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劇薬
湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、ビダール苔癬を含む)、乾癬、掌蹠膿疱症、紅皮症、薬疹・中毒疹、虫さされ、痒疹群(蕁麻疹様苔癬、ストロフルス、固定蕁麻疹を含む)、紅斑症(多形滲出性紅斑、ダリエ遠心性環状紅斑、遠心性丘疹性紅斑)、慢性円板状エリテマトーデス、扁平紅色苔癬、毛孔性紅色粃糠疹、特発性色素性紫斑(マヨッキー紫斑、シャンバーグ病、紫斑性色素性苔癬様皮膚炎)、肥厚性瘢痕・ケロイド、肉芽腫症(サルコイドーシス、環状肉芽腫)、悪性リンパ腫(菌状息肉症を含む)、皮膚アミロイドージス、天疱瘡群(ヘイリーヘイリー病を含む)、類天疱瘡(ジューリング疱疹状皮膚炎を含む)、円形脱毛症
皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎には使用しないことを原則とするが、やむを得ず使用する必要がある場合には、あらかじめ適切な抗菌剤(全身適用)、抗真菌剤による治療を行うか、又はこれらとの併用を考慮すること。
通常、1日1~数回、適量を塗布する。なお、症状により適宜増減する。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては使用しないことが望ましい。また、大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること。動物試験(マウス、ウサギ:連日皮下投与)で催奇形作用1),2)が報告されている。
長期・大量使用又は密封法(ODT)は避けること。発育障害3)を来すおそれがある。また、おむつは密封法(ODT)と同様の作用があるので注意すること。
大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用に際しては特に注意すること。一般に副作用があらわれやすい。
眼瞼皮膚への使用に際しては眼圧亢進、緑内障4)、白内障を起こすことがある。大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により、緑内障、後嚢白内障等があらわれることがある。
5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
過敏症
紅斑
皮膚
一過性の刺激感
皮膚乾燥
魚鱗癬様皮膚変化
皮膚の感染症注1)
細菌感染症(伝染性膿痂疹、毛嚢炎・せつ等)、真菌症(カンジダ症、白癬等)、ウイルス感染症
その他の皮膚症状注2)
ざ瘡様発疹
酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎(ほほ、口囲等に潮紅、丘疹、膿疱、毛細血管拡張)、ステロイド皮膚(皮膚萎縮、毛細血管拡張、紫斑)、多毛、色素脱失
下垂体・副腎皮質系
下垂体・副腎皮質系機能の抑制注3)
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
化粧下、ひげそり後等に使用することのないよう注意すること。
眼科用として使用しないこと。
乾癬患者に長期・大量使用した場合、治療中あるいは治療中止後に乾癬性紅皮症、膿疱性乾癬等がみられたとの報告5),6)がある。
ラットに3H-標識ベタメタゾンジプロピオン酸エステル軟膏・クリームを密封法(ODT)により塗布した場合、24時間後の表皮における塗布量に対する残存率は、角質層の有無により著しく異なり、角質層除去皮膚では9~14%であったのに対して、健常皮膚では90~95%であった7)。
ラットにおいてベタメタゾンジプロピオン酸エステルは速やかに代謝され、胆汁中及び尿中に未変化体は少なかった。主代謝物として確認されているのは、ベタメタゾン17-プロピオン酸エステル、ベタメタゾン及びそれぞれの6β位が水酸化されたものの4種類であった8)。
ラットにおいてベタメタゾンジプロピオン酸エステルは尿中よりも糞中への排泄が主である。これはかなりの部分が胆汁中に排泄されるためである8)。また、塗布量に対する糞中及び尿中への合計排泄率は、角質層除去皮膚の場合、24時間以内に50~64%、72時間以内に85~87%であるが、健常皮膚の場合、24時間以内にわずか1.4~3.5%であった7)。
本剤を使用した臨床試験における有効性評価対象例は182例であり、有効率は89.0%(162例)であった9)。
疾患名
有効例数/有効性評価対象例数
有効率(%)
湿疹・皮膚炎群注
107/115
93.0
乾癬
33/41
80.5
円形脱毛症
22/26
84.6
注:進行性指掌角皮症、ビダール苔癬を含む集計
ステロイドは細胞質に存在する熱ショック蛋白質、抑制蛋白質と複合体を形成したステロイド受容体に結合後核内に移行し、ステロイド反応性の遺伝子を活性化させ、その薬理作用を発揮すると考えられている。また、血管内皮細胞やリンパ球等の細胞膜の障害を抑制するような膜の安定性に関与する作用や、フォスフォリパーゼA2と呼ばれる細胞膜リン脂質からロイコトリエンやプロスタグランジンなど種々の炎症惹起物質を誘導する重要な酵素の機能を抑える作用も知られている。その作用機序としては、単量体のステロイドとその受容体が複合体を形成することで、NFκBやAP-1と呼ばれるサイトカイン産生の誘導や細胞接着分子の発現等を調節している細胞内転写因子の機能を抑制することで、2量体の受容体と結合した場合、リポコルチン等の誘導を介して、炎症を制御すると考えられている。免疫抑制作用に関しては、リンパ球に対する直接的な機能抑制、アポトーシスの誘導によると考えられている10)。
マウスの耳介にベタメタゾン吉草酸エステル及びベタメタゾンジプロピオン酸エステルを含むクロトン油を塗布し、耳介の重量を指標に抗炎症作用を評価した。ベタメタゾン吉草酸エステルの効力を100とした場合に、ベタメタゾンジプロピオン酸エステルは1回塗布で165、5日間反復塗布で371の効力比を示した13)。
ベタメタゾンジプロピオン酸エステル(Betamethasone Dipropionate)(JAN)[日局]
9-Fluoro-11β,17,21-trihydroxy-16β-methylpregna-1,4-diene-3,20-dione 17,21-dipropanoate
C28H37FO7
504.59
白色~微黄白色の結晶性の粉末で、においはない。アセトン又はクロロホルムに溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。光によって徐々に変化する。
176~180℃
クロロホルム又は酢酸エチルとpH2~10の各pH緩衝液との2層間の平衡状態における分配比を測定した結果、すべてのpH域において水層には分配しない。
10本[10g(瓶)×10]
1) 長谷川靖彦ほか: 応用薬理. 1974; 8: 705-720〔197400194〕
2) 長谷川靖彦ほか: 基礎と臨床. 1977; 11: 1672-1682〔197700245〕
3) Vermeer, B. J. et al. : Dermatologica. 1974; 149: 299-304〔197400151〕
4) Zugerman, C. et al. : Arch. Dermatol. 1976; 112: 1326〔197600145〕
5) 大滝倫子ほか: 皮膚科の臨床. 1975; 17: 75-84〔197500039〕
6) 木村秀人ほか: 皮膚病診療. 1987; 9: 449-452〔198700698〕
7) 山田秀雄ほか: 応用薬理. 1981; 21: 613-620〔198100898〕
8) 山田秀雄ほか: 応用薬理. 1981; 21: 633-644〔198100900〕
9) 塩野義製薬集計; 須貝哲郎ほか: 皮膚. 1984; 26: 331-339〔198402297〕を含む計4文献
10) 片山一朗: アレルギー. 2006; 55: 1279-1283〔201900450〕
11) 東禹彦ほか: 西日本皮膚科. 1973; 35: 596-602〔197300270〕
12) 東禹彦: 皮膚. 1984; 26: 254-258〔198402298〕
13) Lutsky, B. N. et al. : Arzneim.-Forsch. 1979; 29: 992-998〔197900342〕
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