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オペガードMA眼灌流液

添付文書番号

1319814Q1035_1_04

企業コード

380086

作成又は改訂年月

2022年7月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

871319

薬効分類名

眼内灌流・洗浄液

承認等

オペガードMA眼灌流液

販売名コード

YJコード

1319814Q1035

販売名英語表記

OPEGUARD-MA INTRAOCULAR IRRIGATING SOLUTION

販売名ひらがな

おぺがーどえむえーがんかんりゅうえき

承認番号等

承認番号

21900AMX00410

販売開始年月

1987年1月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

-

3. 組成・性状

3.1 組成

オペガードMA眼灌流液

有効成分1mL中 ブドウ糖   1.5mg
1mL中 塩化ナトリウム   6.6mg
1mL中 塩化カリウム   0.36mg
1mL中 塩化カルシウム水和物   0.18mg
1mL中 硫酸マグネシウム水和物   0.3mg
1mL中 炭酸水素ナトリウム   2.1mg
添加剤クエン酸ナトリウム水和物、酢酸ナトリウム水和物、pH調節剤

3.2 製剤の性状

オペガードMA眼灌流液

pH6.7〜8.2
浸透圧比生理食塩液に対する比:0.86〜1.14
性状無色澄明の無菌水性液剤

4. 効能又は効果

眼手術(白内障、硝子体、緑内障)時の眼内灌流及び洗浄

6. 用法及び用量

眼内灌流及び洗浄を目的として用いる。使用量は通常次のとおりとする。
なお、術式及び手術時間等により適宜増減する。

  • 白内障手術 20〜500mL
    硝子体手術 50〜4000mL
    緑内障手術 20〜50mL

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

頻度不明

角膜浮腫、角膜混濁

14. 適用上の注意

14.1 薬剤使用時の注意

  • 〈容量共通〉
    1. 14.1.1 使用は1回限りとし、残液は廃棄すること(保存剤を含有しないので、二次汚染のおそれがある)。
  • 〈300mL、500mL〉
    1. 14.1.2 導入針はゴム栓の大きな○の穴にまっすぐ刺すこと。
    2. 14.1.3 通気針は不要である。
    3. 14.1.4 原則として連結管を用いたタンデム方式による投与はできない。
    4. 14.1.5 硝子体手術装置の灌流圧自動調整システム(加圧ガスを灌流液の容器内に送り灌流圧を調整するシステム)には対応しないので、灌流圧の調整が必要な場合は、灌流圧自動調整システムは使用せずソフトバッグの高さを上下して調整すること。
    5. 14.1.6 ソフトバッグの液目盛りはおよその目安として使用すること。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内一般臨床試験(白内障嚢内摘出術及び緑内障手術)

    白内障嚢内摘出術129例148眼及び緑内障手術21例26眼(虹彩切除術19眼、線維柱帯切除術6眼、前房形成術1眼)を対象に使用した。3ヵ月間観察した結果、術中の角膜に及ぼす影響が少なく、術中術後の角膜を透明に維持していた。白内障眼の術前視力は0.1未満が約89%であったが、術後視力は0.5以上が約66%、0.8以上が約35%であった。緑内障眼の術前視力は0.1未満から1.0以上と広く分布しているものの、術後の視力改善率は約62%であった1)
    副作用は認められなかった。

  1. 17.1.2 国内一般臨床試験(白内障嚢外摘出術)

    白内障嚢外摘出術(後房型眼内レンズ挿入術)30例30眼を対象に使用した。3ヵ月間観察した結果、角膜の厚さの平均値の増加率は、術後1日までは10%を超えて増加したが、術後14日までに26例(86.7%)が術前値に回復した。術中の角膜の透明性は、全例で維持された2)
    副作用は認められなかった。

  1. 17.1.3 国内一般臨床試験(白内障超音波水晶体乳化吸引術)

    白内障超音波水晶体乳化吸引術116例133眼を対象に使用した。3ヵ月間観察した結果、角膜の厚さの平均値の増加率は、術後3日で5%増加したが、術後1ヵ月で術前値に回復した。内皮細胞消失率は、術後3ヵ月で10%以下であった。術後視力は、術後3ヵ月で1.0以上が70%、0.8以上が79%、0.5以上が91%であった3)
    副作用は認められなかった。

  2. 17.1.4 国内一般臨床試験(硝子体手術1)

    硝子体手術86例94眼(糖尿病性網膜症40眼、糖尿病性網膜症以外の網膜剝離23眼、眼外傷10眼、網膜静脈閉塞9眼、イールズ病2眼、その他10眼)を対象に使用した。3ヵ月間観察した結果、術中の角膜上皮に及ぼす影響は少なく、角膜上皮剝離に至る頻度が少なかった。松井の分類に従って88眼を分類した判定では、硝子体手術有効例は術後最良視力からみると68眼(77.3%)、術後最終視力からみると63眼(71.6%)であった4)
    副作用は認められなかった。

  3. 17.1.5 国内一般臨床試験(硝子体手術2)

    硝子体手術24例24眼(増殖性糖尿病性網膜症11眼、網膜剝離6眼、穿孔性眼外傷2眼、イールズ病2眼、水晶体脱臼1眼、増殖性硝子体網膜症1眼、硝子体出血1眼)を対象に使用した。3ヵ月間観察した結果、有水晶体眼5眼では、術後ほとんど線状角膜症及び角膜浮腫の発生が認められなかった。また、角膜内皮細胞にもほとんど障害が認められなかった。無水晶体眼19眼では、12眼(63.2%)に線状角膜症及び角膜浮腫の発生を認めたが、7眼(36.8%)は軽度で、全例とも術後3ヵ月までに消失した。角膜内皮障害も認められたが、程度は比較的軽度であった5)
    副作用は認められなかった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

角膜内皮細胞をはじめとする眼内組織の機能維持に有用なナトリウムイオン、カリウムイオン、塩素イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、炭酸水素イオン、ブドウ糖を含有するので、眼内の灌流・洗浄時に眼組織に障害を与えない。

18.2 角膜の機能維持作用

ウサギ摘出角膜の含水量及び電解質量は新鮮角膜実質と極めて近い状態に保たれ、かつ形態学的にもその角膜内皮表面構造は新鮮角膜と差を認めなかった6),7)

18.3 網膜の機能維持作用

ウサギ摘出眼球網膜において、網膜機能の指標であるERGをよく維持した8) 。また、ニワトリ胚培養網膜色素上皮細胞の貪食能をよく維持した9)

20. 取扱い上の注意

  • 〈容量共通〉
    1. 20.1 製品の品質を保持するため外袋内に炭酸ガスを封入しているので、外袋は使用時まで開封しないこと(外袋内に封入してある炭酸ガスの気散により、内容液のpHが上昇する)。
    2. 20.2 外袋開封後は9時間以内に使用すること。
    3. 20.3 次の場合には使用しないこと。
      • 外袋開封前に外袋のインジケーターが黄土色以外に変色しているとき
      • 外袋が破損しているとき
      • 外袋の内側に水滴や内容液の漏出が認められるとき
  • 〈300mL、500mL〉
    1. 20.4 ゴム栓のシールがはがれているときには使用しないこと。

22. 包装

  • プラスチックアンプル 20mL×10
    ソフトバッグ 300mL×5、500mL×5

24. 文献請求先及び問い合わせ先

千寿製薬株式会社 カスタマーサポート室

〒541-0048 大阪市中央区瓦町三丁目1番9号

TEL 0120-069-618 FAX 06-6201-0577

受付時間 9:00〜17:30(土、日、祝日を除く)

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

千寿製薬株式会社

大阪市中央区瓦町三丁目1番9号

26.2 販売

武田薬品工業株式会社

大阪市中央区道修町四丁目1番1号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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