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キネレット皮下注100mgシリンジ

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
1.警告
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
5.効能又は効果に関連する注意
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.2腎機能障害患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
15.その他の注意
15.1臨床使用に基づく情報
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.5排泄
16.6特定の背景を有する患者
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2IL-1阻害作用
18.3
18.4
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
21.承認条件
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
25.保険給付上の注意
26.製造販売業者等

キネレット皮下注100mgシリンジ

添付文書番号

3999479G1026_1_01

企業コード

371336

作成又は改訂年月

2026年8月改訂(第2版)
2026年6月作成(第1版)

日本標準商品分類番号

873999

薬効分類名

インターロイキン1(IL-1)受容体拮抗薬

承認等

キネレット皮下注100mgシリンジ

販売名コード

YJコード

3999479G1026

販売名英語表記

Kineret for Subcutaneous Injection 100mg syringe

販売名ひらがな

きねれっとひかちゅう100mgしりんじ

承認番号等

承認番号

30800AMX00148000

販売開始年月

2026年8月

貯法・有効期間

貯法

2~8℃に保存

有効期間

36箇月

一般的名称

アナキンラ(遺伝子組換え)

1. 警告

  1. 1.1 本剤投与により、敗血症を含む重篤な感染症等があらわれることがあり、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現も報告されている。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、これらの情報を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ本剤を投与すること。また、本剤投与において、重篤な感染症等の副作用により、致命的な経過をたどることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び医師のもとで投与し、本剤投与後に副作用が発現した場合には、速やかに担当医に連絡するよう患者に注意を与えること。,,,,,,
  2. 1.2 重篤な感染症

    ウイルス、細菌及び真菌等による重篤な感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発現に注意し、本剤投与後に感染の徴候又は症状があらわれた場合には、直ちに担当医に連絡するよう患者を指導すること。,,,,,

  3. 1.3 本剤についての十分な知識と適応疾患の治療の知識・経験をもつ医師が使用すること。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分又は大腸菌由来のタンパク質に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 重篤な感染症の患者[感染症が悪化するおそれがある。],,,,,
  3. 2.3 活動性結核の患者[症状が悪化するおそれがある。],

3. 組成・性状

3.1 組成

キネレット皮下注100mgシリンジ

有効成分1シリンジ(0.67 mL)中アナキンラ(遺伝子組換え)   100mg
添加剤1シリンジ(0.67mL)中
無水クエン酸 1.29mg
塩化ナトリウム 5.48mg
エデト酸ナトリウム水和物 0.12mg
ポリソルベート80 0.70mg
水酸化ナトリウム 適量

本剤は大腸菌を用いて製造される。

3.2 製剤の性状

キネレット皮下注100mgシリンジ

剤形注射剤(プレフィルドシリンジ)
性状無色~白色の澄明な液であり、半透明~白色のタンパク質性粒子を含むことがある。
pH6.0~7.0
浸透圧比(生理食塩液に対する比)約1

4. 効能又は効果

  • 全身型若年性特発性関節炎
  • 成人発症スチル病

5. 効能又は効果に関連する注意

  1. 5.1 臨床試験に組み入れられた患者の選択基準、併用された薬剤等について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと。
  2. 5.2 重篤な合併症としてマクロファージ活性化症候群(MAS)を発症することがある。MASを合併している患者ではMASに対する治療を優先させること。また、本剤投与中にMASが発現した場合は、投与継続の可否を慎重に判断するとともに、速やかにMASに対する適切な治療を行うこと。

6. 用法及び用量

通常、成人及び生後8カ月以上かつ体重10kg以上の小児にはアナキンラ(遺伝子組換え)として、体重に応じて以下を皮下投与する。
体重50kg以上:1回100mgを、1日1回
体重50kg未満:体重1kg当たり1回2mgを1日1回、なお、16歳未満の患者においては、効果不十分な場合は、体重1kg当たり1回最大4mgまで増量できる。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 本剤による治療反応を初回投与1カ月後に評価し、全身症状が持続している場合は、用量調整(16歳未満かつ体重50kg未満の患者)や治療の継続の可否を検討すること。
  2. 7.2 重度の腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス値が30mL/min未満)又は末期腎不全患者(透析患者を含む)では、本剤の血中濃度が上昇する可能性があることから、本剤の処方用量の隔日投与を検討すること。,
  3. 7.3 本剤と他の生物製剤の併用について安全性及び有効性は確立していないので、併用を避けること。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 臨床試験において、上気道感染等の感染症が報告されており、重篤な感染症も報告されているため、本剤投与中は感染症の発現、再発及び増悪に十分注意すること。,,,,,
  2. 8.2 本剤により感染に対する炎症反応が抑制される可能性があるため、本剤投与中は患者の状態を十分に観察すること。,,,,,
  3. 8.3 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線(レントゲン)検査に加えインターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。また、本剤投与中も、胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核の発現には十分に注意し、患者に対し、結核を疑う症状(持続する咳、体重減少、発熱等)が発現した場合には速やかに担当医に連絡するよう説明すること。なお、結核の活動性が確認された場合は、結核の治療を優先し、本剤を投与しないこと。,
  4. 8.4 本剤投与により好中球減少があらわれることがあるので、初回投与前、概ね投与1カ月後、及びその後本剤投与中は定期的に好中球数を測定すること。,
  5. 8.5 本剤を含むIL-6及びIL-1阻害薬で治療されている全身型若年性特発性関節炎及び成人発症スチル病患者において、肺胞蛋白症、肺高血圧症、間質性肺疾患が報告されている。本剤と肺関連事象との関連性は明らかではないが、肺関連事象の発現には注意すること。
  6. 8.6 本剤を投与された患者において、悪性腫瘍が報告されている。本剤を含む抗IL-1製剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍等の発現には注意すること。
  7. 8.7 本剤投与中に急性肝不全を含む非感染性肝炎が報告されている。肝関連有害事象は、全身型若年性特発性関節炎、成人発症スチル病やマクロファージ活性化症候群の悪化に関連することが知られており、その多くは本剤投与開始1カ月以内に発現している。本剤投与開始後は定期的に肝機能検査を実施し、患者の状態を十分に観察すること。,
  8. 8.8 本剤投与中は生ワクチン接種による感染症発現のリスクを否定できないため、生ワクチンの接種は行わないこと。
  9. 8.9 抗リウマチ生物製剤によるB型肝炎ウイルスの再活性化が報告されているので、本剤投与に先立って、B型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。
  10. 8.10 本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督の下で投与を行うこと。自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、投与方法等について十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者又はその保護者が理解し、患者又はその保護者が確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。自己投与の適用後、感染症等の本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。また、本剤投与後に副作用の発現が疑われる場合は、医療施設へ連絡するよう患者に指導を行うこと。使用済みの注射器等を再使用しないように患者に注意を促し、すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導を行うと同時に、使用済みの注射器等を廃棄する容器を提供すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 感染症(重篤な感染症を除く)の患者又は感染症が疑われる患者

    感染症が悪化するおそれがある。,,,,,

  2. 9.1.2 結核の既往歴を有する患者又は結核感染が疑われる患者

    結核の診療経験がある医師に相談すること。結核を活動化させるおそれがある。以下のいずれかの患者には、原則として抗結核薬を投与した上で、本剤を投与すること。

    • 胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者
    • 結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者
    • インターフェロンγ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、既感染が強く疑われる患者
    • 結核患者との濃厚接触歴を有する患者,
  3. 9.1.3 好中球減少症の患者

    感染症を発症するリスクが増大するおそれがある。,

  4. 9.1.4 B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)

    最新のB型肝炎治療ガイドラインを参考に肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 重度の腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス値が30mL/min未満)又は末期腎不全患者(透析患者を含む)

    本剤の処方用量の隔日投与を検討すること。本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。,

  2. 9.2.2 中等度の腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス値が30mL/min以上50mL/min未満)

    本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。,

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類C)

    重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。,

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本薬のヒト乳汁への移行は不明である。

9.7 小児等

低出生体重児、新生児、又は生後8カ月未満の乳児に対する安全性及び有効性を検討することを目的とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

十分な観察を行い、感染症等の副作用の発現に留意すること。一般に高齢者は生理機能が低下しているので注意すること。

10. 相互作用

  • 本剤と他の薬剤との相互作用を検討した臨床試験は実施されていない。
    代謝酵素チトクロームP450(CYP450)の発現は、IL-1等の炎症性サイトカインにより抑制されているとの報告があり、本剤のIL-1受容体拮抗作用により、CYP450の発現が増加する可能性がある。CYP450により代謝され、治療域が狭い薬剤(ワルファリンなど)と併用する場合には、これらの薬剤の効果や血中濃度に関するモニタリングを行い、必要に応じて投与量を調節すること。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

TNF-α阻害剤
(エタネルセプト等)

重篤な感染症、好中球減少症の発現頻度の増加が認められているため、これらの薬剤と本剤との併用は行わないことが望ましい。

共に免疫抑制作用を有するため。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 重篤な感染症(頻度不明)

    蜂巣炎、肺炎、骨及び関節の感染症、サイトメガロウイルス肝炎、日和見感染症等の重篤な感染症があらわれることがある。,,,,,

  2. 11.1.2 好中球減少症(頻度不明)

    発熱性好中球減少症を含む好中球減少症があらわれることがある。,

  3. 11.1.3 薬剤性過敏症症候群(頻度不明)

    初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。

  4. 11.1.4 アナフィラキシー(頻度不明)

    アナフィラキシー反応や血管性浮腫を含む重度のアレルギー反応があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

10%以上

頻度不明

一般・全身障害および投与部位の状態

注射部位反応(紅斑、疼痛等)(75%)

免疫系障害

アレルギー反応(蕁麻疹、搔痒等)

血液およびリンパ系障害

血小板減少症

神経系障害

頭痛

肝胆道系障害

肝酵素上昇
非感染性肝炎

皮膚および皮下組織障害

発疹
注射部位アミロイド沈着

臨床検査

血中コレステロール増加

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与前の注意

  1. 14.1.1 投与前に冷蔵庫から取り出し室温に戻しておくこと。本剤を振り混ぜないこと。
  2. 14.1.2 本剤は無色~白色の澄明な液であり、半透明~白色のタンパク質性粒子が含まれることがある。投与前に薬液を目視で確認し、変色している場合には、本剤を使用しないこと。
  3. 14.1.3 100mg(プレフィルドシリンジ1本)未満の用量を調製する場合は、あらかじめプレフィルドシリンジ内の過量の薬液を廃棄して、シリンジ内に残った必要投与量を投与すること。

14.2 薬剤投与時の注意

  1. 14.2.1 皮下注射は、腹部、大腿部、上腕部、臀部等に行い、投与毎に注射部位を変えること。注射部位アミロイド沈着が報告されているため、同一部位へ繰り返し注射は行わないこと。皮膚が敏感な部位、皮膚に異常のある部位(傷、発赤、硬結等)への注射は避けること。
  2. 14.2.2 本剤は1回使用の製剤であり、再使用しないこと。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

  1. 15.1.1 本剤を高用量で長期間投与し、注射部位アミロイド沈着を呈した新生児期発症多臓器系炎症性疾患/慢性乳児神経皮膚関節症候群患者において、全身性IL-1受容体拮抗タンパク質アミロイドーシスの発生が報告されている。本剤と全身性IL-1受容体拮抗タンパク質アミロイドーシスとの関連性は確立されていないが、注射部位アミロイド沈着が確認された患者においては全身性アミロイドーシスの早期検出のため、尿蛋白のモニタリングを行うことが望ましい。
  2. 15.1.2 外国人スチル病患者を対象とした試験(Sobi.ANAKIN-301試験)では、抗アナキンラ抗体は、6例全例にみられたが、中和抗体は認められなかった1)
    日本人全身型若年性特発性関節炎及び成人発症スチル病患者を対象とした臨床試験(Sobi.ANAKIN-303試験)では、コア期で15例中14例(93.3%)[非盲検投与期間でのアナキンラ投与継続群8例(100%)、非盲検投与期間でのアナキンラ投与切替え群6例(85.7%)、以下同順]に少なくとも1つの検体で抗アナキンラ抗体がみられ、中和抗体は6例(40.0%)[3例(37.5%)、3例(42.9%)]に認められた2)
    いずれの試験でも抗アナキンラ抗体及び中和抗体の発現による有効性及び安全性に対する影響を示唆する成績は得られていない。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 健康成人(単回投与)

    健康成人6例に本剤100mgを単回皮下投与したときのアナキンラの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった3)。(外国人データ)

    単回皮下投与したときの血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)
    単回皮下投与時の薬物動態パラメータ(健康成人)

    投与量(mg)

    例数

    Cmax
    (ng/mL)

    tmaxa)
    (h)

    AUC0-inf
    (ng・h/mL)

    t1/2
    (h)

    100

    6

    773(121)

    4.0
    (2.0–8.0)

    10188(2083)

    5.24
    (0.45)

    平均値(標準偏差)
    a)中央値(最小値, 最大値)

    • 〈全身型若年性特発性関節炎、成人発症スチル病〉
  2. 16.1.2 反復投与

    日本人の全身型若年性特発性関節炎及び成人発症スチル病患者8例にアナキンラ[体重50kg以上の被験者には100mg/日、体重50kg未満の被験者には2mg/kg/日(最大100mg/日)]を投与した2)
    Week 1及びWeek 2の投与前、投与15分後及び4時間後の血清中アナキンラ濃度の平均値(標準偏差)は、以下のとおりであった。

    投与前

    投与15分後

    投与4時間後

    Cmax
    (ng/mL)

    Week 1

    278.62(253.61)

    448.75(170.94)

    802.25(109.31)

    Week 2

    249.15(242.94)

    410.38(157.10)

    864.88(308.11)

16.5 排泄

アナキンラは主に腎臓によって排泄される。
ラットにおける定常状態試験の結果から、アナキンラの血漿CLの約80%は腎臓によることが示された。しかし、アナキンラの尿中回収率は投与量に対して低かった。このことから、アナキンラは腎臓で糸球体ろ過により除去され、その後腎尿細管で代謝されると考えられた4)

16.6 特定の背景を有する患者

  1. 16.6.1 腎機能障害患者

    異なる程度の腎機能を有する被験者30例に本剤100mgを単回皮下投与したとき、全身曝露量は腎機能の低下に伴って増加した。総クリアランス(CL/F)の低下の割合は、正常な腎機能を有するグループと比較して、軽度の腎機能障害を有する被験者(CLcrが50~80mL/min)で16%、中等度の腎機能障害を有する被験者(CLcrが30~49mL/min)で50%、重度の腎機能障害を有する被験者(CLcrが30mL/min未満)で70%、末期腎不全被験者(透析患者を含む)で75%であった3)。(外国人データ),

  2. 16.6.2 肝機能障害患者

    肝機能障害を有する被験者12例にアナキンラ1.0mg/kgを1分間かけて単回静脈内投与したとき、血漿CLの平均値(95.1mL/min)は、健康被験者と比較して約30%低かった5)。(外国人データ),

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内第Ⅲ相試験(Sobi.ANAKIN-303試験)(jRCT番号:jRCT2031220222)

    日本人の全身型若年性特発性関節炎及び成人発症スチル病患者15例を対象として、アナキンラを皮下投与したときの有効性及び安全性を検討する無作為化、二重盲検、プラセボ対照、多施設共同、第Ⅲ相試験を実施した2)。本試験は、グルココルチコイドの使用歴、併用の有無を問わず、3つの基準(活動性関節炎が1関節以上、CRPが3mg/dL超、登録前1週間以内に、疾患に起因する発熱(38.0℃以上)を1回以上認める)により活動性疾患であることが確認された患者を対象とした。なお、新規のsJIA及びAOSD患者を組み入れる目的で診断後6カ月以内の患者を対象としたが、試験中に治験実施計画書を変更し、罹病期間の制限を削除した。罹病期間(診断から登録まで)の平均値は47.9日、中央値(範囲)は7.0日(-5~330日)であった。本試験は、2週間の無作為化二重盲検プラセボ対照期間、52週間の非盲検投与期間及び4週間の安全性追跡調査(継続期に移行しなかった患者のみ)から成るコア期と最長26週間の非盲検投与継続期間及び4週間の安全性追跡調査から成なる継続期の2期で構成された。
    アナキンラの用量は体重50kg以上の小児及び成人被験者には100mg/日、体重50kg未満の小児及び成人被験者には2mg/kg/日(最大100mg/日)を1日1回皮下投与した。Week 4来院時に全身症状(発熱、発疹、関節炎又は関節痛、CRP値の上昇)が持続している場合は、小児(16歳未満かつ50kg未満)ではアナキンラの用量を調整できることとし、最大用量を200mg/日として4mg/kg/日まで増量するか、アナキンラの投与継続について治験担当医師が再検討することとした。
    主要評価項目であるWeek 2における改変ACR30反応が認められた患者の割合を投与群間で比較した結果、下表のとおりアナキンラ群とプラセボ群の差は統計学的に有意であった。

    Week 2における改変ACR30反応が認められた患者の割合(FAS)

    アナキンラ
    (8例)

    プラセボ
    (7例)

    改変ACR30反応が認められた患者の割合

    87.5%(7例)

    14.3%(1例)

    投与群間差[90% CI]a

    73.2[29.3, 94.8]

    -

    P値b

    0.009

    -

    略語:ACR=米国リウマチ学会、CI=信頼区間、FAS=最大の解析対象集団
    改変ACR30反応は、治験実施計画書で規定した基準①~⑥の6項目のうち3項目以上で、ベースラインから30%以上の改善が認められ、Week 2来院前の7日間に疾患に起因する発熱を伴わず(基準⑦)、基準①~⑥のうちベースラインから30%を超える増悪が認められる項目が1項目以下であることと定義した。
    ①医師による疾患活動性の全般的評価(VAS:0~100mm)
    ②患者/親による全身状態の全般的評価(VAS:0~100mm)
    ③活動性関節炎がみられる関節の数(腫脹関節数。腫脹関節がない場合には運動痛又は変形によらない圧痛を伴う関節可動域の制限がある関節数。)
    ④動きが制限される関節の数
    ⑤身体機能の評価(sJIA患者にはCHAQ、AOSD患者にはSHAQ)
    ⑥CRP(mg/dL)
    ⑦過去7日間の疾患に起因する発熱(体温38.0℃以上)
    a)差が正の値の場合は、アナキンラでの優越性を示す。CIの算出にはSantner–Snell法を用いた。
    b)有意水準5%のフィッシャーの片側正確確率検定

    副作用の発現割合は、73.3%(11/15例)であった。主な副作用は、注射部位反応11例(73.3%)であり、次いで、毛包炎、帯状疱疹及び脂質異常症各1例(6.7%)であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

本剤は、遺伝子組換えヒトインターロイキン-1受容体拮抗薬(rIL-1Ra)であり、炎症性サイトカインIL-1(IL-1α及びIL-1β)の受容体(IL-1RI)への結合を競合的に阻害することによりその生物学的活性を遮断し、炎症を抑制する6)

18.2 IL-1阻害作用

アナキンラ(遺伝子組換え)は、IL-1受容体に対する結合親和性を示し(平衡解離定数:約200 pmol/L)7)、IL-1α及びIL-1βによるC3H/HeJマウス胸腺細胞の増殖を阻害した8),9)

18.3 In vitroにおける薬理活性

アナキンラ(遺伝子組換え)は、ヒト培養細胞(滑膜細胞、包皮線維芽細胞)及びウサギ軟骨細胞によるIL-1誘発PGE2/コラゲナーゼ産生をin vitroで阻害した9),10)

18.4 In vivoにおける薬理活性

アナキンラ(遺伝子組換え)は、ヒトIL-1αのウサギへの皮内投与により誘発した好中球の皮内部位遊走を抑制した11)。また、マウスの連鎖球菌細胞壁誘発性関節炎において、本薬を投与した関節炎発症マウスから採取した膝蓋骨をex vivoで培養して測定した軟骨細胞のプロテオグリカン合成阻害を抑制した12)

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

アナキンラ(遺伝子組換え)
(Anakinra(Genetical Recombination))[JAN]

分子式

C759H1186N208O232S10

分子量

17,257.44

本質

アナキンラは、N末端がメチオニル化された遺伝子組換えヒトインターロイキン-1受容体アンタゴニストタンパク質である。アナキンラは、Escherichia coliにより産生される。アナキンラは、153個のアミノ酸残基からなるタンパク質である。

20. 取扱い上の注意

  1. 20.1 外箱開封後は遮光して保存すること。
  2. 20.2 凍結を避け、2~8℃で冷蔵保存すること。やむを得ず冷蔵保存できない場合には室温で最大72時間保存できるが、再び冷蔵庫に戻さないこと。
  3. 20.3 本剤は単回使用のため、再滅菌・再使用せず、使用済みのプレフィルドシリンジは適切に廃棄すること。

21. 承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

22. 包装

0.67mL[シリンジ×1本]

23. 主要文献

1) 社内資料:海外第Ⅲ相試験(Sobi.ANAKIN-301試験)(2026年6月19日承認、CTD2.7.6.1)

2) 社内資料:国内第Ⅲ相試験(Sobi.ANAKIN-303試験)(2026年6月19日承認、CTD2.7.6.2)

3) 社内資料:臨床薬理試験(20000268試験)(2026年6月19日承認、CTD2.7.2.2.1.2)

4) 社内資料:非臨床薬物動態試験(2026年6月19日承認、CTD2.6.4.6)

5) 社内資料:臨床薬理試験(0563試験)(2026年6月19日承認、CTD2.7.2.2.1.3)

6) Hannum CH, Wilcox CJ, Arend WP, Joslin FG, Dripps DJ, Heimdal PL, et al. Interleukin-1 receptor antagonist activity of a human interleukin-1 inhibitor. Nature. 1990;343(6256):336-340.

7) Dripps DJ. et al. Interleukin-1(IL-1)receptor antagonist binds to the 80-kDa IL-1 receptor but does not initiate IL-1 signal transduction. J Biol Chem 1991a;266:10331-10336.

8) Arend WP, Joslin FG, Thompson RC, Hannum CH. An IL-1 inhibitor from human monocytes. Production and characterization of biologic properties. J Immunol. 1989;143(6):1851-1858.

9) Arend WP, Welgus HG, Thompson RC, Eisenberg SP. Biological properties of recombinant human monocyte-derived interleukin 1 receptor antagonist. J Clin Invest 1990;85:1694-1697.

10) Eisenberg SP. et al. Primary structure and functional expression from complementary DNA of a human interleukin-1 receptor antagonist. Nature 1990;343:341-346.

11) Von Uexkull C. et al. Comparative responses of human and rabbit interleukin-1 in vivo:Effect of a recombinant interleukin-1 receptor antagonist. Immunology 1992;77:483-487.

12) Kuiper S, Joosten LA, Bendele AM, et al. Different roles of tumour necrosis factor alpha and interleukin 1 in murine streptococcal cell wall arthritis. Cytokine 1998;10:690-702.

24. 文献請求先及び問い合わせ先

Swedish Orphan Biovitrum Japan株式会社
メディカルインフォメーションセンター

〒105-5516 東京都港区虎ノ門二丁目6番1号

電話 0120-979-998
受付時間 9:00~17:00(土日祝日・弊社休業日を除く)

25. 保険給付上の注意

*本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、2027年8月末日までは、投薬は1回14日分を限度とされている。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

Swedish Orphan Biovitrum Japan株式会社

東京都港区虎ノ門二丁目6番1号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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