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日本薬局方
精製ヒアルロン酸ナトリウム点眼液
1回1滴、1日5~6回点眼し、症状により適宜増減する。なお、通常は0.1%製剤を投与し、重症疾患等で効果不十分の場合には、0.3%製剤を投与する。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には診断又は治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
診断又は治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
1%~5%未満
1%未満
頻度不明
眼
眼のそう痒感
眼刺激、眼脂、結膜充血、眼の異物感、眼瞼炎、結膜炎
びまん性表層角膜炎等の角膜障害、眼痛
ドライアイ等に伴う角結膜上皮障害患者を対象に、人工涙液を少なくとも1週間投与後、0.1%ヒアルロン酸ナトリウム点眼液又は2%グルタチオン点眼液を1回1滴、1日5回、両眼に4週間投与した試験で有効性及び安全性を比較した。その結果、0.1%ヒアルロン酸ナトリウム点眼液群の全般改善度での改善率は71.4%(40/56例)であり、2%グルタチオン点眼液群の31.5%(17/54例)と比較し、統計学的に有意な差が認められた(P<0.01、Wilcoxonの順位和検定)1) 。副作用は0.1%ヒアルロン酸ナトリウム点眼液群の55例中1例(1.8%)にしみるが認められた。
ドライアイ(シェーグレン症候群を含む)に伴う中等度以上の角結膜上皮障害を両眼に同程度有している患者を対象に、人工涙液を2週間1日6回投与後、0.1%ヒアルロン酸ナトリウム点眼液(保存剤なし)及び基剤をそれぞれ片眼に1日6回、4週間投与した試験で有効性及び安全性を比較した。その結果、0.1%ヒアルロン酸ナトリウム点眼液(保存剤なし)群の全般改善度での改善率は51.6%(47/91眼)であり、基剤群の41.8%(38/91眼)と比較し、統計学的に有意な差が認められた(P<0.05、Wilcoxonの符号付き順位和検定)2) 。副作用は0.1%ヒアルロン酸ナトリウム点眼液(保存剤なし)群102例中2例(0.2%)に認められ、結膜浮腫及びアレルギー性結膜炎が各1例であった。
コンタクトレンズ装用に伴う角結膜上皮障害患者を対象に、原則コンタクトレンズを装用したまま、0.1%ヒアルロン酸ナトリウム点眼液(保存剤なし)又は基剤を1日6回、両眼に2週間投与した試験で有効性及び安全性を比較した。その結果、0.1%ヒアルロン酸ナトリウム点眼液(保存剤なし)群の全般改善度での改善率は50.0%(12/24例)であり、基剤群の30.4%(7/23例)と比較し、統計学的に有意な差が認められた(P<0.05、Wilcoxonの順位和検定)3) 。副作用は認められなかった。
難治性又は重症の角結膜上皮障害患者を対象に、0.3%ヒアルロン酸ナトリウム点眼液(保存剤なし)を1回1滴、1日6回、両眼に4週間投与した試験で有効性及び安全性を検討した。その結果、全般改善度での改善率は76.7%(23/30例)であった4) 。副作用は35例中1例(2.9%)にかゆみが認められた。
ヒアルロン酸ナトリウムはフィブロネクチンと結合し、その作用を介して上皮細胞の接着、伸展を促進すると考えられる5),6) 。また、その分子内に多数の水分子を保持することによって優れた保水性を示す7) 。
外科的に角膜上皮下の基底膜まで剝離したウサギ角膜上皮剝離モデルに対し、0.1~0.5%ヒアルロン酸ナトリウム溶液注1) を点眼したとき、剝離24時間後より基剤点眼群と比較し有意な創傷面積の減少が認められた8) 。
ウサギ角膜片の培養系において、ヒアルロン酸ナトリウムは対照群(培養液のみ)と比較して有意に角膜上皮細胞層の伸展を促進した9) (in vitro)。
0.1%~1.0%ヒアルロン酸ナトリウム溶液注1) を寒天平板に滴下したとき、水分蒸発による寒天重量の減少は濃度依存的に抑制された7) (in vitro)。
ウサギに本剤あるいはヒアレイン点眼液0.1%をフルオレセインナトリウムとともに単回点眼し、点眼3分後の涙液中フルオレセインナトリウムの蛍光強度を涙液保持作用の指標として比較検討した。その結果、両製剤間における蛍光強度の平均値の差の90%信頼性区間は-0.0514~0.2662であり、ヒアレイン点眼液0.1%の平均値に対する割合が-1.55~8.04%と±20%以内であったことから、両剤の生物学的同等性が確認された10)。
フルオレセインナトリウムの蛍光強度
本剤
3.4198±0.2269
ヒアレイン点眼液0.1%
3.3124±0.3739
平均値±標準偏差、n=10
ウサギを強制的に開瞼して本剤あるいはヒアレイン点眼液0.1%を点眼し、点眼2時間後の角膜上皮障害の程度を角膜乾燥防止作用の指標として比較検討した。なお、角膜上皮障害の程度はメチレンブルーで障害部位を染色し、その抽出液の吸光度により定量的に求めた。その結果、両製剤間における吸光度の平均値の差の90%信頼性区間は-0.0060~0.0050であり、ヒアレイン点眼液0.1%の平均値に対する割合が-11.59~9.64%と±20%以内の範囲であったことから、両剤の生物学的同等性が確認された11) 。
メチレンブルーの吸光度
0.0510±0.0197
0.0515±0.0225
平均値±標準偏差、n=20
n-ヘプタノールにより角膜創傷させたウサギに対して、本剤、ヒアレインミニ点眼液0.3%あるいはControl(生理食塩液)を点眼し、創傷作製時及び24時間後の創傷面積から求めた治癒率を比較検討した。その結果、両剤ともにControlとの間に有意な差が認められ、両剤間では有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された12) 。
治癒率(%)
69.5±1.95†
ヒアレインミニ点眼液0.3%
70.2±2.71†
Control(生理食塩液)
60.2±2.58
平均値±標準誤差、n=6†:p<0.05〔Dunnettの多重比較検定、対Control(生理食塩液)〕
ウサギのドライアイモデルに対して、本剤、ヒアレインミニ点眼液0.3%あるいはControl(生理食塩液)を点眼し、点眼1時間後、角膜障害部位を染色した。染色した角膜より抽出した液の吸光度から求めた色素量を比較検討した。その結果、両剤ともにControlとの間に有意な差が認められ、両剤間では有意な差は認められず、両剤の生物学的同等性が確認された12) 。
色素量(μg)
1.24±0.13†
1.19±0.13†
2.49±0.11
平均値±標準誤差、n=7†:p<0.05〔Dunnettの多重比較検定、対Control(生理食塩液)〕
精製ヒアルロン酸ナトリウム(Purified Sodium Hyaluronate)〔JAN〕
(C14H20NNaO11)n
平均分子量50万~149万
精製ヒアルロン酸ナトリウムは白色の粉末、粒又は繊維状の塊である。水にやや溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。吸湿性である。
プラスチック点眼容器 5mL×10、5mL×50
1) 北野周作 他:日本眼科紀要,1993;44:487-497
2) 榛村重人 他:あたらしい眼科,1993;10:611-616
3) 糸井素純 他:あたらしい眼科,1993;10:617-626
4) 北野周作 他:あたらしい眼科,1993;10:603-610
5) Nakamura M,et al.:J Cell Physiol,1994;159:415-422
6) Nakamura M,et al.:Curr Eye Res,1994;13:385-388
7) Nakamura M,et al.:Cornea,1993;12:433-436
8) 中村雅胤 他:日本眼科紀要,1995;46:1256-1260
9) Nakamura M,et al.:Curr Eye Res,1992;11:981-986
10) 社内資料:ウサギ涙液保持作用における生物学的同等性試験
11) 社内資料:ウサギ強制開瞼ドライアイモデルにおける生物学的同等性試験
12) 社内資料:生物学的同等性に関する資料
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