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日本薬局方
メピバカイン塩酸塩注射液
劇薬
処方箋医薬品注)
硬膜外麻酔、伝達麻酔、浸潤麻酔
硬膜外麻酔:(基準最高用量;1回500mg)メピバカイン塩酸塩として、通常成人50~150mgを使用する。
伝達麻酔:(基準最高用量;1回500mg)メピバカイン塩酸塩として、通常成人、指趾神経遮断には20~40mg、肋間神経遮断には25mg、交感神経遮断には25mgを使用する。
浸潤麻酔:(基準最高用量;1回500mg)メピバカイン塩酸塩として、通常成人10~200mgを使用する。
ただし、年齢、麻酔領域、部位、組織、症状、体質により適宜増減する。
硬膜外麻酔:(基準最高用量;1回500mg)メピバカイン塩酸塩として、通常成人100~300mgを使用する。
伝達麻酔:(基準最高用量;1回500mg)メピバカイン塩酸塩として、通常成人50~200mgを使用する。指趾神経遮断には40~80mgを使用する。
浸潤麻酔:(基準最高用量;1回500mg)メピバカイン塩酸塩として、通常成人20~400mgを使用する。
硬膜外麻酔:(基準最高用量;1回500mg)メピバカイン塩酸塩として、通常成人200~400mgを使用する。
伝達麻酔:(基準最高用量;1回500mg)メピバカイン塩酸塩として、通常成人40~400mgを使用する。指趾神経遮断には80~160mgを使用する。
浸潤麻酔:(基準最高用量;1回500mg)メピバカイン塩酸塩として、通常成人40~400mgを使用する。
麻酔方法別の用量は次表のとおりである。( )内は注射液としての用量である。
麻酔方法
0.5%注
1%注
2%注
硬膜外麻酔
50~150mg(10~30mL)
100~300mg(10~30mL)
200~400mg(10~20mL)
伝達麻酔
-
50~200mg(5~20mL)
40~400mg(2~20mL)
伝達麻酔[指趾神経遮断]
20~40mg(4~8mL)
40~80mg(4~8mL)
80~160mg(4~8mL)
伝達麻酔[肋間神経遮断]
25mg(5mL)
伝達麻酔[交感神経遮断]
浸潤麻酔
10~200mg(2~40mL)
20~400mg(2~40mL)
生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある。
症状を悪化させることがある。
硬膜外麻酔により病状が悪化するおそれがある。
やむを得ず投与する場合は観察を十分に行うこと。出血しやすく、血腫形成や脊髄への障害を起こすことがある。
やむを得ず投与する場合は患者の全身状態の観察を十分に行うこと。脊髄や神経根の損傷のおそれがあり、また麻酔範囲の予測も困難である。
投与量の減量を考慮するとともに、患者の全身状態の観察を十分に行うこと。仰臥位性低血圧を起こしやすく、麻酔範囲が広がりやすい。麻酔中はさらに増悪することがある。
患者の全身状態の観察を十分に行うこと。血圧低下や病状の悪化が起こりやすい。
中毒症状が発現しやすくなる。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
投与量の減量を考慮するとともに、患者の全身状態の観察を十分に行う等、慎重に投与すること。一般に麻酔範囲が広がりやすく、生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下している。
クラスⅢ抗不整脈剤
心機能抑制作用が増強するおそれがあるので、心電図検査等によるモニタリングを行うこと。
作用が増強することが考えられる。
徐脈、不整脈、血圧低下、呼吸抑制、チアノーゼ、意識障害等を生じ、まれに心停止を来すことがある。また、まれにアナフィラキシーショックを起こしたとの報告がある。,
意識障害、振戦、痙攣等の中毒症状があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注射針又はカテーテルの留置時に神経(神経幹、神経根)に触れることにより一過性の異常感覚が発現することがある。また、神経が注射針や薬剤あるいは虚血によって障害を受けると、まれに持続的な異常感覚、疼痛、知覚障害、運動障害、硬膜外麻酔では膀胱直腸障害等の神経学的疾患があらわれることがある。
頻度不明
中枢神経注)
眠気、不安、興奮、霧視、眩暈等
消化器注)
悪心・嘔吐等
過敏症
蕁麻疹等の皮膚症状、浮腫等
初期症状として不安、興奮、多弁、口周囲の知覚麻痺、舌のしびれ、ふらつき、聴覚過敏、耳鳴、視覚障害、振戦等があらわれる。症状が進行すると意識消失、全身痙攣があらわれ、これらの症状に伴い低酸素血症、高炭酸ガス血症が生じるおそれがある。より重篤な場合には呼吸停止を来すこともある。
血圧低下、徐脈、心筋収縮力低下、心拍出量低下、刺激伝導系の抑制、心室性頻脈及び心室細動等の心室性不整脈、循環虚脱、心停止等があらわれる。
振戦や痙攣が著明であれば、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)を投与する。
本剤は金属を侵す性質があるので、長時間金属器具(カニューレ、注射針等)に接触させないことが望ましい。なお、金属器具を使用した場合は、使用後十分に水洗すること。
患者に2%メピバカイン液25mL(メピバカイン塩酸塩として500mg)単独あるいはアドレナリンを添加(1:200,000)して硬膜外投与したとき、単独群での血漿中濃度は、15分後に最高濃度(4.65μg/mL)を示したが、アドレナリン添加群では最高濃度の低下(36%)及び最高濃度到達時間の遅延が認められた1)(外国人データ)。
メピバカイン2μg/mLの血漿蛋白結合率は78%で、α1-酸性糖蛋白及びアルブミンと結合する。血液/血漿中濃度比は約0.9である。妊婦にメピバカイン塩酸塩を硬膜外投与したとき、臍帯静脈血液中濃度と母体血漿中濃度の比は0.5~0.7で、胎盤を通過する2)。
メピバカインは主として肝臓で速やかに代謝されて尿中へ排泄される3)。ヒト尿中において、芳香環の3位及び4位の水酸化体、N-脱メチル体(pipecolylxylidine)及びそれらの抱合体として投与量の約30%の代謝物が検出された4)(外国人データ)。
尿中の未変化体の排泄率は4%であった4)(外国人データ)。
神経細胞膜のNa+チャネルを抑制することによって神経の活動電位発生を抑制するという局所麻酔薬共通の作用により、知覚神経の求心性伝導を抑制する5)。
モルモット背部に本剤あるいはカルボカイン注を皮内投与し、麻酔作用持続時間を比較した。両剤の麻酔作用持続時間はほぼ同値を示し、有意な差は認められず、両製剤の生物学的同等性が確認された6)。
本剤あるいはカルボカイン注をラット坐骨神経に投与し、坐骨神経遮断作用の持続時間を比較した。両剤の麻酔作用持続時間はほぼ同値を示し、有意な差は認められず、両製剤の生物学的同等性が確認された6)。
メピバカイン塩酸塩の伝達麻酔作用は、動物実験(マウス)において、プロカイン塩酸塩の約2倍、リドカイン塩酸塩の約1.5倍であった7)。また、ヒト伝達麻酔において、メピバカイン塩酸塩はリドカイン塩酸塩と同等の作用発現時間及びより長い作用持続時間を示した8)(外国人データ)。
硬膜外麻酔ではブピバカイン塩酸塩の1/2~2/3倍の作用持続時間を示した9)(外国人データ)。
メピバカイン塩酸塩(Mepivacaine Hydrochloride)(JAN)[日局]
(2RS)-N-(2,6-Dimethylphenyl)-1-methylpiperidine-2-carboxamide monohydrochloride
C15H22N2O・HCl
282.81
白色の結晶又は結晶性の粉末である。水又はメタノールに溶けやすく、酢酸(100)にやや溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくい。水溶液(1→10)は旋光性を示さない。
約256℃(分解)
5バイアル[20mL×5]1バイアル[100mL×1]
1) Tucker, G. T. et al. : Anesthesiology. 1972; 37: 277-287
2) Burm, A. G. L. : Clin. Pharmacokinet. 1989; 16: 283-311
3) Kristerson, L. et al. : Acta Pharmacol. Toxicol. 1965; 22: 205-212
4) Cousins, M. J. et al. : Neural blockade in clinical anesthesia and management of pain, 2nd ed. 1988: 87
5) 第十八改正日本薬局方解説書. 東京: 廣川書店; 2021. C-5780-5784
6) 社内資料: 薬効薬理試験(NM0174)
7) Henn, F. : Acta Anaesthesiol. Scand. 1960; 4: 125-154
8) Ulfendahl, H. R. : Acta Anaesthesiol. Scand. 1957; 1: 81-86
9) Ekblom, L. et al. : Acta Anaesthesiol. Scand. 1966; 10 (s21) : 33-43
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