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日本薬局方
セフテラム ピボキシル細粒
処方箋医薬品注)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
「抗微生物薬適正使用の手引き」1) を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
通常、セフテラム ピボキシルとして成人1日150~300mg(力価)を3回に分割して食後経口投与する。
通常、セフテラム ピボキシルとして成人1日300~600mg(力価)を3回に分割して食後経口投与する。
なお、年齢及び症状に応じて適宜増減する。
,
十分な問診を行うこと。アレルギー素因を有する患者は過敏症を起こしやすい。
観察を十分に行うこと。食事摂取によりビタミンKを補給できない患者では、ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。
投与量・投与間隔の適切な調節をするなど慎重に投与すること。高い血中濃度が持続することがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠後期にピボキシル基を有する抗生物質を投与された妊婦と、その出生児において低カルニチン血症の発現が報告されている。,
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には、直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
本剤を含むピボキシル基を有する抗生物質(セフテラム ピボキシル、セフジトレン ピボキシル、セフカペン ピボキシル塩酸塩水和物、テビペネム ピボキシル)の投与により、ピバリン酸(ピボキシル基を有する抗生物質の代謝物)の代謝・排泄に伴う血清カルニチン低下が報告されている。小児(特に乳幼児)に対してピボキシル基を有する抗生物質を投与した症例で低カルニチン血症に伴う低血糖があらわれることがあるので、痙攣、意識障害等の低血糖症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと2) 。,
0.1~2%未満注2)
0.1%未満注2)
頻度不明
過敏症
発疹
紅斑、そう痒、浮腫
関節痛、蕁麻疹、発熱、リンパ腺腫脹
血液
好酸球増多
顆粒球減少、血小板減少
-
肝臓
AST上昇、ALT上昇
Al-P上昇、LDH上昇
黄疸
消化器
下痢・軟便
悪心・嘔吐、腹痛
胃部不快感、食欲不振、腹部膨満感、胸やけ、心窩部痛
菌交代症
カンジダ症
口内炎
ビタミン欠乏症
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)注3) 、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
その他
CK上昇、頭痛、めまい、全身倦怠感
20%細粒剤と10%細粒剤をクロスオーバー法によりそれぞれ0.5gと1g(いずれもセフテラム ピボキシルとして100mg(力価))を健康成人男性28例に空腹時単回経口投与して血漿中セフテラム濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された3) 。
Cmax(μg/mL)
AUC0-t(μg・hr/mL)
tmax(hr)
t1/2(hr)
20%細粒剤
1.001±0.312
3.12±1.07
1.91±0.61
1.22±0.17
10%細粒剤
1.024±0.317
3.10±0.82
1.89±0.79
1.25±0.18
n=28、平均値±S.D.
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の条件によって異なる可能性がある。
小児に10%細粒剤注4) 3mg/kg(3例)又は6mg/kg(3例)を食後単回経口投与したとき、抗菌活性体であるセフテラムの平均最高血中濃度は3~4時間後に得られ、その値はそれぞれ1.3μg/mL及び2.2μg/mLであった。半減期は1.2~1.3時間であった4) 。
健康成人12例に10%細粒剤注4) 1g(セフテラム ピボキシルとして100mg(力価))を食後単回経口投与したときのCmaxは1.57μg/mL、AUC0-7は5.11μg・hr/mLであった5) 。
喀痰、扁桃、耳漏、上顎洞粘膜、鼻茸、篩骨洞粘膜等へ良好な移行が認められた(錠剤注4) 、成人の場合)6),7),8),9) 。
本剤は吸収時に腸管粘膜でエステラーゼにより代謝され、抗菌活性を有するセフテラムとピバリン酸になる10) 。ピバリン酸は、カルニチン抱合をうけ、尿中にピバロイルカルニチンとして排泄される。
セフテラムは、活性体のまま一部胆汁中にも排泄されるが、主に尿中に排泄される10) 。小児に10%細粒剤注4) 3mg/kg(3例)又は6mg/kg(3例)を食後単回経口投与したとき、平均最高尿中濃度は2~4時間後に得られ、その値はそれぞれ83μg/mL及び156μg/mLであった。投与後8時間までの平均尿中回収率は16~20%であった4) 。
腎機能障害者(成人)に100mg(錠剤注4) )を食後単回経口投与したとき、次表のとおり、腎機能の低下に伴い血中半減期の延長が認められた11) 。
腎機能障害の程度(Ccr:mL/min)
例数
血中半減期(hr)
正常者(Ccr≧80)
4
0.83
軽 度(70≧Ccr≧40)
8
1.46
中等度(30≧Ccr≧20)
6
4.36
国内の医療機関で実施された10%細粒剤注5) の一般臨床試験では、総症例648例について効果が検討され、その概要は次表のとおりである。
疾患群
疾患名
有効率(%)
呼吸器感染症
咽頭・喉頭炎
97.0( 96/ 99)
扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)
98.2(164/167)
急性気管支炎
93.8( 60/ 64)
肺炎
94.9( 93/ 98)
尿路感染症
膀胱炎、腎盂腎炎
95.0( 76/ 80)
耳鼻科領域感染症
中耳炎
90.9( 50/ 55)
副鼻腔炎
100( 3/ 3)
猩紅熱
98.8( 81/ 82)
セフテラム ピボキシルは体内で代謝され、セフテラムとなり抗菌力を示す。作用機序は細菌の細胞壁合成阻害であり、ペニシリン結合タンパク(PBP)の3、1A、1Bsに強く結合して殺菌的に作用する12) 。
大腸菌、クレブシエラ・ニューモニエ、プロテウス・ミラビリス、プロテウス・ブルガリス等によるラット及びマウス実験的感染症において、優れた治療効果を示し、さらにβ-ラクタマーゼ産生株感染に対する治療効果も、セファレキシン、セファクロルより優れていた12),13),14) 。
セフテラム ピボキシル(Cefteram Pivoxil)
2,2-Dimethylpropanoyloxymethyl(6R,7R)-7-[(Z)-2-(2-aminothiazol-4-yl)-2-(methoxyimino)acetylamino]-3-(5-methyl-2H -tetrazol-2-ylmethyl)-8-oxo-5-thia-1-azabicyclo[4.2.0]oct-2-ene-2-carboxylate
C22H27N9O7S2
593.64
白色~微黄白色の粉末である。アセトニトリルに極めて溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又はクロロホルムに溶けやすく、水にほとんど溶けない。
約110℃付近で半融状態となり、その後徐々に着色し、発泡分解するが、明瞭な変化点は認められない。
CFTM-PI
本剤は吸湿しやすいため、湿気を避けて保存すること。バラ包装品は調剤時にその都度密栓すること(主成分の分解により特異臭がすることがある)。また、分包品はアルミピロー開封後なるべく速やかに使用すること。
100g(プラスチックボトル、乾燥剤入り)0.25g×240包(分包、乾燥剤入り)0.5g×240包(分包、乾燥剤入り)
1) 厚生労働省健康局結核感染症課編:抗微生物薬適正使用の手引き
2) 杉江 秀夫ほか:脳と発達.1992;24(1):79-80
3) 社内資料(生物学的同等性試験)
4) 本廣 孝ほか:Jpn. J. Antibiot.1989;42(9):2023-2061
5) 渡辺 啓子ほか:化学療法の領域.1991;7(2):349-360
6) 力富 直人ほか:Chemotherapy.1986;34(S-2):535-545
7) 藤巻 豊ほか:Chemotherapy.1986;34(S-2):913-926
8) 栗山 一夫 :耳鼻臨床.1986;79(8):1363-1370
9) 大西信治郎ほか:Chemotherapy.1986;34(S-2):927-933
10) 才川 勇ほか:Chemotherapy.1986;34(S-2):158-165
11) 福岡 義和ほか:Chemotherapy.1986;34(S-2):150-157
12) 才川 勇ほか:Chemotherapy.1986;34(S-2):66-84
13) 岡本 世紀ほか:Chemotherapy.1986;34(S-2):1-12
14) 西野 武志ほか:Chemotherapy.1986;34(S-2):44-60
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