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処方箋医薬品注)
成人には、フルチカゾンプロピオン酸エステルとして通常1回100μgを1日2回吸入投与する。小児には、フルチカゾンプロピオン酸エステルとして通常1回50μgを1日2回吸入投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日の最大投与量は成人では800μg、小児では200μgを限度とする。
症状の緩解がみられた場合は、治療上必要最小限の用量で投与すること。
症状を増悪するおそれがある。
本剤の肺内での作用を確実にするため本剤の吸入に先立って、分泌がある程度減少するまで他剤を使用するとよい。
全身性ステロイド剤の減量中並びに離脱後も副腎皮質機能検査を行い、外傷、手術、重症感染症等の侵襲には十分に注意を払うこと。また、必要があれば一時的に全身性ステロイド剤の増量を行うこと。これらの患者では副腎皮質機能不全となっていることが考えられる。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本薬は皮下投与による動物実験(ラット1) 、ウサギ2) )で副腎皮質ステロイド剤に共通した奇形発生、胎児の発育抑制がみられ、これらの所見はウサギにおいて低い用量で出現することが報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。フルチカゾンプロピオン酸エステル10μg/kgをラットに皮下投与したときに乳汁中への移行が報告されている。
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に、生理機能が低下している。
CYP3A4阻害作用を有する薬剤
副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状があらわれる可能性がある。特に、リトナビルとフルチカゾンプロピオン酸エステル製剤の併用により、クッシング症候群、副腎皮質機能抑制等が報告されているので、リトナビルとの併用は治療上の有益性がこれらの症状発現の危険性を上回ると判断される場合に限ること。
CYP3A4による代謝が阻害されることにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。リトナビルは強いCYP3A4阻害作用を有し、リトナビルとフルチカゾンプロピオン酸エステル製剤を併用した臨床薬理試験において、血中フルチカゾンプロピオン酸エステル濃度の大幅な上昇、また血中コルチゾール値の著しい低下が認められている。
*アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管性浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがある。
0.5%~2%未満
0.5%未満
頻度不明
過敏症
発疹、蕁麻疹、顔面浮腫
口腔並びに呼吸器
口腔及び咽喉頭症状(不快感、むせ、疼痛、刺激感、異和感)、嗄声
口腔及び呼吸器カンジダ症、味覚異常、咳、口内乾燥、感染症
消化器
悪心、腹痛、食道カンジダ症
精神神経系
睡眠障害、不安、易刺激性、攻撃性
その他
鼻炎、胸痛、浮腫、気管支攣縮注)、高血糖
皮膚挫傷(皮下出血等)
過量投与(通常の用法及び用量を超えた量等)により、副腎皮質機能抑制等の全身性の作用がみられることがある。本剤を過量かつ長期間吸入した小児において、低血糖、及びそれに伴う意識低下、痙攣を主な所見とする急性副腎皮質機能不全の発現が報告されている。副腎皮質機能が抑制されている患者においては、外傷、手術、感染、本剤の急速な減量時等に急性副腎皮質機能不全が発現する可能性がある。
過量投与後に本剤を減量する際は、患者の管理を十分に行いながら徐々に行うこと。
患者には使用説明書を渡し、使用方法を指導すること。なお、エアゾール剤の噴霧と吸入の同調が難しいと考えられる患者にはスペーサー(吸入用補助器)を使用させることが望ましい。
本剤吸入後に、うがいを実施するよう患者を指導すること(口腔内カンジダ症又は嗄声の予防のため)。ただし、うがいが困難な患者には、うがいではなく、口腔内をすすぐよう指導すること。
健康成人にフルチカゾンプロピオン酸エステル400μgを吸入投与した結果、投与後0.67時間で最高血漿中濃度(0.119ng/mL)に達し、その後消失半減期4.1時間で減少した3) (外国人データ)。
血漿蛋白結合率は81~95%であった4) (外国人データ)。
健康成人におけるフルチカゾンプロピオン酸エステル経口投与時の血中主要代謝物は、17β-カルボン酸体であり、尿中では17β-カルボン酸体及びそのグルクロン酸抱合体、糞中では未吸収による未変化体及び17β-カルボン酸体である(外国人データ)。本剤はCYP3A4によって代謝を受ける5) 。
健康成人に3H-フルチカゾンプロピオン酸エステル1mgを経口投与した場合、ほとんど吸収されず、糞中への排泄は総回収率の87~97%を占め、尿中排泄率は5%以下であり、その大部分は投与後48時間までに排泄された(外国人データ)。
成人喘息患者48例を対象に交叉比較法によるメサコリンを用いた気道過敏性試験が実施された。その結果、本剤1回100μgを1日2回4週間投与することにより、プラセボに比して有意に気道過敏性が低下すること、またその低下作用はフルチカゾンプロピオン酸エステルロタディスクと同等であることが示されている6) 。副作用は本剤群では報告されなかった。
比較試験を含む成人気管支喘息患者370例7),8),9),10),11),12),13),14),15),16) に対するフルチカゾンプロピオン酸エステルロタディスクの有効率(中等度改善以上)は79.7%(295/370例)である。また、成人気管支喘息患者(軽・中等症)を対象とする比較試験において、フルチカゾンプロピオン酸エステルロタディスク1回100μg1日2回又はベクロメタゾンプロピオン酸エステルエアゾール1回100μg1日4回を4週間投与した結果、フルチカゾンプロピオン酸エステルロタディスクは最終全般改善度、概括安全度及び有用度注)とも有意に優れた成績が得られた。注)最終全般改善度:臨床症状、聴診ラ音、肺機能検査所見、併用薬の使用状況及び患者の印象を総合的に判断し、担当医師が以下の7段階で判定1.著明改善 2.中等度改善 3.軽度改善 4.不変 5.やや悪化 6.悪化 7.著明悪化概括安全度:副作用、血圧・脈拍及び臨床検査成績に基づき、担当医師が以下の4段階で判定1.安全である 2.ほぼ安全である 3.やや安全性に問題あり 4.安全性に問題あり有用度:最終全般改善度及び概括安全度を総合的に判断し、担当医師が以下の7段階で判定1.きわめて有用 2.有用 3.やや有用 4.有用でない 5.やや好ましくない 6.好ましくない 7.きわめて好ましくない
小児気管支喘息患者108例17),18) に対するフルチカゾンプロピオン酸エステルディスカスの有効率(中等度改善以上)注)は82.4%(89/108例)である。また、用量検討試験17) の年齢層毎の有効率は以下の表のとおりである。
5歳
6~8歳
9~11歳
12~15歳
100μg/日
0%(0/1)
76.9%(10/13)
65.2%(15/23)
42.9%(3/7)
200μg/日
40.0%(2/5)
87.5%(14/16)
70.0%(14/20)
注)最終全般改善度:臨床症状、聴診ラ音、肺機能検査所見、併用薬の使用状況及び患者の印象を総合的に判断し、担当医師が以下の6段階で判定1.著明改善 2.中等度改善 3.軽度改善 4.不変 5.悪化 6.判定不能
有効性解析対象症例692例における有効率は97.98%(678/692例)であった。安全性解析対象症例723例における副作用発現頻度は、0.97%(7/723例)であった。その内訳は、浮動性めまい、頭痛、発声障害、口腔内不快感、アトピー性皮膚炎、発熱及びアラニン・アミノトランスフェラーゼ増加 各0.14%(1/723例)であった注1)。
有効性解析対象症例409例における有効率は99.76%(408/409例)であった。安全性解析対象症例519例における副作用発現頻度は、1.35%(7/519例)であった。その内訳は、血中コルチゾール減少0.39%(2/519例)、口腔カンジダ症、意識消失、息詰まり感、腎障害、好酸球数増加及び副鼻腔炎 各0.19%(1/519例)であった注1)、注2)。注1)ドライパウダー剤とエアゾール剤の合算である。注2)観察期間12ヵ月の調査における症例数
フルチカゾンプロピオン酸エステルは合成副腎皮質ステロイドであり、グルココルチコイド受容体を刺激することにより、喘息抑制作用、抗炎症作用及び抗アレルギー作用を示す。
フルチカゾンプロピオン酸エステルの吸入投与及び気管内投与により、モルモットにおける卵白アルブミン抗原誘発遅発型喘息反応を抑制し、気管支肺胞洗浄液中の好酸球増加に対して抑制作用を示した。好酸球浸潤抑制作用はベクロメタゾンプロピオン酸エステルの約7倍であった。
フルチカゾンプロピオン酸エステルはMcKenzieらの方法による健康成人皮膚における血管収縮試験(皮膚蒼白度を指標)においてベクロメタゾンプロピオン酸エステルの約1.9倍、ベタメタゾン吉草酸エステルの約2.6倍、フルオシノロンアセトニドの約9.5倍の局所抗炎症作用を示した19) 。
ラットにおけるカラゲニン足蹠浮腫抑制作用は、局所投与でフルチカゾンプロピオン酸エステル>ベタメタゾン吉草酸エステル=ベクロメタゾンプロピオン酸エステル、皮下投与でフルチカゾンプロピオン酸エステル>ベタメタゾン吉草酸エステル>ベクロメタゾンプロピオン酸エステルの順であった20) 。
ラットを用いたcotton pellet法による肉芽腫増殖抑制作用はフルチカゾンプロピオン酸エステル>ベタメタゾン吉草酸エステル>ベクロメタゾンプロピオン酸エステルの順であり、croton oil法による局所投与ではフルチカゾンプロピオン酸エステル>ベタメタゾン吉草酸エステル=ベクロメタゾンプロピオン酸エステルの順である20) 。また、ラットのadjuvant関節炎抑制作用は皮下投与で、フルチカゾンプロピオン酸エステルはベタメタゾン吉草酸エステル、ベクロメタゾンプロピオン酸エステルより強い抑制作用を示す20) 。
ラットにおける48時間PCA反応に対し、皮下投与で用量依存的に抑制し、その強さはフルチカゾンプロピオン酸エステル>ベタメタゾン吉草酸エステル>クロモグリク酸ナトリウムの順である20) 。また、picryl chloride誘発マウス耳浮腫法による遅延型アレルギー反応に対し、皮下投与で用量依存的に抑制し、その強さはフルチカゾンプロピオン酸エステル=ベクロメタゾンプロピオン酸エステル>ベタメタゾン吉草酸エステルの順である20) 。
フルチカゾンプロピオン酸エステル(Fluticasone Propionate)
S-Fluoromethyl 6α,9α-difluoro-11β-hydroxy-16α-methyl-3-oxo-17α-propionyloxyandrost-1,4-diene-17β-carbothioate
C25H31F3O5S
500.57
白色の微細な粉末である。ジメチルスルホキシドに溶けやすく、アセトニトリル又はクロロホルムにやや溶けにくく、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けにくく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
約273℃(分解)
4.6(pH7.0、1-オクタノール/水系)
10.6g×1(専用アダプター付)
7.0g×1(専用アダプター付)
1) 新保幸太郎ほか:薬理と治療.1992;20:1597-1632
2) 江崎洋志ほか:薬理と治療.1992;20:1643-1656
3) Kunka R, et al.:Respir Med.2000;94(Suppl.B):S10-S16
4) Daniel MJ, et al.:基礎と臨床.1992;26:2011-2030
5) Meibohm B, et al.:Rev Contemp Pharmacother.1998;9:535-549
6) Langley SJ, et al.:Chest.2002;122:806-811
7) 宮本昭正ほか:臨床医薬.1997;13:1587-1608
8) 宮本昭正ほか:臨床医薬.1997;13:1609-1633
9) 大道光秀ほか:臨床医薬.1997;13:1635-1653
10) 山岸雅彦ほか:臨床医薬.1997;13:2097-2116
11) 田村 弦ほか:臨床医薬.1997;13:2741-2760
12) 工藤宏一郎ほか:臨床医薬.1994;10:689-710
13) 鈴木俊介ほか:臨床医薬.1997;13:2993-3010
14) 足立 満ほか:臨床医薬.1997;13:3011-3025
15) 佐野靖之ほか:臨床医薬.1997;13:3527-3543
16) 木原令夫ほか:臨床医薬.1997;13:3545-3563
17) 飯倉洋治ほか:アレルギー・免疫.2000;7:653-670
18) 飯倉洋治ほか:アレルギー・免疫.2000;7:671-687
19) Phillipps GH:Respir Med.1990;84(Suppl.A):19-23
20) 藤原 肇ほか:基礎と臨床.1992;26:1271-1295
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