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日本薬局方
リドカイン注射液
劇薬
処方箋医薬品注)
硬膜外麻酔、伝達麻酔、浸潤麻酔
硬膜外麻酔、伝達麻酔、浸潤麻酔、表面麻酔
硬膜外麻酔:(基準最高用量;1回200mg)リドカイン塩酸塩として、通常、成人25~150mgを使用する。交感神経遮断には25~100mgを使用する。
伝達麻酔:(基準最高用量;1回200mg)リドカイン塩酸塩として、通常、成人15~200mgを使用する。指趾神経遮断には15~50mg、肋間神経遮断には25mgまでを使用する。
浸潤麻酔:(基準最高用量;1回200mg)リドカイン塩酸塩として、通常、成人10~200mgを使用する。
ただし、年齢、麻酔領域、部位、組織、症状、体質により適宜増減する。
硬膜外麻酔:(基準最高用量;1回200mg)リドカイン塩酸塩として、通常、成人100~200mgを使用する。
伝達麻酔:(基準最高用量;1回200mg)リドカイン塩酸塩として、通常、成人30~200mgを使用する。指趾神経遮断には30~100mg、肋間神経遮断には50mgまでを使用する。
浸潤麻酔:(基準最高用量;1回200mg)リドカイン塩酸塩として、通常、成人20~200mgを使用する。
表面麻酔:適量を塗布または噴霧する。
硬膜外麻酔:(基準最高用量;1回200mg)リドカイン塩酸塩として、通常、成人200mgを使用する。
伝達麻酔:(基準最高用量;1回200mg)リドカイン塩酸塩として、通常、成人40~200mgを使用する。指趾神経遮断には60~120mgを使用する。
浸潤麻酔:(基準最高用量;1回200mg)リドカイン塩酸塩として、通常、成人40~200mgを使用する。
各種麻酔方法による用量は次表のとおりである。( )内は注射液としての用量である。
麻酔方法
注射液0.5%
注射液1%
注射液2%
硬膜外麻酔
25~150mg(5~30mL)
100~200mg(10~20mL)
200mg(10mL)
硬膜外麻酔[交感神経遮断]
25~100mg(5~20mL)
-
伝達麻酔
15~200mg(3~40mL)
30~200mg(3~20mL)
40~200mg(2~10mL)
伝達麻酔[指趾神経遮断]
15~50mg(3~10mL)
30~100mg(3~10mL)
60~120mg(3~6mL)
伝達麻酔[肋間神経遮断]
25mgまで(5mLまで)
50mgまで(5mLまで)
浸潤麻酔
10~200mg(2~40mL)
20~200mg(2~20mL)
表面麻酔
適量を塗布又は噴霧する
生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある。
症状を悪化させることがある。
硬膜外麻酔により病状が悪化するおそれがある。
やむを得ず投与する場合は観察を十分に行うこと。出血しやすく、血腫形成や脊髄への障害を起こすことがある。
やむを得ず投与する場合は患者の全身状態の観察を十分に行うこと。脊髄や神経根の損傷のおそれがあり、また麻酔範囲の予測も困難である。
投与量の減量を考慮するとともに、患者の全身状態の観察を十分に行うこと。仰臥位性低血圧を起こしやすく、麻酔範囲が広がりやすい。麻酔中はさらに増悪することがある。
患者の全身状態の観察を十分に行うこと。血圧低下や病状の悪化が起こりやすい。
中毒症状が発現しやすくなる。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト乳汁中への移行が報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
投与量の減量を考慮するとともに、患者の全身状態の観察を十分に行う等、慎重に投与すること。一般に麻酔範囲が広がりやすく、生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下している。
心機能抑制作用が増強するおそれがあるので、心電図検査等によるモニタリングを行うこと。
作用が増強することが考えられる。
徐脈、不整脈、血圧低下、呼吸抑制、チアノーゼ、意識障害等を生じ、まれに心停止を来すことがある。また、まれにアナフィラキシーショックを起こしたとの報告がある。
意識障害、振戦、痙攣等の中毒症状があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注射針又はカテーテルの留置時に神経(神経幹、神経根)に触れることにより一過性の異常感覚が発現することがある。また、神経が注射針や薬剤あるいは虚血によって障害を受けると、まれに持続的な異常感覚、疼痛、知覚障害、運動障害、硬膜外麻酔では膀胱直腸障害等の神経学的疾患があらわれることがある。
まれに原因不明の頻脈・不整脈・血圧変動、急激な体温上昇、筋強直、血液の暗赤色化(チアノーゼ)、過呼吸、発汗、アシドーシス、高カリウム血症、ミオグロビン尿(ポートワイン色尿)等を伴う重篤な悪性高熱があらわれることがある。本剤を投与中、悪性高熱に伴うこれらの症状を認めた場合は、直ちに投与を中止し、ダントロレンナトリウムの静注、全身冷却、純酸素による過換気、酸塩基平衡の是正等、適切な処置を行うこと。また、本症は腎不全を続発することがあるので、尿量の維持を図ること。
頻度不明
中枢神経注1)
眠気、不安、興奮、霧視、眩暈等
消化器注1)
悪心・嘔吐等
過敏症
蕁麻疹等の皮膚症状、浮腫等
局所麻酔剤の血中濃度の上昇に伴い、中毒が発現する。特に誤って血管内に投与した場合には、数分以内に発現することがある。その症状は、主に中枢神経系及び心血管系の症状としてあらわれる。,
初期症状として不安、興奮、多弁、口周囲の知覚麻痺、舌のしびれ、ふらつき、聴覚過敏、耳鳴、視覚障害、振戦等があらわれる。症状が進行すると意識消失、全身痙攣があらわれ、これらの症状に伴い低酸素血症、高炭酸ガス血症が生じるおそれがある。より重篤な場合には呼吸停止を来すこともある。
血圧低下、徐脈、心筋収縮力低下、心拍出量低下、刺激伝導系の抑制、心室性頻脈及び心室細動等の心室性不整脈、循環虚脱、心停止等があらわれる。
振戦や痙攣が著明であれば、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)を投与する。
本剤は金属を侵す性質があるので、長時間金属器具(カニューレ、注射針等)に接触させないことが望ましい。なお、金属器具を使用した場合は、使用後十分に水洗すること。
健康成人に2%リドカイン液20mL(リドカイン塩酸塩として400mg)注2)を単独あるいはアドレナリンを添加(1:200,000)して硬膜外投与したとき、アドレナリン添加時の血漿中濃度は、単独投与時に比べ最高濃度の有意な低下、最高濃度到達時間の有意な延長が認められた1)(外国人データ)。
投与群
Cmax(μg/mL)
Tmax(min)
AUC0-4h(μg・min/mL)
アドレナリン非添加、動脈血
3.7±0.5
12±3
274±19
アドレナリン非添加、静脈血
2.40±0.60
11±6
235±21
アドレナリン添加、動脈血
2.1±0.4
25±4
221±71
アドレナリン添加、静脈血
0.95±0.12
102±84
102±43
平均値±標準偏差
リドカイン2μg/mLの血漿蛋白結合率は約65%で、α1-酸性糖蛋白及びアルブミンと結合する。血液/血漿中濃度比は約0.8であることから、血球への分布は少ないと考えられる。妊婦にリドカイン塩酸塩を硬膜外投与したとき、臍帯静脈血液中濃度と母体血漿中濃度の比は0.5~0.7で、胎盤を通過する2)。
リドカインは、主として肝臓でN-脱エチル体monoethyl glycinexylidide(MEGX)に代謝された後、glycinexylidide(GX)、2,6-xylidineに代謝され、約70%が4-hydroxy-2,6-xylidineとして尿中に排泄される3)。
リドカイン塩酸塩250mg注2)を健康人に経口投与注3)したとき、24時間後までの尿中放射能排泄率は投与量の83.8%、未変化体は投与量の2.8%であった3)(外国人データ)。
高齢者にリドカイン塩酸塩50mgを静脈内投与後注3)の終末相半減期は140分を示し、若齢者の81分に比べて延長した4)(外国人データ)。
心不全患者及び腎不全患者にリドカイン塩酸塩50mgを静脈内投与後注3)の消失半減期は、健康人に比べ有意な変動はなく、肝機能低下患者では約3倍に延長した5)(外国人データ)。
神経細胞膜のNa+チャネルを抑制することによって神経の活動電位発生を抑制するという局所麻酔薬共通の作用により、知覚神経の求心性伝導を抑制する6)。
モルモット脊髄硬膜外にリドカイン塩酸塩を投与したとき、リドカイン塩酸塩は速やかに運動神経を遮断し、その作用持続時間はアドレナリン添加により、約1.3倍に延長した7)。
リドカイン(Lidocaine)(JAN)[日局]
2-Diethylamino-N-(2,6-dimethylphenyl)acetamide
C14H22N2O
234.34
白色~微黄色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノール又はエタノール(95)に極めて溶けやすく、酢酸(100)又はジエチルエーテルに溶けやすく、水にほとんど溶けない。希塩酸に溶ける。
66~69℃
5バイアル[20mL×5]1バイアル[100mL×1]
1) Mather,L.E.et al.:Br.J.Anaesth.1976;48:989-994
2) Burm,A.G.L.:Clin.Pharmacokinet.1989;16:283-311
3) Keenaghan,J.B.et al.:J.Pharmacol.Exp.Ther.1972;180:454-463
4) Nation,R.L.et al.:Br.J.Clin.Pharmacol.1977;4:439-448
5) Thomson,P.D.et al.:Ann.Intern.Med.1973;78:499-508
6) 第十八改正日本薬局方解説書.東京:廣川書店;2021.C-6065-6069
7) Åkerman,B.et al.:Acta Anaesthesiol.Scand.1988;32:571-578
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