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フルオロメトロン点眼液0.05%「センジュ」

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.5妊婦
9.7小児等
9.8高齢者
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.3分布
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2抗炎症作用
18.3生物学的同等性試験
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

フルオロメトロン点眼液0.05%「センジュ」

添付文書番号

1315704Q2073_1_02

企業コード

380086

作成又は改訂年月

2023年12月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

871315

薬効分類名

抗炎症ステロイド水性懸濁点眼剤

承認等

フルオロメトロン点眼液0.05%「センジュ」

販売名コード

YJコード

1315704Q2073

販売名英語表記

FLUOROMETHOLONE OPHTHALMIC SUSPENSION 0.05%

販売名ひらがな

ふるおろめとろんてんがんえき0.05%「せんじゅ」

承認番号等

承認番号

30200AMX00588

販売開始年月

1984年7月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

フルオロメトロン

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

フルオロメトロン点眼液0.05%「センジュ」

有効成分1mL中 フルオロメトロン   0.5mg
添加剤メチルセルロース、リン酸水素ナトリウム水和物、ベンザルコニウム塩化物、等張化剤、pH調節剤

3.2 製剤の性状

フルオロメトロン点眼液0.05%「センジュ」

pH6.5~7.5
性状振り混ぜるとき白濁する無菌水性懸濁性点眼剤

4. 効能又は効果


外眼部及び前眼部の炎症性疾患の対症療法(眼瞼炎、結膜炎、角膜炎、強膜炎、上強膜炎、前眼部ブドウ膜炎、術後炎症)

6. 用法及び用量

用時よく振り混ぜたのち、通常、1日3~5回、1回1~2滴宛点眼する。なお症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 連用により、数週後から眼内圧亢進、緑内障があらわれることがあるので、定期的に眼内圧検査を実施すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 角膜上皮剥離又は角膜潰瘍のある患者

    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。症状が増悪するおそれがある。また、角膜穿孔を生ずるおそれがある。

  2. 9.1.2 ウイルス性結膜・角膜疾患、結核性眼疾患、真菌性眼疾患又は化膿性眼疾患のある患者

    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。症状が増悪するおそれがある。また、角膜穿孔を生ずるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。長期・頻回投与を避けること。

9.7 小児等

特に2歳未満の場合には、慎重に投与すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 緑内障(頻度不明)

    連用により、数週後から眼内圧亢進、緑内障があらわれることがある。

  2. 11.1.2 角膜ヘルペス、角膜真菌症、緑膿菌感染症(いずれも頻度不明)

    角膜ヘルペス、角膜真菌症、緑膿菌感染症等を誘発することがある。

  3. 11.1.3 穿孔(頻度不明)

    角膜ヘルペス、角膜潰瘍又は外傷等に投与した場合には穿孔を生ずることがある。

  4. 11.1.4 後嚢下白内障(頻度不明)

    長期投与により、後嚢下白内障があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

頻度不明

眼刺激、結膜充血、角膜沈着物、眼瞼炎、眼瞼皮膚炎

下垂体・副腎皮質系機能
(長期連用した場合)

下垂体・副腎皮質系機能の抑制

皮膚

発疹

その他

創傷治癒の遅延

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。

  • 点眼前にキャップをしたまま点眼容器をよく振ること。
  • 薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
  • 患眼を開瞼して結膜囊内に点眼し、1~5分間閉瞼して涙囊部を圧迫させた後、開瞼すること。
  • 他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分以上間隔をあけてから点眼すること。

16. 薬物動態

16.3 分布

雄性白色ウサギに0.1%の3H-フルオロメトロン懸濁液25µLを点眼したときの眼組織中濃度を評価した。その結果、Cmaxは角膜では投与後5分に1.99µg/g、房水では45分に0.16µg/gであった。また、投与後30分の各組織中濃度は、角膜、球結膜、虹彩、強膜及び房水でそれぞれ1.54µg/g、0.74µg/g、0.32µg/g、0.18µg/g及び0.15µg/gであった1)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内臨床試験

    眼疾患患者111例(有効性解析対象集団95例)を対象に、0.05%フルオロメトロン点眼液又は0.5%酢酸プレドニゾロン点眼液を1日3~4回、1回1~2滴点眼1) した結果、有効率(やや有効以上)は表のとおりであり、薬剤間で有意差は認められなかった2)

    表 総合判定による有効率(やや有効以上)

    0.05%フルオロメトロン点眼液群

    0.5%酢酸プレドニゾロン点眼液群

    外眼部疾患

    89.5%(17/19)

    94.1%(16/17)

    前眼部疾患

    92.9%(13/14)

    84.6%(11/13)

    術後炎症

    94.1%(16/17)

    100.0%(15/15)

    合計

    92.0%(46/50)

    93.3%(42/45)

    ( ):例数

    1) 本剤の承認された用法及び用量は濃度0.05%で、「用時よく振り混ぜたのち、通常、1日3~5回、1回1~2滴宛点眼する。なお症状により適宜増減する。」である。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

フルオロメトロンは合成副腎皮質ホルモンで、天然の糖質コルチコイドと同じ機序により抗炎症作用を発現する3) 。糖質コルチコイドは受容体に結合して特定の遺伝子の転写を開始あるいは阻害する。その結果、起炎物質の生合成抑制と炎症細胞の遊走抑制により抗炎症作用を現すと考えられる4)

18.2 抗炎症作用

0.05%フルオロメトロン点眼液は家兎眼の牛血清アルブミンによる実験的ブドウ膜炎に対し、炎症抑制効果を示した5)

18.3 生物学的同等性試験

  1. 18.3.1 ラット急性結膜炎モデルに対する抗炎症効果

    ラットにクロトン油を点眼して結膜浮腫を誘発し、上部眼瞼重量を結膜浮腫の指標として、本剤及びフルオロメトロン点眼液0.05%「日点」について得られた上部眼瞼重量をt検定にて統計解析を行った。その結果、本剤とフルオロメトロン点眼液0.05%「日点」間に有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された6)

    表1

    上部眼瞼重量(mg)

    本剤

    35.34±3.54

    フルオロメトロン点眼液0.05%「日点」

    37.82±3.87

    平均値±標準偏差、n=10

  2. 18.3.2 ウサギブドウ膜炎モデルに対する抗炎症効果

    ウサギの硝子体に牛血清アルブミンを注入し、ブドウ膜炎を誘発した。さらに炎症症状の軽快した29日目に牛血清アルブミンを耳静脈に注入しブドウ膜炎を再発させた。内・外眼部の炎症を採点基準により点数化し、スコアの合計点数をブドウ膜炎の指標とした。本剤及びフルオロメトロン点眼液0.05%「日点」について得られた、ブドウ膜炎を誘発して7日目から28日目までの合計点数の最高値(表2)、合計点数-時間(日)曲線下面積(表3)及び30日目の合計点数(表4)をt検定にて統計解析を行った。また、30日目(ブドウ膜炎再発24時間後)に採取した房水の蛋白濃度(表5)について、t 検定にて統計解析を行った。いずれの結果においても、本剤とフルオロメトロン点眼液0.05%「日点」間に有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された6)

    表2

    7日~28日目までの合計点数の最高値

    本剤

    9.8±0.6

    フルオロメトロン点眼液0.05%「日点」

    10.5±1.5

    平均値±標準偏差、n=5

    表3

    7日~28日目までの合計点数-時間(日)曲線下面積

    本剤

    131.1±7.1

    フルオロメトロン点眼液0.05%「日点」

    136.1±21.5

    平均値±標準偏差、n=5

    表4

    30日目の合計点数

    本剤

    8.6±1.0

    フルオロメトロン点眼液0.05%「日点」

    9.4±1.5

    平均値±標準偏差、n=5

    表5

    30日目の房水蛋白濃度(mg/mL)

    本剤

    11.9±5.2

    フルオロメトロン点眼液0.05%「日点」

    10.2±4.6

    平均値±標準偏差、n=5

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

フルオロメトロン(Fluorometholone)〔JAN〕

化学名

9-Fluoro-11β,17-dihydroxy-6α-methylpregna-1,4-diene-3,20-dione

分子式

C22H29FO4

分子量

376.46

性状

フルオロメトロンは白色~淡黄白色の結晶性の粉末で、においはない。
ピリジンに溶けやすく、メタノール、エタノール(99.5)又はテトラヒドロフランに溶けにくく、水又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。

化学構造式

20. 取扱い上の注意

本剤は、保管の仕方によっては振り混ぜても粒子が分散しにくくなる場合があるので、上向きに保管すること。

22. 包装

プラスチック点眼容器 5mL×10

24. 文献請求先及び問い合わせ先

千寿製薬株式会社 カスタマーサポート室

〒541-0048 大阪市中央区瓦町三丁目1番9号

TEL 0120-069-618 FAX 06-6201-0577
受付時間 9:00~17:30(土、日、祝日を除く)

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

千寿製薬株式会社

大阪市中央区瓦町三丁目1番9号

26.2 販売

武田薬品工業株式会社

大阪市中央区道修町四丁目1番1号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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