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日本薬局方
ムピロシンカルシウム軟膏
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある者
通常、適量を1日3回鼻腔内に塗布する。
使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、必要な最小限の期間(3日間程度)の投与にとどめ、漫然と長期にわたり投与しないこと。
海外での臨床試験において投与部位に軽度の局所反応(鼻炎様症状、刺激感等)が報告されている。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
頻度不明
投与部位
軽度の局所反応(鼻炎様症状、刺激感等)
皮膚
過敏症(発疹、発赤、そう痒等)
熱傷、各種皮膚潰瘍(褥瘡、糖尿病性壊疽、外傷性皮膚欠損等)の際の皮膚における創面感染には使用しないこと。
本剤を健康成人5例に対し、両鼻腔内に1回各0.1g 1日3回、3日間連続塗布したところ、ムピロシン及び主代謝物であるmonic acidは血清中及び尿中から検出されず、鼻腔内粘膜より極めて吸収されにくいことが確認された2)。
MRSAの鼻腔内保菌者に対し、本剤を1回60mg(片側の鼻腔に30mg)1日3回、3日間塗布した際の除菌効果(消失率)は、次のとおりであった。副作用は認められなかった3)。
被験者区分
最終塗布翌日
最終塗布1週間後
医療従事者
74/79(93.7%)
76/77(98.7%)
入院患者
37/50(74.0%)
41/48(85.4%)
合計
111/129(86.0%)
117/125(93.6%)
健康成人30例を対象に、軟膏基剤(プラセボ軟膏)を対照薬として1回約30mgずつ、1日3回、3日間の鼻腔内粘膜塗布比較試験を実施した結果、両群ともに鼻粘膜の異常は認められず、また、臨床検査及び理学的検査等すべての検査項目においても異常は認められなかった4)。
健康成人30例を対象に、背部皮膚に本剤及び軟膏基剤(プラセボ軟膏)、対照薬として白色ワセリン及びポビドンヨード製剤の各々約50mgずつをパッチ絆プレートを用いて閉塞塗布し、皮膚刺激性の検討を行った結果、本剤の皮膚刺激指数は、24時間、48時間の閉塞塗布とも0であり、皮膚刺激性に問題はないと考えられた。
ムピロシンは、細菌の蛋白合成の初期段階において、イソロイシルtRNA合成酵素-イソロイシン-AMP複合体の生成を阻害する5)。その結果、ムピロシンは細菌のリボゾームにおけるペプチド合成を阻害し、細菌内での蛋白合成を抑制することによって抗菌活性を示す。
ムピロシンは、MRSAに対し優れた抗菌力を発揮する。国内で臨床分離されたMRSA(519株)に対する90%最小発育阻止濃度(MIC90)は0.2μg/mLであり、すべての株が0.39μg/mL以下で発育を阻止された3)。
ムピロシンカルシウム水和物(Mupirocin Calcium Hydrate)
Monocalcium bis[9-((2E)-4-{(2S,3R,4R,5S)-5-[(2S,3S,4S,5S)-2,3-epoxy-5-hydroxy-4-methylhexyl]-3,4-dihydroxy-3,4,5,6-tetrahydro-2H-pyran-2-yl}-3-methylbut-2-enoyloxy)nonanoate]dihydrate
C52H86CaO18・2H2O
1075.34
白色の粉末で、味は苦い。メタノールに溶けやすく、水又はエタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
3g[1チューブ]×5
1) 厚生省国立病院課・国立療養所課 監修.:院内感染対策の手引き-MRSAに注目して-,南江堂,1992
2) 秋元 純ほか.:薬理と治療.1993;21(8):249-261
3) 清水喜八郎ほか.:日環感.1996;11(1):7-15
4) 川島 眞ほか.:薬理と治療.1996;24(1):85-92
5) Hughes J,et al.:Biochem.J.1978;176:305-318
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