己注射率注2)
片頭痛
93.9%(31/33例)
100%(33/33例)
群発頭痛
注1)「有効」と判定された症例の割合注2)患者が指示どおり本キット製剤を使用できたと医師が判断した症例の割合
「本キット製剤は使いやすかったですか?」
「次回も本キット製剤を使いたいですか?」
「あなたの頭痛の治療に本キット製剤は必要だと思いますか?」
はい
いいえ
97.0%(32/33例)
3.0%(1/33例)
6.1%(2/33例)
100.0%(33/33例)
0
87.9%(29/33例)
12.1%(4/33例)
有効率注)
投与後10分
投与後20分
投与後30分
投与後60分
30.3%(10/33例)
51.5%(17/33例)
75.8%(25/33例)
63.6%(21/33例)
78.8%(26/33例)
注)「有効」と判定された症例の割合
副作用発現頻度は、16.7%(11/66例)であった。主な副作用は、倦怠感及び圧迫感4.5%(3/66例)、脱力感、悪心及び眠気3.0%(2/66例)であった。
2種の二重盲検比較試験を含むスマトリプタン(以下、アンプル製剤)の臨床試験において、効果判定が行われ、かつ承認用量が投与された108例の臨床成績(頭痛改善度)の概要は以下のとおりである7),8),9),10),11),12),13),14)。また、片頭痛及び群発頭痛患者を対象としたプラセボとの二重盲検比較試験により、アンプル製剤の有用性が認められている。
オープン試験における有効率注1)
二重盲検比較試験における有効率注2)
82.5%(33/40例)
78.9%(15/19例)
85.3%(29/34例)
73.3%(11/15例)
注1)「中等度改善」以上注2)「有効」
スマトリプタンは5-HT1受容体、特に5-HT1B、5-HT1D受容体に作用して、頭痛発作時に過度に拡張した頭蓋内外の血管を収縮させることにより片頭痛を改善すると考えられる15),16),17),18),19),20)。また、三叉神経に作用して、神経末端からのCGRP(calcitonin gene-related peptide)など起炎性ペプチドの放出を抑制することも、片頭痛の緩解に寄与していると考えられる21)。
本薬は、in vitroのレセプターバインディング試験において5-HT1B、5-HT1D受容体に対して選択的に高い親和性を示したが、5-HT2、5-HT3や他の受容体に対してはほとんど親和性を示さなかった22)。また、in vitroにおいて5-HT1受容体を有する摘出イヌ伏在静脈に対して濃度依存的な収縮作用を示し、その収縮は、5-HT1受容体拮抗薬メチオテピンで抑制されたが、5-HT2、5-HT3受容体や他の受容体の拮抗薬によってはほとんど影響されなかった23)。
In vitroにおいて、イヌ及びヒトの摘出脳底動脈、ヒト摘出中硬膜動脈、ヒト側頭動脈、ヒト大脳動脈及びヒト摘出硬膜内の動脈を濃度依存的(1pM~100μM)に収縮させた15),16),17),18)。これらの収縮は、5-HT1B/1D受容体の選択的拮抗薬であるGR55562やこれより選択性の劣る5-HT1受容体拮抗薬メチオテピンで抑制された15),16),17),18)(in vitro)。一方、イヌ冠動脈や大腿動脈などの末梢血管に対してはほとんど作用を示さなかった24)(in vitro)。ヒト摘出冠動脈に対しては、TXA2類似薬であるU-46619の0.1μMに対して最大約10%程の弱い収縮作用を示した25)(in vitro)。
麻酔したイヌに皮下投与(0.01~1mg/kg)すると、血圧、心拍数にはほとんど影響を及ぼさずに、用量依存的な頚動脈血管抵抗の上昇が認められた19)。静脈内投与(0.1~1000μg/kg)によっても同様な頚動脈血管抵抗の上昇が認められたが、大動脈、冠動脈、腎動脈、上腸間膜動脈等に対しては、ほとんど作用を示さないか、示してもわずかであった19)。また、頚動脈血管抵抗上昇作用は、5-HT1受容体拮抗薬で抑制された。同様の結果が、ネコでも得られている19)。
片頭痛発作時の成人患者に3mg又は6mgを皮下投与すると、臨床症状の改善と相関して、内頚動脈と中大脳動脈の血流速度が用量依存的に増加することが報告されている20)(外国人データ)。
スマトリプタンコハク酸塩(Sumatriptan Succinate)
3-[2-(Dimethylamino)ethyl]-N-methylindole-5-methanesulfonamide monosuccinate
C14H21N3O2S・C4H6O4
413.49
白色〜帯黄白色の粉末である。水、ジメチルスルホキシド又はホルムアミドに溶けやすく、メタノールに溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
約166℃
-0.86(pH7.41、1-オクタノール/水系)1.04(pH10.7、1-オクタノール/水系)
本剤には注射針がついているため、誤刺や感染防止に留意し、安全な方法で廃棄すること。
0.5mL[1シリンジ]×2
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8) 田崎義昭ほか:臨床医薬.1993;9:1095-1106
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12) 田崎義昭ほか:臨床医薬.1993;9:1911-1923
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