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処方箋医薬品注)
日本薬局方
トスフロキサシントシル酸塩錠
トスフロキサシンに感性の肺炎球菌(ペニシリン耐性肺炎球菌を含む)、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、炭疽菌、コレラ菌、インフルエンザ菌、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)
肺炎、コレラ、中耳炎、炭疽
通常、小児に対してはトスフロキサシントシル酸塩水和物として1回6mg/kg(トスフロキサシンとして4.1mg/kg)を1日2回経口投与する。ただし、1回180mg、1日360mg(トスフロキサシンとして1回122.4mg、1日244.8mg)を超えないこととする。
体重
15kg
20kg
25kg
30kg~
1回あたりの服用量
90mg(1.5錠)
120mg(2錠)
150mg(2.5錠)
180mg(3錠)
痙攣を起こすことがある。
フルオロキノロン系抗菌薬で症状を悪化させるとの報告2)がある。
必要に応じて画像検査の実施を考慮すること。海外の疫学研究において、フルオロキノロン系抗菌薬投与後に大動脈瘤及び大動脈解離の発生リスクが増加したとの報告がある。,
投与量・投与間隔の適切な調節をするなど慎重に投与すること。高い血中濃度が持続することがある。
授乳しないことが望ましい。母乳中への移行が報告されている3)。
健康成人にテオフィリン1日400mgとトスフロキサシントシル酸塩水和物(錠剤)1日450mgを併用したところ、テオフィリンの最高血中濃度は、併用3日目で1.13倍、5日目では1.23倍の上昇を示したとの報告がある。テオフィリンの中毒症状(消化器障害、頭痛、不整脈、痙攣等)があらわれるおそれがあるため、観察を十分に行い、血中濃度モニタリングを行うなど注意すること。
機序:テオフィリンの肝での代謝を抑制し、血中濃度を上昇させることが報告されている。
危険因子:高齢者、高度の腎障害患者
痙攣があらわれることがある。観察を十分に行い、症状があらわれた場合には両剤の投与を中止し、気道確保と抗痙攣薬の使用など痙攣に対する治療を実施すること。
機序:中枢神経におけるGABAA受容体への結合阻害作用が非ステロイド性消炎鎮痛剤により増強されることが主な機序と考えられている。
危険因子:高齢者、てんかん等痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者、高度の腎障害患者
本剤の効果が減弱されるおそれがある。同時投与を避けるなど注意すること。
機序:金属カチオンと難溶性の錯塩を形成し、本剤の消化管からの吸収が低下することが報告されている。
腱障害のリスクが増大するとの報告がある。これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること。
機序不明
急性腎障害、間質性腎炎、腎性尿崩症等の重篤な腎障害があらわれることがある。
発熱、咽頭痛、皮下・粘膜出血等があらわれた場合には血液検査を行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には、直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、好酸球性肺炎等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれることがある。筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
高齢者、腎障害患者、糖尿病患者であらわれやすい。
,
しびれ、筋力低下、痛み等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
腱周辺の痛み、浮腫、発赤等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
幻覚、せん妄等の精神症状があらわれることがある。
1%以上
1%未満
頻度不明
過敏症
発熱、発疹、紅斑
潮紅、そう痒症、湿疹、蕁麻疹
光線過敏性反応
腎臓
尿円柱
尿中血陽性、尿中赤血球陽性、遺尿、BUN増加、血尿
血中クレアチニン増加
肝臓
―
AST増加、ALT増加、ALP増加、LDH増加、γ-GTP増加、ビリルビン増加
消化器
下痢(5.2%)、嘔吐(3.7%)、食欲不振、腹痛、口渇、便秘
悪心、口唇水疱、腹部膨満、胃・腹部不快感、口内炎、舌炎
血液
好酸球数増加、白血球数減少
単球数増加
血小板数減少、貧血
精神神経系
傾眠
せん妄、頭痛、浮動性めまい、しびれ、不眠症、振戦
幻覚
その他
関節痛、蒼白、血中CK増加、血中クロール減少、血中クロール増加、亀頭包皮炎、倦怠感
味覚異常
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
15%細粒剤の初回承認時の臨床試験において、軽度の関節痛が0.9%(2/235例)に認められている。フルオロキノロン系抗菌薬の海外小児臨床試験において、フルオロキノロン系以外の抗菌薬と比較して筋骨格系障害(関節痛、関節炎等)の発現率が高かったとの報告がある。,,,
動物実験(幼若イヌ)で50mg/kg、500mg/kgを14日間経口投与した結果、関節異常(上腕骨近位端軟骨に微小水疱あるいはびらん)が認められたとの報告がある4)。,,
肺炎及び中耳炎の小児患者に15%細粒剤を1回6mg/kg又は9mg/kgを1日2回反復経口投与※したときの薬物動態パラメータは、下表のとおりであった[Population Pharmacokinetics(PPK)解析]。※本剤の承認用量は1回6mg/kgを1日2回である。
投与量
例数
AUC(μg・hr/mL)
Cmax(μg/mL)
tmax(hr)
t1/2(hr)
6mg/kg
165
7.58±2.38
0.96±0.30
2.0±0.2
3.8±0.5
9mg/kg
57
12.51±6.24
1.48±0.54
2.1±0.3
4.0±0.8
PKパラメータはNONMEMによるベイズ推定値平均値±S.D.
健康成人男性に小児用60mg錠 3錠及び15%細粒剤 1.2g(トスフロキサシントシル酸塩水和物として180mg)をクロスオーバー法により空腹時単回経口投与して血漿中トスフロキサシン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された5)。
AUC0-t(μg・hr/mL)
小児用60mg錠
4.86±1.84
0.749±0.236
1.6±0.9
6.5±1.1
15%細粒剤
4.80±1.47
0.808±0.223
0.9±0.4
6.4±0.9
平均値±S.D.、n=22
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
慢性気管支炎及び肺気腫の感染合併患者(成人)2例に150mg(錠剤)を食後単回経口投与したとき、最高喀痰中濃度は2~3時間後に0.31μg/mL及び0.34μg/mLの値が得られ、6~8時間後にも0.20μg/mL前後であった6)。
慢性中耳炎急性増悪症患者(成人)5例に150mg(錠剤)を食後単回経口投与したとき、耳漏中濃度は投与2~7時間後で0.056~0.32μg/mLであった7)。
健康成人6例に150mg(錠剤)を食後単回経口投与したとき、大部分が未変化体として尿中及び糞中に排泄されたが、未変化体以外に2種の代謝物及びこれらの抱合体が尿中に確認された8)。
健康成人6例に150mg(錠剤)を食後単回経口投与したとき、24時間までの未変化体の尿中排泄率は45.8%であった9)。また、代謝物も含めた24時間までの尿中総回収率は50.7%であった8)。
腎機能障害者(成人)に150mg(錠剤)を食後単回経口投与したとき、下表のとおり、腎機能の低下に伴い血中半減期(t1/2)の延長が認められた10)。,
腎機能障害の程度(Ccr:mL/min)
正常者(Ccr≧80)
5
3.9
軽度(80>Ccr≧50)
3
4.0
中等度(50>Ccr≧20)
2
9.8
高度(20>Ccr)
4
10.5
血液透析患者(成人)2例に150mg(錠剤)を食後単回経口投与したとき、それぞれ投与1.5時間後に1.65μg/mL、3時間後に1.6μg/mLの血中濃度ピーク値を示し、5時間の透析で透析液中に7.31%及び8.33%が回収された10)。
肺炎及び中耳炎の小児患者を対象に1回6mg/kg又は9mg/kgを1日2回投与※した15%細粒剤の臨床試験における疾患別の有効率は下表のとおりであった。※本剤の承認用量は1回6mg/kgを1日2回である。
疾患名
有効例数/解析対象例数
有効率注1)(%)
肺炎
48/48
100
中耳炎
157/162
96.9
菌種別菌消失率は下表のとおりであった。
菌種
消失株数/評価株数
菌消失率注2)(%)
肺炎球菌
49/61
80.3
PISP注3)
23/31
74.2
PRSP注3)
7/9
77.8
モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス(β-ラクタマーゼ産生菌)
14/14
インフルエンザ菌
66/70
94.3
BLNAS
50/53
BLNAR
11/12
91.7
BLPAR
3/3
BLPACR
2/2
PISP:Penicillin-intermediate S. pneumoniae
PRSP:Penicillin-resistant S. pneumoniae
BLNAS:β-Lactamase-negative ampicillin-susceptible H. influenzae
BLNAR:β-Lactamase-negative ampicillin-resistant H. influenzae
BLPAR:β-Lactamase-positive ampicillin-resistant H. influenzae
BLPACR:β-Lactamase-positive amoxicillin/clavulanic acid-resistant H. influenzae
マイコプラズマ肺炎の小児患者を対象に1回6mg/kgを1日2回投与(投与期間:9.8±2.9日※※)した15%細粒剤の臨床試験における有効率は下表のとおりであった。※※平均±S.D.
有効例数/解析対象例数注4)
マイコプラズマ肺炎
32/33
97.0
菌消失率は下表のとおりであった(投与期間:8~13日)。
肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)
4/4
副作用発現頻度(臨床検査値異常を含む)は15.2%(5/33例)で、主な副作用は、便秘6.1%(2/33例)であった。
細菌のDNAジャイレース及びトポイソメラーゼⅣを阻害し、殺菌的に作用する11)。
トスフロキサシンはグラム陽性菌である肺炎球菌(ペニシリン耐性肺炎球菌を含む)、グラム陰性菌であるインフルエンザ菌(β-ラクタム耐性菌を含む)、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、また肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)に対して抗菌活性を示した。,
トスフロキサシントシル酸塩水和物(Tosufloxacin Tosilate Hydrate)
7-[(3RS)-3-Aminopyrrolidin-1-yl]-1-(2,4-difluorophenyl)-6-fluoro-4-oxo-1,4-dihydro-1,8-naphthyridine-3-carboxylic acid mono-4-toluenesulfonate monohydrate
C19H15F3N4O3・C7H8O3S・H2O
594.56
白色~微黄白色の結晶性の粉末である。N,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、水又はエタノール(99.5)にほとんど溶けない。メタノール溶液(1→100)は旋光性を示さない。
約254℃(分解)
TFLX(トスフロキサシン)
50g(プラスチックボトル)100g(プラスチックボトル)0.5g×100包(分包)
100錠[10錠(PTP)×10]
1) 厚生労働省健康局結核感染症課編:抗微生物薬適正使用の手引き
2) Sieb,J.P.:Neurology.1998;50:804-807
3) 中村 孝ほか:Chemotherapy.1988;36(S-9):710-726
4) 社内資料:関節に及ぼす影響
5) 岩田 敏ほか:新薬と臨牀.2018;67:513-523
6) 那須 勝ほか:Chemotherapy.1988;36(S-9):699-709
7) 河村正三ほか:Chemotherapy.1988;36(S-9):1341-1353
8) 田井 賢ほか:Chemotherapy.1988;36(S-9):208-215
9) 中島光好ほか:Chemotherapy.1988;36(S-9):158-180
10) 前田浩志ほか:Chemotherapy.1988;36(S-9):187-194
11) 神山朋子ほか:あたらしい眼科.2006;23(別巻):3-11
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