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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の耐性菌の発現を防ぐため、「5. 効能又は効果に関連する注意」及び「7. 用法及び用量に関連する注意」の項を熟読の上、適正使用に努めること。
本剤の成分又はポリミキシンBに対し過敏症の既往歴のある患者
〈適応菌種〉コリスチンに感性の大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、緑膿菌、アシネトバクター属ただし、他の抗菌薬に耐性を示した菌株に限る〈適応症〉各種感染症
通常、成人には、コリスチンとして1回1.25~2.5mg(力価)/kgを1日2回、30分以上かけて点滴静注する。
クレアチニンクリアランス(mL/min)
用法及び用量
≥80
1回1.25~2.5mg(力価)/kgを1日2回投与
50~79
1回1.25~1.9mg(力価)/kgを1日2回投与
30~49
1回1.25mg(力価)/kgを1日2回又は1回2.5mg(力価)/kgを1日1回投与
10~29
1回1.5mg(力価)/kgを36時間ごとに投与
本剤の神経筋遮断作用により症状が悪化するおそれがある。
本剤は主に腎排泄されるため高い血中濃度が持続するおそれがある。,,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。コリスチンメタンスルホン酸はヒト胎盤を通過することが報告されている1)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。コリスチンメタンスルホン酸はヒト母乳中へ移行することが報告されている2)。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
腎機能に十分注意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多い。
筋弛緩剤
筋弛緩作用を有する薬剤
神経系障害を発現するリスクが高まるおそれがあるため、患者の状態を十分に観察するなど注意すること。
いずれの薬剤も神経筋遮断作用を有しており、併用によりその作用が増強されるおそれがある。
バンコマイシン塩酸塩アミノグリコシド系抗生物質 等
腎機能障害があらわれることがあるので、併用の必要性については十分に検討すること。
いずれの薬剤も腎機能障害を悪化させる作用を有しており、併用によりその作用が増強するおそれがある。
腎不全等の重篤な腎機能障害があらわれることがある。
神経系障害として呼吸窮迫、無呼吸があらわれることがある。
頻度不明
腎臓
尿量減少
精神神経系
錯乱、精神病性障害、運動失調、不明瞭発語、錯感覚、頭痛、浮動性めまい
耳
回転性めまい
眼
視覚障害
筋骨格系
筋力低下
消化器
悪心、嘔吐、下痢
皮膚
瘙痒症、全身性瘙痒症、蕁麻疹、発疹
*全身症状
過敏症反応(皮疹、血管性浮腫)、発熱
投与部位
注射部位反応、注射部位刺激感
本剤の過量投与により神経筋接合部が遮断され、筋力低下、無呼吸、場合によっては呼吸停止が引き起こされる可能性がある。また、尿量減少、血清BUN及びクレアチニン濃度の上昇を特徴とする急性腎障害が引き起こされる可能性もある。
本剤1バイアルに注射用水又は生理食塩液2mLを加え、泡立たないように穏やかに溶解し溶解液とする(溶解液の濃度は75mg(力価)/mLである)。この溶解液を生理食塩液等で希釈し、通常50mLの点滴静注用液とする。
調製後の溶解液は速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存を必要とする場合でも、冷蔵庫(2~8℃)に保存し24時間以内に使用すること。希釈した点滴静注用液は速やかに使用し、残液は廃棄すること。
健康成人に2.5mg(力価)/kgを0.5時間かけて単回静脈内投与及び12時間間隔で5回反復静脈内投与した時の血漿中コリスチンメタンスルホン酸及びコリスチンの薬物動態パラメータを表1及び表2に、血漿中コリスチン濃度推移を図1に示す。また、血漿中コリスチン濃度は5回の反復静脈内投与で定常状態に到達した3)。
Cmax(μg/mL)
AUC0-∞(μg・hr/mL)
t1/2(hr)
単回投与
18.0±3.7
20.8±5.9
0.7±0.3
反復投与
17.2±2.5
16.1±4.6
0.5±0.2
平均値±標準偏差(単回投与14例、反復投与13例)
2.6±1.3
17.6±6.8
4.0±0.7
4.4±1.6
29.0±8.3
5.0±1.0
重症患者におけるコリスチンの血漿蛋白結合率は66%である6)(外国人データ)。
静脈内投与後のコリスチンメタンスルホン酸の一部は生体内でコリスチンに変換され、抗菌活性を発揮する。コリスチンメタンスルホン酸の約30%はコリスチンに変換される9)(外国人データ)。
多剤耐性グラム陰性桿菌による重症感染症患者105例でCLcrが10mL/min/1.73m2未満の患者20例にコリスチンメタンスルホン酸ナトリウムの約200~1093mg/日を8~24時間ごと注)に静脈内投与した時のコリスチンメタンスルホン酸のt1/2(中央値)は11時間であり、コリスチンのt1/2(中央値)は13時間であった。CLcrが11~69mL/min/1.73m2の患者62例でのコリスチンメタンスルホン酸のt1/2(中央値)は5.6時間、コリスチンのt1/2(中央値)は13時間であった。CLcrが70mL/min/1.73m2超の患者19例でのコリスチンメタンスルホン酸のt1/2(中央値)は4.6時間、コリスチンのt1/2(中央値)は9.1時間であった5)(外国人データ)。,注)本剤の承認用量は、通常、成人には、コリスチンとして1回1.25~2.5mg(力価)/kgを1日2回点滴静注である。
多剤耐性緑膿菌及び多剤耐性アシネトバクター・バウマニ感染症患者を対象とした非盲検、非対照試験11)において、コリスチン2.5~5.0mg/kg/日を1日2~3回注)静脈内投与した結果、臨床効果の有効率は58%(35/60例)であった。主な有害事象は、腎機能障害37%(22/60例)であった。
多剤耐性緑膿菌重症感染症患者を対象とした非盲検、非対照試験12)において、コリスチン5.0mg/kg/日を1日2回注)静脈内投与した結果、臨床効果の有効率は61%(14/23例)であった。主な副作用は、筋力低下4.3%(1/23例)であった。
多剤耐性アシネトバクター・バウマニによる人工呼吸器関連肺炎患者を対象とした実薬対照、非盲検試験13)において、コリスチン2.5~5.0mg/kg/日を1日3回注)静脈内投与した結果、臨床効果の有効率は57%(12/21例)であった。主な有害事象は、腎機能障害24%(5/21例)であった。
多剤耐性緑膿菌及び多剤耐性アシネトバクター・バウマニによる院内感染症患者を対象としたプロスペクティブ、非対照試験14)において、コリスチン2.5~5mg/kg/日を1日3回注)静脈内投与した結果、臨床効果の有効率は76.9%(60/78例)であった。主な有害事象は、急性腎障害13.5%(7/52例、治療開始時に腎機能が異常であった症例を除く)、びまん性筋力低下1.3%(1/78例)であった。
多剤耐性緑膿菌重症感染症に罹患した癌患者を対象としたレトロスペクティブ、実薬対照試験15)において、コリスチン5mg/kg/日を1日2~4回注)静脈内投与した結果、臨床効果の有効率は52%(16/31例)であった。主な有害事象は、腎機能障害23%(7/31例)であった。
多剤耐性グラム陰性菌感染症患者を対象としたレトロスペクティブ試験16)において、コリスチン5.0mg/kg/日注)を静脈内投与した結果、臨床効果の有効率は51%(59/115例)であった。主な有害事象は、腎機能障害14%(12/84例、治療開始前に腎代償療法を実施していた症例を除く)、四肢の局所痙攣(3例)、異常な精神状態(1例)であった。注)腎機能により調節されている場合、最高用量を記載した。本剤の承認用量は、通常、成人には、コリスチンとして1回1.25~2.5mg(力価)/kgを1日2回点滴静注である。
コリスチンの標的は細菌外膜であり、グラム陰性菌のリポポリサッカライド分子との静電的相互作用により細菌外膜の安定性を低下させ、細菌外膜に局所的な障害を起こす結果、細胞内物質を流出させ殺菌活性を発揮する17)。
いずれも多剤耐性の緑膿菌18),19)、アシネトバクター・バウマニ20)、エンテロバクター・クロアカ21)、シトロバクター属22)ならびに肺炎桿菌カルバペネマーゼ産生23)及びニューデリー・メタロ-β-ラクタマーゼ1産生24)の肺炎桿菌に対して抗菌力を示したとの報告がある(in vitro)。
多剤耐性緑膿菌の大腿筋感染及び肺感染マウスを用いたin vivo PK-PDモデル25)においてfAUC/MICと高い相関性のある抗菌活性を示したとの報告がある。多剤耐性緑膿菌感染マウス肺炎26)及び敗血症モデル27)において感染防御効果を示したとの報告がある。
コリスチンメタンスルホン酸ナトリウム(Colistin Sodium Methanesulfonate)
コリスチンAメタンスルホン酸ナトリウム:C58H105N16O28S5Na5コリスチンBメタンスルホン酸ナトリウム:C57H103N16O28S5Na5
コリスチンAメタンスルホン酸ナトリウム:1749.82コリスチンBメタンスルホン酸ナトリウム:1735.79
白色~ほぼ白色の粉末である。
* 本品はコリスチンAメタンスルホン酸ナトリウム及びコリスチンBメタンスルホン酸ナトリウムの混合物である。
*医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
150mg[1バイアル]
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