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日本薬局方
モルヒネ塩酸塩注射液
劇薬
麻薬
処方箋医薬品注)
本剤の硬膜外及びくも膜下投与は、これらの投与法に習熟した医師のみにより、本剤の投与が適切と判断される患者についてのみ実施すること。
○ 激しい疼痛時における鎮痛・鎮静
○ 激しい咳嗽発作における鎮咳
○ 激しい下痢症状の改善及び手術後等の腸管蠕動運動の抑制
○ 麻酔前投薬、麻酔の補助
○ 中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛
○ 激しい疼痛時における鎮痛
通常、成人にはモルヒネ塩酸塩水和物として1回5~10mgを皮下に注射する。また、麻酔の補助として、静脈内に注射することもある。なお、年齢、症状により適宜増減する。
中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛において持続点滴静注又は持続皮下注する場合には、通常、成人にはモルヒネ塩酸塩水和物として1回50~200mgを投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
通常、成人にはモルヒネ塩酸塩水和物として1回2~6mgを硬膜外腔に注入する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
硬膜外腔に持続注入する場合は、通常、成人にはモルヒネ塩酸塩水和物の1日量として2~10mgを投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
通常、成人にはモルヒネ塩酸塩水和物として1回0.1~0.5mgをくも膜下腔に注入する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。治療期間の延長を来すおそれがある。
循環不全を増強するおそれがある。
呼吸抑制を増強するおそれがある。
呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を起こすおそれがある。
循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。
呼吸抑制を起こすおそれがある。
呼吸抑制や昏睡を起こすおそれがある。
呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。
依存性を生じやすい。
排尿障害を増悪することがある。
消化管運動を抑制する。
痙攣を誘発するおそれがある。
胆道痙攣を起こすことがある。
連用した場合、巨大結腸症を起こすおそれがある。
硬膜外投与により病状が悪化するおそれがある。
出血しやすく、血腫形成や脊髄への障害を起こすことがある。
脊髄や神経根の損傷のおそれがある。
排泄が遅延し、副作用があらわれるおそれがある。
投与しないこと。昏睡に陥ることがある。
代謝が遅延し、副作用があらわれるおそれがある。
本剤投与中は授乳を避けさせること。ヒト母乳中へ移行することがある。
新生児、乳児では低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。新生児、乳児では呼吸抑制の感受性が高い。
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下しており、特に呼吸抑制の感受性が高い。
本剤の離脱症状があらわれるおそれがある。また、本剤の効果が減弱するおそれがある。緊急の手術等によりやむを得ず本剤を投与する場合、患者毎に用量を漸増し、呼吸抑制等の中枢神経抑制症状を注意深く観察すること。また、手術等において本剤を投与することが事前にわかる場合には、少なくとも1週間前にナルメフェン塩酸塩水和物の投与を中断すること。
μオピオイド受容体拮抗作用により、本剤の作用が競合的に阻害される。
呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こることがある。
相加的に中枢神経抑制作用が増強される。
クマリン系抗凝血剤の作用が増強されることがある。
機序は不明である。
麻痺性イレウスに至る重篤な便秘又は尿貯留が起こるおそれがある。
相加的に抗コリン作用が増強される。
ジドブジンの副作用(骨髄抑制等)を増強させるおそれがある。
ジドブジンのグルクロン酸抱合が競合的に阻害され、ジドブジンの代謝が阻害される。
ブプレノルフィンの高用量(8mg連続皮下投与)において、本剤の作用に拮抗するとの報告がある。
左記の薬剤の血漿中濃度を低下させる可能性がある。
本剤の消化管運動抑制作用に関連すると考えられる。
連用により生じることがある。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、あくび、くしゃみ、流涙、発汗、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、散瞳、頭痛、不眠、不安、せん妄、振戦、全身の筋肉・関節痛、呼吸促迫等の退薬症候があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、1日用量を徐々に減量するなど、患者の状態を観察しながら行うこと。
息切れ、呼吸緩慢、不規則な呼吸、呼吸異常等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、本剤による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)が拮抗する。,
*炎症性腸疾患の患者に投与した場合、中毒性巨大結腸があらわれるとの報告がある。
頻度不明
循環器
不整脈、血圧変動、顔面潮紅
*精神神経系
眠気、めまい、不安、不穏、興奮、視調節障害、発汗、痛覚過敏注1)、アロディニア
消化器
悪心、嘔吐、便秘、口渇
過敏症
発疹、そう痒感
投与部位
発赤、腫脹、硬結、疼痛、肉芽腫等の腫瘤注2)
その他
排尿障害、尿閉、頭蓋内圧の亢進、脱力
呼吸抑制、意識不明、痙攣、錯乱、血圧低下、重篤な脱力感、重篤なめまい、嗜眠、心拍数の減少、神経過敏、不安、縮瞳、皮膚冷感等を起こすことがある。
麻薬拮抗剤投与を行い、患者に退薬症候又は麻薬拮抗剤の副作用が発現しないよう慎重に投与する。なお、麻薬拮抗剤の作用持続時間はモルヒネのそれより短いので、患者のモニタリングを行うか又は患者の反応に応じて初回投与後は注入速度を調節しながら持続静注する。
本剤が不要となった場合には、病院又は薬局へ返却するなどの処置について適切に指導すること。
モルヒネ塩酸塩注射液10mg・50mgの持続点滴静注及び持続皮下注の定常状態における血漿中モルヒネ濃度とモルヒネ塩酸塩注射液投与量の関係を図16-1及び図16-2に示す5)。対象:各種がん患者測定法:HPLC
r=0.745(p<0.01)(26例)y=0.41x+15.66
r=0.724(p<0.01)(18例)y=0.54x+33.61
モルヒネは主としてグルクロン酸抱合を受け、モルヒネ-3-グルクロナイド及び薬理活性を持つモルヒネ-6-グルクロナイドに代謝される。
モルヒネは大部分が抱合体として、24時間までの尿中に約90%、糞中に7~10%が排泄される。
オピオイド受容体のうち、主としてμ受容体に作用して、中枢神経及び消化器系に対する作用をあらわすが、δ及びκ受容体に対する親和性も有する。
モルヒネ塩酸塩水和物の中枢神経抑制作用は、大脳皮質に始まり、順次下降して延髄・脊髄に及ぶ。ヒトでは、5~10mgで運動中枢、意識、知覚に影響することなく痛覚の感受性を減じ、鎮痛の目的に用いられる。また、呼吸・咳嗽中枢を抑制し、呼吸鎮静作用、鎮咳作用をあらわす。増量に従い、発揚状態から催眠作用があらわれ、もうろう状態に至り、1回30mgで深い睡眠に陥る。この経過中に延髄の嘔吐中枢を刺激して嘔気、嘔吐を起こすことがある。
胃腸管の運動を低下させ、止瀉作用をあらわす。また、膵液や腸液等消化液の分泌を減少させる。
薬用量では心拍数、血圧にほとんど影響がないか、あっても軽度である。大量では血圧下降があらわれる。
体温調節中枢の抑制作用、瞳孔縮小作用、汗腺を除く外分泌腺の分泌抑制作用等を示す。
モルヒネ塩酸塩水和物(Morphine Hydrochloride Hydrate)(JAN)[日局]
(5R,6S)-4,5-Epoxy-17-methyl-7,8-didehydromorphinan-3,6-diol monohydrochloride trihydrate
C17H19NO3・HCl・3H2O
375.84
白色の結晶又は結晶性の粉末である。ギ酸に溶けやすく、水にやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくい。光によって徐々に黄褐色を帯びる。
約200℃(分解)
1.2[pH7.4、1-オクタノール/緩衝液]
外箱開封後は遮光して保存すること。
10管[1mL×10]
5管[5mL×5]
1) Harpel, H. S. et al. : J. Pharm. Sci. 1968; 57: 1590-1597〔196800240〕
2) Lahijani, M. S. et al. : Iran. J. Sci. Technol. Trans. A. Sci. 2004; 28 (A1) : 85-96〔202200278〕
3) MH-200共同社内資料-5: 使用上の注意及びその設定根拠〔200100752〕
4) MH-200共同社内資料-7: 50mg、200mgの低温・凍結保存試験〔200300177〕
5) 山村秀夫ほか: 基礎と臨床. 1993; 27: 5403-5429〔199301566〕
6) Christopoulos, G. N. et al. : J. Chromatogr. 1972; 65: 507-519〔197200407〕
7) Olsen, G. D. : Clin. Pharmacol. Ther. 1975; 17: 31-35〔197500780〕
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本剤は厚生労働省告示第75号(平成24年3月5日付)に基づき、投与量は1回30日分を限度とされている。
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