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眼科手術(白内障、硝子体、緑内障)時の眼灌流及び洗浄
用時、オキシグルタチオン溶液と希釈液を混合し、眼科手術時に眼内及び眼外の灌流及び洗浄を目的とし、通常、下記の量を目安として適量を使用する。なお、術式及び手術時間等により適宜増減する。
水晶体混濁を起こすことがあるとの報告がある。
頻度不明
眼
角膜浮腫、角膜混濁
35S-標識オキシグルタチオンをウサギ前房内に1時間灌流したとき、放射能は主に角膜及び虹彩・毛様体に移行した。眼球以外の全身組織にも放射能の移行を認めたものの、その濃度は各組織中の内在性オキシグルタチオン濃度と比べると1%以下であった。角膜及び虹彩・毛様体に移行した放射能の存在様式を検討したところ、ほとんどの放射能は還元型のグルタチオンとして検出された1) 。
両眼性の老人性白内障患者21例を対象に、片眼に無作為に0.0184%オキシグルタチン眼灌流液、その対側眼にブドウ糖含有眼灌流液を使用し、水晶体嚢外摘出術及び後房レンズ挿入術を行った。角膜内皮形態変化については、角膜内皮細胞像の各パラメーター(角膜厚、角膜内皮細胞密度、細胞面積の変動係数、六角形細胞率及びfigure coefficient)において、0.0184%オキシグルタチオン眼灌流液群では術後有意な変動が認められず、対照群に比ベ角膜内皮細胞形状の乱れが少ないことが示された。角膜厚については、両群とも術後1日~1週目まで有意な肥厚が認められた。0.0184%オキシグルタチオン眼灌流液群では4週目に角膜厚が術前値に復したのに対し、対照群では術後4週目においても有意な肥厚が持続し、0.0184%オキシグルタチオン眼灌流液群は対照薬に比べ角膜の肥厚が軽度であることが示された2) 。副作用は認められなかった。
白内障を有する糖尿病患者14例14眼を対象に、無作為に0.0184%オキシグルタチオン眼灌流液群(8眼)または対照としてブドウ糖含有眼灌流液群(6眼)に振り分け、水晶体嚢外摘出術及び後房レンズ挿入術に使用した。角膜内皮形態変化については、角膜内皮細胞像の各パラメーター(角膜厚、角膜内皮細胞密度、細胞面積の変動係数及び六角形細胞率)において、0.0184%オキシグルタチオン眼灌流液群では術後有意な変動が認められなかったが、対照群では六角形細胞率以外のパラメーターで有意な悪化傾向を示した3) 。副作用は認められなかった。
老人性白内障患者106例110眼を対象に、無作為に0.0184%オキシグルタチオン眼灌流液群(55眼)または対照としてブドウ糖含有眼灌流液群(55眼)に振り分け、超音波水晶体乳化吸引術及び後房レンズ挿入術に使用した。眼組織保護効果を指標とした全般有効度は「著効」が72.7%(40/55)であり、対照群に比べ有意な差が認められた。「有効」以上の割合は100%(55/55)であった4) 。副作用は認められなかった。
0.0184%オキシグルタチオン眼灌流液を使用した硝子体手術症例のうち、灌流時間が1時間以内であった有水晶体眼53例54眼〔裂孔原性網膜剝離(黄斑円孔網膜剝離を含む)10眼、外傷l眼、黄斑前線維増殖症21眼、網膜静脈分枝閉塞症12眼、硝子体網膜牽引症候群2眼、ぶどう膜炎2眼、イールズ病1眼、テルソン症候群3眼、原因不明の硝子体出血2眼〕を対象とした。眼組織保護効果を指標とした全般有効度(「効果があると思われた」以上)は96.3%(52/54)であった5) 。副作用は認められなかった。
薬物治療にて眼圧コントロールが困難なために緑内障手術を必要とした21例23眼を対象に使用したとき、角膜内皮の所見に軽度の変化があったが問題点はなく、前房内の炎症所見も灌流液により増加した傾向は認めなかった。術中、術後を通じて問題を認めなかった6) 。副作用は認められなかった。
本品の有効成分であるオキシグルタチオンは、眼内を含む全身の組織に分布するグルタチオン(酸化還元系に関与する補酵素)の酸化型である。角膜内皮の透明性の維持に関与しているATPaseは、グルタチオンとオキシグルタチオンのバランスによりそのポンプ機能がコントロールされる。また、グルタチオンは角膜内皮細胞のバリアー機能の維持にも寄与している。本剤によりオキシグルタチオンを補充することで、眼科手術時の内皮細胞層のバリアー機能及びポンプ機能の恒常性が維持される。その結果、眼科手術における長時間の眼灌流・洗浄による組織障害から防御する効果を示す7),8),9),10) 。
0.0184%オキシグルタチオン眼灌流液をウサギの前房内に灌流し、前房内への蛋白質の漏出量を測定した結果、血液房水柵破壊抑制作用を示した18) 。
0.0184%オキシグルタチオン眼灌流液の水晶体の透明性に及ぼす影響をラット摘出水晶体を使用したin vitro実験により検討した。その結果、オキシグルタチオンは水晶体内の透明性に重要な役割を果たしているグルタチオン量及びカチオンレベルを維持し、水晶体の透明性と膜機能を正常に維持することが示された19) 。
0.0184%オキシグルタチオン眼灌流液の網膜機能への影響をウシ網膜を使用したex vivo試験で網膜電図(ERG)を指標として検討した結果、0.0184%オキシグルタチオン眼灌流液は網膜機能への影響が少なく網膜機能維持作用に優れていた20) 。
ウサギの摘出角膜を本剤あるいはビーエスエスプラス500眼灌流液0.0184%に6時間浸漬したのち、角膜の湿重量及び乾燥重量(100℃、16時間乾燥)を測定した。これらの値より角膜水分率(角膜含水量の乾燥重量に対する比)を求め、角膜内皮バリアー機能及びポンプ機能保護作用の指標として比較検討した。その結果、両製剤間における平均値の差の90%信頼性区間と、ビーエスエスプラス500眼灌流液0.0184%の平均値に対する割合は以下のとおりであり、許容範囲を±10%と設定するとき両剤の生物学的同等性が確認された15) 。
薬剤(例数)
角膜水分率
90%信頼区間
平均値に対する割合(%)
本剤(10)
3.81±0.16
-0.017〜0.225
-0.47〜6.08
ビーエスエスプラス500眼灌流液0.0184%(10)
3.70±0.16
角膜水分率:平均値±標準偏差
ウサギの角膜内皮細胞をメンブレン上に培養し、FITC-dextranを溶解した本剤あるいはビーエスエスプラス500眼灌流液0.0184%をメンブレン上層側に加えて4時間処理したのち、内皮細胞層を透過したFITC-dextran量を角膜内皮バリアー機能保護作用の指標として比較検討した。その結果、両製剤間における平均値の差の90%信頼性区間と、ビーエスエスプラス500眼灌流液0.0184%の平均値に対する割合は以下のとおりであり、許容範囲を±10%と設定するとき両剤の生物学的同等性が確認された14) 。
FITC-dextran量(μg/mL)
90%信頼区間
本剤(8)
2.62±0.11
-0.1424〜0.2024
-5.50〜7.81
ビーエスエスプラス500眼灌流液0.0184%(8)
2.59±0.25
FITC-dextran量:平均値±標準偏差
オキシグルタチオン(Oxiglutatione)〔JAN〕
N-(N-γ-Glutamyl-cysteinyl)glycine-(2→2')-disulfide
C20H32N6O12S2
612.63
オキシグルタチオンは白色の粉末である。水に極めて溶けやすく、メタノール、エタノール又はエーテルにほとんど溶けない。
GSSG
ソフトバッグ 500mL(オキシグルタチオン溶液150mL・希釈液350mL)×5
1) 松岡秀仁 他:あたらしい眼科, 1990;7:569-572
2) Matsuda M, et al.:Br J Ophthalmol, 1991;75:476-479
3) 大黒伸行 他:眼科臨床医報, 1991;85:1621-1626
4) 松田 司 他:日本眼科紀要, 1990;41:1330-1337
5) 池田恒彦 他:眼科臨床医報, 1990;84:2034-2039
6) 谷原秀信 他:眼科臨床医報, 1990;84:2040-2042
7) 谷口直之 他:膜, 1987;12:180-190
8) HF Edelhauser, et al.:J Cell Biol, 1976;68:567-578
9) 西田輝夫:顕微鏡, 2008;43:99-103
10) 池田恒彦:現代医療, 1992;24:509-513
11) 松田 司 他:日本眼科紀要, 1990;41:1093-1098
12) Araie M, et al.:Invest Ophthalmol Vis Sci, 1988;29:1884-1887
13) Araie M:Arch Ophthalmol, 1986;104:435-438
14) 社内資料:オキシグルタチオン眼灌流液0.0184%「センジュ」の生物学的同等性試験(角膜内皮バリアー機能に及ぼす影響)
15) 社内資料:オキシグルタチオン眼灌流液0.0184%「センジュ」の生物学的同等性試験(角膜水分率の評価)
16) 松田 司 他:眼科手術, 1988;1:113-121
17) 十川俊二 他:あたらしい眼科, 1992;9:491-497
18) 大橋ときえ 他:あたらしい眼科, 1989;6:406-408
19) 堀川嘉美 他:あたらしい眼科, 1989;6:396-398
20) Kai J, et al.:ATLA, 2012;40:23-32
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