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処方箋医薬品注)
潰瘍性大腸炎(直腸炎型)
通常、1日初期投与量0.5~2.0mgを1~2回に分けて直腸内に挿入する。以後、症状をみながら漸減するが、症状により適宜増減することもある。
免疫機能抑制作用により、症状が増悪することがある。
肉芽組織増殖抑制作用により、潰瘍治癒(組織修復)が障害されることがある。
大脳辺縁系の神経伝達物質に影響を与え、症状が増悪することがある。
症状が増悪することがある。,
眼圧の亢進により、緑内障が増悪することがある。,
電解質代謝作用により、高血圧症が増悪することがある。
電解質代謝作用により、電解質異常が増悪することがある。
血液凝固促進作用により、症状が増悪することがある。
創傷治癒(組織修復)が障害されることがある。
心破裂を起こしたとの報告がある。
免疫機能抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある。
糖新生作用等により血糖が上昇し、糖尿病が増悪するおそれがある。
蛋白異化作用等により、骨粗鬆症が増悪するおそれがある。
血中半減期が延長するとの報告があり、副作用があらわれるおそれがある。
脂肪分解・再分布作用により、肝臓への脂肪沈着が増大し、脂肪肝が増悪するおそれがある。
大量投与により脂肪塞栓症が起こるとの報告があり、症状が増悪するおそれがある。
使用当初、一時症状が増悪するおそれがある。
B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。本剤の投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。異常が認められた場合には、本剤の減量を考慮し、抗ウイルス剤を投与するなど適切な処置を行うこと。なお、投与開始前にHBs抗原陰性の患者において、B型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されている。
*褐色細胞腫クリーゼがあらわれることがある。
薬物の排泄が遅延するため、体内蓄積による副作用があらわれるおそれがある。
代謝酵素活性の低下等により、副作用があらわれやすい。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験で催奇形作用が報告1)されており、また、新生児に副腎不全を起こすことがある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中へ移行することがある。
長期投与した場合、感染症の誘発、糖尿病、骨粗鬆症、高血圧症、後嚢白内障、緑内障等の副作用があらわれやすい。
低ナトリウム血症が発現するおそれがある。
機序は不明である。
本剤の作用が減弱することが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。
バルビツール酸誘導体、フェニトイン、リファンピシンはCYPを誘導し、本剤の代謝が促進される。
併用時に本剤を減量すると、サリチル酸中毒を起こすことが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。
本剤はサリチル酸誘導体の腎排泄と肝代謝を促進し、血清中のサリチル酸誘導体の濃度が低下する。
抗凝血剤の作用を減弱させることが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。
本剤は血液凝固促進作用がある。
糖尿病用薬、インスリン製剤等の効果を減弱させることが報告されているので、併用する場合には用量に注意すること。
本剤は肝臓での糖新生を促進し、末梢組織での糖利用を抑制する。
低カリウム血症があらわれることがあるので、併用する場合には用量に注意すること。
本剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用がある。
他の副腎皮質ホルモン剤の大量投与で、シクロスポリンの血中濃度が上昇するとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること。
副腎皮質ホルモン剤はシクロスポリンの代謝を抑制する。
本剤の作用が増強されるとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること。
本剤の代謝が抑制される。
筋弛緩作用が減弱又は増強するとの報告があるので、併用する場合には用量に注意すること。
併用により肺水腫があらわれることがある。
体内の水分貯留傾向が促進される。
B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがある。,,,,
連用により眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障を来すことがある。,
0.1~5%未満
頻度不明
過敏症
発疹
内分泌系
月経異常、クッシング症候群様症状
消化器
下痢、悪心・嘔吐、胃痛、胸やけ、腹部膨満感、口渇、食欲不振、食欲亢進
精神神経系
多幸症、不眠、頭痛、めまい
投与部位
局所的刺激症状(排便感増強、熱感)
筋・骨格
筋肉痛、関節痛
脂質・蛋白質代謝
満月様顔貌
野牛肩、窒素負平衡、脂肪肝
体液・電解質
浮腫
血圧上昇、低カリウム性アルカローシス
眼
中心性漿液性網脈絡膜症等による網膜障害、眼球突出
血液
白血球増多
皮膚
ざ瘡、脱毛
多毛、色素沈着、皮下溢血、紫斑、線条、そう痒、発汗異常、顔面紅斑、脂肪織炎
その他
体重増加
発熱、疲労感、ステロイド腎症、精子数及びその運動性の増減、創傷治癒障害、皮膚・結合組織の菲薄化・脆弱化、しゃっくり
直腸内への挿入は図のごとく矢印→の方向にすること。
健康成人男性5例に、ベタメタゾン1mg含有坐剤1個を直腸内に挿入したときの血漿中ベタメタゾン濃度は、挿入5時間後に最高値4.15±0.21ng/mLを示し、24時間後には約1/4の1.0±0.21ng/mLへと徐々に低下した。同量を経口投与したときに比べその最高値は1/3~1/4であった2)(測定法:RIA)。
健康者及び治療量のステロイドを投与中の喘息患者等に3H-標識ベタメタゾンを経口投与したとき、尿中に主として未変化体、11-デヒドロ体、6β-水酸化体、20-ジヒドロ体、6β-水酸化-20-ジヒドロ体及び他に少量の11-デヒドロ-20-ジヒドロ体、6β-水酸化-17-オキソ体の存在が確認された。尿中に排泄された総放射活性の約70%がグルクロン酸抱合体、15~30%が非抱合体であった。Δ4-3-ケト体は還元されない3)(外国人データ)。
C-6位水酸化反応の主な代謝酵素はCYP3A4である4),5)。
健康者及び治療量のステロイドを投与中の喘息患者等に3H-標識ベタメタゾンを経口投与したとき、48時間で総放射活性の約70%が尿中に排泄された3)(外国人データ)。
承認時における有効性評価対象例は131例であり、有効率は81.7%(107例)であった6)。
ステロイドは細胞質に存在する熱ショック蛋白質、抑制蛋白質と複合体を形成したステロイド受容体に結合後核内に移行し、ステロイド反応性の遺伝子を活性化させ、その薬理作用を発揮すると考えられている。また、血管内皮細胞やリンパ球等の細胞膜の障害を抑制するような膜の安定性に関与する作用や、フォスフォリパーゼA2と呼ばれる細胞膜リン脂質からロイコトリエンやプロスタグランジンなど種々の炎症惹起物質を誘導する重要な酵素の機能を抑える作用も知られている。炎症制御機序としては、単量体のステロイドとその受容体が複合体を形成することで、NFκBやAP-1と呼ばれるサイトカイン産生の誘導や細胞接着分子の発現等を調節している細胞内転写因子の機能を抑制し、2量体の受容体と結合した場合は、リポコルチン等の誘導を介すると考えられている7)。一方、免疫抑制機序は多彩である。リンパ組織からTリンパ球の遊出を抑制すると共に、その増殖や活性化に係るIL-2の産生を抑制し、更にアポトーシスを促進すること等により血中Tリンパ球数を低下させ細胞性免疫を障害する。また、好中球の遊走能及び貪食能を障害すると共に、マクロファージの貪食・殺菌能障害、TNF-α、IL-1などの炎症性サイトカイン産生抑制及びリンパ球への抗原提示能障害により液性及び細胞性免疫に影響する。更に、血中Bリンパ球数を低下させ、長期間使用時には免疫グロブリン産生量を低下させる。これら以外にも、好酸球や好塩基球、肥満細胞等にも影響する8)。直腸内に投与された副腎皮質ホルモンは、直腸の炎症性粘膜から吸収される。吸収の場である直腸の炎症性粘膜は、副腎皮質ホルモンに接触して、消炎効果がもたらされる9)。
ベタメタゾンは合成糖質副腎皮質ホルモンで、抗炎症作用、抗アレルギー作用、免疫抑制作用のほか、広範囲にわたる代謝作用を有する。
ベタメタゾン(Betamethasone)(JAN)[日局]
9-Fluoro-11β,17,21-trihydroxy-16β-methylpregna-1,4-diene-3,20-dione
C22H29FO5
392.46
白色~微黄白色の結晶性の粉末である。メタノール、エタノール(95)又はアセトンにやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。結晶多形が認められる。
約240℃(分解)
遮光して保存すること。
50個[2個(SP)×25]
1) Walker, B. E. : Teratology. 1971; 4: 39-42〔197100234〕
2) 大沢直ほか: 大腸肛門誌. 1979; 32: 8-12〔197900996〕
3) Butler, J. et al. : J. Endocrinol. 1970; 46: 379-390〔197000295〕
4) 千葉寛: 治療. 1994; 76: 2214-2220〔199401231〕
5) 宮崎達男: ステロイドホルモン(清水直容編). 東京: 中外医学社; 1988. p48-54
6) 塩野義製薬集計; 武藤徹一郎: 基礎と臨床. 1979; 13: 1800-1804〔197900997〕ほか
7) 片山一朗: アレルギー. 2006; 55: 1279-1283〔201900450〕
8) 藤井毅: 一冊できわめるステロイド診療ガイド(田中廣壽ら編). 東京: 文光堂; 2015. p160-164〔201900451〕
9) 武藤徹一郎ほか: 厚生省特定疾患潰瘍性大腸炎クローン病調査研究班 昭和50年度業績集; 1976. p203-211〔197600725〕
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