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劇薬
向精神薬
習慣性医薬品注)
処方箋医薬品注)
あらかじめ適用した食事療法及び運動療法の効果が不十分な高度肥満症(肥満度が+70%以上又はBMIが35以上)における食事療法及び運動療法の補助
本剤は肥満度が+70%以上又はBMIが35以上の高度肥満症患者に対して、食事療法及び運動療法の補助療法として用いる。通常、成人には、マジンドールとして0.5mg(1錠)を1日1回昼食前に経口投与する。1日最高投与量はマジンドールとして1.5mg(3錠)までとし、2~3回に分けて食前に経口投与するが、できる限り最小有効量を用いること。投与期間はできる限り短期間とし、3ヵ月を限度とする。なお、1ヵ月以内に効果のみられない場合は投与を中止すること。
インスリン、経口糖尿病剤の必要量が変化することがある。
症状が悪化するおそれがある。
本剤の副作用で痙攣が報告されており、発作を誘発するおそれがある。
眼圧が上昇するおそれがある。
投与しないこと。排泄が遅延するおそれがある。
投与しないこと。代謝又は排泄が遅延するおそれがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で母獣に毒性のあらわれる大量投与により胎児毒性(体重増加の抑制、出生率の低下等)が報告されている。
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
投与しないこと。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
市販後調査で収集した安全性解析対象症例において、高齢者における副作用発現症例率は、65歳未満の症例に比べて高い傾向が認められている。
*MAO阻害剤
高血圧クリーゼを起こすことがあるので、MAO阻害剤投与中又はMAO阻害剤投与中止後2週間は、本剤を投与しないこと。
本剤は、交感神経刺激作用を有し、MAO阻害剤の作用を増強すると考えられる。
昇圧アミン
昇圧アミンの作用を増強することがあるので、観察を十分に行うこと。
本剤は神経終末におけるカテコラミンの再吸収を抑制するため、昇圧アミンの作用を増強する。
グアネチジン系薬剤
ラウオルフィア製剤
クロニジンメチルドパ
降圧効果を減弱することがある。
本剤は、交感神経刺激作用を有するため、グアネチジン系薬剤、ラウオルフィア製剤、クロニジン、メチルドパの交感神経遮断作用に拮抗する。
インスリン経口糖尿病剤
インスリン分泌抑制作用が認められること、また肥満の改善により、インスリン、経口糖尿病剤の必要量が変化するため。
アルコール(飲酒)
めまい、眠気等の副作用が増強されるおそれがある。
併用により、中枢神経系の刺激が増強されるため。
ハロゲン系吸入麻酔剤
不整脈等を引き起こすおそれがある。
本剤の交感神経刺激の効果により、ハロゲン系吸入麻酔剤の心筋の感受性を高めるため。
中枢神経刺激剤
幻覚、睡眠障害等の副作用が増強されるおそれがあるので、用量に注意すること。
いずれも中枢神経刺激作用を有するため。
甲状腺ホルモン
本剤の中枢神経刺激作用を増強するおそれがある。
甲状腺ホルモンが、カテコラミンのレセプターの感受性を増大すると考えられているため。
本剤の主要な薬理学的特性はアンフェタミン類と類似しており、サルでの静脈内薬物自己摂取試験においては摂取頻度の増加がみられ、精神依存の形成が認められている。イヌでの22ヵ月間経口投与による慢性毒性試験においては幻覚様異常行動がみられている。この点に関し、ヒトにおける長期投与による依存性・精神症状の発現は明確ではないが、本剤を投与する際は、依存性について留意すること。アンフェタミンをはじめとする中枢興奮剤は耐性及び精神依存を形成することが知られている。
労作性呼吸困難、胸痛、失神等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5%以上注)
0.1%~5%未満注)
0.1%未満注)
頻度不明
精神神経系
口渇感
睡眠障害、頭痛、脱力感、めまい、けん怠感、いらいら感、眠気、ふらつき
―
神経過敏、激越、抑うつ、精神障害、振戦、幻覚、知覚異常、不安、痙攣
消化器
便秘
悪心・嘔吐、胃部不快感、腹部膨満感、腹痛、下痢
循環器
動悸
頻脈、胸痛、血圧上昇、脳卒中、狭心症、心筋梗塞、不整脈、心不全、心停止、顔面潮紅
過敏症
発疹
そう痒感
肝臓
AST、ALTの上昇
泌尿器
排尿困難
頻尿
その他
口中苦味感、発汗、性欲減退、脱毛、さむけ
咽頭不快感、月経異常
悪心、嘔吐、頭痛、頻脈、不整脈、呼吸困難、排尿障害、興奮、痙攣発作、昏睡
興奮及び痙攣発作が認められる場合には、短時間作用型バルビツール酸誘導体又はベンゾジアゼピン系薬剤を投与する。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
健康成人にマジンドール2mgを1回経口投与注)し、マジンドール未変化体の血漿中濃度を検討した。最高血漿中濃度は投与2時間後に得られ、その値は約2.81ng/mLであった。また、血漿中半減期は約9時間であった。
健康成人にマジンドール2mgを経口投与注)後の平均血漿中濃度の推移(n=12、mean±S.E.)
健康成人にマジンドール2mgを1回経口投与注)し、マジンドール未変化体の尿中排泄量を検討した。尿中排泄は投与後72時間でほぼ終了し、未変化体の総排泄量は投与量の約4.5%であった。注)本剤の用法及び用量は、通常、1日1回0.5mgで、1日最高投与量は1.5mgである。
二重盲検比較試験を含む本剤の臨床試験成績の概要は次のとおりである。高度肥満症患者(BMIが35以上)44例中における本剤の臨床効果判定は、食欲抑制効果及び体重減少効果等を調査して行った。全般改善度は中等度改善以上で43.2%(19/44例)、軽度改善以上で75.0%(33/44例)であった。また、プラセボを対照とした二重盲検比較試験の結果、本剤の有用性が確認された1),2),3),4),5),6),7),8)。
本剤は、主として視床下部にある食欲中枢に作用し、摂食行動を抑制する。マジンドールは摂食調節中枢であるVMH及び視床下部外側野(LHA)への直接作用9),10)及び神経終末におけるモノアミン(ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニン)の再吸収抑制11),12),13)を介した機序により、摂取エネルギー抑制(摂食抑制、消化吸収抑制)14),15),16),17),18),19)及び消費エネルギー促進(グルコース利用、熱産生促進)20),21),22)をもたらし、更に肥満時にみられる代謝変動を改善16),17),19)することにより肥満症を是正するものと考えられる。
1回及び1日摂餌量の減少、食事後食事間間隔の延長及び体重減少が認められる(ラット)14),15)。また、肥満動物モデルである視床下部腹内側核(VMH)破壊ラットにおいて正常ラットに対して影響を及ぼさない用量で摂餌量及び体重減少が認められる16),17)。
唾液(イヌ)及び胃酸分泌(ラット)の抑制が認められる18)。また、肥満動物モデルであるgoldthioglucose(GTG)投与マウスにおいて増大した小腸の絨毛表面積縮小及び消化酵素(スクラーゼ、エステラーゼ)活性の低下が認められる19)。
骨格筋等へのグルコースの取り込み促進が認められ、組織におけるグルコース利用の増加が示唆されている(ラット)20)。
ラット及び肥満型糖尿病モデルであるYellow KKマウスにおいて褐色脂肪組織(BAT)のミトコンドリア蛋白含量及びBAT熱産生能の指標であるguanosine 5’-diphosphate(GDP)結合能の増加等、BATの活性化が示唆されている21),22)。
肥満時に認められる肝及び血中の脂質(コレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸等)、血中インスリン、脂肪組織重量、脂肪細胞容積等の増加を抑制する(VMH破壊ラット16),17)、GTG投与マウス19))。
マジンドール(Mazindol)
(±)-5-(p-Chlorophenyl)-2,5-dihydro-3H-imidazo[2,1-α]isoindol-5-ol
C16H13ClN2O
284.74
白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがある。酢酸(100)に溶けやすく、メタノール、エタノール(95)、クロロホルム又はN,N-ジメチルホルムアミドに溶けにくく、アセトン又はジエチルエーテルに極めて溶けにくく、水又はヘキサンにはほとんど溶けない。
177~184℃(分解)
100錠[10錠(PTP)×10]
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本剤は厚生労働省告示第97号(平成20年3月19日付)に基づき、投薬期間は1回14日間分を限度とされている。
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