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生物由来製品
劇薬
処方箋医薬品注)
本剤投与により、敗血症、肺炎等の重篤な感染症があらわれ、致命的な経過をたどることがある。本剤はIL-6の作用を抑制し治療効果を得る薬剤である。IL-6は急性期反応(発熱、CRP増加等)を誘引するサイトカインであり、本剤投与によりこれらの反応は抑制されるため、感染症に伴う症状が抑制される。そのため感染症の発見が遅れ、重篤化することがあるので、本剤投与中は患者の状態を十分に観察し問診を行うこと。症状が軽微であり急性期反応が認められないときでも、白血球数、好中球数の変動に注意し、感染症が疑われる場合には、胸部X線、CT等の検査を実施し、適切な処置を行うこと。,,,,
関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎、全身型若年性特発性関節炎
通常、トシリズマブ(遺伝子組換え)[トシリズマブ後続1]として1回8mg/kgを4週間隔で点滴静注する。
通常、トシリズマブ(遺伝子組換え)[トシリズマブ後続1]として1回8mg/kgを2週間隔で点滴静注する。なお、症状により1週間まで投与間隔を短縮できる。
通常、トシリズマブ(遺伝子組換え)[トシリズマブ後続1]として体重30kg以上は1回8mg/kg、体重30kg未満は1回12mg/kgを点滴静注する。
感染症を合併している場合は感染症の治療を優先すること。感染症が悪化するおそれがある。,,,,
治療上の有益性と危険性を考慮し、治療方針を十分に検討すること。
最新のB型肝炎治療ガイドラインを参考に肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。抗リウマチ生物製剤を投与されたB型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者において、B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。
投与を避けることが望ましい。なお、リンパ球数減少が遷延化した場合(目安として500/μL)は、投与を開始しないこと。日和見感染を含む感染症を誘発するおそれがある。
定期的に問診を行うなど、注意すること。間質性肺炎が増悪又は再発することがある。
白血球減少、好中球減少、血小板減少が更に悪化するおそれがある。
定期的に心電図検査を行いその変化に注意すること。臨床試験において心障害が認められている。,
トランスアミナーゼ値上昇に注意するなど観察を十分に行うこと。,,
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。カニクイザルにおいて本薬は胎盤関門を通過することが報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本薬のヒト乳汁への移行は不明である。
低出生体重児、新生児又は乳児を対象とした臨床試験は実施していない。
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
肝機能障害を起こす可能性のある薬剤
,,
肝機能障害があらわれることがある。
機序不明
血圧低下、呼吸困難、意識消失、めまい、嘔気、嘔吐、瘙痒感、潮紅等があらわれることがあるので、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、アドレナリン、副腎皮質ステロイド薬、抗ヒスタミン薬を投与するなど適切な処置を行うとともに症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。
肺炎(3.3%)、帯状疱疹(2.0%)、感染性胃腸炎(0.7%)、蜂巣炎(1.4%)、感染性関節炎(0.5%)、敗血症(0.6%)、非結核性抗酸菌症(0.4%)、結核(0.1%)、ニューモシスチス肺炎(0.3%)等の日和見感染を含む重篤な感染症があらわれ、致命的な経過をたどることがある。,,,,,,,
関節リウマチ患者では、発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分に注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部X線、CT及び血液ガス検査等を実施し、本剤の投与を中止するとともにニューモシスチス肺炎との鑑別診断(β-D-グルカンの測定等)を考慮に入れ適切な処置を行うこと。
本剤投与により、憩室炎等の急性腹症の症状(腹痛、発熱等)が抑制され、発見が遅れて穿孔に至る可能性があるため、異常が認められた場合には、腹部X線、CT等の検査を実施するなど十分に観察し、適切な処置を行うこと。
,
AST、ALT、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。,,
1%以上
0.1~1%未満
0.1%未満
抵抗機構
ヘルペスウイルス感染
インフルエンザ、口腔カンジダ症、耳下腺炎、創傷感染
呼吸器
上気道感染〔鼻咽頭炎、上気道炎等〕(10.7%)、気管支炎、咽喉頭疼痛
咳嗽、副鼻腔炎、鼻炎、鼻漏、胸膜炎、喀血、喘息、咽頭不快感、咽頭紅斑、鼻閉、鼻出血
気管支拡張症
代謝
コレステロール増加(4.9%)、トリグリセリド増加、高脂血症、高コレステロール血症、LDL増加
LDH上昇、HDL増加、高トリグリセリド血症、血中尿酸増加、CK上昇、総蛋白減少、糖尿病増悪、血中カリウム減少、血糖増加、血中リン増加、血清フェリチン減少
血中リン減少、血中カルシウム減少
肝臓
肝機能異常、ALT上昇、AST上昇
γ-GTP上昇、ビリルビン増加、Al-P上昇、脂肪肝、胆石症
循環器
高血圧
血圧上昇、血圧低下、動悸、T波逆転、T波振幅減少、上室性期外収縮、心室性期外収縮
ST部分上昇、ST部分下降、T波振幅増加
血液・凝固
リンパ球数減少、貧血、白血球数増加、フィブリノゲン減少、好酸球数増加、フィブリン分解産物〔FDP、Dダイマー〕増加、ヘマトクリット減少、ヘモグロビン減少、リンパ節炎、リンパ節腫脹、好中球数増加、赤血球数減少
TAT増加
消化器
口内炎、下痢、胃腸炎、腹痛
悪心、便秘、嘔吐、腹部不快感、口唇炎、腹部膨満、食欲不振、胃・腸ポリープ、逆流性食道炎、痔核、消化不良、舌炎、胃潰瘍、急性膵炎
口渇
歯周病、齲歯、歯痛
精神神経
頭痛
浮動性めまい、感覚減退、不眠症、末梢性ニューロパシー
耳
中耳炎、眩暈、突発難聴、外耳炎、耳鳴
耳不快感
眼
結膜炎、麦粒腫、眼乾燥、結膜出血、霰粒腫、白内障、眼瞼炎
硝子体浮遊物、網膜出血
皮膚
発疹〔湿疹、痒疹、丘疹等〕、瘙痒症、白癬、皮膚感染
爪感染、蕁麻疹、紅斑、皮膚潰瘍、皮下出血、嵌入爪、ざ瘡、皮膚乾燥、水疱、角化症、脱毛症、皮膚嚢腫
筋・骨格
関節痛、背部痛、筋痛〔筋痛、肩こり〕、四肢痛、骨粗鬆症、骨密度減少、頚部痛、若年性関節炎増悪
泌尿器
膀胱炎、尿路感染、BUN増加、尿中赤血球陽性、腎盂腎炎、尿糖、尿蛋白、腎結石、NAG増加、頻尿
尿中白血球陽性
生殖器
腟感染、性器出血
子宮頚管ポリープ
その他
膿瘍、発熱
浮腫、倦怠感、免疫グロブリンG減少、胸痛、胸部不快感、季節性アレルギー、CRP増加、悪寒、潮紅、アレルギー性鼻炎、気分不良、ほてり、注射部位反応〔紅斑、腫脹、血腫、疼痛、静脈炎、発疹等〕、血栓性静脈炎、DNA抗体陽性注1)、体重増加、抗核抗体陽性注1)
リウマチ因子陽性、発汗障害
本剤の各バイアル中のトシリズマブ濃度は20mg/mLである。患者の体重から換算した必要量を体重25kg以下の場合は50mL、25kgを超える場合は100~250mLの日局生理食塩液に加え、希釈する。
注)悪性腫瘍治療に伴うサイトカイン放出症候群患者で体重30kg未満の場合は12mg/kgとする。
日本人健康成人を対象に本剤及び先行バイオ医薬品注)をトシリズマブとして8mg/kgを1時間かけて点滴静注で単回投与し、薬物動態(PK)を検討した。PK解析対象(本剤:45例、先行バイオ医薬品:43例)におけるPKパラメータ(AUC0-inf、AUC0-last、Cmax、Tmax、t1/2)を表1に示す。AUC0-inf、AUC0-last及びCmaxの幾何最小二乗(LS)平均値比の90%信頼区間はいずれも生物学的同等性許容域(80~125%)の基準範囲内であった10)。
AUC0-inf(h・μg/mL)
AUC0-last(h・μg/mL)
Cmax(μg/mL)
Tmax(h)
t1/2(h)
N
本剤
45
27151.6(3786.3)
27054.1(3825.6)
156.3(19.4)
2.0(1.0~6.0)
116.8(31.9)
先行バイオ医薬品
42
27760.8(3764.3)
43
27750.0(3750.5)
158.7(20.6)
1.1(1.0~6.0)
121.4(34.3)
N:被験者数、平均値、Tmaxは中央値(Tmaxは最小値~最大値、その他は標準偏差)
注)先行バイオ医薬品:欧州で承認されたトシリズマブ製剤
健康成人男性5例を対象に、0.15、0.50、1.0、2.0mg/kg注1)を単回投与した(1時間点滴静注)。Cmaxは投与量に比例して上昇したものの、投与量の増加に伴ってCLtotalは減少し、t1/2及びMRTが延長したことから、トシリズマブの体内動態に非線形性が認められた11)。
投与量(mg/kg)
AUClast(μg・hr/mL)
t1/2(hr)
CLtotal(mL/hr/kg)
MRT(hr)
Vd,ss(mL/kg)
0.15
2.4±0.6
11±6
17±16
3.8±2.3
25±22
63.4±16.6
0.50
8.5±1.2
285±73
33±4
1.3±0.2
47±5
58.4±7.1
1.0
19.5±2.7
1009±222
49±5
0.8±0.1
69±8
57.3±10.9
2.0
37.6±8.8
2532±569
74±9
0.6±0.2
107±16
65.9±8.3
(例数:5、平均値±SD)
注1)本剤の承認用量は、1回8mg/kg(ただし、体重30kg未満の悪性腫瘍治療に伴うサイトカイン放出症候群は1回12mg/kg)である。
関節リウマチ患者31例を対象に、8mg/kgを単回投与した(1時間点滴静注)。血清中トシリズマブ濃度を図2に示した。このときの薬物動態パラメータはAUClast=19852±5749μg・hr/mL(平均値±SD、以下同様)、t1/2=133±25.7hr、CLtotal=0.4±0.1mL/hr/kg及びVd,ss=78.5±16.8mL/kgであった12)。
関節リウマチ患者15例(1群5例)を対象に、2、4あるいは8mg/kg注1)を2週間隔にて投与した(2時間点滴静注)。CLtotalは投与量の増加にともなって減少し、t1/2は延長したことから非線形性の体内動態が認められた13)。
投与回数
C1hr(μg/mL)
CLtotal(mL/hr)
Vd,ss(mL)
1
2
43.6±10.1
3440±823
74±18
28.8±10.9
107±25
2920.7±575.6
4
49.0±12.6
4663±2185
97±50
50.6±33.2
138±68
5585.1±1440.6
8
82.5±32.4
10661±4070
160±34
30.5±11.9
227±46
6546.0±1852.3
3
27.9±12.3
3014±1070
87±18
28.2±11.1
140±26
3839.1±1289.6
49.5±10.1
6035±3200
140±71
40.7±34.7
204±105
5421.0±1384.9
129.9±48.1
19939±8900
242±71
13.5±5.3
343±105
4355.1±1605.0
(例数:4-5、平均値±SD)
関節リウマチ患者157例を対象に、8mg/kgを4週間隔で13回投与した。血清中トシリズマブ濃度は初回投与以降上昇し、血清中トシリズマブ投与直前値は3回目投与4週間後(初回投与12週後、平均値±SD以下同様)で9.8±7.5μg/mL、6回目投与4週間後(初回投与24週間後)で12.3±8.6μg/mLであり、初回投与20週後以降ほぼ一定の値で推移した14)。
多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎患者19例(3-19歳、中央値12歳)を対象に、8mg/kgを4週間隔で3回投与した(1時間点滴静注)。初回投与後の血清中トシリズマブ薬物動態パラメータの比較を表4に示した15)。
年齢
全例
145.0±37.5
25275±6722
123±41
0.3±0.1
178±46
58.3±13.9
(平均値±SD)
全身型若年性特発性関節炎患者を対象に、8mg/kgを2週間隔で3回反復投与し、その後有効性の認められた被験者を対象に6回(合計9回、初回投与後18週間)投与を行った。低体重、低身長及び低年齢のいずれかの因子を有する患者において、血清中トシリズマブ濃度の消失速度が大きくなることがあった16)。
キャッスルマン病患者28例を対象に、8mg/kgを2週間隔で8回反復投与した(1時間点滴静注)。血清中トシリズマブ濃度は8回目投与直前値で36.6±17.5μg/mLであり、初回投与以降上昇していた。初回投与後6回目投与までt1/2及びMRTは延長したが、投与6回目以降はほぼ一定の値を示した17)。
112.9±24.7
13092±3254
99.7±17.1
145±26.8
80.1±15.0
192.3±38.7
28423±7410
139±37.4
0.2±0.1
205±54.2
46.8±8.8
(例数:26-28、平均値±SD)
キメラ抗原受容体遺伝子導入T細胞輸注療法に伴うサイトカイン放出症候群28例(日本人1例)を対象に、体重30kg以上の場合は8mg/kg、30kg未満の場合は12mg/kgを投与した(1時間点滴静注)。初回投与時の血清中トシリズマブ濃度のCmaxは43.2~210μg/mL(日本人:122μg/mL)であった18)。
健康成人男性5例を対象に、0.15、0.50、1.0、2.0mg/kg注1)を1時間点滴静注したとき、いずれの投与量においてもトシリズマブは尿中に排泄されず、トシリズマブの主消失クリアランスは腎外クリアランスであることが示された11)。
中等度から重度の関節リウマチ患者を対象として二重盲検、実薬対照並行群間比較試験を実施した。メトトレキサート注1)及び葉酸注2)を併用し、本剤又は先行バイオ医薬品注3)8mg/kg(800mg/doseを超えない)をトシリズマブとして4週間隔で48週まで投与した。24週以降は、先行バイオ医薬品群を先行バイオ医薬品の継続投与群又は本剤への切り替え群に割付けた。主要評価項目に設定されたベースラインから12週時のDAS28(ESR)注4)の平均変化量の群間差及びその95%信頼区間を下表に示す。95%信頼区間は事前に規定した同等性許容域の範囲(-0.6~0.6)内であり、臨床的同等性が確認されたと判断した19)。
全ての患者
患者数
221
225
LS平均値(SE)
-3.01(0.121)
-3.00(0.120)
LS平均差
-0.01
95%信頼区間
-0.26, 0.24
投与開始から試験終了まで本剤を継続投与した群の副作用発現頻度は234例中141例(60.3%)であった。主な副作用は、ALT増加39例(16.7%)、好中球減少症25例(10.7%)、白血球減少症23例(9.8%)、上気道感染22例(9.4%)潜伏結核16例(6.8%)、AST増加16例(6.8%)であった。
注1)メトトレキサート(10~25mg/週、経口又は非経口)
注2)葉酸(≧5mg/週、経口)
注3)先行バイオ医薬品:欧州で承認されたトシリズマブ製剤
注4)赤血球沈降速度に基づく28関節疾患活動性スコア
メトトレキサートに効果不十分な関節リウマチ患者を対象とし、メトトレキサート8mg/週+トシリズマブプラセボ(プラセボ群)及びメトトレキサートプラセボ+トシリズマブ8mg/kg/4週(本剤投与群)を24週間投与した二重盲検比較試験を実施した。成績は以下のとおりであった20)。
最終観察時のACR基準#120%改善頻度は、プラセボ群25.0%に対し、本剤投与群で80.3%と有意に高かった(P<0001)。
#1:アメリカリウマチ学会(ACR)の臨床的改善の評価基準
プラセボ注1)
トシリズマブ
P値
例数
64
61
ACR20
25.0%
80.3%
<0.001
注1)メトトレキサート8mg/週投与
投与前から最終観察時までの日常生活動作(ADL)の改善をMHAQスコア(活動制限と介護の必要性等を評価する指標)で評価した結果、プラセボ群に対し、本剤投与群で有意に改善した(P<0.001)。なお、MCID(minimum clinically important differences)として定義される0.22を超えて改善を示した症例は、プラセボ群34.4%に対し、本剤投与群で67.2%であり、本剤投与群で有意に多かった(P<0.001)。副作用発現頻度は、61例中50例(82.0%)であった。主な副作用は、血中コレステロール増加22例(36.1%)、LDL増加17例(27.9%)、血中トリグリセリド増加10例(16.4%)、鼻咽頭炎7例(11.5%)、口内炎5例(8.2%)、LDH増加4例(6.6%)、HDL増加4例(6.6%)、高脂血症4例(6.6%)であった21)。
DMARDあるいは免疫抑制剤に効果不十分な関節リウマチ患者を対象とし、トシリズマブ8mg/kg/4週投与又は既存治療(DMARDあるいは免疫抑制剤の治療)を52週間継続する無作為割付群間比較試験を実施した。成績は以下のとおりであった22)。
投与前から52週までの関節破壊進展を手及び足のX線スコア(Modified Sharp Score)で評価した結果を下表に示す。Totalスコアにおいて、既存治療で6.12悪化したのに対して、本剤投与群は2.34であり、有意に関節破壊の進行が抑制された(P=0.001)。
既存治療
143
157
骨びらん
3.21(1.0)
0.85(0.0)
関節裂隙狭小化
2.91(1.0)
1.49(0.0)
0.024
Total
6.12(2.5)
2.34(0.5)
0.001
( )内は中央値
副作用発現頻度は、157例中139例(88.5%)であった。主な副作用は、血中コレステロール増加60例(38.2%)、鼻咽頭炎47例(29.9%)、LDL増加41例(26.1%)、血中トリグリセリド増加20例(12.7%)、ALT増加17例(10.8%)、AST増加14例(8.9%)、下痢11例(7.0%)、γ-GTP増加11例(7.0%)、好中球数減少10例(6.4%)、白血球数減少10例(6.4%)、発疹9例(5.7%)、爪囲炎9例(5.7%)であった23)。
多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎患者19例を対象に、トシリズマブ8mg/kgを4週間隔で3回投与した。最終観察時のJIA基準#230%、50%、70%改善頻度はそれぞれ、94.7%、94.7%、57.9%であり、原疾患の著明な改善が認められた24)。
#2:Giannini等25)により提唱された若年性特発性関節炎(JIA)に対する薬効評価であり標準的な評価基準
副作用発現頻度は、19例中13例(68.4%)であった。副作用は、上気道感染5例(26.3%)、鼻咽頭炎4例(21.1%)、下痢2例(10.5%)、扁桃炎、上気道の炎症、口唇炎、悪心、口内炎、湿疹、発疹、蕁麻疹、尿中血陽性、リンパ球数減少がそれぞれ1例(5.3%)であった。
全身型若年性特発性関節炎患者56例を対象としてトシリズマブ8mg/kgを2週間隔で3回反復投与するオープン期間にて、JIA基準#230%以上の改善を示し、かつCRPが0.5mg/dL未満に改善した解析対象患者43例を対象に、二重盲検比較試験にてトシリズマブ群20例あるいはプラセボ群23例として2週間隔で6回投与し、JIA基準30%以上の改善、かつCRPが1.5mg/dL未満の改善の維持率及び維持期間を比較した。その結果、トシリズマブ群の効果維持率は80.0%であり、プラセボ群(17.4%)に比べて有意に高かった(P<0.001)。また、効果維持期間もトシリズマブ群の方がプラセボ群に比べて有意に長かった(P<0.001)26)。副作用発現頻度は、56例中53例(94.6%)であった。主な副作用は、鼻咽頭炎15例(26.8%)、ALT増加13例(23.2%)、上気道感染が11例(19.6%)、AST増加8例(14.3%)、血中コレステロール増加8例(14.3%)、咽頭炎7例(12.5%)、胃腸炎6例(10.7%)、嘔吐6例(10.7%)、リンパ球数減少6例(10.7%)であった27)。
キャッスルマン病患者7例を対象として同一患者内での漸増法にて2、4、8mg/kg注2)と増量し(各用量ともに2週間隔にて3回反復投与)、各用量での有効性を検討した。その結果、CRP等の炎症マーカーは、2、4mg/kgでは各投与1週後で低下したものの2週後には再び上昇した症例もみられた。8mg/kgではほとんどの症例は投与期間を通じて低下傾向が持続した28)。
注2)キャッスルマン病の承認用量は、1回8mg/kgである。
キャッスルマン病患者28例を対象として8mg/kgを2週間隔で8回反復投与した。その結果、炎症マーカー(CRP、フィブリノゲン、ESR)、全身倦怠感(Visual Analog Scaleによる評価)、貧血状態(Hb)、低アルブミン血症等が、初回投与後より投与期間を通じて有意に改善した28)。
項目
投与前
投与6週後
投与16週後
CRP(mg/dL)
8.7±5.0
1.2±1.7**
0.9±2.0**
フィブリノゲン(mg/dL)
639±188
356±149**
317±138**
ESR(mm/hr)
114±34
63±36**
48±40**
全身倦怠感(0-100mm)
29.9±22.8
17.4±17.2*
17.7±16.5**
Hb(g/dL)
9.2±2.3
11.6±1.9**
12.0±2.1**
アルブミン(g/dL)
2.7±0.5
3.6±0.5**
3.7±0.5**
*:p<0.05、**:p<0.01、対応のあるt検定(例数:24-28、平均値±SD)
第一段階、第二段階において検討されたキャッスルマン病患者のうち35例を対象として、原則8mg/kgを2週間隔で長期継続投与した結果、炎症マーカーをはじめとして治療効果が維持された29)。副作用発現頻度は、35例中33例(94.3%)であった。主な副作用は、鼻咽頭炎27例(77.1%)、瘙痒症10例(28.6%)、好中球数減少9例(25.7%)、倦怠感8例(22.9%)、咽喉頭疼痛7例(20.0%)、下痢7例(20.0%)、血中トロンビン異常7例(20.0%)、血中トリグリセリド増加7例(20.0%)であった。
3歳(スクリーニング時)~21歳(初診時)の再発又は難治性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病患者に対して、チサゲンレクルユーセルを投与する非盲検非対照試験を実施した。チサゲンレクルユーセルの輸注を受けた75例のうち、重症度が高いサイトカイン放出症候群(CRS)を発症した28例(日本人1例)に、体重30kg未満の患者にはトシリズマブ12mg/kg、体重30kg以上の患者にはトシリズマブ8mg/kg(最大800mgまで)を単剤又は副腎皮質ステロイド等との併用で投与し、症状の改善が認められない場合は、最大3回まで反復投与した。その結果、トシリズマブが投与された28例全例(100.0%)が回復した。トシリズマブ投与からCRS回復判断時点までの期間の中央値[95%信頼区間(CI)]は、5.0(4.0、7.0)日(最小値~最大値:2~29日)であった。CRSの回復は、24時間以上平熱が持続し、昇圧薬服用の必要がないと判断した期間が24時間以上持続した時点と定義した。28例におけるトシリズマブ投与日以降に認められた主な有害事象は、CRS#322例(78.6%)、発熱、AST増加、好中球数減少、低カリウム血症各8例(28.6%)、ALT増加、急性腎障害、低酸素症、高血圧各7例(25.0%)、貧血、腹痛、嘔吐、血中ビリルビン増加、白血球数減少、高血糖、低カルシウム血症、頭痛、低血圧各6例(21.4%)等であった30)。
18歳以上の再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫成人患者に対して、チサゲンレクルユーセルを投与する非盲検非対照試験を実施した。チサゲンレクルユーセルの輸注を受けた99例のうち、重症度が高いCRSを発症した15例にトシリズマブ8mg/kg(最大800mgまで)を単剤又は副腎皮質ステロイド等との併用で投与し、症状の改善が認められない場合は、最大2回まで反復投与した。その結果、トシリズマブが投与された15例のうち、14例(93.3%)が回復、1例が疾患進行による死亡のための評価打ち切りであった。トシリズマブ投与からCRS回復判断時点までの期間の中央値(95%CI)は、6.0(3.0、7.0)日(最小値~最大値:2~14日)であった。15例におけるトシリズマブ投与日以降に認められた主な有害事象は、CRS#38例(53.3%)、血小板数減少7例(46.7%)、低血圧7例(46.7%)、急性腎障害6例(40.0%)、貧血5例(33.3%)、下痢5例(33.3%)、血中クレアチニン増加4例(26.7%)、白血球数減少4例(26.7%)、高血糖4例(26.7%)、低リン酸血症4例(26.7%)等であった31)。
#3:有害事象のCRSは、再発又は難治性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病の国際共同第Ⅱ相試験の1例を除き、トシリズマブ初回投与日前に発現したCRSが継続している中で重症度の変化により有害事象として報告された事象及びトシリズマブ初回投与日のトシリズマブ投与前に発現した事象であった。
再発又は難治性のB細胞性非ホジキンリンパ腫患者に対して、エプコリタマブ(遺伝子組換え)を投与する非盲検非対照試験を実施した。用量漸増パート又は用量拡大パートにおいてエプコリタマブの投与を受けた66例中、CRSは57例に発現し、うち18例にトシリズマブ#4を投与した。その結果、トシリズマブが投与された有効性解析対象の15例全例(100.0%)が回復した。トシリズマブ投与からCRS#5回復判断時点までの期間の中央値(95%CI)は、2.0(2.0、3.0)日(最小値~最大値:1.0~7.0日)であった。安全性解析対象症例15例におけるトシリズマブ投与日以降に認められた主な有害事象は、CRS12例(80.0%)、好中球数減少6例(40.0%)、AST増加4例(26.7%)、リンパ球数減少4例(26.7%)、低カリウム血症4例(26.7%)、注射部位紅斑3例(20.0%)、ALT増加3例(20.0%)、血小板数減少3例(20.0%)、白血球数減少3例(20.0%)等であった32)。
#4:トシリズマブの用法・用量について、①CRS管理ガイダンス(Biol Blood Marrow Transplant 2019;25:625-38)(1回8mg/kg(最大800mg)、8時間以上経過後にトシリズマブを適宜再投与する(24時間で最大2回まで))及び②腫瘍特異的T細胞輸注療法に伴うCRSに係る承認された用法・用量(体重30kg未満の患者には1回12mg/kg、体重30kg以上の患者には1回8mg/kgを投与)を参考に決定され、実際の投与量は7.3~8.5mg/kgであった。
#5:トシリズマブ投与に至った初回のCRS
本薬はin vitroにおいて、可溶性及び膜結合性IL-6レセプターに結合してそれらを介したIL-6の生物活性の発現を抑制した33)。また、本薬は、カニクイザルに投与されたヒトIL-6の活性発現を抑制した34)。
本薬は、カニクイザルコラーゲン誘発関節炎において、関節炎発症前からの投与により関節腫脹の発現を抑制するとともに、関節炎発症後の投与により関節の腫脹を改善した35),36)。
抗マウスIL-6レセプター抗体は、IL-6トランスジェニックマウスでの貧血状態、蛋白尿、高γグロブリン血症等の所見の発現を抑制し、生存日数を延長させた37)。
トシリズマブ(遺伝子組換え)[トシリズマブ後続1]Tocilizumab(Genetical Recombination)[Tocilizumab Biosimilar 1]
H鎖 C2187 H3405 N585 O673 S15L鎖 C1033 H1602 N278 O337 S6
約148,000
449個のアミノ酸残基からなるH鎖(ɤ1鎖)2本及び214個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質
外箱開封後は遮光して保存すること。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
4mL×1バイアル
10mL×1バイアル
20mL×1バイアル
1) Rubbert-Roth A, et al. RMD Open 2016;2(1)e000213.
2) Hirota H, et al. Cell. 1999;97:189-98.
3) Abdel-Razzak Z, et al. Mol Pharmacol. 1993;44:707-15.
4) Muntané-Relat J, et al. Hepatology. 1995;22:1143-53.
5) Pascussi JM, et al. Biochem Biophys Res Commun. 2000;274:707-13.
6) 肝組織を用いた代謝薬物相互作用試験(アクテムラ点滴静注用:2008年04月16日承認、申請資料概要2.7.2.2.1.1)
7) Rivory LP, et al. Br J Cancer. 2002;87:277-80.
8) Warren GW, et al. J Interferon Cytokine Res. 2001;21:821-6.
9) 寺尾公男, 他. 臨床薬理. 2007;38(Suppl):S236.
10) 社内資料:国内第Ⅰ相臨床試験(CT-P47 1.2試験)
11) 健康成人を対象とした単回投与試験(MRA001JP)における薬物動態(アクテムラ点滴静注用:2008年04月16日承認、申請資料概要2.7.2.2.3)
12) 関節リウマチ患者を対象とした薬物相互作用試験(MRA220JP)における薬物動態(アクテムラ点滴静注用:2008年04月16日承認、申請資料概要2.7.2.2.4.5)
13) 関節リウマチ患者を対象とした第Ⅰ/Ⅱ相試験(MRA002JP)における薬物動態の非線形性に関する考察(アクテムラ点滴静注用:2008年04月16日承認、申請資料概要2.7.2.2.4.1)
14) 関節リウマチ患者を対象とした第Ⅲ相無作為割付比較試験(MRA012JP)における薬物動態(アクテムラ点滴静注用:2008年04月16日承認、申請資料概要2.7.2.2.4.4)
15) 多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎患者に対する臨床薬理(アクテムラ点滴静注用:2008年4月16日承認、申請資料概要2.7.2.2.5、2.7.6.2.11)
16) 全身型若年性特発性関節炎患者に対する臨床薬理(アクテムラ点滴静注用:2008年4月16日承認、申請資料概要2.7.2.2.6)
17) キャッスルマン病患者を対象とした第Ⅱ相試験での薬物動態(アクテムラ点滴静注用:2005年4月11日承認、申請資料概要ヘ.吸収、分布、代謝、排泄)
18) サイトカイン放出症候群患者における薬物動態(チサゲンレクルユーセル)(アクテムラ点滴静注用:2019年3月26日承認、申請資料概要2.7.2.2.1、2.7.2.3.3)
19) 社内資料:海外第Ⅲ相臨床試験(CT-P47 3.1試験)
20) Nishimoto N, et al. Mod Rheumatol. 2009;19:12-9.
21) 関節リウマチ患者に対するメトトレキサートを対照とした第Ⅲ相二重盲検比較試験(MRA213JP)(アクテムラ点滴静注用:2008年04月16日承認、申請資料概要2.7.6.2.8)
22) Nishimoto N, et al. Ann Rheum Dis. 2007;66:1162-7.
23) 関節リウマチ患者を対象とした第Ⅲ相無作為割付比較試験(MRA012JP)(アクテムラ点滴静注用:2008年04月16日承認、申請資料概要2.7.6.1.9)
24) 多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎患者に対する第Ⅲ相試験(MRA318JP試験)(アクテムラ点滴静注用:2008年4月16日承認、申請資料概要2.5.4.2.4、2.5.4.2.5、2.7.6.2.11)
25) Giannini EH, et al. Arthritis Rheum. 1997;40:1202-9.
26) Yokota S, et al. Lancet. 2008;371:998-1006.
27) 全身型若年性特発性関節炎患者に対する第Ⅲ相試験(MRA316JP試験)(アクテムラ点滴静注用:2008年4月16日承認、申請資料概要2.7.6.1.15)
28) キャッスルマン病患者に対する第Ⅱ相試験(MRA005JP)(アクテムラ点滴静注用:2005年4月11日承認、申請資料概要:添付資料ト-3)
29) キャッスルマン病患者に対する第Ⅱ相継続投与試験(MRA006JP)(アクテムラ点滴静注用:2005年4月11日承認、申請資料概要:添付資料ト-3)
30) サイトカイン放出症候群患者に対する国際共同第Ⅲ相試験(アクテムラ点滴静注用:2019年3月26日承認、申請資料概要2.5.4.2.1、2.5.5.2.1)
31) サイトカイン放出症候群患者に対する国際共同第Ⅲ相試験(アクテムラ点滴静注用:2019年3月26日承認、申請資料概要2.5.4.2.1、2.5.5.2.2)
32) B細胞性非ホジキンリンパ腫に対する国内第Ⅰ/Ⅱ相試験(エプコリタマブ)(アクテムラ点滴静注用:2023年8月7日承認、審査報告書)
33) Mihara M, et al. Int Immunopharmacol. 2005;5:1731-40.
34) Shinkura H, et al. Anticancer Res. 1998;18:1217-21.
35) Mihara M, et al. Clin Immunol. 2001;98:319-26.
36) Uchiyama Y, et al. Biol Pharm Bull. 2008;31:1159-63.
37) Katsume A, et al. Cytokine. 2002;20:304-11.
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