当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
劇薬
処方箋医薬品注)
片頭痛
通常、成人にはスマトリプタンとして1回20mgを片頭痛の頭痛発現時に鼻腔内投与する。なお、効果が不十分な場合には、追加投与をすることができるが、前回の投与から2時間以上あけること。ただし、1日の総投与量を40mg以内とする。
例えば、以下のような患者では不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状があらわれるおそれがある。,
てんかん様発作が発現したとの報告がある。,
本剤はスルホンアミド基を有するため、交叉過敏症(皮膚の過敏症からアナフィラキシーまで)があらわれる可能性がある。
一過性の血圧上昇や末梢血管抵抗の上昇がみられたとの報告がある。
脳血管障害があらわれるおそれがある。
本剤は腎臓を介して排泄されるので、重篤な腎機能障害患者では血中濃度が上昇するおそれがある。
投与しないこと。本剤は主に肝臓で代謝されるので、重篤な肝機能障害患者では血中濃度が上昇するおそれがある。
中等度の肝機能障害患者に本剤を経口投与した時、健康成人と比較して血中濃度が上昇した。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
本剤投与後12時間は授乳しないことが望ましい。皮下投与後にヒト母乳中へ移行することが認められている2)(外国人データ)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
高い血中濃度が持続するおそれがある。本剤は主として肝臓で代謝され、腎臓で排泄されるが、高齢者では肝機能あるいは腎機能が低下していることが多い。
*エルゴタミン
エルゴタミン誘導体含有製剤
血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。本剤投与後にエルゴタミンあるいはエルゴタミン誘導体含有製剤を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以上の間隔をあけて投与すること。
5-HT1B/1D受容体作動薬との薬理的相加作用により、相互に作用(血管収縮作用)を増強させる。
5-HT1B/1D受容体作動薬
血圧上昇又は血管攣縮が増強されるおそれがある。本剤投与後に他の5-HT1B/1D受容体作動型の片頭痛薬を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以内に投与しないこと。
併用により相互に作用を増強させる。
MAO阻害剤,,
本剤の消失半減期(t1/2)が延長し、血中濃度-時間曲線下面積(AUC)が増加するおそれがあるので、MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止2週間以内の患者には本剤を投与しないこと。
MAO阻害剤により本剤の代謝が阻害され、本剤の作用が増強される可能性が考えられる。
選択的セロトニン再取り込み阻害薬
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬
セロトニン症候群(不安、焦燥、興奮、頻脈、発熱、反射亢進、協調運動障害、下痢等)があらわれることがある。
セロトニンの再取り込みを阻害し、セロトニン濃度を上昇させる。よって本剤との併用により、セロトニン作用が増強する可能性が考えられる。
痙攣の閾値を低下させる薬剤,
てんかん様発作がおこることがある。
痙攣の閾値を低下させる可能性がある。
不整脈、狭心症あるいは心筋梗塞を含む虚血性心疾患様症状があらわれることがある。本剤投与後に、胸痛、胸部圧迫感等の一過性の症状(強度で咽喉頭部に及ぶ場合がある)があらわれ、このような症状が虚血性心疾患によると思われる場合には、以後の投与を中止し、虚血性心疾患の有無を調べるための適切な検査を行うこと。,
,
1%以上
1%未満
頻度不明
過敏症
蕁麻疹、発疹等の皮膚症状
呼吸器
刺激感(痛み、異和感等)・灼熱感、鼻炎(鼻汁、鼻閉、くしゃみ等)
鼻出血
呼吸困難
循環器
動悸、頻脈
一過性の血圧上昇、徐脈、レイノー現象、低血圧
消化器
悪心
嘔吐
虚血性大腸炎
眼
視野狭窄、暗点、ちらつき
複視、眼振、一過性の視力低下
精神神経系
眠気、めまい
感覚障害(錯感覚、しびれなどの感覚鈍麻等)、振戦
ジストニア
肝臓
肝機能障害
その他
苦み、痛み(胸痛、咽喉頭痛、頭痛、筋肉痛、関節痛、背部痛、頚部痛等)注)、熱感注)、倦怠感、冷感注)、潮紅
重感注)
圧迫感注)、脱力感、ひっ迫感注)
本剤の消失半減期は約2時間であり、少なくとも10時間、あるいは症状・徴候が持続する限り患者をモニターすること。
投与量
Tmax(hr)
t1/2(hr)
Cmax(ng/mL)
AUC0-∞(ng・hr/mL)
20mg
1.30±0.73
1.87±0.53
12.2±2.9
54.2±13.3
平均値±標準偏差、n=6
健康成人男性にスマトリプタン20mgを1日1回5日間反復鼻腔内投与した時、蓄積性は認められなかった。
鼻腔内投与した時の皮下投与に対する相対的生物学的利用率は約16%であった3)(外国人データ)。
In vitroでのヒト血漿蛋白結合率は約34%であった。
本剤は、主にMAO-Aにより代謝されると考えられる4)。,
健康成人男性にスマトリプタン20mgを単回鼻腔内投与した時の投与後24時間までの未変化体及びインドール酢酸体の尿中排泄率は、それぞれ約3%及び約50%であった。
中等度の肝機能障害患者にスマトリプタン錠50mgを経口投与した時、健康成人と比較してCmax及びAUC0-∞は約1.8倍に上昇した(外国人データ)。
MAO-A阻害剤(モクロベミド)を予め単回あるいは反復経口投与することにより、本剤のAUCは増加(経口投与:約4.4倍、皮下投与:約1.8倍)し、消失半減期が延長(経口及び皮下投与:約1.4倍)した5)(外国人データ)。,,
β遮断薬(プロプラノロール)、Ca拮抗薬(フルナリジン)あるいはアルコールとの併用投与において、スマトリプタンの薬物動態に変化は認められなかった6),7)(外国人データ)。
片頭痛を対象としたプラセボ対照二重盲検比較検証試験を実施した結果、主要評価項目である投与120分後の頭痛改善率は以下のとおりであり、本剤20mg群はプラセボ群に比し有意に高い改善率を示した。なお、頭痛改善率は頭痛の程度が「重度」又は「中等度」から、「軽度」又は「なし」に改善した症例の割合とした。
投与群
頭痛改善率(投与120分後)
χ2検定
プラセボ群
36%(37/102例)
p=0.0001
20mg群
63%(68/108例)
副作用発現頻度は、20mg群で22.0%(24/109例)であった。主な副作用は、鼻腔・副鼻腔の疾患6.4%(7/109例)、咽頭症状3.7%(4/109例)であった。
片頭痛を対象としたプラセボ対照二重盲検比較検証試験を実施した結果、主要評価項目である投与120分後の頭痛改善率は以下のとおりであり、本剤20mg群はプラセボ群に比し有意に高い改善率を示した。また、20mg群の頭痛改善率の推移は経時的に上昇し、投与15分後以降すべての評価時間(投与120分後まで)においてプラセボ群に比し有意に高い改善率を示した。
Mantel-Haenszelχ2検定
25%(34/138例)
p<0.001
55%(153/277例)
副作用発現頻度は、20mg群で32.8%(99/302例)であった。主な副作用は、悪心/嘔吐8.3%(25/302例)、咽頭症状3.6%(11/302例)、鼻腔・副鼻腔の疾患2.0%(6/302例)であった。
片頭痛を対象としたプラセボ対照二重盲検用量反応試験を実施した結果、主要評価項目である投与120分後の頭痛改善率は、本剤2.5mg群37%(45/121例)、5mg群49%(59/121例)、10mg群46%(51/112例)、20mg群64%(76/118例)であった。5mg群、10mg群、20mg群はプラセボ群25%(16/63例)に比し有意に高い改善率を示し、20mg群では5mg群及び10mg群に比しても有意に高い改善率を示した注)。また、20mg群の頭痛改善率は経時的に上昇し、投与15分後以降すべての評価時間(投与120分後まで)においてプラセボ群に比し有意に高い改善率を示した。副作用発現頻度は、2.5mg群で15%(18/123例)、5mg群で22%(27/122例)、10mg群で24%(28/115例)、20mg群で26%(31/120例)であった注)。注)本剤の承認用量は1回20mgを鼻腔内投与、1日40mg以内である。
片頭痛を対象とした12ヵ月間における片頭痛発現時投与試験(本剤20mg、オープン試験)を実施した結果、前半6ヵ月及び後半6ヵ月の頭痛改善率の平均値はそれぞれ78%(評価例数:116例)、75%(評価例数:113例)と同様の改善率を示し、本剤20mg/回を長期にわたる複数回の発作に投与しても有効性は低下しなかった。なお、本試験での頭痛改善率は当該期間中に症例ごとの頭痛改善(投与後120分)をみた発作の割合とした。副作用発現頻度は、本剤群で41%(75/182例)であった。
スマトリプタンは5-HT1受容体、特に5-HT1B、5-HT1D受容体に作用して、頭痛発作時に過度に拡張した頭蓋内外の血管を収縮させることにより片頭痛を改善すると考えられる8),9),10),11),12),13)。また、三叉神経に作用して、神経末端からのCGRP(calcitonin gene-related peptide)など起炎性ペプチドの放出を抑制することも、片頭痛の緩解に寄与していると考えられる14)。
本薬は、in vitroのレセプターバインディング試験において5-HT1B、5-HT1D受容体に対して選択的に高い親和性を示したが、5-HT2、5-HT3受容体やアドレナリン、ドパミン、ムスカリン及びベンゾジアゼピン受容体に対してはほとんど親和性を示さなかった15)。また、in vitroにおいて、5-HT1受容体を有する摘出イヌ伏在静脈に対して濃度依存的な収縮作用を示し、その収縮は、5-HT1受容体拮抗薬メチオテピンで抑制されたが、5-HT2、5-HT3受容体や他の受容体の拮抗薬によってはほとんど影響されなかった16)。
In vitroにおいて、イヌ及びヒトの摘出脳底動脈、ヒト摘出中硬膜動脈、ヒト側頭動脈、ヒト大脳動脈及びヒト摘出硬膜内の動脈を濃度依存的(1pM~100μM)に収縮させた8),9),10),11)。これらの収縮は、5-HT1B/1D受容体の選択的拮抗薬であるGR55562やこれより選択性の劣る5-HT1受容体拮抗薬メチオテピンで抑制された(in vitro)8),9),10),11)。一方、イヌ冠動脈や大腿動脈に対してはほとんど作用を示さなかった(in vitro)17)。ヒト摘出冠動脈に対しては、TXA2類似薬であるU-46619(0.1μM)による収縮に対して最大約10%程の弱い収縮作用を示した(in vitro)18)。
麻酔イヌへの鼻腔内投与(0.03~1mg/kg)により、血圧、心拍数にほとんど影響することなく、用量依存的な頚動脈血管抵抗の上昇が認められた。静脈内投与(0.1~1000μg/kg)によっても同様な頚動脈血管抵抗の上昇が認められたが、大動脈、冠動脈、腎動脈、上腸間膜動脈等に対しては、ほとんど作用を示さないか、示してもわずかであった12)。また、頚動脈血管抵抗上昇作用は、5-HT1受容体拮抗薬で抑制された。同様の結果が、ネコでも得られている12)。
片頭痛発作時の成人患者に3mg又は6mgを皮下投与すると、臨床症状の改善と相関して、内頚動脈と中大脳動脈の血流速度が用量依存的に増加することが報告されている(外国人データ)13)。
スマトリプタン(Sumatriptan)
3-[2-(Dimethylamino)ethyl]-N-methylindole-5-methanesulfonamide
C14H21N3O2S
295.40
白色~微黄色の粉末である。ジメチルスルホキシドに溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、アセトニトリルに溶けにくく、水に極めて溶けにくい。
約174℃
-0.73(1-オクタノール/水系)
0.1mL[1パック]×6
1) International Headache Society:Cephalalgia.2018;38:1-211
2) Wojnar-Horton RE,et al.:Br J Clin Pharmacol.1996;41:217-221
3) Duquesnoy C,et al.:Eur J Pharm Sci.1998;6:99-104
4) Tarbit MH,et al.:Biochem Pharmacol.1994;47:1253-1257
5) Williams P,et al.:Cephalalgia.1997;17:408
6) Scott AK,et al.:Br J Clin Pharmacol.1991;32:581-584
7) Van Hecken AM,et al.:Br J Clin Pharmacol.1992;34:82-84
8) Connor HE,et al.:Br J Pharmacol.1989;96:379-387
9) Parsons AA,et al.:Br J Pharmacol.1989;96:434-449
10) Humphrey PPA,et al.:Serotonin:Molecular Biology,Receptors and Functional Effects.Basel:Birkhauser Verlag,1991;421-429
11) Jansen I,et al.:Cephalalgia.1992;12:202-205
12) 後藤好史ほか:基礎と臨床.1993;27:3609-3630
13) Caekebeke JFV,et al.:Neurology.1992;42:1522-1526
14) Goadsby PJ,et al.:Ann Neurol.1993;33:48-56
15) McCarthy BG,et al.:Headache.1989;29:420-422
16) 後藤好史ほか:基礎と臨床.1993;27:3593-3607
17) Humphrey PPA,et al.:Br J Pharmacol.1988;94:1123-1132
18) Connor HE,et al.:Eur J Pharmacol.1989;161:91-94
グラクソ・スミスクライン株式会社
東京都港区赤坂1-8-1
カスタマー・ケア・センターTEL:0120-561-007(9:00~17:45/土日祝日及び当社休業日を除く)FAX:0120-561-047(24時間受付)
東京都港区赤坂1-8-1http://jp.gsk.com
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.