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アンサー皮下注20μg

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
5.効能又は効果に関連する注意
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.3肝機能障害患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
11.副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2白血球減少に対する回復作用
18.3造血機能賦活作用
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

アンサー皮下注20μg

添付文書番号

3399403A1036_1_05

企業コード

380077

作成又は改訂年月

2023年7月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

873399

薬効分類名

放射線療法による白血球減少抑制剤

承認等

アンサー皮下注20μg

販売名コード

YJコード

3399403A1036

販売名英語表記

Ancer S.C. Injection 20μg

販売名ひらがな

あんさーひかちゅう

承認番号等

承認番号

21900AMX01155000

販売開始年月

1991年9月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年1ヵ月

規制区分

一般的名称

結核菌熱水抽出物

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

アンサー皮下注20μg

有効成分1アンプル(1mL中)
Z-100原液   10μL
(D-アラビノース換算糖含量   20μg )
添加剤1アンプル(1mL中)
塩化ナトリウム   9.0mg
成分のZ-100原液は結核菌熱水抽出物である。
なお、Z-100原液の初期製造工程における培養培地成分として、ニワトリの卵を使用している。

3.2 製剤の性状

アンサー皮下注20μg

pH5.8~7.5
浸透圧比約1(生理食塩液に対する比)
性状無色澄明、においのない水性注射液

4. 効能又は効果

放射線療法による白血球減少症

5. 効能又は効果に関連する注意

本剤は、放射線療法による白血球減少症に投与し、他の白血球減少症には投与しないこと。

6. 用法及び用量

通常、成人には放射線治療開始日以降から投与を開始し、放射線治療終了日まで(ただし8週間を限度とする)1回1mLを1日1回、週2回皮下投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、1回の投与として2mLを越えないこと。

7. 用法及び用量に関連する注意

本剤の投与により、効果がみられない場合は、他の治療に切り替える等適切な処置を行うこと。

8. 重要な基本的注意

本剤の投与中は白血球数を定期的に検査し、白血球の推移に留意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 薬物過敏症の既往歴のある患者
  2. 9.1.2 アレルギー素因のある患者

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重篤な肝障害のある患者

    肝障害を悪化させるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験では催奇形性は認められていない。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが認められている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

0.1~5%未満

0.1%未満

頻度不明

過敏症

発疹、蕁麻疹、発熱

消化器

悪心、嘔吐

肝臓

AST上昇、ALT上昇、LDH上昇、Al-P上昇、総ビリルビン上昇、γ-GTP上昇等の肝機能障害

適用部位

疼痛、硬結、水疱形成、発赤、腫脹、そう痒感

熱感

その他

倦怠感

使用成績調査を含む

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意

本剤はワンポイントカットアンプルであるが、異物混入を避けるためアンプルカット部分を、エタノール綿等で清拭しカットすることが望ましい。また、ヤスリを用いず、アンプル枝部のマーク(青)の反対方向に折り取ること。

14.2 薬剤投与時の注意

皮下に投与すること。また、繰り返し注射する場合には、同一部位の反復注射は避けること。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与

    Z-100原液の14C-標識体(14C-Z-100)をラット又はマウスに20mg/kgの用量で投与したところ、ラットでは投与後45分に血液中放射能が最高濃度(Cmax)に達し、投与後45分から4時間までの消失半減期(t1/2)は1.7時間、4時間から24時間までのt1/2は18.6時間であった。マウスでは投与後15分後にCmaxに達し、15分から2時間までのt1/2は40分、2時間から8時間までのt1/2は3.2時間であった。また、マウスの血漿中濃度は血液中濃度とほぼ同様に推移し、5分から2時間までのt1/2は40分、2時間から8時間までのt1/2は4.3時間であった1)

  2. 16.1.2 反復投与

    Z-100原液の14C-標識体(14C-Z-100)をラットに20mg/kgの用量で1日1回7日間反復皮下投与した時の血液中の放射能濃度は、6日間投与後の24時間まで投与回数にほぼ比例して上昇したが、7日目投与後24時間の血液中放射能濃度は6日間投与後のそれとほぼ同じ値を示した。7日目投与後の血液中放射能濃度は投与後30分にCmaxに達し、30分から2時間までのt1/2は2.4時間、2時間から24時間までのt1/2は35.5時間であり、1回目投与後と比べt1/2が長くなる傾向が認められた2)

16.3 分布

Z-100原液の14C-標識体(14C-Z-100)20mg/kgをラット又はマウスに皮下投与したところ、投与部位に最も高い放射能を示し、次いで、肝、骨髄、リンパ節、脾に特異的にみられ、その他の組織ではわずかな分布が認められた1)

16.5 排泄

Z-100原液の14C-標識体(14C-Z-100)をラット又はマウスに20mg/kgの用量で皮下投与したとき、120時間以内に尿中にそれぞれ投与量の47.8%、53.6%、糞中に1.2%、1.3%、呼気中に27.0%、19.7%が排泄された1)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内第III相比較試験

    悪性腫瘍の放射線治療時における白血球減少を対象に、放射線照射開始日から放射線治療終了時まで本剤1回1アンプル(20μg)を週2回上腕皮下投与又はL-システイン1回2錠(160mg)を1日3回食後経口投与する二重盲検比較試験を実施した3)
    白血球減少に対する主治医判定の有用率は、本剤群で73.9%(68/92)、L-システイン群で69.2%(63/91)、副作用発現頻度は、本剤群で5.7%(6/106)、L-システイン群で2.9%(3/102)であった。本剤群に認められた副作用は、注射部位の異常1.9%(2/106)、発疹、湿疹、Al-P上昇、GPT上昇 各0.9%(1/106)であった。

  2. 17.1.2 国内第III相一般臨床試験

    悪性腫瘍の放射線治療時における白血球減少を対象に、放射線照射開始日から放射線治療終了時まで本剤1回1アンプル(20μg)を週2回上腕皮下投与する一般臨床試験を実施した4),5),6)。白血球減少に対する主治医判定の有用率は、74.7%(65/87)、副作用発現頻度は、3.6%(4/112)であった。副作用の内訳は、注射部位の発赤腫脹、GOT・GPT上昇 各1.8%(2/112)であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

造血幹細胞に働く造血因子であるCSFの内因的な誘導を促進し、放射線により障害を受けた造血機能を賦活して、放射線治療時の末梢白血球数の減少を抑制する。

18.2 白血球減少に対する回復作用

本剤0.5~10mg/kg/日を放射線全身照射により誘発された白血球減少動物(マウス・モルモット)に投与したところ、減少した末梢白血球数の回復を促進した7),8)

18.3 造血機能賦活作用

本剤2.5mg/kgを投与したマウスにおいて、血中のCSF、IL-3の産生を増強させ、造血組織中の顆粒球・単球系前駆細胞を増加させた9),10)

19. 有効成分に関する理化学的知見

分子量

本品中の多糖体及び核酸様物質等を高速ゲルろ過クロマトグラフ法により分画すると、3つの分画A、B、Cに分けられる。各分画の分子量は、
 分画A:約24,000~8,000
 分画B:約8,000~3,000
 分画C:約3,000~500
であった。

性状

微黄色澄明の液で、わずかに特異なにおいがある。
(pH:4.0~6.0)

22. 包装

アンプル:1mL×10管

24. 文献請求先及び問い合わせ先

ゼリア新薬工業株式会社 お客様相談室

〒103-8351 東京都中央区日本橋小舟町10-11

TEL(03)3661-0277 FAX(03)3663-2352
受付時間 9:00~17:50(土日祝日・弊社休業日を除く)

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

ゼリア新薬工業株式会社

東京都中央区日本橋小舟町10-11

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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