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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
骨髄線維症
通常、成人にはモメロチニブとして200mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
副作用
程度
処置
血小板減少
25,000/mm3以上50,000/mm3未満(本剤投与開始前の血小板数が100,000/mm3以上の場合)
50mg減量を考慮する。100mg投与時の場合には50,000/mm3以上に回復するまで休薬を考慮する。休薬後に再開する場合には、100mgで再開する。
25,000/mm3未満
ベースライン又は50,000/mm3以上に回復するまで休薬を考慮する。休薬後に再開する場合には、休薬前の用量から50mg減量する注1)。
好中球減少
500/mm3未満
750/mm3以上に回復するまで休薬する。休薬後に再開する場合には、休薬前の用量から50mg減量する注1)。
非血液学的有害事象
グレード3以上注2)
グレード1以下又はベースラインに回復するまで休薬する。休薬後に再開する場合には、休薬前の用量から50mg減量する注1)。
注1)休薬前の用量が100mgの場合には100mgで再開する注2)NCI-CTCAE Version 5.0に準じる
結核を活動化させるおそれがある。,,
免疫抑制作用により病態を悪化させるおそれがある。活動性の感染症を合併している患者は臨床試験では除外されている。,,,
B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれるおそれがある。急性B型肝炎患者又はB型肝炎ウイルスキャリアの患者は臨床試験では除外されている。,,
本剤の開始用量を減量するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。,
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット及びウサギ)において、臨床曝露量(AUC)の約23倍(ラット)及び約1.2倍(ウサギ)の投与で、流産、胚死亡、胎児体重減少、骨変異、骨化遅延等が認められた。また、他のJAK阻害剤の動物実験において催奇形性が報告されている。
授乳しないことが望ましい。ヒト乳汁中への移行は不明であるが、動物実験(ラット)において、妊娠期間から授乳終了までの経口投与により、臨床曝露量(AUC)の4.2倍の生後10日目における母動物の曝露量の投与で、出生児の生存率減少、体重減少等が認められた。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
OATP1B1/1B3阻害剤
本剤の副作用の発現が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
これらの薬剤のOATP1B1/1B3阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
強いCYP3A誘導剤
セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察すること。
これらの薬剤等のCYP3A誘導作用により、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
プロトンポンプ阻害剤
これらの薬剤による胃内pHの上昇により本剤の溶解度が低下し、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
BCRPの基質となる薬剤
これらの薬剤の副作用の発現が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
本剤のBCRP阻害作用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
重篤な細菌性又はウイルス性の感染症等が発現又は悪化することがあり、死亡に至った症例が報告されている。本剤投与中及び投与終了後は患者の状態を十分に観察すること。,,,,,
血小板減少症(18.3%)、貧血(5.8%)、好中球減少症(4.7%)等があらわれることがある。
10%以上
1%以上~10%未満
1%未満
代謝および栄養障害
ビタミンB1欠乏
神経系障害
頭痛、浮動性めまい、錯感覚、末梢性ニューロパチー
失神
耳および迷路障害
回転性めまい
眼障害
霧視
血管障害
低血圧、潮紅
血腫
呼吸器、胸郭および縦隔障害
咳嗽
胃腸障害
悪心
下痢、腹痛、嘔吐、便秘
筋骨格系および結合組織障害
四肢痛、関節痛
一般・全身障害および投与部位の状態
疲労、無力症
発熱
傷害、中毒および処置合併症
挫傷
**皮膚および皮下組織障害
発疹
日本人健康成人14例にモメロチニブ200mgを単回経口投与した時のモメロチニブ及び主要活性代謝物(M21)の薬物動態パラメータ及び血漿中薬物濃度推移を表1、図1及び図2に示す。
薬物動態パラメータ
モメロチニブ(14例)
M21(14例)
Cmax(ng/mL)注1)
958.3(29.3)
626.4(40.9)
Tmax(h)注2)
3.00(0.50, 4.00)
4.00(1.00, 8.00)
t1/2(h)注1)
4.83(33.27)
5.65(31.42)
AUCinf(ng・h/mL)注1)
7321.8(44.0)
6305.3(36.3)
注1)幾何平均値(変動係数%)注2)中央値(最小値、最大値)
骨髄線維症患者にモメロチニブ200mgを1日1回経口投与した時の定常状態(2週目)におけるモメロチニブ及びM21の薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移を表2、図3及び図4に示す(外国人データ)。
例数
モメロチニブ
M21
20
388.2(61.4)
362.4(53.1)
1.75(0.50, 9.17)
3.00(1.00, 9.17)
19注3)
5.63(39.9)
7.72(45.3)
AUCtau (ng・h/mL)注1)
19
2613.0(60.4)
3713.6(39.0)
注1)幾何平均値(変動係数%)注2)中央値(最小値、最大値)注3)M21:18例
健康成人12例にモメロチニブ200mgを単回経口投与した時、空腹時投与に対する①低脂肪食後投与及び②高脂肪食後投与におけるモメロチニブのCmax及びAUCinfの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ①1.38及び1.16、並びに②1.28及び1.28であり、M21のCmax及びAUCinfの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ①1.19及び1.04、並びに②0.812及び0.936であった(外国人データ)。
モメロチニブ及びM21の血漿タンパク非結合率は、ヒト血漿中でそれぞれ19.2及び14.6%であった(in vitro)。
モメロチニブは主にCYP3A4により代謝され、CYP3A、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19及びCYP1A2による代謝の後にアルデヒド酸化酵素による代謝を経てM21が生成される(in vitro)。健康成人6例に14C標識したモメロチニブ200mgを単回経口投与した時、血漿中には主にM21及び未変化体が検出された(血漿中総放射能のAUC24hに対する割合は、それぞれ64.2及び17.3%)(外国人データ)。
健康成人6例に14C標識したモメロチニブ200mgを単回経口投与した時、放射能の69.3%が糞中に、27.5%が尿中に排泄された。また、放射能の12.7%がM21として、12.6%が未変化体として糞中に、放射能の11.5%がM21として、0.6%が未変化体として尿中に排泄された(外国人データ)。
健康成人(eGFR≧90mL/min/1.73m2)、中等度腎機能障害患者(eGFR30~59mL/min/1.73m2)、重度腎機能障害患者(eGFR15~29mL/min/1.73m2)にモメロチニブ200mgを単回経口投与した時、健康成人(9例)に対する中等度腎機能障害患者(10例)におけるモメロチニブ及びM21のAUCinfの最小二乗幾何平均値の比はそれぞれ0.867及び1.20であり、健康成人(10例)に対する重度腎機能障害患者(10例)におけるモメロチニブ及びM21のAUCinfの最小二乗幾何平均値の比はそれぞれ0.839及び1.41であった(外国人データ)。
健康成人、中等度肝機能障害患者(Child-Pugh分類B)及び重度肝機能障害患者(Child-Pugh分類C)(各群10例)にモメロチニブ200mgを単回経口投与した時、健康成人に対する①中等度肝機能障害患者及び②重度肝機能障害患者におけるモメロチニブ及びM21のAUCinfの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ①1.08及び0.524、並びに②1.97及び0.521であった(外国人データ)。,
健康成人12例にリファンピシン600mgを単回投与(OATP1B1/1B3阻害)し、モメロチニブ200mgを投与した時、モメロチニブ単独投与時に対する併用投与時における①モメロチニブ及び②M21のCmax及びAUCinfの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ①1.40及び1.57、並びに②1.06及び1.12であった(外国人データ)。また、健康成人12例にリファンピシン600mgを1日1回9日間反復投与(強いCYP3A誘導)し、モメロチニブ200mgを投与した時、リファンピシン単回併用投与時に対するリファンピシン反復併用投与時における①モメロチニブ及び②M21のCmax及びAUCinfの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ①0.706及び0.539、並びに②1.31及び0.854であった(外国人データ)。
健康成人12 例にオメプラゾール(プロトンポンプ阻害剤)20mgを1日1回6日間反復投与し、モメロチニブ200mgを投与した時、モメロチニブ単独投与時に対する併用投与時における①モメロチニブ及び②M21のCmax及びAUCinfの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ①0.645及び0.667、並びに②0.530及び0.630であった(外国人データ)。
健康成人12例にモメロチニブ200mgを1日1回5日間反復投与し、ロスバスタチン(BCRP基質)10mgを投与した時、ロスバスタチン単独投与時に対する併用投与時におけるロスバスタチンのCmax及びAUCinfの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ3.23及び2.73であった(外国人データ)。
JAK阻害剤による治療歴のない骨髄線維症患者注1)を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、本剤200mgを1日1回経口投与した。合計432例が本剤群[215例(日本人6例を含む)]又はルキソリチニブ群[217例(日本人9例を含む)]に無作為に割付けされた1)。主要評価項目である24週時に脾臓容積がベースラインから35%以上縮小した被験者の割合(SRR)、副次評価項目である24週時の総症状スコア(TSS)[修正版MPNSAF TSSv2.0を用いた評価]がベースラインと比較して50%以上減少した被験者の割合(TSS改善割合)及び副次評価項目である24週時の赤血球輸血非依存(RBC-TI)割合[24週間のうち、後半の12週間に赤血球輸血がなく、ヘモグロビン濃度が8g/dL以上の状態にある被験者の割合][95%信頼区間](%)は下表のとおりであった。無作為化期(投与開始24週時点まで)の副作用発現頻度は、本剤群で64.5%[138/214例(日本人2例を含む)]であった。主な副作用は、血小板減少症15.9%(34/214例)、頭痛12.1%(26/214例)、浮動性めまい11.2%(24/214例)、悪心10.7%(23/214例)等であった。
本剤群
ルキソリチニブ群
24週時のSRR(%)[95%信頼区間]
26.5[20.7, 32.9](57/215例)
29.5[23.5, 36.0](64/217例)
9[2, 16]a)p=0.014b)
24週時のTSS改善割合(%)c)[95%信頼区間]
28.4[22.5, 35.0](60/211例)
42.2[35.4, 49.2](89/211例)
0[-8, 8]d)p=0.98b)
24週時のRBC-TI割合(%)e)[95%信頼区間]
66.5[59.8, 72.8](143/215例)
49.3[42.5, 56.2](107/217例)
a)層別Cochran Mantel Haenszel法による非劣性の群間差[本剤群とルキソリチニブ群の60%との差;SRR(本剤群)-0.6×SRR(ルキソリチニブ群)]b)有意水準両側0.05c)24週時のSRRに続いて、階層的な検定手順により、24週時のTSS改善割合(ルキソリチニブ群に対する本剤群の非劣性)について仮説検定を実施した。また、ベースラインのTSSが0超、又はベースラインのTSSが0であるが24週時のTSSが0でない若しくは欠測である被験者が解析対象とされた。d)層別Cochran Mantel Haenszel法による非劣性の群間差[本剤群とルキソリチニブ群の67%との差;TSS改善割合(本剤群)-0.67×TSS改善割合(ルキソリチニブ群)]e)階層的な検定手順により、24週時のRBC-TI割合の統計学的な仮説検定は実施されなかった。
注1)試験対象患者・原発性骨髄線維症、及び真性多血症又は本態性血小板血症から移行した骨髄線維症患者(WHO分類又はIWG-MRT基準に基づき診断)・IPSSリスク分類の高リスク、中間-2リスクの患者又は中間-1リスクで症候性の脾腫、肝腫大、貧血(ヘモグロビン濃度10g/dL未満)を伴う、及び/又は利用可能な治療法に不応である患者・同種骨髄移植及び同種幹細胞移植が不適応の患者・左肋骨縁下に触知可能な5cm以上の脾腫を有する患者
JAK阻害剤による治療歴のある貧血を有する骨髄線維症患者注2)を対象とした二重盲検無作為化比較試験において、本剤200mgを1日1回経口投与した。合計195例が本剤群(130例)又はダナゾール注3)群(65例)に無作為に割付けされた2)。主要評価項目である24週時の総症状スコア(TSS)[MFSAFv4.0を用いた評価]がベースラインと比較して50%以上減少した被験者の割合(TSS改善割合)[95%信頼区間](%)は本剤群24.6[17.5, 32.9](32/130例)、ダナゾール群9.2[3.5, 19.0](6/65例)、群間差[95%信頼区間]注4)は15.7[5.5, 25.8]、p=0.0095注5)であった。無作為化期(投与開始24週時点まで)の副作用発現頻度は、本剤群で57.7%(75/130例)であった。主な副作用は、血小板減少症17.7%(23/130例)、下痢12.3%(16/130例)、悪心9.2%(12/130例)等であった。注2)試験対象患者・原発性骨髄線維症、及び真性多血症又は本態性血小板血症から移行した骨髄線維症患者(WHO分類又はIWG-MRT基準に基づき診断)・DIPSS又はDIPSS-plusリスク分類の高リスク、中間-2リスク、又は中間-1リスクの患者・同種幹細胞移植を予定していない患者・左肋骨縁下に触知可能な5cm以上の脾腫又は画像検査で体積が450cm³以上の脾腫を有する患者・MFSAFv4.0でTSSが10以上の臨床症候を有する患者・ヘモグロビン濃度が10g/dL未満の貧血を有する患者注3)骨髄線維症に伴う貧血に対して国内未承認注4)層別Cochran Mantel Haenszel法による群間差[95%信頼区間](%)注5)有意水準両側0.05
モメロチニブは、ヤヌスキナーゼ(JAK)1/2及びアクチビンA受容体1型(ACVR1)に対する阻害作用を有する低分子化合物である。モメロチニブは、JAK1/2の下流のシグナル伝達分子(STAT等)のリン酸化を阻害することにより、骨髄線維症に対して腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。また、モメロチニブは、ACVR1の下流のシグナル伝達分子(SMAD)のリン酸化を阻害することでヘプシジン産生を抑制し、循環血中の鉄濃度を増加させ、造血を促進すると考えられている。
モメロチニブをJAK2 V617F変異を導入した骨髄増殖性腫瘍モデルマウスに反復経口投与した時、網状赤血球数減少、脾臓重量減少、脾臓における初期赤血球前駆細胞減少、骨髄における前駆細胞及び成熟赤血球前駆細胞の増加等が認められた(in vivo)3)。
モメロチニブ塩酸塩水和物(Momelotinib Hydrochloride Hydrate)
N-(Cyanomethyl)-4-{2-[4-(morpholin-4-yl)anilino]pyrimidin-4-yl}benzamide dihydrochloride monohydrate
C23H22N6O2・2HCl・H2O
505.40
淡黄色~褐色~帯赤褐色の固体
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
14錠[瓶、バラ、乾燥剤入り]×1
1) Mesa RA,et al.:J Clin Oncol.2017;35:3844-3850
2) Verstovsek S,et al.:Lancet.2023;401:269-280
3) Tyner JW,et al.:Blood.2010;115(25):5232-5240
グラクソ・スミスクライン株式会社
東京都港区赤坂1-8-1メディカル・インフォメーション
TEL:0120-561-007(9:00~17:45/土日祝日及び当社休業日を除く)https://jp.gsk.com
本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、2025年8月末日まで、投薬は1回14日分を限度とされている。
東京都港区赤坂1-8-1
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