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劇薬
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
通常、成人にはテポチニブ塩酸塩水和物として1回500mgを1日1回食後に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
減量レベル
投与量
通常投与量
500mg 1日1回
1段階減量
250mg 1日1回
2段階減量
投与中止
副作用
程度注1)
処置
間質性肺疾患
Grade 1以上
間質性肺疾患以外
Grade 3
Grade 2以下に回復するまで休薬又は1段階減量して投与すること。また、21日を超える休薬を要する場合には中止すること。
Grade 4
Grade 2以下に回復するまで休薬すること。また、21日を超える休薬を要する場合には中止すること。
間質性肺疾患が発現又は増悪するおそれがある。,,
本剤は胆汁を介して排泄される。これらの患者を対象とした臨床試験は実施していない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ウサギを用いた生殖発生毒性試験において、臨床曝露量未満に相当する用量で、胎児骨格異常の増加が報告されている1) 。,,
授乳しないことが望ましい。乳汁移行に関するデータはないが、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。
本剤がP-gpを阻害することにより、これらの薬剤の血漿中濃度が増加する可能性がある。
間質性肺疾患、肺臓炎、急性呼吸不全等があらわれることがある。異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。,,,
末梢性浮腫(53.8%)、低アルブミン血症(10.8%)、胸水(4.6%)等の体液貯留があらわれることがある。急激な体重の増加、呼吸困難等の異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
AST、ALT、γ-GTP、ALPの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
血中クレアチニン増加(13.8%)、腎不全(2.3%)、急性腎障害(1.5%)等の腎機能障害があらわれることがある。
5%以上
1%~5%未満
一般・全身障害および投与部位の状態
無力症、疲労
粘膜炎症
胃腸障害
悪心、下痢、上腹部痛
便秘、嘔吐、腹痛、胃食道逆流性疾患
代謝および栄養障害
食欲減退
低ナトリウム血症
臨床検査
アミラーゼ増加、リパーゼ増加
総蛋白減少、体重増加、心電図QT延長、体重減少
皮膚および皮下組織障害
脱毛症、発疹、そう痒症、ざ瘡様皮膚炎、皮膚乾燥、紅斑、斑状丘疹状皮疹
呼吸器、胸郭および縦隔障害
呼吸困難、鼻漏
神経系障害
味覚異常、末梢性ニューロパチー、浮動性めまい、錯感覚
眼障害
流涙増加
感染症および寄生虫症
毛包炎
血液およびリンパ系障害
血小板減少症
中毒および処置合併症
過量投与
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
イヌを用いた反復投与毒性試験において、臨床曝露量未満に相当する用量で、胆管炎に伴った胆管上皮の乳頭状過形成(細胞増殖マーカー陽性ではあるものの、39週の時点では回復性あり)が報告されている2) 。
健康成人に本剤500mgを食後に単回経口投与したときのテポチニブの血漿中濃度推移及びPKパラメータは以下のとおりであった3) (外国人データ)。
パラメータ
幾何平均値(幾何CV%)
N
12
Cmax(ng/mL)
559(17.0)
AUC0-∞(h×ng/mL)
30118(25.5)
tmax(h)a
8.0(6.00-12.0)
t1/2(h)
29.9(14.5)
CL/f(L/h)
14.9(25.5)
Vz/f(L)
644(26.3)
a中央値(範囲)
日本人の進行固形癌患者に本剤215注2) 、300注2) 又は500mgを食後に1日1回反復経口投与したときのテポチニブの血漿中濃度推移及びPKパラメータは以下のとおりであった。本剤500mgを食後に1日1回反復経口投与したときの投与14日目におけるテポチニブの蓄積率は2.45であった4) 。
用量(mg)
測定日(日)
tmaxa(h)
AUC0-24h(h×ng/mL)
215注2)
1
3
244.4(29.9)
8.000(7.92-8.03)
4060.8(30.7)
14
807.5(11.5)
8.000(7.98-8.02)
16088.6(12.2)
300注2)
301.3(42.6)
8.017(8.00-10.02)
5412.7(45.0)
610.1(84.8)
9.917(1.95-10.23)
13313.4(82.5)
500
6
442.4(27.5)
10.000(3.97-23.85)
8235.0(30.9)
5
996.8(17.5)
4.133(3.87-9.87)
21509.0(16.7)
健康成人(12例)に本剤500mgを単回経口投与したとき、空腹時投与に対する高脂肪食後投与におけるテポチニブのCmax及びAUC0-∞の幾何最小二乗平均値の比は、それぞれ2.00及び1.63であった3) (外国人データ)。
テポチニブのヒト血漿タンパク結合率は98%であった5) (in vitro)。
テポチニブはチトクロムP450(CYP)3A4及び2C8によって代謝される(in vitro)。健康成人(6例)に[14C]テポチニブ500mgを単回経口投与したとき、投与240時間後までの血漿中の主な代謝物としてMSC2571109A(ケトン体(R体))が検出された(血漿中総放射能及び未変化体のAUC240hに対する割合は、それぞれ40.4%及び74.9%)6) (外国人データ)。
健康成人(6例)に[14C]テポチニブ500mgを単回経口投与したとき、投与360時間後までに糞中及び尿中において、それぞれ投与放射能の77.9%(未変化体として45%)及び13.6%(未変化体として7%)が排泄された6) (外国人データ)。
本剤500mgを食後に単回経口投与したとき、肝機能正常被験者(6例)に対する軽度(Child-Pugh分類A)の肝機能障害患者(6例)のテポチニブのCmax及びAUC0-∞の幾何最小二乗平均値の比は、それぞれ1.02及び0.95であった。また、肝機能正常被験者(6例)に対する中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害患者(6例)のテポチニブのCmax及びAUC0-∞の幾何最小二乗平均値の比は、それぞれ0.710及び0.879であった7) (外国人データ)。
健康成人(20例)に本剤500mgを1日1回8日間反復経口投与した後、ダビガトランエテキシラート(P-gpの基質)75mgを単回経口投与したとき、ダビガトランエテキシラート単独投与時に対する本剤併用投与時におけるダビガトランエテキシラートのCmax及びAUC0-∞の幾何最小二乗平均値の比は、それぞれ1.38及び1.45であった8) (外国人データ)。
MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象としたコホートにおいて、被験者130例(日本人患者17例を含む)に本剤500mgを1日1回経口投与した。主要評価項目であるRECIST 1.1に基づく独立評価判定による奏効率は、有効性評価対象注3) 99例(日本人患者15例を含む)で42.4%(95%信頼区間:32.5-52.8)であった。安全性評価対象130例中、副作用の発現頻度は、84.6%(110/130例)であった。主な副作用は、末梢性浮腫53.8%(70/130例)、悪心23.8%(31/130例)、及び下痢20.8%(27/130例)であった12) 。
テポチニブは、受容体型チロシンキナーゼである間葉上皮転換因子(MET)に対する阻害作用を有する低分子化合物である。テポチニブは、METのリン酸化を阻害し、下流のシグナル伝達を阻害することにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている13) 。
テポチニブは、MET遺伝子のエクソン14のスキッピング変異を有するヒト非小細胞肺癌由来H596細胞株を皮下移植した重症複合型免疫不全マウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した14) 。
テポチニブ塩酸塩水和物(Tepotinib Hydrochloride Hydrate)
3-{1-[(3-{5-[(1-Methylpiperidin-4-yl)methoxy]pyrimidin-2-yl}phenyl)methyl]-6-oxo-1,6-dihydropyridazin-3-yl}benzonitrile monohydrochloride monohydrate
C29H28N6O2・HCl・H2O
547.05
本品は白色の粉末である。
約150-200℃
*医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
10錠 [10錠(PTP)×1]
1) 社内資料:RF0480試験及びRF5400試験(2020年3月25日承認、CTD2.6.6.6)
2) 社内資料:13-DA009-N0試験(2020年3月25日承認、CTD2.6.6.3.9)
3) 社内資料:MS200095-0044試験(2020年3月25日承認、CTD2.7.1.2.2)
4) 社内資料:EMR200095-003試験(2020年3月25日承認、CTD2.7.6.2.6)
5) 社内資料:DMPK 94-11試験及びDMPK 55-12試験(2020年3月25日承認、CTD2.7.2.3.2)
6) 社内資料:EMR200095-007試験(2020年3月25日承認、CTD2.7.2.2.7)
7) 社内資料:MS200095-0028試験(2020年3月25日承認、CTD2.7.2.2.9)
8) 社内資料:MS200095-0032試験(2020年3月25日承認、CTD2.7.2.2.11)
9) 社内資料:MS200095-0039試験(2020年3月25日承認、CTD2.7.2.2.12)
10) 社内資料:MS200095-0030試験(2020年3月25日承認、CTD2.7.2.2.10)
11) 社内資料:XT185024試験(2020年3月25日承認、CTD2.6.4.7.1)
12) 社内資料:MS200095-0022試験(2020年3月25日承認、CTD2.7.6.2)
13) 社内資料:PSR-ONC-EMD1214063-001試験(2020年3月25日承認、CTD2.6.2.2.1)
14) 社内資料:ONC207-1-83MFH試験(2020年3月25日承認、CTD2.6.2.2.2)
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