医療用医薬品 詳細表示

ステボロニン点滴静注バッグ9000mg/300mL

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
1.警告
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
5.効能又は効果に関連する注意
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.4生殖能を有する者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
15.2非臨床試験に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
21.承認条件
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
25.保険給付上の注意
26.製造販売業者等

ステボロニン点滴静注バッグ 9000mg/300mL

添付文書番号

4291453A1027_1_07

企業コード

370738

作成又は改訂年月

**2026年4月改訂(第6版)
2025年5月改訂(第5版)

日本標準商品分類番号

874291

薬効分類名

抗悪性腫瘍剤

承認等

ステボロニン点滴静注バッグ 9000mg/300mL

販売名コード

YJコード

4291453A1027

販売名英語表記

STEBORONINE 9000mg/300mL for infusion

販売名ひらがな

すてぼろにんてんてきじょうちゅうばっぐきゅうせんみりぐらむぱーさんびゃくみりりっとる

承認番号等

承認番号

30200AMX00438000

販売開始年月

2020年5月

貯法・有効期間

貯法

2~8℃で保存

有効期間

36カ月

一般的名称

ボロファラン(10B)
Borofalan(10B)

1. 警告

本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法及び放射線治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 腫瘍が頸動脈を全周性に取り囲んでいる患者[頸動脈出血を起こすおそれがある。]

3. 組成・性状

3.1 組成

ステボロニン点滴静注バッグ 9000mg/300mL

1バッグ(300mL)中の分量

有効成分ボロファラン(10B)   9000mg
添加剤D-ソルビトール   9450mg
亜硫酸水素ナトリウム   60mg
pH調節剤   適量

3.2 製剤の性状

ステボロニン点滴静注バッグ 9000mg/300mL

剤形注射剤(点滴バッグ)
色調無色~微黄色澄明の液
pH7.4~7.8
浸透圧比1.0~1.5(生理食塩液対比)

4. 効能又は効果

切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌

5. 効能又は効果に関連する注意

  1. 5.1 化学放射線療法等の標準的な治療が可能な場合にはこれらの治療を優先すること。
  2. 5.2 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
  3. 5.3 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。

6. 用法及び用量

通常、成人にはボロファラン(10B)として、1時間あたり200mg/kgの速度で2時間点滴静注する。その後、病巣部位への中性子線の照射を開始し、照射中は1時間あたり100mg/kgの速度でボロファラン(10B)を点滴静注する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
  2. 7.2 本剤とともに癌を標的として使用することを目的として承認されたホウ素中性子捕捉療法用中性子照射装置を使用し、中性子を照射すること。

8. 重要な基本的注意

結晶尿があらわれることがあるため、投与終了後は必要に応じて輸液を行う等、排尿を促すこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 頸動脈への腫瘍浸潤が認められる患者

    頸動脈出血を起こすおそれがある1)

  2. 9.1.2 フェニルケトン尿症の患者

    製剤中にフェニルアラニンを含むため、症状が悪化するおそれがある。

  3. 9.1.3 心不全のある患者

    血液量の増加により心臓に負荷がかかり、心不全が悪化するおそれがある。

  4. 9.1.4 遺伝性果糖不耐症の患者

    本剤の添加剤D-ソルビトールが体内で代謝されて生成した果糖が正常に代謝されず、低血糖、肝不全、腎不全等が誘発されるおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

本剤は主に腎臓から排泄される。腎機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。

9.4 生殖能を有する者

  1. 9.4.1 妊娠可能な女性に対しては、治療終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。
  2. 9.4.2 パートナーが妊娠する可能性のある男性に対しては、治療終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。

9.5 妊婦

妊娠又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。本剤の動物試験(ラット)において、発育遅延が認められている2)。本剤を用いたホウ素中性子捕捉療法により胚・胎児発生に悪影響を及ぼすおそれがある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトの乳汁中への移行は不明である。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 嚥下障害(頻度不明)

    粘膜の炎症等を伴う嚥下障害があらわれることがある。

  2. 11.1.2 脳膿瘍(4.8%)
  3. 11.1.3 重度の皮膚障害(4.8%)

    放射線皮膚損傷(4.8%)等の重度の皮膚障害があらわれることがある。

  4. 11.1.4 白内障(9.5%)
  5. 11.1.5 結晶尿(頻度不明)

    *結晶尿があらわれ、血尿(9.5%)、急性腎障害(頻度不明)等を来すことがある。

  6. 11.1.6 頸動脈出血(頻度不明),
  7. 11.1.7 咽頭・喉頭浮腫(頻度不明)

    咽頭・喉頭浮腫があらわれ、気道の狭窄や閉塞を来すことがある。

  8. 11.1.8 壊死、粘膜潰瘍、穿孔、瘻孔(いずれも頻度不明)

    *照射部位の壊死に伴い、粘膜潰瘍、穿孔、瘻孔があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

20%以上

5~20%未満

5%未満

血液およびリンパ系障害

リンパ球数減少、フィブリンDダイマー増加、白血球数増加

鉄欠乏性貧血、リンパ球減少症、血中フィブリノゲン増加

耳および迷路障害

耳痛

回転性めまい、聴力低下

眼障害

眼乾燥、眼痛、眼瞼浮腫、涙器障害

胃腸障害

アミラーゼ増加(85.7%)、悪心(81.0%)、口内炎(61.9%)、嘔吐(47.6%)

腹部不快感、便秘、唾液腺痛

下痢、嚥下痛、顎下腺腫大

一般・全身障害および投与部位の状態

倦怠感(42.9%)、口渇(42.9%)

発熱

顔面浮腫、顔面痛、腫脹、潰瘍

感染症および寄生虫症

耳下腺炎(66.7%)、結膜炎(33.3%)、唾液腺炎(33.3%)

蜂巣炎、外耳蜂巣炎、外耳炎、中耳炎

膀胱炎、口腔カンジダ症

傷害、中毒および処置合併症

放射線脱毛症

代謝および栄養障害

食欲減退(66.7%)

筋骨格系および結合組織障害

頚部痛、顎痛、開口障害

神経系障害

味覚異常(71.4%)

顔面不全麻痺

頭痛、嗅覚錯誤

精神障害

不眠症

腎および尿路障害

排尿困難

呼吸器、胸郭および縦隔障害

咽頭の炎症、鼻出血、口腔咽頭痛

しゃっくり、鼻閉、鼻の炎症

皮膚および皮下組織障害

脱毛症(90.5%)

顔面腫脹

皮膚炎、薬疹、紅斑

内分泌障害

血中プロラクチン異常(28.6%)、血中プロラクチン増加(28.6%)

14. 適用上の注意

14.1 投与時の注意

他剤との混注はしないこと。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

**本剤は添加剤として亜硫酸塩を含有している。喘息患者では非喘息患者よりも亜硫酸塩に対する過敏症が多く認められるとの報告がある3)

15.2 非臨床試験に基づく情報

  1. 15.2.1 本剤の動物試験(ラット又はイヌ)で雌雄生殖器の変化(黄体肥大、卵胞数減少、腟粘膜上皮粘液変性、子宮内膜増生、精母細胞変性、精巣上体管腔内の精子数減少・細胞残屑、精嚢・前立腺萎縮等)及び神経症状(対光反射消失、縮瞳、傾眠、振戦、瞬膜弛緩等)が認められている4),5),6),7)
  2. 15.2.2 本剤を用いたホウ素中性子捕捉療法の動物試験(マウス)で染色体異常(小核誘発)が認められている8)。また、10B存在下で細胞に中性子線を照射した際に遺伝子変異が認められたとの報告がある9),10)

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与

    切除不能な局所再発頭頸部扁平上皮癌患者及び切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部非扁平上皮癌患者9例に本剤500mg/kgを投与開始後2時間は200mg/kg/時間、その後は100mg/kg/時間で点滴静注したときの本剤の薬物動態パラメータを表16-1、血漿中濃度推移を図16-1に示す11)。また、全血中ホウ素濃度推移を表16-2に示す11)

    表16-1 薬物動態パラメータ

    AUCinf
    (μg・h/mL)

    Cmax
    (μg/mL)

    t1/2
    (h)

    Vz/F
    (L)

    CL/F
    (L/h)

    5811
    ±770.1

    812.0
    ±115.9

    9.47
    ±1.16

    65.26
    ±23.10

    4.72
    ±1.39

    平均値±標準偏差

    表16-2 全血中ホウ素濃度の推移

    投与開始後の
    時間

    1時間後

    2時間後

    3時間後

    全血中ホウ素
    濃度(ppm)

    18.78±1.417

    28.48±3.773

    26.93±3.098

    平均値±標準偏差

16.3 分布

ヒト血漿タンパク結合率は、10~1,000μg/mLの濃度において、0~21.8%であった(in vitro12)

16.4 代謝

本剤は、主としてフェニルアラニントランスアミナーゼによりフェニルピルビン酸体やフェニル乳酸体に代謝され、一部がフェニルアラニンヒドロキシラーゼによりチロシンに代謝されることが推定される11)

16.5 排泄

切除不能な局所再発頭頸部扁平上皮癌患者及び切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部非扁平上皮癌患者9例に本剤500mg/kgを投与したとき、投与72時間後までの尿中において、主に未変化体、フェニルピルビン酸体及びフェニル乳酸体が認められた(投与量に対する割合は、それぞれ50.4、6.49及び4.66%)11)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内第Ⅱ相臨床試験(JHN002試験)

    (1)化学放射線療法又は放射線療法後の切除不能な局所再発頭頸部扁平上皮癌患者又は(2)切除不能な頭頸部非扁平上皮癌患者注1)21例を対象に、本剤500mg/kgを投与開始後2時間は200mg/kg/時間、その後は100mg/kg/時間で点滴静注した。また、本剤の投与開始2時間後から、口腔、咽頭又は喉頭粘膜線量として12Gy-Eqの中性子線を最大60分間単回照射した。主要評価項目である中央判定(RESIST v.1.1)による奏効率(完全奏効と部分奏効を合計した割合)は、71.4%(90%信頼区間:51.3~86.8%)であった13)

    • 注1:以下の患者は除外された。
      • 病変部位に対する放射線療法の最終照射日から90日未満の患者。
      • 病変部位に総線量75Gy以上の放射線照射を受けた患者。
      • 照射軸上の皮膚表面から1.0~5.0cmの範囲に粘膜が含まれない患者。
    表17-1 JHN002試験の有効性に関する成績

    例数(%)

     CR (完全奏効)

    5 (23.8)

     PR (部分奏効)

    10 (47.6)

     SD (安定)

    5 (23.8)

     PD (進行)

    0 (0.0)

     NE (評価不能)

    1 (4.8)

    本剤が投与されホウ素中性子捕捉療法が行われた21例において、21例(100%)に副作用が認められた。主な副作用は、脱毛症90.5%(19/21例)、アミラーゼ増加85.7%(18/21例)、悪心81.0%(17/21例)、味覚異常71.4%(15/21例)、耳下腺炎及び食欲減退66.7%(14/21例)、口内炎61.9%(13/21例)であった13)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

ボロファラン(10B)は、フェニルアラニン誘導体である4-ボロノ-L-フェニルアラニンに含まれるホウ素中の10Bの存在比を高めた薬剤である。体外より中性子線を照射することで腫瘍細胞に取り込まれた10Bが中性子を捕捉し、核反応により生成されたアルファ線及びリチウム原子核を放出することにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている14)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

ボロファラン(10B)(Borofalan(10B))

化学名

(S)-2-amino-3-[4-(10B)dihydroxyboranyl phenyl]propanoic acid

分子式

C9H1210BNO4

分子量

208.21

性状

ボロファラン(10B)は白色の結晶性の粉末である。ギ酸に溶けやすく、水及びエタノールにほとんど溶けない。

化学構造式

20. 取扱い上の注意

製品の品質を保持するために脱酸素剤を封入しており、また、遮光保存する必要があるため、使用直前までピロー包装を開封しないこと。

21. 承認条件

  1. 21.1 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
  2. 21.2 国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤の使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

22. 包装

ピロー包装入り300mLソフトバッグ×5袋

24. 文献請求先及び問い合わせ先

ステラファーマ株式会社 お客様相談センター

電話 0120-262-620

25. 保険給付上の注意

本剤の効能又は効果に関連する注意に、「化学放射線療法等の標準的な治療が可能な場合にはこれらの治療を優先すること。」と記載されているので、本剤の投与が必要と判断した理由を診療報酬明細書に記載すること。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

ステラファーマ株式会社

〒541-0043
大阪市中央区高麗橋3丁目2番7号 ORIX高麗橋ビル
電話 (06)4707-1516 FAX (06)4707-2077

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

画面を閉じる

Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.