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日本薬局方
ベラパミル塩酸塩錠
処方箋医薬品注)
小児等に本剤を使用する場合、小児等の不整脈治療に熟練した医師が監督すること。基礎心疾患のある場合は、有益性がリスクを上回ると判断される場合にのみ投与すること。
通常成人、1回1~2錠(ベラパミル塩酸塩として1回40~80mg)を、1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。
通常成人、1回1~2錠(ベラパミル塩酸塩として1回40~80mg)を、1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
通常、小児には、ベラパミル塩酸塩として1日3~6mg/kg(ただし、1日240mgを超えない)を、1日3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜減量する。
本剤は陰性変力作用を有し、心機能を更に低下させることがある。
本剤は房室結節、洞結節を抑制する作用を有し、刺激伝導を更に悪化させることがある。
本剤は血管拡張作用を有し、血圧を更に低下させることがある。
本剤の房室伝導抑制作用により、心房興奮が副伝導路を通りやすくなる結果として心室細動を生じることがある。
本剤は陰性変力作用を有し、心機能を悪化させることがある。
本剤は主に平滑筋を弛緩させるが骨格筋に対しても作用を有し、筋収縮力を悪化させることがある。
洞停止、洞不全症候群の誘発の危険性が高くなる。
本剤は肝及び腎で代謝・排泄されるため、このような患者では本剤の血中濃度が予測以上に増加し、副作用に発展することがある。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。動物実験(マウス)で胎児毒性(死胚)が報告されている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトにおいて乳汁中への移行が報告されている。
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
**イバブラジン塩酸塩
過度の徐脈があらわれることがある。
本剤によるチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合的阻害作用により、相手薬剤の血中濃度を上昇させる。また、心拍数減少作用を相加的に増強する。
**ロミタピドメシル酸塩
相手薬剤の血中濃度が著しく上昇するおそれがある。
本剤によるチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合的阻害作用により、相手薬剤の血中濃度を上昇させる。
血圧降下剤
血圧の低下が増強することがある。
本剤と血圧降下剤の血管拡張作用が増強される。
β-遮断剤
ラウオルフィア製剤
心機能の低下や徐脈があらわれることがある。自覚症状、心電図等に注意し、異常が認められた場合には、本剤又は相手薬剤を減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。
本剤は陰性変力作用や房室結節、洞結節を抑制する作用を有し、両者の心抑制作用が相互に増強される。特にジギタリス製剤との3剤併用時には注意すること。
抗不整脈剤
低カリウム血症を起こすおそれがある薬剤
徐脈、房室ブロックがあらわれることがあり、高度の不整脈に発展させることがある。自覚症状、心電図等に注意し、異常が認められた場合には、本剤又は相手薬剤を減量又は中止すること。
相加的な抗不整脈作用の増強や低カリウム血症により催不整脈作用が生じる。
ジギタリス製剤
高度の徐脈、房室ブロック等の徐脈性不整脈があらわれることがある。また、これらの不整脈を含めたジギタリスの血中濃度上昇による中毒症状(悪心・嘔吐、食欲不振、頭痛、疲労、倦怠感等)があらわれることがある。定期的に心電図検査を行い、ジギタリスの中毒症状の有無を確認し、必要に応じてジギタリスの血中濃度を測定する。異常が認められた場合には、両剤を減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。
相加的な房室結節・洞結節抑制作用の増強やジギタリスの心刺激作用により不整脈が生じる。特にβ-遮断剤との3剤併用時には注意すること。また、ジギタリスの血中濃度の上昇は本剤のジギタリスの腎排泄抑制によるものと考えられる。
吸入麻酔薬
心機能の低下や徐脈があらわれることがある。脈拍数、心電図等に注意し、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
本剤は陰性変力作用や房室結節、洞結節を抑制する作用を有し、両剤の心抑制作用が相互に増強される。
**P-糖蛋白で排出される薬剤
相手薬剤の血中濃度を上昇させ、作用を増強させることがある。異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
P-糖蛋白を阻害することにより、相手薬剤の血中濃度を上昇させる。
ダビガトランの抗凝固作用が増強することがあるので、ダビガトランエテキシラートの用量調節や投与間隔を考慮するなど、投与方法に十分注意すること。
ダビガトランの血中濃度を上昇させる。
**CYP3Aで代謝され、P-糖蛋白で排出される薬剤
本剤のCYP3A及びP-糖蛋白に対する阻害作用により、相手薬剤の代謝・排泄が阻害される。
**CYP3Aを阻害する薬剤
本剤の血中濃度が上昇し、副作用を増強するおそれがある。
相手薬剤のチトクロームP450(CYP3A)の阻害作用により、本剤の代謝が阻害され、血中濃度を上昇させる。
本剤のAUCが3倍を超えることが予測されるので、本剤を減量するとともに血中濃度のモニターや診察の回数を増やすなど慎重に投与すること。
相手薬剤によるチトクロームP450(CYP3A4)に対する競合的阻害作用により、本剤の血中濃度を上昇させる。
本剤の血中濃度を上昇させることがある。
相手薬剤のチトクロームP450(CYP3A4)の阻害作用により、本剤の代謝が阻害され、血中濃度を上昇させる。
**CYP3Aで代謝される薬剤
相手薬剤の血中濃度が上昇することがある。異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
本剤によるチトクロームP450(CYP3A)に対する阻害作用により、相手薬剤の血中濃度を上昇させる。
アプリンジンの血中濃度が上昇することがある。異常が認められた場合には、アプリンジンを減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。
カルバマゼピンの血中濃度が上昇し、中毒症状(めまい、頭痛等)があらわれることがある。カルバマゼピンの血中濃度に注意し、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
ミダゾラムの血中濃度が上昇することがある。異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
セレギリンの作用を増強し、毒性が大幅に増強する可能性がある。
シクロスポリンの血中濃度が上昇することがある。シクロスポリンの血中濃度に注意し、異常が認められた場合には、シクロスポリンを減量又は中止すること。
パクリタキセルの血中濃度が上昇することがある。異常が認められた場合には、パクリタキセルを減量、投与間隔を延長又は中止するなど適切な処置を行うこと。
ビノレルビンの血中濃度が上昇することがある。
ゲフィチニブの血中濃度が上昇し、副作用を増強するおそれがある。
エレトリプタンの血中濃度が上昇することがある。
**CYP3Aを誘導する薬剤
本剤の作用が減弱することがある。
相手薬剤のチトクロームP450(CYP3A4)の誘導作用により、本剤の血中濃度を低下させる。
テオフィリンアミノフィリン水和物コリンテオフィリン
テオフィリンの血中濃度が上昇することがある。テオフィリンの血中濃度に注意し、異常が認められた場合には、テオフィリン製剤を減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。
本剤による肝薬物代謝酵素阻害作用により、テオフィリンのクリアランスが低下するため、テオフィリンの血中濃度を上昇させる。
ダントロレンナトリウム
高カリウム血症や心機能低下が生じることがある。
機序は不明である。
グレープフルーツジュース
本剤の血中濃度を上昇させることがある。異常が認められた場合には、本剤を減量するなど適切な処置を行うこと。また、グレープフルーツジュースとの同時服用をしないよう注意すること。
グレープフルーツジュースに含まれる成分のチトクロームP450(CYP3A4)の阻害作用により、本剤の血中濃度を上昇させる。
心不全、洞停止、房室ブロック、徐脈、意識消失があらわれることがある。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形滲出性紅斑、乾癬型皮疹等の重篤な皮膚障害があらわれることがある。観察を十分に行い、発熱、紅斑、瘙痒感、眼充血、口内炎等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
循環器
房室伝導時間の延長、頭痛、めまい、血圧低下
過敏症
発疹
消化器
便秘、悪心・嘔吐
食欲不振
口腔
歯肉肥厚
肝臓
AST、ALTの上昇等
内分泌
血中プロラクチンの上昇、男性における血中黄体形成ホルモン・血中テストステロンの低下、女性型乳房
その他
浮腫
ショック、著明な血圧低下、心不全の悪化、完全房室ブロック等が認められたとの報告がある。
投与を中止し、昇圧剤、強心薬、輸液等の投与やIABP等の補助循環の適用を考慮すること。
投与を中止し、アトロピン硫酸塩水和物、イソプレナリン等の投与や心臓ペーシングの適用を考慮すること。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
因果関係が明らかではないが、外国において本薬投与中に心筋梗塞や狭心症があらわれたとの報告がある。
ベラパミルの代謝酵素は主にCYP3A4であり、主要代謝物はN-脱メチル化されたノルベラパミルである1)。
労作及び安静時狭心症や陳旧性心筋梗塞等の虚血性心疾患に対する有効性が一般臨床試験において確認された。ベラパミル塩酸塩は、虚血性心疾患に伴う狭心痛を改善し、狭心発作回数や硝酸剤舌下消費量を減少させるとともに、安静時心電図や負荷心電図の改善効果を示した2),3),4)。
本薬の作用機序は、細胞外液Ca++の細胞内流入阻止に基づくCa++拮抗作用である5)。
ベラパミル塩酸塩を虚血性心疾患患者に経口投与した場合、血圧を緩徐に降下させ、心拍数も軽度に減少させる。その結果、心仕事量が軽減し、心筋酸素消費量も抑制される2)。
イヌ摘出心筋や麻酔イヌを用いた実験において、冠状動脈を含む血管平滑筋の興奮-収縮連関を抑制し、冠血流量を増加し、末梢血管抵抗を減少する6),7)。
虚血、高血圧、過剰の細胞内遊離Ca++の存在、過剰のカテコールアミンによって惹起される心筋細胞内ATPの欠乏に基づく心筋の変性に対し、本薬はこれら種々の心筋変性誘発因子に拮抗して心筋変性を抑制し、心筋を保護することがラットやウサギで確認されている8)。
モルモット及びウサギの摘出心筋を用いた実験において、slow channelを通るCa++の流入を抑制することが確認されている。また、麻酔イヌを用いた実験で、特に房室結節に作用して房室伝導系の有効不応期、機能的不応期を延長させ、房室伝導を遅延させる9),10),11)。
ベラパミル塩酸塩(Verapamil Hydrochloride)
(2RS)-5-[(3,4-Dimethoxyphenethyl)methylamino]-2-(3,4-dimethoxyphenyl)-2-(1-methylethyl)pentanenitrile monohydrochloride
C27H38N2O4・HCl
491.06
白色の結晶性の粉末である。メタノール又は酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(95)又は無水酢酸にやや溶けやすく、水にやや溶けにくい。
141~145℃
本剤はPTP包装から取り出し無包装状態で放置すると光により変色することがある。
100錠[10錠(PTP)×10]
1) Kroemer, H.K. et al.:Naunyn-Schmiedebergs Arch. Pharmacol. 1993;348(3):332-337
2) 木川田隆一 他:臨牀と研究. 1975;52(3):880-884
3) 石川兵衞 他:臨牀と研究. 1976;53(5):1409-1413
4) 柏木政伸 他:臨牀と研究. 1976;53(11):3489-3493
5) Fleckenstein, A. et al.:Naunyn-Schmiedebergs Arch. Pharmacol. 1969;264(3):227-228
6) Narimatsu, A. et al.:Naunyn-Schmiedebergs Arch. Pharmacol. 1976;294(2):169-177
7) 古谷幸雄 他:麻酔. 1983;32(4):409-417
8) Fleckenstein, A. et al.:Arzneim. Forsch. 1970;20(9a):1317-1322
9) Nabata, H.:Jpn. J. Pharmacol. 1977;27(2):239-249
10) Okada, T. et al.:Jpn. Circ.J. 1975;39(8):913-917
11) 池田信男 他:臨牀と研究. 1977;54(12):4176-4180
12) Motomura, S. et al.:Naunyn-Schmiedebergs Arch. Pharmacol. 1981;315(3):241-248
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