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処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
本剤に感性のクロストリジウム・ディフィシル
感染性腸炎(偽膜性大腸炎を含む)
感染性腸炎(偽膜性大腸炎を含む)への使用にあたっては、「抗微生物薬適正使用の手引き」1)を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
通常、成人にはフィダキソマイシンとして1回200mgを1日2回経口投与する。
本剤の投与期間は原則として10日間であり、この期間を超えて使用する場合、ベネフィット・リスクを考慮して投与の継続を慎重に判断すること。
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
患者の状態に注意して投与すること。一般に生理機能が低下している。
アナフィラキシー(発疹、そう痒症、血管浮腫、呼吸困難等)があらわれることがある。
1%以上
1%未満
消化器
便秘、悪心、嘔吐
腹部膨満、下痢、口内乾燥、鼓腸
精神神経系
浮動性めまい、味覚異常、頭痛
その他
ALT上昇、食欲減退
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人男性に本剤100mg注)及び200mgを食後単回経口投与注)したとき、血漿中フィダキソマイシン濃度は投与後2~3時間で最大値に達し、その後速やかに消失した。主代謝物であるOP-1118の血漿中濃度は本剤投与後3時間で最大値を示した2)。
用量(mg)
例数
Cmax(ng/mL)
Tmax(h)
AUCinf(ng・h/mL)
t1/2(h)
フィダキソマイシン
100
9
4.5±2.4
3.0(1.0~4.1)
40.6±15.8a)
7.0±3.5a)
200
8.3±4.5
2.0(1.0~6.0)
55.6±26.4b)
10.6±8.1b)
OP-1118
8.6±4.0
3.0(1.0~6.0)
92.7±40.3a)
8.8±3.1a)
18.0±7.6
154.2±48.5b)
11.5±7.6b)
(平均値±標準偏差、Tmaxは中央値(範囲))
a) 8例、b) 7例
健康成人男性に本剤100mg注)及び200mgを1日2回食後経口投与したときの10日目のフィダキソマイシン及びOP-1118の血漿中薬物動態パラメータは下表のとおりである2)。
AUC12h(ng・h/mL)
5.3±2.9
32.8±20.5
8
8.7±5.3
3.0(1.0~8.0)
58.5±36.7
10.2±4.8
67.6±31.9
19.8±8.9
144.2±74.9
クロストリジウム・ディフィシルによる腸炎患者に本剤200mgを1日2回経口投与したときのフィダキソマイシン及びOP-1118の血漿中濃度は下表のとおりである3)。
血漿中薬物濃度(ng/mL)
90
54.7±73.8
135.6±199.2
(平均値±標準偏差)
本薬の消化管管腔内のpH値(pH1~7.5)における溶解度及びCaco-2細胞単層膜における膜透過性は低く4)、さらにP-糖蛋白質(P-gp)の基質であった5)(in vitro試験)。イヌにおける絶対バイオアベイラビリティは3%以下と低値であった6)。ヒトにおける本剤の絶対バイオアベイラビリティは不明であるが、経口投与後の本剤の吸収は極めて低いと考えられる。
健康成人(27例)に本剤400mg注)を空腹時又は食後単回経口投与注)したとき、空腹時投与に対する食後投与のフィダキソマイシンのCmax及びAUClastの幾何平均比(90%信頼区間)は79%(67%~92%)及び97%(87%~107%)、OP-1118のCmax及びAUClastの幾何平均比(90%信頼区間)は67%(58%~76%)及び90%(82%~98%)であった7)(外国人データ)。
本剤は経口投与後、消化管内に局在する。フィダキソマイシン及びOP-1118の血漿蛋白結合率は、それぞれ97.4%~98.3%及び95.6%~96.4%であった8)(in vitro試験)。
フィダキソマイシンは、主にイソブチリルエステル基の加水分解により活性代謝物OP-1118へ代謝される9)。
健康成人男性に本剤100mg注)及び200mgを経口投与したとき、フィダキソマイシン及びOP-1118の尿中への排泄率は非常に低く(0.594%以下)、そのほとんどがフィダキソマイシン及びOP-1118として糞中に排泄される2),7)(日本人及び外国人データ)。
クロストリジウム・ディフィシルによる腸炎患者に本剤200mgを1日2回反復経口投与したときの腎機能正常患者、軽度、中等度及び重度の腎機能低下患者の投与3~5時間後の血漿中薬物濃度を比較した結果、腎機能に伴う血漿中フィダキソマイシン及びOP-1118濃度の変動は見られなかった10)。
経口投与されたフィダキソマイシン及びOP-1118の消化管吸収はほとんどないと考えられたことから、肝機能障害患者におけるフィダキソマイシン及びOP-1118の薬物動態については検討していない。
クロストリジウム・ディフィシルによる腸炎患者に本剤200mgを1日2回反復経口投与したときの高齢患者のフィダキソマイシン及びOP-1118の血漿中濃度は非高齢患者に比べ高い傾向を示したが血漿中薬物濃度の差について臨床的意義は無いと考えられた10)。
併用薬
併用薬の用量
本剤の用量
幾何平均比(90%信頼区間)(併用投与/単独投与)
AUC
Cmax
シクロスポリン11)(P-gp阻害剤)
200mg単回
200mg単回注)
14a)
192%(139%~264%)
415%(323%~532%)
411%(306%~553%)
951%(693%~1305%)
a) 健康成人男性
本剤の用量投与期間
ワルファリンa)12)(CYP2C9基質)
10mg単回
200mg1日2回7日間
24b)
113%(110%~117%)
109%(104%~115%)
オメプラゾール12)(CYP2C19基質)
40mg単回
103%(93%~114%)
93%(82%~106%)
ミダゾラム12)(CYP3A基質)
5mg単回
96%(88%~106%)
92%(83%~102%)
ジゴキシン13)(P-gp基質)
0.5mg単回
200mg1日2回11日間
14c)
112%(103%~122%)
114%(99%~131%)
ロスバスタチン14)(BCRP、MRP2、OATP2B1基質)
200mg1日2回10日間
26b)
110%(99%~122%)
117%(106%~129%)
a) S-ワルファリンの濃度を基に算出、b) 健康成人男性、c) 健康成人
フィダキソマイシンはCYP2C9に対して阻害作用(IC50値7.2μg/mL)を示した15)。また、フィダキソマイシン及びOP-1118は、P-gpの基質であった5)。フィダキソマイシン及びOP-1118は、P-gp(IC50値2.74及び>123μg/mL)、乳癌耐性蛋白(BCRP)(IC50値4.13及び17.1μg/mL)、多剤耐性関連蛋白2(MRP2)(IC50値2.22及び46.4μg/mL)及び有機アニオン輸送ポリペプチド2B1(OATP2B1)(IC50値0.95及び<1.35μg/mL)に対して阻害作用を示した5),16),17)。
注)本剤の承認された用法及び用量は「通常、成人にはフィダキソマイシンとして1回200mgを1日2回経口投与する。」である。
20歳以上のクロストリジウム・ディフィシルによる腸炎患者(目標例数210例[各群105例])を対象に、本剤の有効性及び安全性を検討することを目的として、無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。主要評価項目は、クロストリジウム・ディフィシルによる腸炎の治癒維持率と設定し、結果は以下のとおりであった。本剤群とバンコマイシン群との群間差(95%信頼区間)は1.2(-11.3~13.7)%であり、95%信頼区間の下限値が事前に設定された非劣性マージン(-10%)を下回ったことから、バンコマイシンに対する本剤の非劣性は検証されなかった18)。
フィダキソマイシン(104例)
対照薬(108例)
群間差a)(95%信頼区間)
治癒維持率
70/104(67.3)
71/108(65.7)
1.2(-11.3~13.7)
治癒率(治験薬投与終了時)
87/104(83.7)
95/108(88.0)
-4.4(-13.8~5.0)
クロストリジウム・ディフィシルによる腸炎の再発率b)
17/87(19.5)
24/95(25.3)
-4.9(-16.7~7.0)
例数(%)
国内第Ⅲ相試験において、副作用の発現割合は8.65%(9/104例)であった。発現した副作用は、貧血、心室細動、腹部膨満、下痢、痔核、悪心、嘔吐、浮動性めまい、妄想、発疹、発熱、口腔カンジダ症、抱合ビリルビン増加、痛風、ピロリン酸カルシウム結晶性軟骨石灰化症(各1例)であり、いずれの副作用も発現頻度は0.96%であった。
16歳以上のクロストリジウム・ディフィシルによる腸炎患者を対象に、本剤の有効性及び安全性を検討することを目的として、無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。主要評価項目は、治験薬投与終了日(±2日)又は中止時における治癒率と設定し、PP集団における本剤群及びバンコマイシン群の治癒率はそれぞれ92.2%(247/268例)及び89.6%(251/280例)、本剤群とバンコマイシン群との群間差(95%信頼区間)は2.5(-2.4~7.3)%であり、95%信頼区間の下限値が事前に設定された非劣性マージン(-10%)を上回ったことから、バンコマイシン群に対する本剤群の非劣性が検証された19)。また、mITT集団における結果は以下のとおりであった。
海外第Ⅲ相試験(北米試験)
対照薬
群間差(95%信頼区間a))
治癒率
255/289(88.2%)
263/307(85.7%)
2.6%(-2.9%,8.0%)
再発率b)
40/255(15.7%)
66/263(25.1%)
-9.4%(-16.2%,-2.5%)
215/289(74.4%)
197/307(64.2%)
10.2%(2.8%,17.5%)
副作用の発現割合はフィダキソマイシン群で9.7%(29/300例)であった。フィダキソマイシン群で1%以上であった副作用は悪心7例(2.3%)、便秘4例(1.3%)、食欲不振4例(1.3%)、浮動性めまい4例(1.3%)、嘔吐3例(1.0%)及び頭痛3例(1.0%)であった20)。
16歳以上のクロストリジウム・ディフィシルによる腸炎患者を対象に、本剤の有効性及び安全性を検討することを目的として、無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。主要評価項目は、治験薬投与終了日(±2日)又は中止時における治癒率と設定し、PP集団における本剤群及びバンコマイシン群の治癒率はそれぞれ91.7%(199/217例)及び90.6%(212/234例)、本剤群とバンコマイシン群との群間差(95%信頼区間)は1.1(-4.2~6.4)%であり、95%信頼区間の下限値が事前に設定された非劣性マージン(-10%)を上回ったことから、バンコマイシンに対する本剤の非劣性が検証された21)。また、mITT集団における結果は以下のとおりであった。
海外第Ⅲ相試験(欧米試験)
222/253(87.7%)
222/256(86.7%)
1.0%(-4.8%,6.8%)
28/222(12.6%)
60/222(27.0%)
-14.4%(-21.6%,-7.0%)
194/253(76.7%)
162/256(63.3%)
13.4%(5.4%,21.1%)
副作用の発現割合はフィダキソマイシン群で11.7%(31/264例)であった。フィダキソマイシン群で発現割合が1%以上であった副作用は、悪心8例(3.0%)、嘔吐4例(1.5%)及び便秘3例(1.1%)であった22)。
細菌のRNAポリメラーゼを阻害することにより、抗菌活性を示す23)。
フィダキソマイシンは、クロストリジウム・ディフィシルをはじめとする一部のグラム陽性菌に抗菌活性を示し、ほとんどのグラム陰性菌に対しては抗菌活性を示さない24)(in vitro試験)。
フィダキソマイシン(Fidaxomicin) 略号:FDX
(3E,5E,8S,9E,11S,12R,13E,15E,18S)-3-({[6-Deoxy-4-O-(3,5-dichloro-2-ethyl-4,6-dihydroxybenzoyl)-2-O-methyl-β-D-mannopyranosyl]oxy}methyl)-12-{[6-deoxy-5-C-methyl-4-O-(2-methylpropanoyl)-β-D-lyxo-hexopyranosyl]oxy}-11-ethyl-8-hydroxy-18-[(1R)-1-hydroxyethyl]-9,13,15-trimethyloxacyclooctadeca-3,5,9,13,15-pentaen-2-one
C52H74Cl2O18
1058.04
フィダキソマイシンは白色の粉末である。テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド及びメタノールに溶けやすく、アセトンにやや溶けやすく、酢酸エチル、エタノール(99.5)、ジクロロメタン及びアセトニトリルにやや溶けにくく、イソプロパノールに溶けにくく、Britton-Robinson緩衝液(pH8)に極めて溶けにくく、Britton-Robinson緩衝液(pH4、6及び7)にほとんど溶けない。
177~180ºC
3.7
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
20錠(10錠×2)
1) 厚生労働省健康局結核感染症課編:抗微生物薬適正使用の手引き[R-07700]
2) Oshima, H. et al.:Clin. Drug Investig. 2015;35(6):375-384 [DAF-00009]
3) 社内報告書:クロストリジウム・ディフィシルによる腸炎患者・国内第Ⅲ相試験(2018年7月2日承認 CTD2.7.2.2.2.10)[DIR180010]
4) 社内報告書:溶解度及び膜透過性・薬物動態(2018年7月2日承認 CTD2.7.2.2.1.15)[DIR180012]
5) 社内報告書:P-gp基質性及び阻害作用・薬物動態(2018年7月2日承認 CTD2.7.2.2.1.7、CTD2.7.2.2.1.8)[DIR180013]
6) 社内報告書:イヌ絶対バイオアベイラビリティ・薬物動態(2018年7月2日承認 CTD2.6.4.3.2.2)[DIR180014]
7) 社内報告書:海外健康成人・食事の影響試験(2018年7月2日承認 CTD2.7.1.2.2、CTD2.7.2.2.2.4)[DIR180011]
8) 社内報告書:血漿蛋白結合率・薬物動態(2018年7月2日承認 CTD2.7.2.2.1.1)[DIR180015]
9) 社内報告書:代謝・薬物動態(2018年7月2日承認 CTD2.7.2.3.1.6)[DIR180141]
10) 社内報告書:クロストリジウム・ディフィシルによる腸炎患者・国内第Ⅲ相試験・薬物動態層別解析(2018年7月2日承認 CTD2.7.2.3.3.1、2.7.2.3.3.4)[DIR180023]
11) 社内報告書:海外健康成人・薬物相互作用試験(シクロスポリン)(2018年7月2日承認 CTD2.7.2.2.2.5)[DIR180019]
12) 社内報告書:海外健康成人・薬物相互作用試験(ワルファリン、オメプラゾール、ミダゾラム)(2018年7月2日承認 CTD2.7.2.2.2.7)[DIR180020]
13) 社内報告書:海外健康成人・薬物相互作用試験(ジゴキシン)(2018年7月2日承認 CTD2.7.2.2.2.6)[DIR180021]
14) 社内報告書:海外健康成人・薬物相互作用試験(ロスバスタチン)(2018年7月2日承認 CTD2.7.2.2.2.8)[DIR180022]
15) 社内報告書:CYP阻害作用・薬物動態(2018年7月2日承認 CTD2.7.2.2.1.5)[DIR180016]
16) 社内報告書:BCRP及びMRP2に対する基質性及び阻害作用・薬物動態(2018年7月2日承認 CTD2.7.2.2.1.9~CTD2.7.2.2.1.12)[DIR180017]
17) 社内報告書:OATP2B1基質性及び阻害作用・薬物動態(2018年7月2日承認 CTD2.7.2.2.1.13、CTD2.7.2.2.1.14)[DIR180018]
18) 社内報告書:クロストリジウム・ディフィシルによる腸炎患者・国内第Ⅲ相試験(2018年7月2日承認 CTD2.7.3.2.4)[DIR180024]
19) 社内報告書:クロストリジウム・ディフィシルによる腸炎患者・海外第Ⅲ相試験(2018年7月2日承認 CTD2.7.3.2.2)[DIR180025]
20) 社内報告書:クロストリジウム・ディフィシルによる腸炎患者・海外第Ⅲ相試験(2018年7月2日承認 CTD2.7.6.10)[DIR180044]
21) 社内報告書:クロストリジウム・ディフィシルによる腸炎患者・海外第Ⅲ相試験(2018年7月2日承認 CTD2.7.3.2.3)[DIR180026]
22) 社内報告書:クロストリジウム・ディフィシルによる腸炎患者・海外第Ⅲ相試験(2018年7月2日承認 CTD2.7.6.11)[DIR180045]
23) 社内報告書:C. difficile由来RNAポリメラーゼに対する作用・薬理試験(2018年7月2日承認 CTD2.6.2.2.5)[DIR180029]
24) 社内報告書:各種細菌に対する抗菌活性・薬理試験(2018年7月2日承認 CTD2.6.2.2.1)[DIR180027]
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