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処方箋医薬品注)
出血性ショックにおける救急、又は術中・術後のショック
通常、ベタメタゾンとして1回体重1kgあたり0.5~4mgを静脈内注射する。なお、症状が改善しない場合には、適宜追加投与する。
免疫機能抑制作用により、症状が増悪することがある。
心破裂を起こしたとの報告がある。
肉芽組織増殖抑制作用により、潰瘍治癒(組織修復)が障害されるおそれがある。
糖新生作用等により血糖が上昇し、糖尿病が増悪するおそれがある。
免疫機能抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある。
免疫機能抑制作用により、症状が増悪するおそれがある。
蛋白異化作用等により、骨粗鬆症が増悪するおそれがある。
大脳辺縁系の神経伝達物質に影響を与え、症状が増悪するおそれがある。
症状が増悪することがある。,
眼圧の亢進により、緑内障が増悪するおそれがある。,
電解質代謝作用により、高血圧症が増悪するおそれがある。
電解質代謝作用により、電解質異常が増悪するおそれがある。
血中半減期が延長するとの報告があり、副作用があらわれるおそれがある。
脂肪分解・再分布作用により、肝臓への脂肪沈着が増大し、脂肪肝が増悪するおそれがある。
使用当初、一時症状が増悪することがある。
B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。本剤の投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。異常が認められた場合には、本剤の減量を考慮し、抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと。なお、投与開始前にHBs抗原陰性の患者において、B型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されている。
**褐色細胞腫クリーゼがあらわれることがある。
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しない。免疫機能を抑制するため、これらの症状が悪化することがある。
代謝酵素活性の低下等により、副作用があらわれやすい。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。新生児に副腎不全を起こすことがある。また、血圧上昇、心筋壁の肥厚を起こすとの報告がある。動物試験で催奇形作用(口蓋裂)が報告されている1)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中へ移行することがある。
長期投与した場合、感染症の誘発、糖尿病、骨粗鬆症、高血圧症、後嚢白内障、緑内障等の副作用があらわれやすい。
低ナトリウム血症が発現するおそれがある。
機序は不明である。
本剤の作用が減弱することが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。
バルビツール酸誘導体、フェニトイン、リファンピシンはCYPを誘導し、本剤の代謝が促進される。
併用時に本剤を減量すると、サリチル酸中毒を起こすことが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。
本剤はサリチル酸誘導体の腎排泄と肝代謝を促進し、血清中のサリチル酸誘導体の濃度が低下する。
抗凝血剤の作用を減弱させることが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。
本剤は血液凝固促進作用がある。
糖尿病用薬、インスリン製剤等の効果を減弱させることが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。
本剤は肝臓での糖新生を促進し、末梢組織での糖利用を抑制する。
低カリウム血症があらわれることがあるので、併用する場合には用量に注意すること。
本剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用がある。
他の副腎皮質ホルモン剤の大量投与で、シクロスポリンの血中濃度が上昇するとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること。
副腎皮質ホルモン剤はシクロスポリンの代謝を抑制する。
本剤の作用が増強されるとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること。
本剤の代謝が抑制される。
筋弛緩作用が減弱又は増強するとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること。
併用により肺水腫があらわれることがある。
体内の水分貯留傾向が促進される。
腱障害のリスクを増加させるとの報告がある。これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること。
呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等の症状があらわれることがある。
B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。,,,,,,,
連用により眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障を来すことがある。,,
頻度不明
肝臓
AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇
内分泌系
月経異常、クッシング症候群様症状
消化器
嘔気
精神神経系
多幸症、不眠、頭痛
筋・骨格
筋肉痛、関節痛
脂質・蛋白質代謝
満月様顔貌、窒素負平衡
体液・電解質
浮腫、血圧上昇、低カリウム性アルカローシス
眼
中心性漿液性網脈絡膜症等による網膜障害、眼球突出
血液
白血球増多
皮膚
ざ瘡、そう痒、脂肪織炎
その他
発熱、疲労感、創傷治癒障害、しゃっくり
血管痛、血栓、静脈炎を起こすことがあるので、これを予防するため、注射部位、注射方法等について十分注意し、その注射速度はできるだけ遅くすること。
脳外科手術患者5例にベタメタゾン100mgに相当するベタメタゾンリン酸エステルナトリウム注を静脈内注射したときのベタメタゾンリン酸エステルナトリウムは、投与直後に高い血漿中濃度を示したが、その後急速に減少し、1時間後には690±480ng/mL(平均値±標準誤差)、2時間後には40±40ng/mLであった。一方、遊離型ベタメタゾンの血漿中濃度は極めて徐々に減少し、1時間後には1230±160ng/mL、2時間後には940±110ng/mL、3時間後には790±40ng/mLであった2)(測定法:HPLC)。
健康成人8例にベタメタゾン8mgに相当するベタメタゾンリン酸エステルナトリウム注10.6mgを単回静脈内注射したとき、ベタメタゾンのT1/2は335±51min、AUC0-∞は46.3±8.6μg・min/mLであった3)(測定法:HPLC)(平均値±標準偏差)(外国人データ)。
血漿蛋白結合率:64±6.0%3)(測定法:HPLC)(平均値±標準偏差、10例)(外国人データ)
ベタメタゾンの一部はC-6位が代謝され6β-水酸化体になる。その主な代謝酵素はCYP3A4である4),5)。
脳外科手術患者5例にベタメタゾン100mgに相当するベタメタゾンリン酸エステルナトリウム注を静脈内注射したとき、6時間までの尿中に遊離ベタメタゾン及びベタメタゾングルクロン酸抱合体はほぼ同量排泄され、両方を併せた累積尿中排泄率は約5%であった2)(測定法:HPLC)。
承認時における有効性評価対象例は出血性ショック56例、術中ショック87例であり、有効率はそれぞれ78.6%(44例)、78.2%(68例)であった6)。
ステロイドは細胞質に存在する熱ショック蛋白質、抑制蛋白質と複合体を形成したステロイド受容体に結合後核内に移行し、ステロイド反応性の遺伝子を活性化させ、その薬理作用を発揮すると考えられている。また、血管内皮細胞やリンパ球等の細胞膜の障害を抑制するような膜の安定性に関与する作用や、フォスフォリパーゼA2と呼ばれる細胞膜リン脂質からロイコトリエンやプロスタグランジンなど種々の炎症惹起物質を誘導する重要な酵素の機能を抑える作用も知られている。炎症制御機序としては、単量体のステロイドとその受容体が複合体を形成することで、NFκBやAP-1と呼ばれるサイトカイン産生の誘導や細胞接着分子の発現等を調節している細胞内転写因子の機能を抑制し、2量体の受容体と結合した場合は、リポコルチン等の誘導を介すると考えられている7)。一方、免疫抑制機序は多彩である。リンパ組織からTリンパ球の遊出を抑制すると共に、その増殖や活性化に係るIL-2の産生を抑制し、更にアポトーシスを促進すること等により血中Tリンパ球数を低下させ細胞性免疫を障害する。また、好中球の遊走能及び貪食能を障害すると共に、マクロファージの貪食・殺菌能障害、TNF-α、IL-1などの炎症性サイトカイン産生抑制及びリンパ球への抗原提示能障害により液性及び細胞性免疫に影響する。更に、血中Bリンパ球数を低下させ、長期間使用時には免疫グロブリン産生量を低下させる。これら以外にも、好酸球や好塩基球、肥満細胞等にも影響する8)。ショックに対する本剤の作用機序として、ライソゾーム膜の安定化、循環動態の改善、心血管作動物質の産生阻止、代謝系の改善及びショック肺発生の予防等が報告されている9),10),11)。
ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム(Betamethasone Sodium Phosphate)(JAN)[日局]
9-Fluoro-11β,17,21-trihydroxy-16β-methylpregna-1,4-diene-3,20-dione 21-(disodium phosphate)
C22H28FNa2O8P
516.40
白色~微黄白色の結晶性の粉末又は塊で、においはない。水に溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。吸湿性である。
約213℃(分解)
遮光して保存すること。
5管[1mL×5]
5管[5mL×5]
1) 長谷川靖彦ほか: 応用薬理. 1974; 8: 705-720〔197400194〕
2) 松木明知ほか: 基礎と臨床. 1984; 18: 1081-1089〔198402367〕
3) Petersen, M. C. et al. : Eur. J. Clin. Pharmacol. 1983; 25: 643-650〔198302347〕
4) 千葉寛: 治療. 1994; 76: 2214-2220〔199401231〕
5) 宮崎達男: ステロイドホルモン(清水直容編). 東京: 中外医学社; 1988. p48-54
6) 塩野義製薬集計; 山村秀夫ほか: 救急医学. 1983; 7: 855-862〔198302045〕ほか
7) 片山一朗: アレルギー. 2006; 55: 1279-1283〔201900450〕
8) 藤井毅: 一冊できわめるステロイド診療ガイド(田中廣壽ら編). 東京: 文光堂; 2015. p160-164〔201900451〕
9) 小川龍: 麻酔. 1975; 24: 1358-1362〔197500620〕
10) 石田亨一ほか: 臨牀と研究. 1980; 57: 4068-4072〔198001127〕
11) 砂盛誠ほか: 最新医学. 1981; 36: 341-345〔198101358〕
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