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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
がん化学療法後に増悪した進行又は再発の子宮頸癌
通常、成人にはチソツマブ ベドチン(遺伝子組換え)として1回2mg/kg(体重)を30分以上かけて、3週間間隔で点滴静注する。ただし、1回量として200mgを超えないこと。なお、患者の状態により適宜減量する。
減量段階
投与量
通常投与量
2mg/kg(最大200mg)
1段階減量
1.3mg/kg(最大130mg)
2段階減量
0.9mg/kg(最大90mg)
3段階減量
投与中止
副作用
程度注)
処置
角膜炎
Grade 1
臨床的に安定するまで休薬し、その後、同一用量で再開できる。
Grade 2
Grade 1以下に回復するまで休薬し、その後、1段階減量して再開できる。
Grade 3又は4
投与を中止する。
結膜潰瘍
Grade 1又は2
臨床的に安定するまで休薬し、その後、1段階減量して再開できる。
結膜瘢痕、角膜瘢痕又は瞼球癒着
全Grade
結膜炎及びその他の眼障害
末梢神経障害
Grade 2又は3
Grade 4
重度の皮膚障害
疑い
休薬する。
確定
中枢神経系又は気道の出血
その他の出血
Grade 3
好中球減少症
Grade 2以下に回復するまで休薬し、その後、同一用量で再開できる。
注)GradeはNCI-CTCAE ver.5.0に準じる。
眼障害の発現又は増悪リスクが高まるおそれがある。臨床試験では、当該患者は除外された。,,
出血があらわれるおそれがある。臨床試験では、出血リスクの増加につながる凝固異常を有する患者は除外された。
本剤を構成するモノメチルアウリスタチンE(MMAE)は主に肝代謝により消失することから、肝機能障害のある患者ではMMAEの血中濃度が上昇する可能性がある。なお、肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後2ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験(ラット)において、妊娠6日目及び13日目にMMAEを投与したところ、胚・胎児毒性及び催奇形性が報告されている1)。
授乳しないことが望ましい。ヒトでの乳汁中移行に関するデータはないが、ヒトIgGは母乳中に移行することが報告されている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
強いCYP3A阻害剤
副作用の発現頻度及び重症度が増加するおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
強いCYP3A阻害剤との併用により、MMAEの代謝が阻害され、MMAEの血中濃度が上昇する可能性がある。
結膜炎(30.8%)、角膜炎(18.8%)、潰瘍性角膜炎(0.8%)、瞼球癒着(0.8%)等があらわれることがある。,,,
ギラン・バレー症候群(頻度不明)、末梢性感覚ニューロパチー(26.8%)、末梢性感覚運動ニューロパチー(2.4%)等があらわれることがある。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.8%)等があらわれることがある。
消化管出血(1.2%)等があらわれることがある。
発熱性好中球減少症(0.8%)、好中球減少症(7.2%)があらわれることがある。
20%以上
10%以上20%未満
10%未満
胃腸障害
悪心
下痢、便秘、嘔吐
腹痛(上腹部痛、下腹部痛、腹痛を含む)、腹部不快感
一般・全身障害及び投与部位の状態
疲労、発熱、無力症
代謝及び栄養障害
食欲減退
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
鼻出血
皮膚及び皮下組織障害
脱毛症
そう痒症、ざ瘡様皮膚炎、皮膚炎
感染症及び寄生虫症
膿疱性皮疹、尿路感染
肝胆道系障害
高トランスアミナーゼ血症
臨床検査
ALT上昇、AST上昇
点滴溶液の調製に使用する希釈液
希釈後点滴溶液の保存条件(投与時間を含む)
生理食塩液
18時間以内、2~8℃
5%ブドウ糖注射液
24時間以内、2~8℃
L-乳酸ナトリウムリンゲル液
12時間以内、2~8℃
臨床試験において、本剤に対する抗体の産生が報告されている。
本剤の構成成分であるMMAEはin vivoラット骨髄小核試験において遺伝毒性(異数性誘発作用)を示した2)。
日本人の進行又は再発の子宮頸癌患者に、本剤2mg/kgを3週間に1回点滴静注したときの、サイクル1及び2における本剤及びMMAEの血漿中濃度推移及び薬物動態(PK)パラメータを以下に示す。本剤及びMMAEの血漿中濃度に明らかな蓄積性は示されなかった3)。
本剤
MMAE
サイクル1
N
17
Cmax幾何平均値(% CV)
28.6µg/mL(32.5%)
5.3ng/mL(59.8%)
AUC0-t注1)幾何平均値(% CV)
47.5µg∙day/mL(28.0%)
42.4ng∙day/mL(71.1%)
tmax中央値(最小値,最大値)
0.82(0.62, 2.62)hour
70.6(25.1, 168)hour
t1/2中央値(最小値,最大値)
2.05(1.72, 2.52)day
2.80(1.65, 4.29)注2)day
サイクル2
15
26.3µg/mL(26.0%)
4.3ng/mL(59.3%)
46.5µg∙day/mL(26.7%)
34.7ng∙day/mL(74.8%)
0.77 (0.58, 2.83)hour
69.8 (23.9, 167)hour
2.17 (1.37, 2.72)day
3.05 (2.25, 4.15)day
注1)0時間から最終定量可能時点までの薬物濃度-時間曲線下面積注2)N=15CV:変動係数
MMAEのin vitroヒト血漿タンパク結合率は68%~82%であった4)。
MMAEはin vitro試験により主にCYP3A4により代謝されることが示された5)。
ラットに放射性標識したMMAE 0.056mg/kgを単回静脈内投与したところ、投与672時間後までの放射能の糞中排泄率は雄及び雌でそれぞれ96.7及び102%、尿中排泄率はそれぞれ15.1及び9.4%であった6)。
MMAEを構成成分とするブレンツキシマブ ベドチン(遺伝子組換え)単独投与時に対するケトコナゾール(強いCYP3A阻害剤)併用投与時におけるMMAEのCmax及びAUCinfの幾何平均比は、それぞれ1.25及び1.34であった7)(外国人データ)。
化学療法歴のある進行又は再発の子宮頸癌患者注1)502例(日本人患者101例を含む)を対象に、本剤2mg/kg 3週間間隔投与の有効性及び安全性を、治験担当医師が選択した化学療法注2)と比較することを目的とした無作為化非盲検比較試験を実施した。主要評価項目である全生存期間は、化学療法群と比較して本剤群で統計学的に有意な延長を示した9)。注1)ベバシズマブ(遺伝子組換え)又はプログラム細胞死-1(PD-1)/プログラム細胞死-リガンド1(PD-L1)阻害剤による治療歴の有無にかかわらず、進行又は再発の子宮頸癌に対して標準的な1つ又は2つの化学療法歴のある患者が組み入れられた。注2)ノギテカン塩酸塩、ビノレルビン酒石酸塩、ゲムシタビン塩酸塩、イリノテカン塩酸塩水和物又はペメトレキセドナトリウム水和物のいずれかを選択することとされた。なお、ビノレルビン酒石酸塩、ゲムシタビン塩酸塩及びペメトレキセドナトリウム水和物は、本邦において子宮頸癌の効能又は効果では承認されていない。
評価項目
本剤群(253例)
化学療法群(249例)
全生存期間(OS)
イベント数(%)
123(48.6)
140(56.2)
OS中央値(月)(95%信頼区間)
11.5 (9.8, 14.9)
9.5 (7.9, 10.7)
ハザード比(95%信頼区間)注3)
0.70 (0.54, 0.89)
両側P値注4)
0.0038
注3)層別Cox比例ハザードモデルによる化学療法群との比較注4)層別ログランク検定、有意水準0.0226(両側)
本剤が投与された250例(日本人50例を含む)中219例(87.6%)に副作用が認められた。主な副作用は結膜炎(76例、30.4%)、悪心(73例、29.2%)、末梢性感覚ニューロパチー(67例、26.8%)、脱毛症(61例、24.4%)、鼻出血(57例、22.8%)であった。(データカットオフ:2023年7月24日)
チソツマブ ベドチンは、組織因子(TF)に対するヒト化モノクローナル抗体と微小管重合阻害作用を有するMMAEを、リンカーを介して結合させた抗体薬物複合体である。チソツマブ ベドチンは、腫瘍細胞の細胞膜上に発現するTFに結合し、細胞内に取り込まれた後にリンカーが加水分解され、遊離したMMAEがアポトーシス誘導作用を示すこと等により、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている10),11),12),13),14)。
チソツマブ ベドチンは、ヒト子宮頸癌由来細胞株(CaSki、ME-180及びSiHa)に対して増殖抑制作用を示した10)。
チソツマブ ベドチンは、子宮頸癌患者由来腫瘍組織片(CEXF 773等)を皮下移植したヌードマウスに対して腫瘍増殖抑制作用を示した15)。
チソツマブ ベドチン(遺伝子組換え)(Tisotumab Vedotin (Genetical Recombination))(JAN)
チソツマブ ベドチンは、抗体薬物複合体(分子量:約153,000)であり、遺伝子組換えモノクローナル抗体の平均4個のCys残基に、モノメチルアウリスタチンEとリンカーからなるベドチン((3RS)-1-(6-{[(2S)-1-{[(2S)-5-(カルバモイルアミノ)-1-{4-[({[(2S)-1-{[(2S)-1-{[(3R,4S,5S)-1-{(2S)-2-[(1R,2R)-3-{[(1S,2R)-1-ヒドロキシ-1-フェニルプロパン-2-イル]アミノ}-1-メトキシ-2-メチル-3-オキソプロピル]ピロリジン-1-イル}-3-メトキシ-5-メチル-1-オキソヘプタン-4-イル](メチル)アミノ}-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル]アミノ}-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル](メチル)カルバモイル}オキシ)メチル]アニリノ}-1-オキソペンタン-2-イル]アミノ}-3-メチル-1-オキソブタン-2-イル]アミノ}-6-オキソヘキシル)-2,5-ジオキソピロリジン-3-イル基(C68H106N11O15;分子量:1,317.63))が結合している。抗体部分は、ヒト組織因子に対する遺伝子組換えヒトIgG1モノクローナル抗体であり、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。タンパク質部分は、448個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ1鎖)2本及び214個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約147,500)である。
個装箱開封後は遮光保存すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
1バイアル
1) 社内資料:ラットを用いた胚・胎児発生に関する試験(2025年3月27日承認、CTD 2.6.6.6.2.1)
2) 社内資料:In vivoラット骨髄小核試験(2025年3月27日承認、CTD 2.6.6.4.2.1)
3) 社内資料:国内第Ⅰ/Ⅱ相試験[GCT1015-06(innovaTV 206)試験](2025年3月27日承認、CTD 2.7.6.2)
4) 社内資料:血漿タンパク結合試験(2025年3月27日承認、CTD 2.7.2.2.1.1)
5) 社内資料:ヒト肝ミクロソームを用いた試験(2025年3月27日承認、CTD 2.7.2.2.1.4)
6) 社内資料:ラットのマスバランス試験(2025年3月27日承認、CTD 2.6.4.6.1)
7) Han TH, et al.:J Clin Pharmacol. 2013;53(8):866-77
8) 社内資料:トランスポーターとの相互作用評価試験(2025年3月27日承認、CTD 2.7.2.2.1.5)
9) 社内資料:国際共同第Ⅲ相試験[SGNTV-003(innovaTV 301)試験](2025年3月27日承認、CTD 2.7.6.1)
10) 社内資料:In vitro薬理試験(細胞傷害活性)(2025年3月27日承認、CTD 2.6.2.2.5.1)
11) 社内資料:In vitro薬理試験(バイスタンダー効果)(2025年3月27日承認、CTD 2.6.2.2.5.3)
12) 社内資料:In vitro薬理試験(抗体依存性細胞傷害)(2025年3月27日承認、CTD 2.6.2.2.7.1)
13) 社内資料:In vitro薬理試験(抗体依存性細胞貪食)(2025年3月27日承認、CTD 2.6.2.2.7.2)
14) 社内資料:In vitro薬理試験(免疫原性細胞死誘導)(2025年3月27日承認、CTD 2.6.2.2.6)
15) 社内資料:In vivo薬理試験(子宮頸癌患者由来異種移植モデル)(2025年3月27日承認、CTD 2.6.2.2.8.2)
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