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眼手術(白内障、硝子体、緑内障)時の眼内灌流及び洗浄
眼内灌流及び洗浄を目的として用いる。使用量は通常次のとおりとする。なお、術式及び手術時間等により適宜増減する。
頻度不明
眼
角膜浮腫、角膜混濁
白内障嚢内摘出術129例148眼及び緑内障手術21例26眼(虹彩切除術19眼、線維柱帯切除術6眼、前房形成術1眼)を対象に使用した。3ヵ月間観察した結果、術中の角膜に及ぼす影響が少なく、術中術後の角膜を透明に維持していた。白内障眼の術前視力は0.1未満が約89%であったが、術後視力は0.5以上が約66%、0.8以上が約35%であった。緑内障眼の術前視力は0.1未満から1.0以上と広く分布しているものの、術後の視力改善率は約62%であった1) 。副作用は認められなかった。
白内障嚢外摘出術(後房型眼内レンズ挿入術)30例30眼を対象に使用した。3ヵ月間観察した結果、角膜の厚さの平均値の増加率は、術後1日までは10%を超えて増加したが、術後14日までに26例(86.7%)が術前値に回復した。術中の角膜の透明性は、全例で維持された2) 。副作用は認められなかった。
白内障超音波水晶体乳化吸引術116例133眼を対象に使用した。3ヵ月間観察した結果、角膜の厚さの平均値の増加率は、術後3日で5%増加したが、術後1ヵ月で術前値に回復した。内皮細胞消失率は、術後3ヵ月で10%以下であった。術後視力は、術後3ヵ月で1.0以上が70%、0.8以上が79%、0.5以上が91%であった3) 。副作用は認められなかった。
硝子体手術86例94眼(糖尿病性網膜症40眼、糖尿病性網膜症以外の網膜剝離23眼、眼外傷10眼、網膜静脈閉塞9眼、イールズ病2眼、その他10眼)を対象に使用した。3ヵ月間観察した結果、術中の角膜上皮に及ぼす影響は少なく、角膜上皮剝離に至る頻度が少なかった。松井の分類に従って88眼を分類した判定では、硝子体手術有効例は術後最良視力からみると68眼(77.3%)、術後最終視力からみると63眼(71.6%)であった4) 。副作用は認められなかった。
硝子体手術24例24眼(増殖性糖尿病性網膜症11眼、網膜剝離6眼、穿孔性眼外傷2眼、イールズ病2眼、水晶体脱臼1眼、増殖性硝子体網膜症1眼、硝子体出血1眼)を対象に使用した。3ヵ月間観察した結果、有水晶体眼5眼では、術後ほとんど線状角膜症及び角膜浮腫の発生が認められなかった。また、角膜内皮細胞にもほとんど障害が認められなかった。無水晶体眼19眼では、12眼(63.2%)に線状角膜症及び角膜浮腫の発生を認めたが、7眼(36.8%)は軽度で、全例とも術後3ヵ月までに消失した。角膜内皮障害も認められたが、程度は比較的軽度であった5) 。副作用は認められなかった。
角膜内皮細胞をはじめとする眼内組織の機能維持に有用なナトリウムイオン、カリウムイオン、塩素イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、炭酸水素イオン、ブドウ糖を含有するので、眼内の灌流・洗浄時に眼組織に障害を与えない。
ウサギ摘出角膜の含水量及び電解質量は新鮮角膜実質と極めて近い状態に保たれ、かつ形態学的にもその角膜内皮表面構造は新鮮角膜と差を認めなかった6),7) 。
ウサギ摘出眼球網膜において、網膜機能の指標であるERGをよく維持した8) 。また、ニワトリ胚培養網膜色素上皮細胞の貪食能をよく維持した9) 。
1) 大鳥利文:日本眼科紀要, 1985;36:218-221
2) 村田忠彦 他:日本眼科紀要, 1984;35:420-422
3) 大鳥利文 他:日本眼科紀要, 1984;35:1882-1888
4) 大鳥利文 他:日本眼科紀要, 1984;35:1889-1899
5) 松田 司 他:日本眼科紀要, 1983;34:1424-1428
6) 大鳥利文 他:日本眼科学会雑誌, 1980;84:1272-1277
7) 大鳥利文 他:日本眼科学会雑誌, 1981;85:1237-1242
8) 根木 昭 他:日本眼科紀要, 1980;31:1452–1459
9) 白川弘泰 他:日本眼科学会雑誌, 1983;87:415-421
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