当ウェブサイトを快適にご覧いただくには、ブラウザのJavaScript設定を有効(オン)にしていただく必要がございます。
最適使用推進ガイドライン対象品目
劇薬
処方箋医薬品注)
生物由来製品
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
通常、成人にはアベルマブ(遺伝子組換え)として、1回10mg/kg(体重)を2週間間隔で1時間以上かけて点滴静注する。
アキシチニブとの併用において、通常、成人にはアベルマブ(遺伝子組換え)として、1回10mg/kg(体重)を2週間間隔で1時間以上かけて点滴静注する。
副作用
程度注1)
処置
間質性肺疾患
Grade2の場合
Grade1以下に回復するまで休薬する。
Grade3、4又は再発性のGrade2の場合
本剤の投与を中止する。
肝機能障害
AST若しくはALTが基準値上限の3~5倍、又は総ビリルビンが基準値上限の1.5~3倍に増加した場合
AST若しくはALTが基準値上限の5倍超、又は総ビリルビンが基準値上限の3倍超に増加した場合
大腸炎・下痢
Grade2又は3の場合
Grade4又は再発性のGrade3の場合
甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、副腎機能不全、高血糖
Grade3又は4の場合
心筋炎
新たに発現した心徴候、臨床検査値又は心電図による心筋炎の疑い
休薬又は投与中止する。
腎障害
Grade4の場合
infusion reaction
Grade1の場合
投与速度を半分に減速する。
投与を中断する。患者の状態が安定した場合(Grade1以下)には、中断時の半分の投与速度で投与を再開する。
上記以外の副作用
免疫関連の副作用が発現又は増悪するおそれがある。
間質性肺疾患が発現又は増悪するおそれがある。,,
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後一定期間は、適切な避妊法を用いるように指導すること。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていない。ヒトIgG1は胎盤を通過することが知られており、本剤は母体から胎児へ移行する可能性がある。本剤を投与すると、胎児に対する免疫寛容が妨害され、流産率又は死産率が増加するおそれがある。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト母乳中への移行に関するデータはないが、ヒトIgG1はヒト乳汁中に排出されることが知られている。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
,,
肝不全、AST、ALT、γ-GTP、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害、肝炎があらわれることがある。
持続する下痢、腹痛、血便等の症状が認められた場合には投与を休薬又は中止すること。
甲状腺機能低下症(16.3%)、甲状腺機能亢進症(5.1%)、甲状腺炎(1.6%)等の甲状腺機能障害があらわれることがある。
副腎機能不全(1.5%)等の副腎機能障害があらわれることがある。
下垂体炎(0.2%)、下垂体機能低下症(頻度不明)等の下垂体機能障害があらわれることがある。
*1型糖尿病(劇症1型糖尿病を含む)があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシスに至るおそれがある。1型糖尿病が疑われた場合には、本剤の投与を中止してインスリン製剤を投与する等の適切な処置を行うこと。
末梢性ニューロパチー(2.8%)、ギラン・バレー症候群(頻度不明)等の神経障害があらわれることがある。
急性腎障害(0.8%)、尿細管間質性腎炎(0.2%)等の腎障害があらわれることがある。
アナフィラキシー、発熱、悪寒、呼吸困難等があらわれることがある。infusion reactionが認められた場合には、本剤の投与を中止する等の適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。,
重症筋無力症によるクリーゼのため急速に呼吸不全が進行することがあるので、呼吸状態の悪化に十分注意すること。
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
血液及びリンパ系障害
血小板減少、貧血、好中球減少
リンパ球減少、好酸球増加
心臓障害
駆出率減少、トロポニン増加
徐脈、動悸、脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント増加
眼障害
霧視、流涙増加、眼痛、眼そう痒症、眼刺激
ぶどう膜炎
胃腸障害
下痢(31.4%)、悪心(15.8%)、口内炎、嘔吐
口内乾燥、便秘、腹痛、口腔内痛、消化不良、上腹部痛、鼓腸、胃食道逆流性疾患、腹部不快感
口腔知覚不全、舌痛、腹部膨満、歯肉出血、肛門の炎症、イレウス、直腸炎、下腹部痛、過敏性腸症候群、腸炎
全身障害
疲労(24.4%)、悪寒、無力症、発熱、粘膜の炎症
末梢性浮腫、インフルエンザ様疾患、胸痛、倦怠感
疼痛、末梢腫脹、歩行障害
肝胆道系障害
血中Al-P増加
胆管炎
感染症
毛包炎、カンジダ感染、尿路感染、帯状疱疹、インフルエンザ
内分泌障害
血中甲状腺刺激ホルモン増加
血中甲状腺刺激ホルモン減少、遊離サイロキシン減少
代謝及び栄養障害
食欲減退、体重減少
高リパーゼ血症、高アミラーゼ血症、低リン酸血症、高トリグリセリド血症、低マグネシウム血症、低ナトリウム血症、高コレステロール血症、高尿酸血症、高血糖、低カリウム血症、脱水
血中コルチコトロピン増加、高カリウム血症、体重増加、低カルシウム血症
筋骨格系及び結合組織障害
関節痛、筋肉痛
血中クレアチンホスホキナーゼ増加、背部痛、四肢痛、筋骨格痛
筋力低下、筋痙縮、関節炎、滑膜炎、頚部痛、多発性関節炎、鼡径部痛、滑液嚢腫、関節リウマチ、少関節炎、軟骨石灰化症
精神・神経系障害
頭痛、味覚不全
浮動性めまい、味覚障害、錯感覚、嗜眠
振戦、知覚過敏、不眠症、感覚鈍麻、会話障害、パーキンソン病、リビドー減退、微細運動機能障害
腎及び尿路障害
蛋白尿、血中クレアチニン増加
自己免疫性腎炎
呼吸器、胸郭及び縦隔障害
発声障害、呼吸困難
咳嗽、鼻出血、口腔咽頭痛、鼻漏
皮膚及び皮下組織障害
手掌・足底発赤知覚不全症候群(16.2%)、そう痒症、発疹、皮膚乾燥
斑状丘疹状皮疹、そう痒性皮疹、紅斑、脱毛症、ざ瘡様皮膚炎、過角化、皮膚炎、蕁麻疹
水疱、斑状皮疹、紅斑性皮疹、湿疹、寝汗、皮膚剥脱、皮膚病変、多汗症、丘疹性皮疹、乾癬、尋常性白斑、紫斑、斑状出血、毛孔性角化症、扁平苔癬
血管障害
高血圧(24.7%)
低血圧、潮紅
その他
挫傷、腫瘍随伴症候群、腫瘍疼痛
国内外の臨床試験において、本剤に対する抗体の産生が報告されている。
日本人進行固形癌患者に本剤3~20mg/kgを1時間静脈内投与した時注3)の血清中濃度推移を図1に、また、薬物動態パラメータを表1に示す。Cmax又はAUCは投与量にほぼ比例して増加した1)。
投与量
3mg/kg(n=5)
10mg/kg(n=6)
20mg/kg(n=6)
Cmax(µg/mL)
64.0(22.2)
179(19.6)
459(13.6)
AUC0-∞(µg・hr/mL)
6060(32.0)注2)
21510(45.4)注2)
53700(24.3)
t1/2(hr)
94.0(31.7)
122(33.1)
112(11.6)
tmax(hr)
1.68(0.97-2.07)
1.53(1.00-3.08)
1.683(1.00-4.92)
CL(mL/hr/kg)
0.496(32.0)注2)
0.471(44.1)注2)
0.373(24.2)
Vz(mL/kg)
61.0(25.3)注2)
73.8(17.2)注2)
60.6(21.7)
幾何平均値(幾何CV%)、tmax:中央値(範囲)
日本人進行固形癌患者に本剤3~20mg/kgを2週間に1回反復静脈内投与した時注3)の投与終了時の血清中濃度推移を図2に、トラフ濃度の推移を図3に示す。反復静脈内投与期間中の血清中濃度の蓄積の程度は軽度であった1)。
遠隔転移を有する根治切除不能なメルケル細胞癌患者のうち、パートAでは化学療法歴のある患者88例(日本人患者3例を含む)、パートBでは化学療法歴のない患者29例を対象として、本剤10mg/kgを2週間間隔で点滴静注した。パートAの主要評価項目である奏効率注4)は31.8%(95.9%信頼区間:21.9~43.1%、2016年3月3日データカットオフ)であった。なお、事前に設定した閾値奏効率は20%であった。パートBの副次評価項目である奏効率注4)の中間解析結果注5)は62.5%(95%信頼区間:35.4~84.8%、2016年12月30日データカットオフ)であった2)。
パートA例数(%)
パートB例数(%)
完全奏効(CR)
8(9.1)
3(18.8)
部分奏効(PR)
20(22.7)
7(43.8)
安定(SD)
9(10.2)
2(12.5)
進行(PD)
32(36.4)
評価不能
19(21.6)
1(6.3)
本剤が投与された117例(日本人3例を含む)中85例(72.6%)に副作用が認められた。主な副作用は、疲労29例(24.8%)、infusion reaction17例(14.5%)、下痢11例(9.4%)、悪心10例(8.5%)、発疹8例(6.8%)、無力症及びそう痒症各7例(6.0%)、斑状丘疹状皮疹及び食欲減退各6例(5.1%)であった。
化学療法歴のない、根治切除不能又は転移性の淡明細胞型腎細胞癌患者886例(日本人患者67例を含む)を対象として、本剤(10mg/kgを2週間間隔で静脈内投与)とアキシチニブ(開始用量として1回5mgを1日2回経口投与)の併用投与とスニチニブ(50mg1日1回を4週間経口投与し、2週間休薬)の有効性及び安全性を比較することを目的とした、非盲検無作為化国際共同第Ⅲ相試験を実施した。主要評価項目はPD-L1陽性注6)患者における無増悪生存期間(PFS)及び全生存期間(OS)であり、副次評価項目としてPD-L1の発現を問わない全患者におけるPFS及びOSを評価した。事前に計画した中間解析(2018年6月20日データカットオフ)において、本剤とアキシチニブの併用投与はPD-L1陽性患者におけるPFS及びPD-L1の発現を問わない全患者におけるPFSのいずれについてもスニチニブに対して統計学的に有意な延長を示した3)。
PD-L1陽性患者集団
全患者集団
本剤+アキシチニブ(n=270)
スニチニブ(n=290)
本剤+アキシチニブ(n=442)
スニチニブ(n=444)
PFS注7)
中央値(月)(95%信頼区間)
13.8(11.1, NE)
7.2(5.7, 9.7)
8.4(6.9, 11.1)
ハザード比注8)(95%信頼区間)
0.61(0.47, 0.79)
0.69(0.56, 0.84)
片側p値注8)
<0.0001
0.0001
OS
NE(21.3, NE)
NE(21.0, NE)
NE(NE, NE)
0.82(0.53, 1.28)
0.78(0.55, 1.08)
0.1911
0.0679
NE:推定不能
本剤とアキシチニブの併用投与を受けた434例(日本人33例を含む)中414例(95.4%)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢235例(54.1%)、高血圧208例(47.9%)、疲労156例(35.9%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群144例(33.2%)、発声障害116例(26.7%)、悪心107例(24.7%)、甲状腺機能低下症105例(24.2%)、口内炎96例(22.1%)、食欲減退86例(19.8%)であった。
プラチナ製剤を含む一次化学療法(4~6サイクル)にて疾患進行が認められていない、根治切除不能な尿路上皮癌患者700例(日本人患者73例を含む)を対象として、本剤(10mg/kgを2週間間隔で静脈内投与)とBest Supportive Care(BSC)の併用療法とBSC単独療法の有効性及び安全性を比較することを目的とした、非盲検無作為化国際共同第Ⅲ相試験を実施した。主要評価項目はPD-L1の発現を問わない全患者及びPD-L1陽性注9) 患者におけるOSであった。事前に計画した中間解析(2019年10月21日データカットオフ)において、本剤とBSCの併用療法は、全患者及びPD-L1陽性患者のいずれにおいてもBSC単独療法に対して統計学的に有意なOSの延長を示した4) 。
本剤+BSC(n=350)
BSC(n=350)
本剤+BSC(n=189)
BSC(n=169)
21.4(18.9, 26.1)
14.3(12.9, 17.9)
NE(20.3, NE)
17.1(13.5, 23.7)
ハザード比注10)(95%信頼区間)
0.69(0.56, 0.86)
0.56(0.40, 0.79)
片側p値注10)
0.0005
0.0003
BSC:Best Supportive Care、NE:推定不能
本剤とBSCの併用療法を受けた344例(日本人36例を含む)中266例(77.3%)に副作用が認められた。主な副作用は、そう痒症47例(13.7%)、甲状腺機能低下症36例(10.5%)、下痢35例(10.2%)、注入に伴う反応35例(10.2%)、無力症34例(9.9%)、疲労33例(9.6%)、発疹25例(7.3%)、悪寒24例(7.0%)、悪心24例(7.0%)、関節痛23例(6.7%)、発熱23例(6.7%)、甲状腺機能亢進症21例(6.1%)、皮膚乾燥18例(5.2%)であった。
アベルマブは、ヒトPD-L1に対する抗体であり、PD-L1とその受容体であるPD-1との結合を阻害し、腫瘍抗原特異的なT細胞の細胞傷害活性を増強すること等により、腫瘍の増殖を抑制すると考えられる5) 。
アベルマブ(遺伝子組換え)Avelumab(Genetical Recombination)
C6374H9898N1694O2010S44重鎖 C2194H3410N578O670S16軽鎖 C993H1543N269O335S6
約147,000
ヒトPD-L1に対する遺伝子組換えヒトIgG1モノクローナル抗体であり、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される450個のアミノ酸残基からなる重鎖2本及び216個のアミノ酸残基からなる軽鎖2本で構成される糖タンパク質である。
10mL:1バイアル(ガラスバイアル)
1) 社内資料:国内第Ⅰ相試験(薬物動態)(2017年9月27日承認、CTD2.7.2.2)
2) 社内資料:国際共同第Ⅱ相試験(EMR100070-003試験)(2017年9月27日承認、CTD2.7.6.2)
3) 社内資料:国際共同第Ⅲ相試験(B9991003試験)(2019年12月20日承認、CTD2.7.3.3、2.7.6.1)
4) 社内資料:国際共同第Ⅲ相試験(B9991001試験)(2021年2月承認、CTD2.7.3.3、2.7.6.1)
5) 社内資料:作用機序(2017年9月27日承認、CTD2.6.2.2)
メルクバイオファーマ株式会社メディカル・インフォメーション
*東京都港区麻布台一丁目3番1号
0120-870-088
メルクバイオファーマ株式会社
Copyright © Pharmaceuticals and Medical Devices Agency, All Rights reserved.