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劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
1週間間隔投与の場合:通常、成人には、セツキシマブ(遺伝子組換え)として、初回は400mg/m2(体表面積)を2時間かけて、2回目以降は250mg/m2(体表面積)を1時間かけて1週間間隔で点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。
2週間間隔投与の場合:通常、成人には、セツキシマブ(遺伝子組換え)として、500mg/m2(体表面積)を2時間かけて2週間間隔で点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。
Grade 3以上注3) の皮膚症状の発現回数
本剤の投与
投与延期後の状態
本剤の用量調節
初回発現時
投与延期
Grade 2注3) 以下に回復
A:200mg/m2で投与継続
B:250mg/m2で投与継続
C:500mg/m2で投与継続
回復せず
投与中止
2回目の発現時
A:150mg/m2で投与継続
B:200mg/m2で投与継続
C:400mg/m2で投与継続
3回目の発現時
A:投与中止
B:150mg/m2で投与継続
C:300mg/m2で投与継続
4回目の発現時
A:1週間間隔投与で放射線療法との併用の場合、B:1週間間隔投与で放射線療法との併用以外の場合、C:2週間間隔投与の場合
間質性肺疾患を増悪させるおそれがある。
本剤による治療を開始するにあたっては、患者の冠動脈疾患、うっ血性心不全及び不整脈等の既往歴に注意すること。心疾患を増悪させるおそれがある。また、本剤と放射線療法を併用した頭頸部扁平上皮癌患者に対する海外臨床試験において、心肺停止及び突然死が報告されている。
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中、適切な避妊法を用いるように指導すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。サルの胚・胎児発生への影響に関する試験において、流産及び胎児死亡の発現頻度の上昇がみられた。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトIgG1はヒト乳汁中に排出される。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。
気管支痙攣、蕁麻疹、低血圧、意識消失又はショックを症状としたアナフィラキシー様症状があらわれることがある。infusion reactionを発現した場合には、全ての徴候及び症状が完全に回復するまで患者を十分に観察すること。なお、本剤によるアナフィラキシーの発生機序の一つとして、本剤に含まれるGalactose-α-1,3-galactose(α-gal)に対するIgE抗体を介した機序が報告されている。赤肉(牛肉等)に対するアレルギー歴やマダニ咬傷歴のある患者では、α-galに対するIgE抗体が検出されることが報告されている。そのうち、牛肉に対するアレルギー歴のある患者で、本剤によるアナフィラキシーが認められたとの報告がある1),2),3) 。,,,,
主にざ瘡様皮疹、皮膚の乾燥及び亀裂、続発する炎症性及び感染性の症状(眼瞼炎、口唇炎、蜂巣炎、嚢胞)等があらわれることがある。重度の皮膚症状(主にざ瘡様皮疹)発現後に、切開排膿を要する膿瘍、壊死性筋膜炎や黄色ブドウ球菌敗血症等を合併した例が報告されている。重度の皮膚症状が認められた場合には、本剤の投与量を調節するとともに、続発する炎症性又は感染性の症状の発現に十分注意し、これらの症状に対する適切な治療を行うこと。,
咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状や発熱が急激にあらわれた場合、あるいは胸部X線等の検査で異常が認められた場合など、間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤投与等の適切な処置を行うこと。
QT延長、痙攣、しびれ、全身倦怠感等を伴う低マグネシウム血症があらわれることがある。なお、低マグネシウム血症に起因した、低カルシウム血症、低カリウム血症等の電解質異常を伴う場合には、特に症状が重篤化することがあるので注意すること。電解質異常が認められた場合には、必要に応じ電解質補充等の適切な処置を行うこと。
重度の下痢及び脱水があらわれることがあり、腎不全に至った症例も報告されている。これらの症状があらわれた場合には、止瀉薬(ロペラミド等)の投与、補液等の適切な処置を行うこと。
深部静脈血栓症、肺塞栓症等があらわれることがある。
肺炎、敗血症等の重度の感染症があらわれることがある。
10%以上
0.5~10%未満
0.5%未満
頻度不明
全身症状
疲労、無力症
発熱、体重減少、粘膜の炎症、悪寒、疼痛(皮膚・筋肉等)、浮腫、倦怠感
PO2低下
消化器
悪心、口内炎
食欲不振、嘔吐、便秘、腹痛、消化不良
歯槽出血、吐血
下痢
血液/リンパ系
好中球減少症、白血球減少症、血小板減少症、リンパ球減少症、ヘモグロビン減少、好中球増加症、白血球増加症
心・血管系
心筋梗塞
代謝/栄養
低カルシウム血症、低アルブミン血症、低カリウム血症、脱水、低ナトリウム血症、低リン酸血症、総蛋白減少
血中アミラーゼ増加
肝臓
ALT上昇、AST上昇、Al-P上昇
血中ビリルビン増加
精神・神経系
頭痛、不眠症、末梢神経障害
呼吸器
鼻出血、呼吸困難、咳嗽
喀血
皮膚/皮膚付属器
発疹(45.0%)、ざ瘡/ざ瘡様皮膚炎(44.5%)、皮膚乾燥、爪囲炎、そう痒症、皮膚亀裂
爪の障害、脱毛症、皮膚毒性、手足症候群、多毛症、口唇炎、蕁麻疹、皮膚反応、毛髪障害
剥脱性皮膚炎
皮膚障害
眼注4)
結膜炎、眼瞼炎
角膜炎
その他
過敏症、尿蛋白
C-反応性蛋白増加、尿中ウロビリン陽性、血尿、尿中血陽性、卵巣嚢胞破裂
放射線性皮膚炎注5) 、遅発性放射線障害注5)
固形癌患者にセツキシマブを投与量100~500mg/m2で点滴静注注6) した時の血清中濃度推移を図1に、また、薬物動態パラメータを表1に示す。最高血清中濃度(Cmax)の平均値は49~396.7μg/mL、また、血清中濃度曲線下面積(AUC)の平均値は3469~34817μg・h/mLで、投与量とCmax又はAUCとの間に線形性が認められた。消失相半減期(t1/2)の平均値は53.9~111.4時間であった。クリアランス(CL)の平均値は0.014~0.029L/h/m2で、100~250mg/m2の用量範囲でCL値は投与量とともに減少し、250mg/m2以上ではCL値は安定していた。定常状態における分布容積(Vss)と投与量との間に明らかな傾向は認められなかった。
投与量
100mg/m2(n=6)
250mg/m2(n=6)
400mg/m2(n=6)
500mg/m2(n=6)
400/250mg/m2(n=6)c
Cmax(μg/mL)a
49(8.5)
157(31.9)
287.2(37.9)
396.7(83.6)
297.8(30.5)
AUC(INF)(μg・h/mL)a
3469(583)
12132(2300)
25823(6525)
34817(11498)
29213(6431)
t1/2(hr)a
53.9(16.8)
74.3(12.3)
101(31)
111.4(19.2)
106(23.7)
Tmax(hr)b
3.0(1.9, 8.0)
2.5(2.0, 3.0)
2.75(2.0, 8.0)
2.5(2.0, 6.0)
CL(L/h/m2)a
0.029(0.005)
0.021(0.004)
0.016(0.005)
0.017(0.009)
0.014(0.003)
MRT(h)a
77.7(24.9)
115.5(14.9)
136.1(33.2)
147.3(36.6)
148.9(32.6)
Vss(L/m2)a
2.22(0.47)
2.42(0.37)
2.14(0.38)
2.22(0.44)
2.08(0.4)
a:算術平均値(標準偏差)b:中央値(最小値, 最大値)c:初回投与量400mg/m2で点滴静注した時の薬物動態パラメータ値を示す。
固形癌患者を対象とし、400mg/m2の初回投与に続き、7日後から250mg/m2の週1回反復投与注7) を行い、また、250、400及び500mg/m2の初回投与に続き、14日後から250mg/m2の週1回反復投与を行った結果、9週目の平均トラフ濃度(Cmin)は83~114μg/mLの範囲であった4) 。
母集団薬物動態解析を実施し、体表面積、年齢、性別、人種、肝機能及び腎機能の要因がセツキシマブの薬物動態に及ぼす影響を評価した。その結果、体表面積が1.3から2.3m2に増加するとCL値は1.8倍増加した。女性患者のCL値は男性患者より25%低かったが、臨床試験で安全性に男女差が観察されていないことから、性別に基づく用量調節の必要はないと考えられた。他の要因がセツキシマブの薬物動態に及ぼす影響は認められなかった5) (外国人データ)。
セツキシマブとイリノテカン塩酸塩水和物の併用投与試験を行った結果、両者の間に薬物動態学的相互作用は認められなかった6) (外国人データ)。
イリノテカン塩酸塩水和物を含む化学療法に不応となり、フッ化ピリミジン系薬剤及びオキサリプラチンに不応もしくは耐容不能となったEGFR発現が確認された結腸・直腸癌患者(39例)に、本剤とイリノテカン塩酸塩水和物(毎週投与法又は2週間間隔投与法)を併用投与した結果、奏効率は30.8%(95%信頼区間:17.0, 47.6)であった7) 。
安全性評価症例39例中、主な副作用は、ざ瘡(87.2%)、発疹(61.5%)、食欲不振(56.4%)、皮膚乾燥(51.3%)、爪囲炎(51.3%)、下痢(51.3%)、口内炎(51.3%)、低マグネシウム血症(51.3%)、そう痒症(43.6%)、悪心(43.6%)、疲労(43.6%)、リンパ球数減少(30.8%)であった。
化学療法の前治療歴のないEGFR発現が確認された結腸・直腸癌患者を対象とした本剤と5-FU・ホリナートカルシウム・イリノテカン塩酸塩水和物療法(FOLFIRI)併用注8) 及びFOLFIRIを比較した第III相試験の成績は次のとおりである。また、レトロスペクティブにKRAS遺伝子変異注9) の有無によって層別した成績は次のとおりである(評価可能例:1063例)8),9),10) 。
対象
全症例(1198例)
KRAS野生型(666例)
KRAS変異型(397例)
本剤及びFOLFIRI併用(599例)
FOLFIRI(599例)
本剤及びFOLFIRI併用(316例)
FOLFIRI(350例)
本剤及びFOLFIRI併用(214例)
FOLFIRI(183例)
無増悪生存期間中央値(95%信頼区間)
8.9ヵ月(8.0, 9.5)
8.0ヵ月(7.6, 9.0)
9.9ヵ月(9.0, 11.3)
8.4ヵ月(7.4, 9.2)
7.4ヵ月(6.1, 8.0)
7.7ヵ月(7.3, 9.2)
ハザード比(95%信頼区間)
0.851(0.726, 0.998)
0.696(0.558, 0.867)
1.171(0.887, 1.544)
P値
0.0479
0.0012
0.2648
生存期間中央値(95%信頼区間)
19.9ヵ月(18.5, 21.3)
18.6ヵ月(16.6, 19.8)
23.5ヵ月(21.2, 26.3)
20.0ヵ月(17.4, 21.7)
16.2ヵ月(14.9, 17.9)
16.7ヵ月(14.9, 19.4)
0.878(0.774, 0.995)
0.796(0.670, 0.946)
1.035(0.834, 1.284)
0.0419
0.0093
0.7549
レトロスペクティブにRAS(KRAS又はNRAS)遺伝子変異注10) の有無によって層別した成績は次のとおりである(評価可能例:827例)。
RAS野生型(367例)
RAS変異型(460例)
本剤及びFOLFIRI併用(178例)
FOLFIRI(189例)
本剤及びFOLFIRI併用(246例)
FOLFIRI(214例)
11.4ヵ月(10.0, 14.6)
8.4ヵ月(7.4, 9.4)
7.4ヵ月(6.4, 8.0)
7.5ヵ月(7.2, 8.5)
0.56(0.41, 0.76)
1.10(0.85, 1.42)
0.0002
0.4696
28.4ヵ月(24.7, 31.6)
20.2ヵ月(17.0, 24.5)
16.4ヵ月(14.9, 18.4)
17.7ヵ月(15.4, 19.6)
0.69(0.54, 0.88)
1.05(0.86, 1.28)
0.0024
0.6355
安全性評価症例600例中、主な副作用(30%以上に発現)は、下痢、悪心、好中球減少症、脱毛症、嘔吐及び発疹であった。
フッ化ピリミジン系薬剤の治療歴があり、イリノテカン塩酸塩水和物を含む化学療法及びオキサリプラチンを含む化学療法で無効となった又は適応とならないEGFR発現が確認された結腸・直腸癌患者を対象とした本剤とBest supportive care(BSC)及びBSCのみを比較した第III相試験の成績は次のとおりである。また、レトロスペクティブにKRAS遺伝子変異注9) の有無によって層別した成績は次のとおりである(評価可能例:394例)11) 。
全症例(572例)
KRAS野生型(230例)
KRAS変異型(164例)
本剤及びBSC併用(287例)
BSC(285例)
本剤及びBSC併用(117例)
BSC(113例)
本剤及びBSC併用(81例)
BSC(83例)
1.9ヵ月(1.8, 2.1)
1.8ヵ月(1.8, 1.9)
3.7ヵ月(3.1, 5.1)
1.9ヵ月(1.8, 2.0)
1.8ヵ月(1.7, 1.8)
0.676(0.568, 0.804)
0.401(0.299, 0.536)
1.002(0.732, 1.371)
<0.0001
0.9895
6.1ヵ月(5.4, 6.7)
4.6ヵ月(4.2, 4.9)
9.5ヵ月(7.7, 10.3)
4.8ヵ月(4.2, 5.5)
4.5ヵ月(3.8, 5.6)
4.6ヵ月(3.6, 5.5)
0.766(0.637, 0.921)
0.552(0.408, 0.748)
0.990(0.705, 1.389)
0.0046
0.9522
安全性評価症例288例中、主な副作用は、発疹/落屑(86.1%)、皮膚乾燥(41.7%)、疲労(37.8%)、そう痒症(37.2%)、悪心(26.0%)、皮膚-その他(21.5%)であった。
イリノテカン塩酸塩水和物の治療歴がなく、オキサリプラチン及びフッ化ピリミジン系薬剤を含む化学療法が無効となったEGFR発現が確認された結腸・直腸癌患者を対象とした本剤とイリノテカン塩酸塩水和物併用注11) 及びイリノテカン塩酸塩水和物単独注12) を比較した試験の成績は次のとおりである。また、レトロスペクティブにKRAS遺伝子変異注9) の有無によって層別した成績は次のとおりである(評価可能例:300例)12) 。
全症例(1298例)
KRAS野生型(192例)
KRAS変異型(108例)
本剤及びイリノテカン塩酸塩水和物併用(648例)
イリノテカン塩酸塩水和物単独(650例)
本剤及びイリノテカン塩酸塩水和物併用(97例)
イリノテカン塩酸塩水和物単独(95例)
本剤及びイリノテカン塩酸塩水和物併用(49例)
イリノテカン塩酸塩水和物単独(59例)
3.98ヵ月(3.15, 4.14)
2.56ヵ月(2.14, 2.69)
3.98ヵ月(2.79, 5.36)
2.79ヵ月(2.37, 3.25)
2.60ヵ月(1.54, 3.58)
2.69ヵ月(1.51, 2.79)
0.692(0.617, 0.776)
0.773(0.572, 1.044)
0.996(0.668, 1.485)
0.0954
0.9853
10.71ヵ月(9.59, 11.30)
9.99ヵ月(9.13, 11.33)
10.94ヵ月(7.79, 13.24)
11.56ヵ月(9.46, 18.63)
8.41ヵ月(6.14, 11.01)
10.68ヵ月(8.41, 13.96)
0.975(0.854, 1.114)
1.285(0.894, 1.846)
1.277(0.813, 2.005)
0.7115
0.1755
0.2874
安全性評価症例638例中、主な副作用は、下痢(4.7%)、嘔吐(2.5%)、発熱性好中球減少症(2.0%)、好中球減少症(1.4%)、過敏症(1.4%)、発熱(1.3%)、悪心(1.3%)であった。
イリノテカン塩酸塩水和物を含む化学療法に不応となったEGFR発現が確認された結腸・直腸癌患者を対象とした本剤とイリノテカン塩酸塩水和物併用注11) 及び本剤単独投与を比較した第II相試験の成績は次のとおりである13) 。
本剤及びイリノテカン塩酸塩水和物併用(218例)
本剤単独(111例)
ハザード比
奏効率(95%信頼区間)
22.9%(17.5, 29.1)
10.8%(5.7, 18.1)
0.0074
―
4.1ヵ月(2.8, 4.3)
1.5ヵ月(1.4, 2.0)
0.54(0.42, 0.71)
8.6ヵ月(7.6, 9.6)
6.9ヵ月(5.6, 9.1)
0.48
0.91(0.68, 1.21)
安全性評価症例212例中、主な副作用は、下痢(71.2%)、無力症(59.9%)、発疹(57.1%)、悪心(50.5%)、嘔吐(31.1%)、口内炎(31.1%)、皮膚乾燥(30.2%)、ざ瘡(28.3%)、発熱(23.1%)、食欲不振(22.6%)、脱毛症(22.6%)及び白血球減少症(20.3%)であった。
局所進行の頭頸部扁平上皮癌(ステージIII又はIV)(上咽頭癌、口腔癌を除く)患者(22例)に、本剤投与と放射線療法(同時追加照射法)を併用した結果、奏効率は81.8%(95%信頼区間:59.7, 94.8)であった14) 。
安全性評価症例22例中、主な副作用は、皮膚乾燥(68.2%)、ざ瘡(63.6%)、粘膜の炎症(50.0%)、そう痒症(40.9%)、ざ瘡様皮膚炎(36.4%)であった。
再発又は転移を有する頭頸部扁平上皮癌(上咽頭癌を除く)患者(33例)に、本剤とシスプラチン及びフルオロウラシル(5-FU)を併用投与した結果、奏効率は36.4%(95%信頼区間:20.4, 54.9)であった15) 。
安全性評価症例33例中、主な副作用は、低マグネシウム血症(75.8%)、皮膚乾燥(66.7%)、ざ瘡(63.6%)、爪囲炎(57.6%)、口内炎(42.4%)、そう痒症(30.3%)であった。
局所進行性の頭頸部扁平上皮癌(ステージIII又はIV)(上咽頭癌、口腔癌を除く)患者を対象とした本剤と放射線療法注14) 併用及び放射線療法単独を比較した試験の成績は次のとおりである16) 。
本剤及び放射線療法併用(211例)
放射線療法単独(213例)
オッズ比(OR)又はハザード比(HR)
局所コントロール中央値(95%信頼区間)
24.4ヵ月(15.7, 45.1)
14.9ヵ月(11.8, 19.9)
0.005
HR=0.680(0.520, 0.890)
49.0ヵ月(32.8, NE)
29.3ヵ月(20.6, 41.4)
0.018
HR=0.725(0.556, 0.946)
安全性評価症例208例中、主な副作用は、ざ瘡(61.5%)、発疹(24.5%)、悪心(23.6%)、無力症(23.1%)、粘膜障害(18.3%)、発熱及び放射線皮膚損傷(各15.4%)、皮膚乾燥(14.9%)、嚥下障害及びそう痒症(各13.9%)、体重減少(13.0%)、頭痛(12.0%)、嘔吐(10.6%)、白血球減少症及び悪寒(各10.1%)であった。
再発又は転移性の頭頸部扁平上皮癌(上咽頭癌を除く)患者を対象とした本剤と化学療法(白金製剤及び5-FU)注15) 併用及び化学療法単独を比較した試験の成績は次のとおりである17) 。
本剤及び化学療法併用(222例)
化学療法単独(220例)
10.1ヵ月(8.6, 11.2)
7.4ヵ月(6.4, 8.3)
0.036
HR=0.797(0.644, 0.986)
安全性評価症例219例中、主な副作用は、発疹(26.9%)、ざ瘡(21.9%)、ざ瘡様皮膚炎(14.6%)、皮膚乾燥(12.8%)、悪心(11.9%)、粘膜の炎症(10.5%)、無力症(10.0%)であった。
セツキシマブはヒトIgG1の定常領域とマウス抗体の可変領域からなるキメラ型モノクローナル抗体であり、EGFR発現細胞のEGFRに対して高い親和性で結合する18) 。
多様なEGFR陽性癌細胞株において、セツキシマブのin vitro増殖阻害作用は濃度依存的であった19),20),21),22) 。また、セツキシマブの増殖阻害作用は多様なEGFR陽性癌細胞株(ヒト結腸癌由来GEO細胞株、ヒト咽頭癌由来FaDu細胞株等)を用いたin vivoモデルにおいても確認されている23),24) 。
セツキシマブ(遺伝子組換え)Cetuximab(genetical recombination)
マウス抗ヒト上皮細胞増殖因子受容体モノクローナル抗体の可変部及びヒトIgG1定常部からなるヒト/マウスキメラ型モノクローナル抗体をコードするcDNAの導入によりマウスハイブリドーマSP2/0-Ag14細胞株で産生される214個のアミノ酸残基(C1025H1595N281O338S5;分子量:23,422.64)からなる軽鎖2分子と449個のアミノ酸残基(C2208H3400N582O674S15;分子量:49,363.09)からなる重鎖2分子からなる糖たん白質(分子量:約151,800)
*20mL:1バイアル(ガラスバイアル)100mL:1バイアル(ガラスバイアル)
1) Chung CH, et al.:N Engl J Med. 2008;358(11):1109-17.
2) Commins SP, et al.:J Allergy Clin Immunol. 2009;123(2):426-33.
3) Commins SP, et al.:J Allergy Clin Immunol. 2011;127(5):1286-93.
4) 社内資料:国内第I相臨床試験(薬物動態)(2008年7月承認、CTD 2.7.6.2.12)
5) 社内資料:母集団薬物動態解析(2008年7月承認、CTD 2.7.2.5.3、CTD 5.3.3.5-1)
6) Delbaldo C, et al.:Eur J Cancer. 2005 Aug;41(12):1739-45.
7) Tahara M, et al.:Jpn J Clin Oncol. 2008 Nov;38(11):762-9
8) 社内資料:海外第III相無作為化比較試験(化学療法の前治療歴のない結腸・直腸癌を対象としたフルオロウラシル・ホリナートカルシウム・イリノテカン塩酸塩との併用)EMR62202-013試験
9) Van Cutsem E, et al.:J Clin Oncol. 2011 May 20;29(15):2011-9.
10) Van Cutsem E, et al.:J Clin Oncol. 2015 Mar 1;33(7):692-700.
11) 社内資料:海外第III相無作為化比較試験(化学療法の前治療歴のある結腸・直腸癌を対象とした単独投与)(2008年7月承認、CTD 2.7.6-2.36)NCIC CTG CO.17/CA225-025試験
12) Sobrero AF, et al.:J Clin Oncol. 2008 May 10;26(14):2311-9.
13) 社内資料:海外第II相無作為化比較試験(化学療法の前治療歴のある結腸・直腸癌を対象としたイリノテカン塩酸塩水和物との併用と単独投与の比較(2008年7月承認、CTD 2.7.6-2.1)EMR62202-007試験
14) Okano S, et al.:Jpn J Clin Oncol. 2013 May;43(5):476-82.
15) Yoshino T, et al.:Jpn J Clin Oncol. 2013 May;43(5):524-31.
16) 社内資料:海外第III相無作為化比較試験(局所進行性の頭頸部扁平上皮癌を対象とした放射線療法との併用)(2012年12月承認、CTD 2.7.6.2.2)EMR62202-006/IMCL CP02-9815試験
17) Vermorken JB, et al.:N Engl J Med 2008;359:1116-27
18) Sunada H, et al.:Proc Natl Acad Sci USA. 1986 Jun;83(11):3825-9.
19) Fan Z, et al.:J Biol Chem. 1994 Nov 4;269(44):27595-602.
20) Ciardiello F, et al.:J Natl Cancer Inst. 1998;90(14):1087-94.
21) Morelli MP, et al.:J Cell Physiol. 2006;208(2):344-53.
22) 社内資料:抗腫瘍作用(2008年7月承認、CTD 2.6.2.2.2)
23) Luo FR, et al.:Clin Cancer Res. 2005 Aug 1;11(15):5558-65.
24) 社内資料:抗腫瘍作用(2008年7月承認、CTD 2.6.2.2.2)
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