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劇薬
処方箋医薬品注)
○抗CD20抗体併用の場合通常、成人には、ベンダムスチン塩酸塩として90mg/m2(体表面積)を1日1回1時間かけて点滴静注する。投与を2日間連日行い、26日間休薬する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。○単独投与の場合(再発又は難治性の場合に限る)通常、成人には、ベンダムスチン塩酸塩として120mg/m2(体表面積)を1日1回1時間かけて点滴静注する。投与を2日間連日行い、19日間休薬する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
○未治療の場合リツキシマブ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人には、ベンダムスチン塩酸塩として90mg/m2(体表面積)を1日1回1時間かけて点滴静注する。投与を2日間連日行い、26日間休薬する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。○再発又は難治性の場合通常、成人には、ベンダムスチン塩酸塩として120mg/m2(体表面積)を1日1回1時間かけて点滴静注する。投与を2日間連日行い、19日間休薬する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
○リツキシマブ(遺伝子組換え)併用の場合通常、成人には、ベンダムスチン塩酸塩として120mg/m2(体表面積)を1日1回1時間かけて点滴静注する。投与を2日間連日行い、19日間休薬する。これを1サイクルとして、最大6サイクル投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。○リツキシマブ(遺伝子組換え)及びポラツズマブ ベドチン(遺伝子組換え)併用の場合通常、成人には、ベンダムスチン塩酸塩として90mg/m2(体表面積)を1日1回1時間かけて点滴静注する。投与を2日間連日行い、19日間休薬する。これを1サイクルとして、最大6サイクル投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
通常、成人には、ベンダムスチン塩酸塩として100mg/m2(体表面積)を1日1回1時間かけて点滴静注する。投与を2日間連日行い、26日間休薬する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
再生医療等製品の用法及び用量又は使用方法に基づき使用する。
投与間隔又は投与量の調節
指標
休薬
次サイクル投与開始にあたり、好中球数及び血小板数が右記の指標に回復するまで休薬すること。
好中球数1,000/mm3以上及び血小板数75,000/mm3以上
減量又は中止
治療中に、下記の指標に該当する骨髄抑制が認められた場合には、休薬の項の指標に回復したことを確認の上、次サイクルの投与を開始すること。その場合、以下のとおり減量又は投与中止を考慮すること。
低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫の場合
好中球数500/mm3未満又は血小板数25,000/mm3未満
なお、減量を行った場合には、以降投与量を維持し、増量しないこと。
慢性リンパ性白血病の場合
再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の場合
〈リツキシマブ(遺伝子組換え)併用の場合〉
好中球数500/mm3未満、好中球数1,000/mm3未満が2週間以上持続する、又は血小板数75,000/mm3未満
〈リツキシマブ(遺伝子組換え)及びポラツズマブ ベドチン(遺伝子組換え)併用の場合〉
好中球数1,000/mm3未満又は血小板数50,000/mm3未満
次サイクル投与予定日の7日目までに休薬の項の指標に回復した場合は、減量せずに投与し、8日目以降に回復した場合は、以下のとおり減量又は投与を中止すること。
次サイクル投与開始にあたり、臨床検査値等が右記の指標に回復するまで休薬すること。
Grade 2注1以下の非血液毒性総ビリルビン:2.0mg/dL未満血清クレアチニン:2.0mg/dL未満
治療中に、下記の指標に該当する副作用が認められた場合には、休薬の項の指標に回復したことを確認の上、次サイクルの投与を開始すること。その場合、以下のとおり減量又は投与中止を考慮すること。
低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫及び再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の場合
Grade 3注1以上の非血液毒性
注1:NCI-CTCAE Version 4.0
骨髄抑制が増強されるおそれがある。,,
骨髄抑制により感染症が増悪するおそれがある。,
心疾患を悪化させるおそれがある。
本剤の治療期間中及び治療終了後は、継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。本剤の投与により、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。,
副作用が強くあらわれるおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠動物(マウス及びラット)において、胚・胎児毒性及び催奇形性が認められたとの報告がある。,,,
*授乳しないことが望ましい。本剤の乳汁移行については不明であるが、本剤は乳癌耐性蛋白(BCRP)の基質である可能性があるため、乳汁移行の可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした国内臨床試験は実施していない。
患者の状態を十分に観察しながら投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下していることが多い。
他の抗悪性腫瘍剤
骨髄抑制等の副作用が増強することがある。
骨髄抑制作用を増強する可能性がある。
白血球減少(68.9%)、血小板減少(37.4%)、好中球減少(34.1%)、リンパ球減少(30.6%)、ヘモグロビン減少(25.7%)、顆粒球減少(24.0%)、CD4リンパ球減少(23.7%)、赤血球減少(9.6%)等の骨髄抑制があらわれることがある。,,,,
肺炎(2.0%)、敗血症(0.7%)等の重度の感染症があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。,,
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線検査異常等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎障害に至るおそれがあるので、体内水分量を適切に維持し、血液生化学検査(特に尿酸及びカリウム)を行うなど患者の状態を十分に観察すること。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、口腔粘膜の発疹、口内炎等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
10%以上
10%未満
頻度不明
*血液
貧血、イムノグロブリン(IgA、IgM、IgG)低下
溶血性貧血、発熱性好中球減少症、汎血球減少、単球減少、白血球増加、好中球増加、好酸球増加、リンパ球増加、ヘモグロビン増加
播種性血管内凝固、CD4/CD8比低下、CD4/CD8比上昇、ヘマトクリット減少、網状赤血球減少、無顆粒球症
*心・血管障害
不整脈(房室ブロック、洞性頻脈、上室性期外収縮、心室性期外収縮等)、動悸、心筋梗塞、心血管障害、心障害、心嚢液貯留、心不全、左室機能不全、循環虚脱、パジェット・シュレッター症候群、血管障害(血管痛)、低血圧、高血圧、高血圧クリーゼ、ほてり、潮紅、静脈炎、静脈血栓症、心電図QT延長、心電図ST-T部分異常、心電図T波振幅減少
心肺不全、出血
*眼
眼そう痒症、眼充血、眼瞼紅斑、強膜出血、角膜炎、閃輝暗点、流涙増加
*消化器
便秘、下痢、悪心、嘔吐
口角口唇炎、口腔障害、口腔内潰瘍形成、口内炎、口内乾燥、舌障害、舌炎、食道痛、消化不良、おくび、胃炎、胃障害、胃食道逆流性疾患、胃不快感、腹痛、下腹部痛、腹部膨満、びらん性十二指腸炎、イレウス、痔核、肛門出血
潰瘍性食道炎、胃腸出血、消化管運動過剰
*肝臓
ALT上昇、AST上昇等の肝機能異常、胆汁うっ滞、胆石症、胆嚢ポリープ、肝毒性、γ-GTP上昇、血中ビリルビン低下、高ビリルビン血症
*代謝・栄養系
食欲不振、LDH上昇
高血糖、低比重リポ蛋白増加、脱水、高アミラーゼ血症、高カリウム血症、高クロール血症、高トリグリセリド血症、高尿酸血症、ALP上昇、総蛋白低下、低アルブミン血症、低カリウム血症、低カルシウム血症、低ナトリウム血症、低マグネシウム血症、低リン酸血症
ALP低下、高カルシウム血症
*筋骨格系
関節痛、筋骨格硬直、筋肉痛、頚部痛、骨痛、四肢痛、側腹部痛、背部痛
*精神神経系
回転性めまい、体位性めまい、浮動性めまい、感覚障害、感覚鈍麻、錯感覚、味覚異常、知覚過敏、嗅覚錯誤、無感情、認知症、睡眠障害、不眠症、眠気、末梢性ニューロパチー、ラクナ梗塞、頭痛、頭部不快感
抗コリン作動性症候群、失声症、運動失調、脳炎、気分変化
*泌尿器
腎機能障害、腎結石症、腎不全、血尿、蛋白尿、頻尿、膀胱刺激症状、クレアチニン上昇、β2ミクログロブリン増加、BUN上昇
BUN低下
*呼吸器
肺塞栓症、肺障害、肺浸潤、過敏性肺臓炎、呼吸不全、胸水、上気道の炎症、口腔咽頭痛、口腔咽頭不快感、湿性咳嗽、咳嗽、アレルギー性鼻炎、鼻出血、鼻漏、しゃっくり
原発性異型肺炎、肺線維症、肺機能異常
*皮膚注1
発疹(22.8%)
皮膚炎、ざ瘡様皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、剥脱性皮膚炎、皮膚びらん、皮膚乳頭腫、皮膚剥脱、皮膚疼痛、乾皮症、乾癬、多形紅斑、紅斑、蕁麻疹、斑状丘疹状皮疹、湿疹、そう痒症、過敏性血管炎、脱毛症、手掌・足底発赤知覚不全症候群、色素沈着障害、寝汗、多汗症
そう痒性皮疹、点状出血
*注射部位
注射部位血管外漏出、注射部位反応(発赤、疼痛、硬結等)
*その他
発熱、疲労、倦怠感、過敏症
C-反応性蛋白増加、浮腫、注入に伴う反応、悪寒、熱感、低体温、粘膜の炎症、外耳の炎症、耳管閉塞、耳鳴、無力症、不規則月経、無月経、体重減少、体重増加、サルコイドーシス、胸痛、疼痛、腫瘍疼痛、節足動物刺傷アレルギー、全身健康状態悪化
不妊症、尿中ウロビリン陽性、多臓器不全
100mg製剤の場合には1バイアルあたり40mL、25mg製剤の場合には1バイアルあたり10mLの注射用水で溶解する。患者の体表面積から換算した投与量を生理食塩液で希釈し、最終投与液を250mLに調製すること。なお、調製時には、手袋を着用することが望ましい。
直ちに石鹸及び多量の水で十分に洗い、眼は水で洗浄すること。
*細菌を用いた復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験、ラットの骨髄細胞を用いた小核試験及びマウスを用いた優性致死試験において、遺伝毒性が報告された。また、動物(マウス及びラット)において受胎能の低下及び精巣毒性が報告された。,,,
日本人患者に、本剤90又は120mg/m2/日を1時間かけて点滴静注したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった1)
Dose(mg/m2)
例数
t1/2(hr)
Tmax(hr)
Cmax(ng/mL)
AUC0-t(ng・hr/mL)
Vz(mL)
CL(mL/hr)
90
3
0.53±0.09
0.8±0.3
7250±3303
8327±3626
15075±4491
20246±8185
120
6
0.47±0.05
0.9±0.2
8616±4488
10212±5759
17532±10578
25963±15531
(平均値±標準偏差)
低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫又はマントル細胞リンパ腫患者にベンダムスチン塩酸塩90又は120mg/m2/日を1時間点滴静注したときの薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移
本剤のヒト血漿蛋白への結合率はin vitro試験で約94~96%であり、α1酸性糖蛋白(<6%)よりもアルブミン(80~92%)への結合率が高かった2)。
がん患者において、肝・腎機能正常の場合と肝機能障害(肝への浸潤・転移が30%~70%)又は腎機能障害(クレアチニンクリアランスが60mL/min以下)がある場合を比較するために、本剤120mg/m2/日を30分点滴静注後の薬物動態を評価した。肝・腎機能正常、肝機能障害及び腎機能障害者における薬物動態パラメータは以下のとおりであった(外国人データ)6)。
Tmax(min)
t1/2(min)
AUC0-t(hr・ng/mL)
肝・腎機能正常
12
29.6±7.2
10780±7024
28.2±15.9
11654±10590
肝機能障害注1
29.6±4.0
9893±3335
26.9±7.6
8868±4260
腎機能障害注2
31.3±10.0
9749±2542
26.4±6.4
8013±3404
(平均値±標準偏差)注1:総ビリルビン0.5~2.0mg/dLの患者注2:透析患者5例を含む、クレアチニンクリアランスが9.05~35.73mL/minの患者
がん化学療法又は抗体療法の治療歴を有する低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫又はマントル細胞リンパ腫の患者を対象に、本剤を単独で投与(本剤120mg/m2をDay 1及びDay 2に静脈内投与し、その後19日間休薬する。これを1サイクルとして、最大6サイクルまで投与)された臨床成績は以下のとおりであった7)。
疾患名
奏効率(完全寛解+部分寛解/例数)
完全寛解率(完全寛解/例数)
1年無増悪生存率
低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫
58例
89.7%(52/58例)
65.5%(38/58例)
70.4%
マントル細胞リンパ腫
11例
100%(11/11例)
72.7%(8/11例)
90.0%
また、安全性評価対象例69例中69例(100%)に副作用が認められた。主な副作用は、リンパ球数減少(98.6%)、白血球数減少(97.1%)、好中球数減少(89.9%)、悪心(84.1%)、CD4リンパ球減少(78.3%)、血小板数減少(75.4%)、赤血球数減少(68.1%)、ヘモグロビン減少(66.7%)、食欲減退(60.9%)、血中乳酸脱水素酵素増加(50.7%)、便秘(46.4%)、C-反応性蛋白増加(44.9%)、嘔吐(42.0%)、疲労(40.6%)、血中免疫グロブリンM減少(40.6%)、発疹(39.1%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加(36.2%)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加(34.8%)、体重減少(34.8%)、発熱(31.9%)、静脈炎(30.4%)等であった。
未治療の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫又は造血幹細胞移植の適応とならないマントル細胞リンパ腫の患者を対象に、本剤とリツキシマブを併用にて(4週間を1サイクルとして、本剤90mg/m2をDay 1及びDay 2に、リツキシマブ375mg/m2を第1サイクルはDay 0、第2サイクル以降はDay 1に点滴静脈内投与し、その後少なくとも26日間休薬する)、最大6サイクルまで投与した結果、完全寛解率は、低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫67.8%(40/59例)及びマントル細胞リンパ腫70.0%(7/10例)であった8)。また、安全性評価対象例69例中69例(100%)に副作用が認められた。主な副作用は白血球数減少(100%)、リンパ球数減少(97.1%)、好中球数減少(94.2%)、CD4リンパ球減少(92.8%)、悪心(66.7%)、便秘(62.3%)、血小板数減少(55.1%)、倦怠感(53.6%)、低γグロブリン血症(52.2%)、食欲不振(43.5%)、注入に伴う反応(40.6%)、発疹(39.1%)、貧血(34.8%)、静脈炎(34.8%)、AST上昇(31.9%)、LDH増加(30.4%)等であった。,
未治療の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫又はマントル細胞リンパ腫の患者を対象とした無作為化非盲検群間比較試験の成績概要は以下のとおりであった。本剤とリツキシマブの併用注1とR-CHOP注2を比較した。主要評価項目とされた治験責任医師判定による無増悪生存期間(PFS)の最終解析時の成績は、R-CHOP群の31.3カ月(中央値)に対して、本剤群では61.4カ月(中央値)であった。ただし、治験実施計画書に事前に規定されていない解析計画に基づくものであるため、R-CHOP群に対する本剤群の優越性は検証されていない9)。また、本剤が投与された安全性評価対象例267例中263例(98.5%)に副作用が認められた。主な副作用は、白血球数減少(81.6%)、顆粒球数減少(54.3%)、嘔吐(40.8%)、ヘモグロビン減少(36.0%)、血小板数減少(27.3%)、発疹(24.3%)、トランスアミナーゼ上昇(22.1%)、発熱(20.6%)等であった。,
本剤群注1N=274
R-CHOP群注2N=275
PFS(医師判定)注3中央値(月)(95%信頼区間)ハザード比(99%信頼区間)P値注4
61.4(45.3-NA)
31.3(25.4-40.7)
0.607(0.43-0.86)p<0.0001
PFS(独立評価委員会判定)注3中央値(月)(95%信頼区間)ハザード比(99%信頼区間)P値注4
N=182注530.6(23.6-33.3)
N=171注523.3(16.5-26.0)
0.735(0.5-1.08)p=0.0420
全生存期間中央値(月)(95%信頼区間)ハザード比(95%信頼区間)P値注4
NA(NA-NA)
0.846(0.61-1.17)p=0.3101
NA:該当なし注1:4週間を1サイクルとして、本剤1回90mg/m2をDay 1及び2に静脈内投与、並びにリツキシマブ375mg/m2をDay 1に静脈内投与。なお、第1サイクルはリツキシマブをDay 0に投与した。注2:3週間を1サイクルとして、リツキシマブ375mg/m2、シクロホスファミド750mg/m2、ドキソルビシン塩酸塩50mg/m2及びビンクリスチン硫酸塩1.4mg/m2(最大2mg)をDay 1に静脈内投与、並びにプレドニゾン(国内未承認)100mgをDay 1~5に経口投与。なお、第1サイクルはリツキシマブをDay 0に投与した。注3:PFSの評価は第3サイクル及び治療終了後、並びに以後、必要時とされ、両群間で評価間隔は異なっていた。注4:優越性検定でのP値注5:独立評価委員会評価可能対象集団。なお、治験実施計画書に規定されていなかった独立評価委員会判定を事後的に実施したが、組入れから判定まで長期間が経過していたこと等から、評価に必要なすべての画像情報を入手できなかった。
未治療のCD20陽性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫患者1,401例(日本人129例を含む)を対象とした非盲検無作為化比較試験注6の成績概要は以下のとおりであった。オビヌツズマブ(遺伝子組換え)と化学療法注7(CHOP注8、CVP注9又は本剤注10)との併用注11(オビヌツズマブ/化学療法群)とリツキシマブと化学療法との併用注12(対照群)を比較した。濾胞性リンパ腫患者注13(1,202例、日本人123例を含む)において、オビヌツズマブ/化学療法群では、対照群に比べ主要評価項目である治験責任医師判定によるPFSの有意な延長が認められ(ハザード比[95%信頼区間]:0.66[0.51~0.85]、[層別Log-rank検定:P=0.0012(有意水準両側0.012)]、2016年1月31日データカットオフ)、中央値[95%信頼区間]はオビヌツズマブ/化学療法群では未達[推定不能]、対照群では未達[47.1カ月~推定不能]であった。また、本剤が併用された濾胞性リンパ腫患者686例において、本剤/オビヌツズマブ群では、本剤/リツキシマブ群に比べ治験責任医師判定によるPFSのハザード比[95%信頼区間]は0.61[0.43~0.86]であった10)。また、本剤が投与された濾胞性リンパ腫患者の安全性評価対象例676例(日本人12例を含む)中578例(85.5%)に副作用が認められた。主な副作用は、悪心(48.7%)、疲労(30.8%)、好中球減少症(26.6%)、注入に伴う反応(14.8%)、嘔吐(14.1%)、便秘(11.1%)等であった。,注6:導入療法期(最大8サイクル)と、導入療法期終了時に部分奏効以上の奏効が認められた患者を対象に、維持療法期が設定された。注7:CHOP、CVP又は本剤のいずれかとの併用。注8:21日間を1サイクルとして、シクロホスファミド750mg/m2、ドキソルビシン塩酸塩50mg/m2及びビンクリスチン硫酸塩1.4mg/m2(最大2mg)をDay 1に静脈内投与、並びにプレドニゾロン/プレドニゾン(国内未承認)/メチルプレドニゾロン80又は100mgをDay 1~5に経口投与。注9:21日間を1サイクルとして、シクロホスファミド750mg/m2及びビンクリスチン硫酸塩1.4mg/m2(最大2mg)をDay 1に静脈内投与、並びにプレドニゾロン/プレドニゾン(国内未承認)/メチルプレドニゾロン80又は100mgをDay 1~5に経口投与。注10:28日間を1サイクルとして、本剤90mg/m2をDay 1及びDay 2に静脈内投与、並びに第1サイクルのDay 1にプレドニゾロン/プレドニゾン(国内未承認)/メチルプレドニゾロン80又は100mgを経口又は静脈内投与。注11:CHOP、CVP又は本剤との併用で、オビヌツズマブ1日1回1000mgを第1サイクルはDay 1、8及びDay 15、第2サイクル以降はDay 1に静脈内投与した。維持療法期では、オビヌツズマブ1日1回1000mgを2カ月間間隔で最長2年間静脈内投与した。注12:CHOP、CVP又は本剤との併用で、リツキシマブ1回375mg/m2を各サイクルのDay 1に静脈内投与した。維持療法期では、リツキシマブ1回375mg/m2を2カ月間間隔で最長2年間静脈内投与した。注13:オビヌツズマブの承認効能・効果は、CD20陽性の濾胞性リンパ腫である。
リツキシマブ治療抵抗性注14のCD20陽性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫患者413例を対象とした非盲検無作為化比較試験注15の成績概要は以下のとおりであった。本剤とオビヌツズマブとの併用注16(本剤/オビヌツズマブ併用群)と本剤単独投与注17(対照群)を比較した注13。低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫患者396例において、本剤/オビヌツズマブ併用群では、対照群に比べ主要評価項目である中央判定によるPFSの有意な延長が認められ(ハザード比[95%信頼区間]:0.55[0.40~0.74]、[層別Log-rank検定:P=0.0001(有意水準両側0.015)]、2014年9月1日データカットオフ)、中央値[95%信頼区間]は本剤/オビヌツズマブ併用群では未達[22.5カ月~推定不能]、対照群では14.9カ月[12.8~16.6カ月]であった。また、濾胞性リンパ腫患者注13 321例において、本剤/オビヌツズマブ併用群では、対照群に比べ中央判定によるPFSのハザード比[95%信頼区間]は0.48[0.34~0.68]であった11)。また、本剤が投与された濾胞性リンパ腫患者の安全性評価対象例330例中304例(92.1%)に副作用が認められた。主な副作用は、注入に伴う反応(55.5%)、悪心(52.4%)、疲労(31.8%)、好中球減少症(25.8%)等であった。注14:リツキシマブを含む治療法に対して治療抵抗性の患者(直近のリツキシマブ療法(単剤療法か化学療法との併用のいずれか)に対して不応、又は治療終了後6カ月以内に病勢の進行が認められた患者)が対象とされた。注15:導入療法期(最大6サイクル)と、導入療法期終了時に病勢進行が認められなかった患者を対象に、維持療法期が設定された。注16:導入療法期では、28日間を1サイクルとし、第1サイクルではDay 1、8及び15、第2~6サイクルではDay 1にオビヌツズマブ1回1000mgを静脈内投与、各サイクルのDay 1及びDay 2に本剤1回90mg/m2を静脈内投与し、最大6サイクル繰り返した。また、第1サイクルのDay 1にプレドニゾロン/プレドニゾン(国内未承認)/メチルプレドニゾロン80又は100mgを経口又は静脈内投与した。維持療法期では、オビヌツズマブ1000mgを2カ月間間隔で最長2年間静脈内投与した。注17:導入療法期では、28日間を1サイクルとし、各サイクルのDay 1及びDay 2に本剤1回120mg/m2を静脈内投与し、最大6サイクル繰り返した。維持療法期では、経過観察とされた。なお、本邦の承認用法・用量は、「21日間を1サイクルとし、各サイクルのDay 1及びDay 2に本剤1回120mg/m2を静脈内投与する」である。
再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者注18を対象に、本剤とリツキシマブを併用注19投与した結果、主要評価項目である奏効率は76.3%(29/38例、95%信頼区間:59.8~88.6%)であった12)。また、安全性評価対象例38例中37例(97.4%)に副作用が認められた。主な副作用は、リンパ球数減少(89.5%)、好中球数減少(81.6%)、白血球数減少(81.6%)、CD4リンパ球減少(65.8%)、血小板数減少(60.5%)等であった。注18:①前治療数が2、かつ救援化学療法及び自家造血幹細胞移植が実施された、②前治療数が2、かつ自家造血幹細胞移植の適応とならず救援化学療法のみによる治療が実施された、又は③前治療数が1、かつ加齢、臓器機能低下等の理由により、2剤以上の抗悪性腫瘍剤の併用による救援化学療法の実施が困難と判断された、のいずれかを満たす患者が対象とされた。注19:3週間を1サイクルとして、本剤1回120mg/m2をDay 2及びDay 3、及びリツキシマブ375mg/m2をDay 1にそれぞれ静脈内投与した。最大6サイクル投与した。
GO29365試験の第Ⅱ相ランダム化パートにおいて、自家造血幹細胞移植の適応とならない再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者を対象とした非盲検無作為化比較試験の成績概要は以下のとおりであった。本剤、リツキシマブ及びポラツズマブ ベドチンとの併用注20(BR+Pola;40例)と本剤とリツキシマブの併用注20(BR;40例)を比較した。主要評価項目とされた独立評価委員会評価によるPrimary Response Assessment(PRA、本剤最終投与後6~8週)時点におけるPET-CTを用いた完全奏効割合は、BR+Pola群では40.0%(16/40例)(95%信頼区間:24.9~56.7%)、BR群では17.5%(7/40例)(95%信頼区間:7.3~32.8%)であった(2018年4月30日データカットオフ)13),14)。また、安全性評価対象例(BR+Pola群)39例中36例(92.3%)に副作用が認められた。主な副作用は、好中球減少症53.8%、血小板減少症41.0%、下痢及び貧血が各33.3%、疲労及び悪心が各23.1%、発熱及び末梢性ニューロパチーが各20.5%であった。注20:3週間を1サイクルとし、各薬剤を最大6サイクル投与する。
自家造血幹細胞移植の適応とならない再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者を対象に、BR+Pola注20を投与した結果、主要評価項目である治験責任医師評価によるPRA時点におけるPET-CTを用いた完全奏効割合は34.3%(12/35例、95%信頼区間:19.1~52.2%)であった(2019年12月24日データカットオフ)15)。また、安全性評価対象例35例中33例(94.3%)に副作用が認められた。主な副作用は、貧血37.1%、悪心31.4%、血小板減少症及び好中球減少症が各25.7%、便秘、血小板数減少及び好中球数減少が各22.9%、倦怠感及び食欲減退が各20.0%であった。
未治療の慢性リンパ性白血病患者を対象とする無作為化非盲検群間比較試験の成績概要は以下のとおりであった。本剤(100mg/m2を2日間投与し、最大6サイクルまで繰り返す)とクロラムブシル注21(0.8mg/kg、1回/2週間経口投与を最大6サイクルまで繰り返す)を比較した。奏効率はクロラムブシル群の39.2%(49/125例)に対して、本剤群では67.6%(94/139例)であった。PFSではクロラムブシル群の9.3カ月(中央値)に対して、本剤群では21.7カ月(中央値)であった16)。また、本剤の投与を受けた安全性評価対象例161例中137例(85.1%)に副作用が認められた。主な副作用は、好中球数減少(27.3%)、血小板数減少(24.2%)、発熱(23.6%)、悪心(19.3%)、貧血(18.6%)、白血球数減少(17.4%)、嘔吐(14.9%)等であった。
本剤群注23N=139
クロラムブシル群注24N=125
最良総合効果奏効率注22オッズ比(95%信頼区間)P値注25
67.6%
39.2%
0.3005(0.1799-0.5020)p<0.0001
PFS中央値(月)(95%信頼区間)P値注26
21.7カ月(18.7-25.9)
9.3カ月(8.6-11.7)
p<0.0001
注21:国内未承認注22:NCI-WGの基準(CR+PR)注23:4週間を1サイクルとし、本剤100mg/m2をDay 1及びDay 2に静脈内投与注24:4週間を1サイクルとし、クロラムブシル0.8mg/kgをDay 1及びDay 15に経口投与注25:優越性検定でのP値注26:層別因子により調整したLog-rank検定でのP値
ベンダムスチン塩酸塩は、アルキル化作用によりDNAを損傷し17)、p53依存性18),19)及び非依存性20),21)のアポトーシス誘導、並びに有糸分裂期のチェックポイント阻害による分裂期崩壊誘導18)といった複数の機序を介して、殺細胞作用を示す。
ベンダムスチン塩酸塩は、in vitro試験において、ヒト低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫由来細胞株(DOHH-2)、マントル細胞リンパ腫由来細胞株(Z-138、REC-1)、慢性リンパ性白血病由来細胞株(HG-3)、前リンパ球性白血病由来細胞株(JVM-3)及びびまん性大細胞型B細胞リンパ腫由来細胞株(Toledo)に対して、細胞増殖抑制作用を示した。また、ベンダムスチン塩酸塩は、免疫不全マウスの皮下に、DOHH-2、HG-3あるいはToledo細胞株を異種移植したin vivo試験において、腫瘍増殖抑制作用を示した。
ベンダムスチン塩酸塩(Bendamustine Hydrochloride) (JAN)
4-{5-[Bis(2-chloroethyl)amino]-1-methyl-1H-benzoimidazol-2-yl}butanoic acid monohydrochloride
C16H21Cl2N3O2・HCl
394.72
ベンダムスチン塩酸塩は、白色~灰白色の結晶性の粉末である。メタノールに溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けやすく、2-プロパノール又はアセトニトリルに溶けにくく、アセトン又はクロロホルムに極めて溶けにくく及び酢酸エチルにほとんど溶けない。
包装開封後もバイアルを箱に入れて保存すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
1包装あたり1バイアル
1) 社内資料:薬物動態[国内第Ⅰ相臨床試験(2006001試験)](承認年月日:2010年10月27日、CTD 2.7.6.1)
2) 社内資料:薬物動態[海外非臨床試験(KLG/06試験)](承認年月日:2010年10月27日、CTD 2.6.4.4.5)
3) 社内資料:薬物動態[海外非臨床試験(DM-2008-006試験)](承認年月日:2010年10月27日、CTD 2.6.4.5.5)
4) Teichert J. et al. :Drug Metab. Dispos. 2005; 33: 984
5) Teichert J. et al. :Drug Metab. Dispos. 2009; 37: 292
6) 社内資料:薬物動態[海外臨床試験(98B03試験)](承認年月日:2010年10月27日、CTD 2.7.6.8)
7) Ohmachi K. et al. :Cancer Sci. 2010; 101: 2059
8) Ogura M. et al. :Int. J. Hematol. 2017; 105: 470
9) 社内資料:海外第Ⅲ相臨床試験(NHL 1-2003試験)(承認年月日:2016年12月19日、CTD 2.7.6.1)
10) Marcus R. et al. :N. Engl. J. Med. 2017; 377: 1331
11) Sehn LH. et al. :Lancet Oncol. 2016; 17: 1081
12) *社内資料:国内第Ⅲ相臨床試験(2017002試験)(承認年月日:2021年3月23日、CTD 2.7.6.2)
13) *社内資料:海外第Ⅰb/Ⅱ相試験(GO29365試験)(承認年月日:2021年3月23日、CTD2.7.3.2、2.7.4.2.1.1)
14) Sehn LH, et al. J Clin Oncol 2020;38:155-65
15) *社内資料:国内第Ⅱ相試験(JO40762試験)(承認年月日:2021年3月23日、CTD2.7.3.2、2.7.4.2.1.1)
16) 社内資料:海外第Ⅲ相臨床試験(02CLL Ⅲ試験)(承認年月日:2016年8月26日、CTD 2.7.6.1)
17) Strumberg D. et al. :Anticancer Drugs 1996; 7: 415
18) Leoni L.M. et al. :Clin. Cancer Res. 2008; 14: 309
19) Gaul L. et al. :J. Cancer Res. Clin. Oncol. 2008; 134: 245
20) Roue G. et al. :Clin. Cancer Res. 2008; 14: 6907
21) Alonso R. et al. :Blood 2009; 114: 1563
22) 社内資料:薬効薬理[ベンダムスチンのヒト低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫由来細胞株及びマントル細胞リンパ腫由来細胞株に対する細胞増殖抑制作用](承認年月日:2010年10月27日、CTD 2.6.2.2.1.7、CTD 2.6.2.2.2.7)
23) 社内資料:薬効薬理[ベンダムスチンのヒト慢性リンパ性白血病細胞株に対する細胞増殖抑制作用](承認年月日:2016年8月26日、CTD 2.6.2.2.1.1、CTD 2.6.2.2.2.1)
24) 社内資料:薬効薬理[ベンダムスチンのヒトびまん性大細胞型B細胞リンパ腫由来細胞株に対する細胞増殖抑制作用](承認年月日:2021年3月23日、CTD 2.6.2.2.1.1、CTD 2.6.2.2.2.1)
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