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コムレクス耳科用液1.5%

処方せん医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
5.効能又は効果に関連する注意
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
18.2抗菌作用
19.有効成分に関する理化学的知見
20.取扱い上の注意
21.承認条件
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

コムレクス耳科用液1.5%

添付文書番号

1329714Q1025_1_05

企業コード

380999

作成又は改訂年月

2024年8月改訂(第5版)
2024年6月改訂(第4版)

日本標準商品分類番号

871329

薬効分類名

フルオロキノロン系抗菌耳科用製剤

承認等

コムレクス耳科用液1.5%

販売名コード

YJコード

1329714Q1025

販売名英語表記

COMLEX OTIC SOLUTION 1.5%

販売名ひらがな

こむれくすじかようえき1.5%

承認番号等

承認番号

30500AMX00112

販売開始年月

2023年6月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

*30箇月

一般的名称

レボフロキサシン水和物

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分又はオフロキサシンに対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

コムレクス耳科用液1.5%

有効成分1mL中 日局 レボフロキサシン水和物   15mg
添加剤塩化ナトリウム、ポリソルベート80、pH調節剤

3.2 製剤の性状

コムレクス耳科用液1.5%

pH6.1~6.9
浸透圧比1.0~1.1
(生理食塩液対比)
性状微黄色~黄色澄明の液
無菌製剤

4. 効能又は効果

  • 〈適応菌種〉

    本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、肺炎桿菌、エンテロバクター属、セラチア属、インフルエンザ菌、緑膿菌、アシネトバクター属

  • 〈適応症〉

    外耳炎、中耳炎

5. 効能又は効果に関連する注意

  • 〈中耳炎〉
    1. 5.1 「抗微生物薬適正使用の手引き」1)を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
  • 〈外耳炎〉
    1. 5.2 中耳由来の膿性耳漏を有しない外耳炎患者を対象とした臨床試験は実施していない。

6. 用法及び用量

通常、1回6~10滴を1日2回点耳する。点耳後は約10分間の耳浴を行う。なお、症状により適宜回数を増減する。

7. 用法及び用量に関連する注意

4週間の投与を目安とし、その後の継続投与については、長期投与に伴う真菌の発現や菌の耐性化等に留意し、漫然と投与しないよう慎重に行うこと。

8. 重要な基本的注意

本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 キノロン系抗菌薬に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤又はオフロキサシンに対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)

    紅斑、発疹、呼吸困難、血圧低下等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11.2 その他の副作用

1~5%未満

真菌性外耳炎、回転性めまい

精神神経系

浮動性めまい

消化器

下痢

その他

投与部位耳痛

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

  1. 14.1.1 使用する際の薬液の温度が低いと、めまいを起こすおそれがあるので、使用時には、できるだけ体温に近い状態で使用すること。
  2. 14.1.2 点耳の際、容器の先端が直接耳に触れないように注意すること。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度

  1. 16.1.1 単回投与

    持続する膿性耳漏を有する中耳炎患者6例に本剤を10滴単回点耳投与し、点耳後10分間耳浴したとき、血漿中レボフロキサシンのCmax及びAUC0-infの中央値[範囲]は4.88[0.11, 38.90]ng/mL及び43.18[31.25, 322.08]ng・h/mLであった2)

  2. 16.1.2 反復投与

    健康成人16例(0.5%レボフロキサシン点耳薬投与群8例、1.5%レボフロキサシン点耳薬投与群8例)に1回10滴、1日2回、8日間点耳し(1日目及び8日目は1日1回)、点耳後10分間耳浴したとき、投与8日目に1.5%投与群の1例で血漿中にレボフロキサシンが検出され、耳浴終了60分後に最高血漿中濃度(0.229ng/mL)に達した。他の15例は定量下限(0.1ng/mL)未満であった3)

16.3 分布

雄Hartleyモルモットに1.5% 14C-レボフロキサシン水和物溶液100μLを中耳腔内に単回投与、又は1日1回、7日間反復投与し、30分、2時間、8時間後の組織分布を検討した。
単回投与及び7日間反復投与とも投与30分後では下垂体に最も高濃度の放射能が分布し、投与2時間後には、単回投与で腎臓、脾臓、心臓、反復投与で小腸、下垂体、脾臓の順に高濃度であったが、投与8時間後にはいずれの臓器とも定量下限未満であった。大脳及び小脳ではいずれの観察時点でも放射能レボフロキサシン水和物は定量下限未満であった4)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験

  1. 17.1.1 国内第Ⅲ相試験

    持続する膿性耳漏を有する中耳炎患者201例(FAS)(本剤投与群99例、プラセボ群102例)を対象とした二重盲検比較試験において、本剤を1回6~10滴、1日2回、10日間点耳投与した。
    治験薬投与終了時又は中止時の中耳炎に対する臨床効果[膿性耳漏、充血(発赤)及び肉芽のすべての症状が消退した被験者の割合]は表1のとおりであり、プラセボに対する本剤の優越性が検証された。また、菌種別の菌消失率は表2のとおりであった2)

    表1 中耳炎に対する臨床効果(FAS)

    疾患名

    有効率(%)
    [有効症例/総症例]

    群間差a)
    [95% 信頼区間]b)
    p値c)

    本剤投与群

    プラセボ群

    中耳炎

    46.5[46/99]

    23.5[24/102]

    22.9[9.8, 35.1]
    p=0.001

    急性
    中耳炎

    62.5[5/8]

    28.6[2/7]

    33.9[-13.8, 65.3]

    穿孔型慢性
    中耳炎

    45.1[41/91]

    23.2[22/95]

    21.9[8.3, 34.5]

    a)本剤投与群-プラセボ群
    b)Newcombeスコア
    c)罹患耳を層別因子にしたCochran-Mantel-Haenszel検定

    表2 菌種別の菌消失率

    菌名(株数)

    菌消失率(%)a)

    Coagulase(-)Staphylococci(3株)

    100.0

    MRSA(Staphylococcus aureus)(6株)

    83.3

    MSSA(Staphylococcus aureus)(40株)

    100.0

    Staphylococcus auricularis(1株)

    100.0

    Staphylococcus capitis(7株)

    100.0

    Staphylococcus caprae(4株)

    100.0

    Staphylococcus epidermidis(5株)

    100.0

    Staphylococcus lugdunensis(1株)

    100.0

    Streptococcus dysgalactiae(1株)

    100.0

    Klebsiella pneumoniae(1株)

    100.0

    Enterobacter aerogenes(1株)

    100.0

    Enterobacter cloacae(5株)

    100.0

    Serratia marcescens(3株)

    100.0

    Pseudomonas aeruginosa(9株)

    88.9

    Pseudomonas stutzeri(1株)

    100.0

    Acinetobacter baumannii(1株)

    100.0

    a)菌消失率(%)=(「菌消失」と判定された菌数÷「菌消失」又は「菌消失せず」と判定された菌数)×100

    なお、FASのうち、画像判定委員会により外耳道に腫脹又はびらん・発赤のいずれかの所見があると判定された症例161例(本剤投与群82例、プラセボ群79例)を対象に外耳炎に対する有効性が事後解析された。
    治験薬投与終了時又は中止時の外耳炎に対する臨床効果[膿性耳漏、外耳道の炎症所見(腫脹、びらん又は発赤)のすべての症状が消退した被験者の割合]は、本剤投与群で47.6%(39/82例)、プラセボ群で20.3%(16/79例)であった2)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序

作用機序はDNAジャイレース及びトポイソメラーゼⅣの阻害による細菌のDNA合成阻害である。DNAジャイレースとトポイソメラーゼⅣのどちらを強く阻害するかは細菌によって異なる5),6),7),8),9),10)

18.2 抗菌作用

レボフロキサシン水和物は、グラム陽性菌群及びグラム陰性菌群に対し広範囲な抗菌スペクトラムを有し、ブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、肺炎桿菌、エンテロバクター属、セラチア属、インフルエンザ菌、緑膿菌、アシネトバクター属に対し、抗菌活性を示す11),12),13)。レボフロキサシン水和物はラセミ体であるオフロキサシンの一方の光学活性体(左旋体)であり、オフロキサシンの約2倍の抗菌活性を有する(in vitro)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般的名称

レボフロキサシン水和物(Levofloxacin Hydrate)(JAN)

化学名

(3S)-9-Fluoro-3-methyl-10-(4-methylpiperazin-1-yl)-7-oxo-2,3-dihydro-7H-pyrido[1,2,3-de][1,4]benzoxazine-6-carboxylic acid hemihydrate

分子式

C18H20FN3O4・1/2H2O

分子量

370.38

性状

本品は淡黄白色~黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。本品は酢酸(100)に溶けやすく、水又はメタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくい。本品は0.1mol/L塩酸試液に溶ける。本品は光によって徐々に暗淡黄白色になる。

化学構造式

融点

約226℃(分解)

略名

LVFX

20. 取扱い上の注意

外箱開封後は、遮光して保存すること。

21. 承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

22. 包装

1.5%:5mL×5[プラスチック瓶]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

セオリアファーマ株式会社 メディカルインフォメーション室

〒103-0022 東京都中央区日本橋室町三丁目3番1号

TEL 0120-72-1136
FAX 03-3243-1137

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元

セオリアファーマ株式会社

東京都中央区日本橋室町三丁目3番1号

26.2 販売元

武田薬品工業株式会社

大阪市中央区道修町四丁目1番1号

〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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