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処方箋医薬品注)
高カリウム血症
本剤は効果発現が緩徐であるため、緊急の治療を要する高カリウム血症には使用しないこと。,
通常、成人には、パチロマーとして8.4gを開始用量とし、水で懸濁して、1日1回経口投与する。以後、血清カリウム値や患者の状態に応じて適宜増減するが、最高用量は1日1回25.2gとする。
腸管穿孔、腸閉塞を起こす可能性が否定できない。,,
症状を悪化させる可能性が否定できない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
本剤との併用により、これらの薬剤の吸収が低下し、作用が減弱する可能性がある。併用する場合は、3時間以上空けて服用すること。
消化管内で本剤に含まれるカルシウムと難溶性のキレートを形成し、これらの薬剤の吸収を低下させるおそれがある。
本剤との併用により、メトホルミンの吸収が低下し、作用が減弱する可能性がある。併用する場合は、3時間以上空けて服用すること。
本剤とメトホルミンが消化管内で相互作用を起こしメトホルミンの吸収を低下させるおそれがある。
,,,,
これらの病態を疑わせる重度の便秘、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。,,,
2%以上
1~2%未満
1%未満
消化器
便秘(14.5%)
下痢、腹部膨満
鼓腸
臨床検査
低マグネシウム血症
低カリウム血症により不整脈等が生じるおそれがある。,
血清カリウム値に応じて、カリウム補充の必要性を検討すること。
以下の点について患者に指導すること。
本剤の粒子径(約100μm)は小腸上皮細胞(約50~100μm)及び細胞間隙より大きいことから、本剤は消化管から体内に吸収されないと考えられる。ラット及びイヌを用いた非臨床試験で14C標識化したパチロマーカルシウム(本剤の活性本体であるパチロマーのカルシウム塩)は吸収されなかった1) 。
健康成人を対象にした臨床試験でパチロマーカルシウムを投与したとき、糞便中から回収されたポリマービーズ中の陽イオン含有量は、投与前のパチロマーカルシウムのカルシウム含有量と同程度であったことから、本剤は消化管通過時に代謝を受けないと考えられる1) (外国人データ)。
雌雄イヌに14C標識化したパチロマーカルシウム(350mg/kg)を単回経口投与したとき、投与168時間後までの糞中放射能排泄率(投与放射能に対する割合の平均値)は、雄及び雌でそれぞれ102%及び107%であった2) 。
健康成人を対象にした臨床試験でシプロフロキサシン塩酸塩(シプロフロキサシンとして500mg)と本剤(パチロマーとして25.2g)を同時に投与したとき、シプロフロキサシン塩酸塩を単独投与したときに対するCmax及びAUC0-∞の幾何平均値の比(90%信頼区間)は、それぞれ0.579(0.454, 0.737)及び0.715(0.653, 0.784)であった。シプロフロキサシン塩酸塩(シプロフロキサシンとして500mg)の投与3時間後に本剤(パチロマーとして25.2g)を投与したとき、シプロフロキサシン塩酸塩を単独投与したときに対するCmax及びAUC0-∞の幾何平均値の比(90%信頼区間)は、それぞれ1.05(0.829, 1.34)及び0.956(0.875, 1.04)であった3) (外国人データ)。健康成人を対象にした臨床試験でレボチロキシンナトリウム水和物(レボチロキシンナトリウムとして600μg)の投与40分以内に本剤(パチロマーとして25.2g)を投与したとき、レボチロキシンナトリウム水和物を単独投与したときに対するCmax及びAUC0-48hの幾何平均値の比(90%信頼区間)は、それぞれ0.916(0.846, 0.992)及び0.814(0.765, 0.867)であった。レボチロキシンナトリウム水和物(レボチロキシンナトリウムとして600μg)の投与3時間後に本剤(パチロマーとして25.2g)を投与したとき、レボチロキシンナトリウム水和物を単独投与したときに対するCmax及びAUC0-48hの幾何平均値の比(90%信頼区間)は、それぞれ0.959(0.885, 1.04)及び0.981(0.921, 1.04)であった3) (外国人データ)。
健康成人を対象にした臨床試験でメトホルミン塩酸塩(1,000mg)と本剤(パチロマーとして25.2g)を同時に投与したとき、メトホルミン塩酸塩を単独投与したときに対するCmax及びAUC0-∞の幾何平均値の比(90%信頼区間)は、それぞれ0.664(0.607, 0.727)及び0.806(0.728, 0.892)であった。メトホルミン塩酸塩(1,000mg)の投与3時間後に本剤(パチロマーとして25.2g)を投与したとき、メトホルミン塩酸塩を単独投与したときに対するCmax及びAUC0-∞の幾何平均値の比(90%信頼区間)は、それぞれ0.992(0.906, 1.09)及び0.981(0.887, 1.09)であった3) (外国人データ)。
健康成人を対象にした臨床試験でアムロジピンベシル酸塩(アムロジピンとして10mg)、シナカルセト塩酸塩(シナカルセトとして90mg)、クロピドグレル硫酸塩(クロピドグレルとして75mg)、フロセミド(40mg)、炭酸リチウム(600mg)、メトプロロール酒石酸塩(100mg)、トリメトプリム(200mg)、ベラパミル塩酸塩(120mg)、ワルファリンナトリウム(25mg)と本剤(パチロマーとして25.2g)を同時に投与したとき、これらの薬剤を単独投与したときに対するAUC0-∞の幾何平均値の比の90%信頼区間は、0.80~1.25の範囲内であった3) (外国人データ)。In vitro試験において、グルコン酸キニジン、チアミン塩化物塩酸塩及びカルベジロールはpH1.2、4.5及び6.8の試験液で、テルミサルタンはpH1.2及び6.8の試験液で、ビソプロロールフマル酸塩はpH6.8の試験液で、それぞれ本剤と30%以上結合することが示された4) 。
高カリウム血症患者184例(非透析患者162例、血液透析患者22例)を対象に、本剤をパチロマーとして8.4g若しくは16.8g、又はプラセボのいずれかを開始用量とし注2) 、血清カリウム値が3.8~5.0mmol/Lとなるよう、最大25.2gまで投与量を増減し、1日1回、53週間投与した。血清カリウム値が5.1〜5.9mmol/Lの非透析患者(NDC1)、6.0〜6.4mmol/Lの非透析患者(NDC2)、透析患者(DC)の3つのコホートに分けて評価した。プラセボはNDC1のみを対象に最初の1週間投与し、その後は本剤を投与した。なお、腹膜透析患者は組み入れられなかった。主要評価項目であるNDC1(152例)における投与1週後の血清カリウム値の変化量は以下の表のとおりであった。投与1週後の血清カリウム値が正常化(3.8〜5.0mmol/L)した患者の割合は、8.4g群で70.6%(36/51例)、16.8g群で84.3%(43/51例)、プラセボ群で36.0%(18/50例)であった。
8.4g群(51例)
16.8g群(51例)
プラセボ群(50例)
ベースラインの血清カリウム値(mmol/L)a)
5.39±0.40
5.31±0.37
5.35±0.40
投与1週後の血清カリウム値(mmol/L)a)
4.81±0.42
4.57±0.46
5.25±0.49
投与1週後の血清カリウム値のベースラインからの変化量の最小二乗平均値(mmol/L)[95%信頼区間]b)
-0.55[-0.67, -0.43]
-0.77[-0.89, -0.64]
-0.10[-0.22, 0.01]
a)平均値±標準偏差b)開始用量及びベースラインの血清カリウム値を説明変数とした共分散分析
NDC2(10例)では、投与1週後の血清カリウム値の変化量(平均値±標準偏差)は8.4g群で-0.66±0.21mmol/L、16.8g群で-0.86±0.24mmol/Lであった。投与1週後の血清カリウム値が正常化(3.8〜5.0mmol/L)した患者の割合は、8.4g群で20.0%(1/5例)、16.8g群で60.0%(3/5例)であった。DC(22例)では、投与1週後の血清カリウム値の変化量(平均値±標準偏差)は、8.4g群で-0.66±0.48mmol/L、16.8g群で-1.25±0.60mmol/Lであり、投与1週後の血清カリウム値が正常化(3.8〜5.0mmol/L)した患者の割合は、8.4g群で27.3%(3/11例)、16.8g群で80.0%(8/10例〈1例欠測〉)であった。本剤投与中の患者における副作用発現頻度は35.9%(66/184例)であった。主な副作用は、便秘21.7%(40/184例)、下痢及び鼓腸各3.3%(6/184例)、腹部膨満2.7%(5/184例)、悪心2.2%(4/184例)であった。なお、低カリウム血症の副作用発現頻度は1.6%(3/184例)であり、血清カリウム値が3.5mmol/L未満となった症例は9.8%(18/184例)であった5) 。
高カリウム血症患者(非透析患者)を対象に、本剤をパチロマーとして8.4gを開始用量とし、血清カリウム値が3.5~5.0mmol/Lとなるよう、最大25.2gまで投与量を増減しながら、1日1回、4〜5週間投与した(治療導入期)。治療導入期に正常カリウム値(3.5〜5.0mmol/L)に達した患者を対象に、本剤又はプラセボに割付け、治療導入期最終時の用量を4週間投与した(二重盲検期)。治療導入期73例(FAS)の血清カリウム値(平均値±標準偏差)は、ベースライン時及び治療導入期最終時で、それぞれ5.79±0.23mmol/L及び4.42±0.35mmol/Lであり、その変化量は-1.37±0.42mmol/Lであった。治療導入期最終時の血清カリウム値が正常化(3.5〜5.0mmol/L)した患者の割合は90.4%(66/73例)であった。二重盲検期への移行基準を満たした67例(本剤群34例、プラセボ群33例、FAS)の平均血清カリウム値の推移は以下の図に示すとおりであった。
主要評価項目である二重盲検期4週後の血清カリウム値の変化量は以下の表のとおりであり、本剤群とプラセボ群との間に統計学的な有意差が認められた。
投与群
二重盲検期ベースラインの血清カリウム値
二重盲検期4週時の血清カリウム値
血清カリウム値の変化量
例数
平均(標準偏差)
最小二乗平均値(95%信頼区間)a)
p値a)b)
本剤
34
4.41(0.32)
30
4.40(0.49)
-0.02(-0.19, 0.15)
プラセボ
33
4.39(0.38)
25
5.08(0.37)
0.78(0.60, 0.96)
本剤-プラセボ
−
-0.80(-1.05, -0.54)
p<0.001
a)投与群、時点、投与群と時点の交互作用及び二重盲検期ベースラインでの血清カリウム値を説明変数とし、患者内誤差には無構造分散共分散構造を用いた反復測定混合効果モデル(MMRM)により算出b)有意水準両側5%
副作用発現頻度は、治療導入期では12.9%(11/85例)、二重盲検期の本剤群では8.8%(3/34例)であった。副作用は、治療導入期では、便秘8.2%(7/85例)、食欲減退3.5%(3/85例)、腹部膨満2.4%(2/85例)であり、二重盲検期の本剤群では便秘5.9%(2/34例)、下痢2.9%(1/34例)であった。低カリウム血症の副作用は認められず、血清カリウム値が3.5mmol/L未満となった症例は治療導入期で1.2%(1/85例)、二重盲検期の本剤群で2.9%(1/34例)であった6) 。
本剤はカルシウム塩とD-ソルビトールを含む非吸収性の陽イオン吸着ポリマーである。本剤は消化管内腔のカリウムと結合することにより糞中カリウム排泄量を増加させ、消化管内腔の遊離カリウムの濃度を低下させることで血清カリウム値を低下させ、高カリウム血症を改善する。
高カリウム血症患者に本剤をパチロマーとして1回8.4gを1日2回2日間反復経口投与したところ、血清カリウム値は投与開始後7時間から有意な低下を示した7) (外国人データ)。健康成人にパチロマーカルシウムをパチロマーとして1日量2.52g、12.6g、25.2g及び50.4gを1日3回に分け8日間反復経口投与したところ、用量依存的に糞中カリウム排泄量が増加し、尿中カリウム排泄量が低下した。健康成人では血清カリウム値は変化しなかった8) (外国人データ)。
パチロマーソルビテクスカルシウム(Patiromer Sorbitex Calcium)(JAN)
Calcium salt of 2-fluoroacrylic acid cross-linked with diethenylbenzene and octa-1,7-diene, combination with D-glucitol
*([(C3H2FO2)2Ca]x・[C10H10]y・[C8H14]z)m・(C6H14O6)w
本剤は原則冷蔵庫(2~8℃)で保管すること。患者が保管する場合は室温(1〜30℃)で保管することも可能であるが、その場合3ヵ月以内に使用するよう患者に指導すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
30包
1) Li L, Harrison SD, Cope MJ, Park C, Lee L, et al.:Mechanism of Action and Pharmacology of Patiromer, a Nonabsorbed Cross-Linked Polymer That Lowers Serum Potassium Concentration in Patients With Hyperkalemia. J Cardiovasc Pharmacol Ther. 2016 Sep; 21(5): 456-465.
2) *社内資料:薬物動態試験 排泄(2024年9月24日承認、CTD2.6.4.6)
3) Lesko LJ, Offman E, Brew CT, Garza D, Benton W, et al.:Evaluation of the Potential for Drug Interactions With Patiromer in Healthy Volunteers. J Cardiovasc Pharmacol Ther. 2017 Sep; 22(5): 434-446.
4) 社内資料:薬物動態学的薬物相互作用(2024年9月24日承認、CTD2.6.4.7)
5) 社内資料:ZG-801-01試験(2024年9月24日承認、CTD2.7.6.2.1.1, CTD2.7.3.3.2.1, CTD2.7.4.2.1.1.2.1)
6) 社内資料:ZG-801-02試験(2024年9月24日承認、CTD2.7.6.2.1.2, CTD2.7.3.3.2.2, CTD2.7.4.2.1.1.2.2)
7) 社内資料:RLY5016-103試験(2024年9月24日承認、CTD2.7.2.2.2.3.1)
8) 社内資料:RLY5016-101試験(2024年9月24日承認、CTD2.7.2.2.2.1.1)
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**本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、2025年11月末日までは、投薬は1回14日分を限度とされている。
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