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骨粗鬆症における骨量・疼痛の改善
通常、成人にはメナテトレノンとして1日45mgを3回に分けて食後に経口投与する。
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
投与中は患者の状態を十分に観察すること。本剤は高齢者に長期にわたって投与されることが多い薬剤である。
ワルファリンカリウム(ワーファリン)
ワルファリンの期待薬効が減弱する可能性がある。患者がワルファリン療法を必要とする場合はワルファリン療法を優先し、本剤の投与を中止する。プロトロンビン時間、トロンボテストなど血液凝固能検査を実施し、ワルファリンが維持量に達するまで定期的にモニタリングを行う。
ワルファリンは肝細胞内のビタミンK代謝サイクルを阻害し、凝固能のない血液凝固因子を産生することにより抗凝固作用、血栓形成の予防作用を示す製剤である。本剤はビタミンK2製剤であるため、ワルファリンと併用するとワルファリンの作用を減弱する。
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
消化器
胃部不快感、腹痛、下痢、悪心、口内炎、食欲不振、消化不良、便秘
口渇、舌炎、嘔吐
過敏症
発疹、瘙痒
発赤
精神神経系
頭痛
めまい、ふらつき、しびれ
循環器
血圧上昇、動悸
肝臓
AST、ALT、γ-GTPの上昇等
泌尿器
BUNの上昇等
頻尿
その他
浮腫
眼の異常、関節痛
倦怠感
健康成人男子9名にメナテトレノン1カプセル(15mg)を食後単回経口投与したところ、平均血漿中メナテトレノン濃度は投与後約1時間のラグタイムの後上昇し、投与後約6時間でピークに達した。なお、若年成人及び高齢者各6名にメナテトレノン1回1カプセル(15mg)を1日3回食後に7日間反復経口投与したところ、初回投与時に比し最終投与時のCmax及びAUCは、若年成人ではほぼ同様の値を示した。一方、高齢者では各々約1.3倍、約1.5倍に上昇したが、朝投与前の血漿中濃度は投与3日以降上昇しなかった1),2)。
n
Cmax(ng/mL)
Tmax(hr)
AUC(ng・hr/mL)
9
253.2±82.4
4.72±1.52
870.7±149.6
Mean±S.D.
メナテトレノンカプセル15mg「科研」とグラケーカプセル15mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1カプセル(メナテトレノンとして15mg)健康成人男子に食後単回経口投与して血漿中メナテトレノン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された3)。
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC0-24(ng・hr/mL)
T1/2(hr)
メナテトレノンカプセル15mg「科研」
30
889.4±376.3
317.9±114.4
3.9±1.3
1.8±1.6
グラケーカプセル15mg
849.9±310.6
329.8±114.1
3.7±0.9
2.3±4.8
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
健康成人男子3名にメナテトレノン1カプセル(15mg)を一晩絶食後あるいは朝食摂取30分以内に経口投与し、血漿中メナテトレノン濃度推移を検討したところ、一晩絶食後投与ではメナテトレノンの吸収は低下した4)。また、健康成人男子18名を6名ずつ3群に分け、クロスオーバー法により、脂肪含有量の異なる3種類の食事(脂肪含有量:8.8g、20.0g、34.9g)摂取30分以内にメナテトレノン1カプセル(15mg)を経口投与し、血漿中メナテトレノン濃度推移を検討したところ、メナテトレノンの吸収は食事に含まれる脂肪量に応じて増大した。なお、上記健康成人男子18名のうち12名に、さらに高い脂肪を含有する食事(脂肪含有量:53.8g)摂取30分以内にメナテトレノン1カプセル(15mg)を経口投与し、血漿中メナテトレノン濃度推移を検討したところ、メナテトレノンの吸収は脂肪含有量34.9gの食事を摂取した時と同程度であった5)。
投与方法
絶食下投与
3
32.3±18.2
4.3±1.2
165.00±73.54
摂食下投与
354.0±165.0
3.3±1.5
1,114.50±227.86
脂肪含有量
8.8g
18
133.4±80.5
5.3±1.5
370.6±194.2
20.0g
139.7±43.3
4.4±1.3
485.2±150.1
34.9g
409.4±159.1
3.0±1.5
1,024.4±341.4
53.8g
12
297.1±157.8
4.3±1.7
991.2±392.0
内容
量(g)
脂肪(g)
180
0.90
207
2.45
170
0.18
84
5.10
56
0.04
100
0.10
合計
797
8.77
閉経後及び老人性骨粗鬆症における効果は、中等度改善以上で51.9%(164例/316例)、軽度改善以上で84.5%(267例/316例)であり、骨量維持効果と疼痛改善効果が認められた。また二重盲検試験によってメナテトレノンの有用性が確認されている6),7)。なお、二重盲検試験(第Ⅲ相比較試験)における疼痛改善効果はメナテトレノン単独投与時では57.2%(87例/152例)、鎮痛剤併用時では61.1%(66例/108例)であった。第Ⅱ相試験における副作用発現頻度は、メナテトレノン15mg投与群で10.8%(8例/74例)、45mg投与群で2.5%(2例/79例)、90mg投与群で4.2%(3例/72例)、135mg投与群で5.9%(5例/85例)であった。各投与群で2例以上発現した副作用は、15mg投与群で胃痛2.7%(2例/74例)、135mg投与群で心窩部痛2.4%(2例/85例)であった6)。第Ⅲ相試験における副作用発現頻度は、メナテトレノン45mg投与群で5.9%(16例/272例)であった。主な副作用は、発疹・皮疹・薬疹1.1%(3例/272例)、胃部不快感及び頸部痛・項部・後頭部痛0.7%(2例/272例)であった7)。
注)本剤の承認された用法及び用量はメナテトレノンとして1日45mgである。
腎性骨異栄養症、アルコール性骨減少症及びステロイド性骨減少症を含む二次性骨粗鬆症における効果は中等度改善以上で30.9%(17例/55例)、軽度改善以上では60.0%(33例/55例)であった。
メナテトレノンは骨芽細胞に直接作用し、骨基質蛋白質であるオステオカルシンのγ-カルボキシグルタミン酸残基を生成(Gla化)すると共に、骨形成を促進することにより骨代謝回転を高める。同時に骨吸収を抑制し、骨粗鬆症の骨代謝の不均衡を改善し、骨量の維持作用を示す。
ヒト骨芽細胞培養系において、メナテトレノン2.25×10-6mol/Lは単独及び1,25(OH)2D3との共存下で石灰化を促進した。また細胞層中のオステオカルシン量も1,25(OH)2D3の共存下で増加した11),12)。
マウス頭頂骨の器官培養系において、メナテトレノンはIL-1α,PGE2,PTH及び1,25(OH)2D3により惹起される骨吸収を3×10-6~3×10-5mol/Lの濃度で抑制した。また、マウス骨髄細胞培養系において、メナテトレノンは1,25(OH)2D3による破骨細胞の分化誘導を3×10-6~1×10-5mol/Lの濃度で抑制した13),14)。
骨粗鬆症患者120名に対し、メナテトレノン45mg/日を2年間投与したところ、血清オステオカルシン濃度は上昇し、非カルボキシル化オステオカルシン濃度は低値を示した15)。
メナテトレノン(Menatetrenone)
2-Methyl-3-[(2E,6E,10E)-3,7,11,15-tetramethylhexadeca-2,6,10,14-tetraen-1-yl]-1,4-naphthoquinone
C31H40O2
444.65
黄色の結晶、結晶性の粉末、ろう様の塊又は油状である。ヘキサンに極めて溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けやすく、2-プロパノールにやや溶けにくく、メタノールに溶けにくく、水にほとんど溶けない。光によって分解し、着色が強くなる。
約37℃
100カプセル[10カプセル(PTP)×10]210カプセル[21カプセル(PTP)×10]500カプセル[瓶、バラ、乾燥剤入り]1000カプセル[10カプセル(PTP)×100]
1) 石井美佳、他. 臨床医薬. 1992;8(3):571-85
2) 石井美佳、他. 薬理と治療. 1995;23(10):2637-42
3) 社内資料:生物学的同等性試験(メナテトレノンカプセル15mg「科研」)
4) 石井美佳、他. 薬理と治療. 1995;23(10):2677-82
5) Uematsu T, et al. J Pharma Sci. 1996;85(9):1012-6
6) 折茂肇、他. 新薬と臨牀. 1992;41(6):1249-79
7) 折茂肇、他. 臨床評価. 1992;20(1):45-100
8) Akiyama Y, et al. Jpn J Pharmacol. 1993;62:145-53
9) Mawatari T, et al. J Bone Mineral Res. 2000;15(9):1810-7
10) Hara K, et al. Bone. 1993;14:813-8
11) Koshihara Y, et al. Calcif Tissue Int. 1996;59:466-73
12) Koshihara Y, et al. J Bone Mineral Res. 1997;12(3):431-8
13) Hara K, et al. J Bone Mineral Res. 1993;8(5):535-42
14) Akiyama Y, et al. Eur J Pharmacol. 1994;263:181-5
15) Shiraki M, et al. J Bone Mineral Res. 2000;15(3):515-21
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