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嗅覚感度の判定に用いる。
上記の検査によって、被検者の検知域値及び認知域値が記入されたオルファクトグラムから検知域値及び認知域値の平均値を求め、下記の基準により嗅覚の正常又は減退の程度を判定する。この場合、検知域値の平均値より認知域値の平均値の方が実際の生活の状況をよりよく表すので、判定には認知域値の平均値を採用する。4)なお、最高濃度において検知または認知不能の場合は、それぞれ最高濃度に1を加えたものを域値として計算する。
(a,b,c,d,eは嗅覚測定用基準臭A,B,C,D,Eの検知または認知域値の濃度を表す)
検査は、必ずどの基準臭も最低濃度-2から始め、1段階ずつ濃度を上げて行うこと(上昇法)。逆に最高濃度5より検査を行うと(下降法)嗅覚が早く減退し、あとの検査に大きな影響を残すので、特に注意のこと。4)
基準臭に浸した1本のにおい紙は、必ず1人の被検者のみに嗅がせ、同時に2人以上の被検者には嗅がせないこと。また基準臭に浸したにおい紙は、必ずびんの口(内側)でぬぐってから手渡すこと。4)
こぼれた箇所を先ず脱脂綿か濾紙で、出来るだけ広げないように吸いとってから、エタノールを少し浸したティシュペーパーかガーゼで2、3回拭きとること。
嗅覚検査に当たっては、検査前に検者、被検者共に無臭石鹸で手を洗っておくのが望ましい。
一度、基準臭に浸したにおい紙は再使用しないこと。検者は被検者がにおい紙を1本嗅ぐ毎に直ちに捨てること。使い捨てたにおい紙は検査室の空気を汚すので、ポリ袋等に入れ、袋の口を輪ゴムで締めて、蓋のある汚物缶に捨てること。
検査を続ける間に部屋ににおいがこもってくるので、換気を充分に行うこと。4)
フェニルエチルアルコール
C8H10O
122.16
メチルシクロペンテノロン
C6H8O2
112.13
イソ吉草酸
C5H10O2
102.13
γ-ウンデカラクトン
C11H20O2
184.28
スカトール
C9H9N
131.17
嗅覚測定用基準臭:A列,B列,C列,D列,E列共それぞれ5ml 8本ずつ、箱詰め包装。A,B,C,D,Eは白,黄,緑,青,赤とそれぞれ色分けしてある。
1) 真田 聖子ほか:オルファクトグラムを用いた平均嗅力損失の臨床的意義.日本鼻副鼻腔学会誌 1974;13:48-49.
2) 真田 聖子ほか:基準臭の臨床的応用-オルファクトグラムによる嗅力像の判定-.日本鼻副鼻腔学会誌 1975;14:79-80.
3) 浅賀 英世ほか:嗅覚認知域値の意義について.日本鼻副鼻腔学会誌 1975;14:80-81.
4) 高木 貞敬:嗅覚測定の実際、嗅覚障害-その測定と治療 (豊田文一・北村武・高木貞敬編).医学書院;1978. p.1-10.
5) 浅賀 英世:嗅覚障害の診断と治療.日本医事新報 1984;3159:43-47.
6) 浅賀 英世:基準嗅覚検査.日本味と匂学会誌 1994;1(1):35-38.
7) 三輪 高喜:嗅覚障害の診断.日本味と匂学会誌 2003;10(1):59-66.
8) 内田 淳:基準嗅覚検査(T&Tオルファクトメトリー)、静脈性嗅覚検査(アリナミンテスト)の有用性と信頼度.日本鼻科学会誌 2006;45(1):75-78.
9) 三輪 高喜:嗅覚検査. 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 2010;82(5):155-160.
10) 三輪 高喜:嗅覚検査の現状と今後の展望. 耳鼻咽喉科展望 2011;54(2):71-79.
11) Miwa T, Ikeda K, Ishibashi T, Kobayashi M, Kondo K, Matsuwaki Y, et al. Clinical practice guidelines for the management of olfactory dysfunction – Secondary publication. Auris Nasus Larynx. 2019 ; 46 : 653-662.
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