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処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
セフメノキシムに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、緑膿菌、ペプトストレプトコッカス属
外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎(ただし、ネブライザーを用いた噴霧吸入においては中鼻道閉塞が高度の症例を除く)
「抗微生物薬適正使用の手引き」1) を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
本剤を添付の溶解液で1mL当たりセフメノキシム塩酸塩として10mg(力価)の濃度に溶解し、次のとおり用いる。外耳炎及び中耳炎に対しては、通常1回6~10滴点耳し、約10分間の耳浴を1日2回行う。副鼻腔炎に対しては、通常1回2~4mLを隔日に1週間に3回ネブライザーを用いて噴霧吸入するか、又は1回1mLを1週間に1回上顎洞内に注入する。なお、症状により適宜回数を増減する。ただし、症状に改善がみられない場合は漫然と長期間の連続投与を行わないこと。
治療上やむを得ない場合と判断される場合を除き投与しないこと。
アレルギー素因が遺伝し、アレルギー症状を起こすおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
低出生体重児、新生児又は乳児を対象とした臨床試験は実施していない。
蕁麻疹、チアノーゼ、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
0.1~1%未満
頻度不明
過敏症
発疹
その他
外耳道湿疹
点耳時耳痛、菌交代症
呼吸器
鼻炎(鼻汁、くしゃみ等)
喘鳴、咳嗽
消化器
嘔吐、嘔気
頭痛
患者に対し以下の点に注意するよう指導すること。
化膿性中耳炎患者(4例)に本剤を6~10滴(0.3~0.5mL)点耳し、10分間耳浴したとき、血清中濃度は投与後30分に0.0125~0.020µg/mL(3例)、60分に0.023µg/mL(1例)であった2) 。
健康成人の右鼻腔内に1%又は2%セフメノキシム鼻科用液(4例又は5例)を1回3滴(0.15mL)、1日3回14日間点鼻注1) したとき、7及び14日目における最終投与後1時間の血清中濃度は、2%群の1例で投与14日目において0.0102µg/mLであったが、その他はすべて定量下限値(0.01µg/mL)未満であった。
健康成人の右鼻腔内に1%又は2%セフメノキシム鼻科用液(各5例)を、鼻用定量噴霧器を用いて1回2噴霧、1日3回14日間噴霧吸入注1) したとき、7及び14日目における最終投与後1時間の血清中濃度は、すべて定量下限値(0.01µg/mL)未満であった。
化膿性中耳炎の患者(4例)に0.01%セフメノキシム液注2) を6~10滴(0.3~0.5mL)点耳し、10分間耳浴したとき、耳漏中濃度は投与後10分に40.63~50.00µg/mL(3例)、60分に23.44~24.22µg/mL(2例)であった2) 。
モルモットの中耳腔内(骨胞内)に本剤を0.02mL注入したとき、中耳骨胞組織中濃度は、投与後10分に365.8μg/g tissueを示し、その後経時的に低下した(図1)。なお、両耳腔内に投与したときの血清中濃度は投与後1時間に最高値0.230μg/mLを示し、その後経時的に低下した。
慢性副鼻腔炎で上顎洞根本手術を必要とする成人(4例)に、血管収縮剤により中鼻道の腫脹を十分減じた後、ネブライザーを用いて、本剤を2mL、1回噴霧吸入したとき、セフメノキシム濃度は、自然孔粘膜表面では定量下限値未満(<0.2μg/mL)~>100μg/mL、上顎洞側壁粘膜表面では定量下限値未満(<0.2μg/mL)~21.88μg/mL、上顎洞底粘膜表面では2.35~50μg/mLであった3) 。
ウサギの両鼻腔にネブライザーを用いて、本剤を2mL噴霧吸入したとき、上顎洞内粘膜組織中濃度は投与後15分に4.02μg/g tissueを示し、その後経時的に低下した(図2)。なお、血清中濃度は投与後30分に最高値0.0134μg/mLを示し、その後経時的に低下した。
狭窄状態にしたウサギの上顎洞内に本剤を1mL注入したとき、上顎洞内粘膜組織中濃度は投与後1時間に477.64μg/g tissueを示し、その後経時的に低下した(図3)。なお、血清中濃度は投与後1時間に最高値0.0123μg/mLを示し、その後経時的に低下した。
慢性化膿性中耳炎及びその急性増悪症患者を対象に、本剤又はプラセボ耳科用液を1回6~10滴点耳し、約10分間の耳浴を1日2回、3~7日間実施した無作為化二重遮蔽並行群間比較試験で、有効性及び安全性を比較した。なお、基礎治療薬としてセファレキシンを1回250mgの用量で1日4回内服した。その結果、臨床効果の有効率注3) は本剤群で75.6%(68/90例)、プラセボ群で41.1%(37/90例)で両群間の臨床効果に統計学的に有意な差がみられた(P<0.05)。本剤の疾患別の有効率は、中耳炎75.6%(68/90例)[慢性化膿性中耳炎急性増悪症81.0%(47/58例)、慢性化膿性中耳炎65.6%(21/32例)]であった4) 。本剤の副作用は100例中3例(3.0%)に認められ、局所炎症1例、眩暈及び耳鳴1例、発疹1例であった。
化膿性中耳炎等の耳科領域の感染症患者を対象に、本剤を1回6~10滴点耳し、約10分間の耳浴を、1日1~2回注4) 、ほとんどが14日以内で実施した非遮蔽非対照試験で、有効性及び安全性を検討した。その結果、臨床効果の有効率注3) は86.9%(219/252例)であった。疾患別の有効率は、中耳炎87.1%(195/224例)[急性化膿性中耳炎91.3%(21/23例)、慢性化膿性中耳炎急性増悪症89.4%(144/161例)、慢性化膿性中耳炎75.0%(30/40例)]、急性びまん性外耳炎85.7%(24/28例)であった5),6),7),8),9),10) 。本剤の副作用は277例中3例(1.1%)に認められ、外耳道湿疹2例、接触皮膚炎1例であった。
急性副鼻腔炎、慢性副鼻腔炎及びその急性増悪症患者を対象に、本剤を1回2mL又は4mL、週3回を原則として6週間、噴霧吸入した無作為化二重遮蔽並行群間比較試験において、有効性及び安全性を検討した。その結果、臨床効果の有効率注3) は、2mL投与群で72.7%(56/77例)、4mL投与群では84.2%(64/76例)であり、両群間の臨床効果に統計学的に有意な差はみられなかった(P>0.05)。両投与群を合計した臨床効果の有効率は78.4%(120/153例)、疾患別の有効率は、急性副鼻腔炎88.5%(23/26例)、慢性副鼻腔炎76.1%(67/88例)、慢性副鼻腔炎急性増悪症76.9%(30/39例)であった11) 。本剤2mLを投与した86例中1例に副作用が認められ、くしゃみ及び鼻汁であった。4mLを投与した87例に副作用は認められなかった。
急性副鼻腔炎、慢性副鼻腔炎及びその急性増悪症患者を対象に、本剤を1回1mL、週1回を4週間、上顎洞内注入した非対照非遮蔽試験において、有効性及び安全性を検討した。その結果、臨床効果の有効率注3) は83.3%(110/132例)、疾患別の有効率は急性副鼻腔炎94.6%(35/37例)、慢性副鼻腔炎80.3%(53/66例)、慢性副鼻腔炎急性増悪症75.9%(22/29例)であった12) 。本剤を投与した140例に副作用は認められなかった。
細菌細胞壁の合成阻害である。
ブドウ球菌属、レンサ球菌属、プロテウス属、インフルエンザ菌、緑膿菌、ペプトストレプトコッカス属に抗菌力を示し、その作用は殺菌的である13),14),15)(in vitro) 。
耳鼻感染症患者から分離したブドウ球菌属、レンサ球菌属、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、プロテウス属、インフルエンザ菌、緑膿菌、ペプトストレプトコッカス属に抗菌力を示す2),4),5),7),8),9),10),11),12),16),17),18),19),20)(in vitro)。
モルモットの中耳内に黄色ブドウ球菌を接種し作成した実験的急性中耳炎に対し、菌接種72時間後より本剤を中耳内に0.1mL/回/日、6日間連続投与した試験では、中耳炎症状の抑制効果が認められている21) 。
ウサギの上顎洞内に黄色ブドウ球菌を1日1回3日間連続接種し作成した実験的急性副鼻腔炎に対し、最終菌接種翌日より本剤を副鼻腔内に2mL/回/日、7日間連続して噴霧吸入した試験では、副鼻腔炎症状の抑制効果が認められている22) 。また、ウサギの上顎洞内に黄色ブドウ球菌を1日1回隔日で3回接種し作成した実験的慢性副鼻腔炎に対し、最終菌接種96時間後より本剤を1mL/回/日、7日間連続して上顎洞内注入した試験、あるいはウサギの上顎洞内にインフルエンザ菌を接種し作成した実験的慢性副鼻腔炎に対し、菌接種翌日より本剤を1mL/回/日、7及び10日間連続して上顎洞内注入した試験23) では、それぞれ副鼻腔炎症状の抑制効果が認められている。
セフメノキシム塩酸塩(Cefmenoxime Hydrochloride)〔JAN〕
(6R,7R)-7-[(Z)-2-(2-Aminothiazol-4-yl)-2-(methoxyimino)acetylamino]-3-(1-methyl-1H-tetrazol-5-ylsulfanylmethyl)-8-oxo-5-thia-1-azabicyclo[4.2.0]oct-2-ene-2-carboxylic acid hemihydrochloride
(C16H17N9O5S3)2・HCl
1059.58
セフメノキシム塩酸塩は白色~淡橙黄色の結晶又は結晶性の粉末である。ホルムアミド又はジメチルスルホキシドに溶けやすく、メタノールに溶けにくく、水に極めて溶けにくく、エタノール(95)にほとんど溶けない。
セフメノキシム塩酸塩は定量するとき、換算した脱水物1mg当たり890~975μg(力価)を含む。ただし、本品の力価は、セフメノキシム(C16H17N9O5S3:511.56)としての量を質量(力価)で示す。
CMX
〔1瓶(50mg(力価))・プラスチック溶解液容器5mL〕×5〔1瓶(500mg(力価))・プラスチック溶解液容器50mL〕×1
1) 厚生労働省健康局結核感染症課編:抗微生物薬適正使用の手引き
2) 杉田麟也 他:耳鼻咽喉科臨床,1983;76:3007-3014
3) 馬場駿吉 他:耳鼻咽喉科臨床,1996;89:1521-1524
4) 馬場駿吉 他:耳鼻と臨床,1985;31:525-568
5) 廖原東紅 他:耳鼻咽喉科臨床,1984;77:2003-2011
6) 坂本 裕 他:新薬と臨床,1985;34:1299-1301
7) 杉田麟也 他:耳鼻と臨床,1984;30:1152-1165
8) 大西信治郎 他:耳鼻と臨床,1984;30:855-863
9) 高須賀信夫 他:耳鼻咽喉科展望,1985;28(S-1):45-58
10) 林 度生 他:耳鼻咽喉科展望,1985;28(S-1):32-44
11) 馬場駿吉 他:耳鼻と臨床,1991;37:851-880
12) 馬場駿吉 他:耳鼻と臨床,1991;37:833-850
13) 土屋皖司 他:Chemotherapy,1981;29(S-1):96-158
14) 西野武志 他:Chemotherapy,1981;29(S-1):57-88
15) 小林とよ子 他:Chemotherapy,1981;29(S-1):42-52
16) 馬場駿吉 他:日本耳鼻咽喉科感染症研究会会誌,1989;7:184-198
17) 馬場駿吉 他:耳鼻と臨床,1995;41:192-217
18) 木下治二 他:耳鼻咽喉科臨床,1984;77:1395-1400
19) 佐藤喜一 他:耳鼻と臨床,1984;30:51-56
20) 橋本真実 他:耳鼻咽喉科臨床,1984;77:471-482
21) 山本佑二郎 他:薬理と治療,1986;14:1341-1347
22) 奴久妻聡一 他:薬理と治療,1991;19:1401-1410
23) 松根彰志 他:耳鼻咽喉科臨床,1990;83:119-128
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※1 粉末及び溶解液は分割して調製しないでください。 (溶解後の薬液中の粉末成分が均一とならず、白濁することがあるため)※2 溶解後は、冷所保存で7日以内に使用し、その期間を過ぎたものは使用しないでください。 ただし、ネブライザーにより室温で保存する場合は、溶解後20時間以内に使用してください。
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