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劇薬
処方箋医薬品注)
骨粗鬆症
本剤の適用にあたっては、日本骨代謝学会の診断基準等を参考に、骨粗鬆症との診断が確定している患者を対象とすること。
通常、成人には4週に1回アレンドロン酸として900μgを30分以上かけて点滴静脈内投与する。
本剤の投与開始前は口腔内の管理状態を確認し、必要に応じて、患者に対し適切な歯科検査を受け、侵襲的な歯科処置をできる限り済ませておくよう指導すること。本剤投与中に侵襲的な歯科処置が必要になった場合には本剤の休薬等を考慮すること。
また、口腔内を清潔に保つこと、定期的な歯科検査を受けること、歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知して侵襲的な歯科処置はできる限り避けることなどを患者に十分説明し、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科を受診するように指導すること。
妊娠する可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ビスホスホネート系薬剤は骨基質に取り込まれた後に全身循環へ徐々に放出される。全身循環への放出量はビスホスホネート系薬剤の投与量・期間に相関する。ビスホスホネート系薬剤の中止から妊娠までの期間と危険性との関連は明らかではない。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)でアレンドロン酸が乳汁中に移行することが報告されている。
小児等の骨粗鬆症を対象とした臨床試験は実施していない。
AST、ALTの上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
痙攣、テタニー、しびれ、失見当識、QT延長等を伴う低カルシウム血症があらわれることがある。異常が認められた場合にはカルシウム剤の点滴投与等を考慮すること。,,,
1~5%未満
1%未満
頻度不明
消化器
胃痛・心窩部痛、胃不快感・胃重感・腹部不快感
腹痛、嘔吐、食欲不振、腹部膨満感、口内炎、胃酸逆流、咽喉頭痛、咽喉頭不快感、おくび、嘔気、便秘、下痢、胃炎、消化不良
鼓腸放屁、口内乾燥、嚥下困難、歯肉腫脹
皮膚・皮膚付属器
発疹、かゆみ、脱毛、蕁麻疹
紅斑、湿疹
血液
貧血(赤血球数減少、ヘモグロビン低下等)、白血球数減少、血小板数減少
肝臓
肝機能異常(AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇等)
腎臓
BUN上昇
頻尿、排尿困難
中枢・末梢神経系
浮動性めまい、頭痛
回転性めまい、知覚減退
筋・骨格系
関節痛注1)、背(部)痛注1)、筋肉痛注1)、骨痛注1)、筋痙攣
精神・神経系
不眠(症)
電解質代謝
血清リン低下、血清カリウム上昇
眼
眼症状(かすみ、異和感等)、強膜炎
ぶどう膜炎、上強膜炎
その他
胸痛、倦怠(感)、味覚倒錯、末梢性浮腫、顔面浮腫、動悸、脱力(感)、発熱、気分不良、ほてり(顔面紅潮、熱感等)、CK上昇、血圧上昇
血管浮腫、LDH上昇、総コレステロール値上昇、血清アルブミン低下、下肢痛
投与量(μg)
Cmax注2)(ng/mL)
AUCt注2)(ng・h/mL)
血中消失半減期注2)(h)
100(n=7)
8.89(8.3)
8.53(8.9)
0.650(3.6)
200(n=7)
16.28(7.0)
16.04(6.4)
0.649(9.5)
400(n=7)
35.32(13.4)
34.62(12.4)
0.632(5.9)
800(n=7)
70.32(10.3)
68.28(10.3)
0.642(9.0)
1,600(n=7)
141.18(8.0)
137.69(6.0)
0.645(5.6)
2,000(n=8)
170.86(11.9)
163.64(12.0)
0.626(4.7)
アレンドロン酸ナトリウム水和物投与により、動物又はヒトで代謝物は認められていない。
累積尿中排泄量注3)(μg)
100(n=8)
46.19(17.6)
106.27(6.0)
400(n=8)
186.27(17.5)
800(n=8)
384.21(10.6)
1,600(n=8)
855.10(7.6)
962.27(7.3)
以上より累積尿中排泄量は、用量に依存して増加した。そのほとんどは投与後8時間までに排泄された2)。
対象
尿中排泄率注4)(%)
生物学的利用率注4)(%)
静脈内投与
経口投与
閉経後女性
49.28(12.5)
0.30(124.3)
0.60(122.1)
閉経後女性の腎機能正常者(n=7)及び軽度(n=8)・中等度(n=7)・高度(n=4)の腎機能低下患者にアレンドロン酸として900μgを含有する注射剤を単回投与したとき、各群の腎機能正常者に対するCmaxの幾何平均値の比率は、軽度群、中等度群、高度群でそれぞれ1.1、1.1、1.0であった。AUCtの幾何平均値の比率は、軽度群、中等度群、高度群でそれぞれ1.1、1.2、1.3であった。また、血中消失半減期の幾何平均値(CV%)は、腎機能正常者群、軽度群、中等度群、高度群でそれぞれ1.224(5.3)、1.381(7.2)、1.342(13.5)、1.692(6.8)hであった。また、投与開始から48時間までのアレンドロン酸の累積尿中排泄量の幾何平均値(CV%)は、正常者群、軽度群、中等度群、高度群でそれぞれ423.69(18.5)、445.73(17.2)、298.02(29.2)、154.47(25.8)μgであった。投与後48時間までの累積尿中排泄率の幾何平均値(CV%)は、正常者群、軽度群、中等度群、高度群でそれぞれ47.08(18.5)、49.53(17.2)、33.11(29.2)、17.15(25.9)%であった4)。
(注)本剤の承認された用法及び用量は4週に1回アレンドロン酸として900μg点滴静脈内投与である。
退行期骨粗鬆症患者(有効性評価対象325例、うち男性患者は、アレンドロン酸ナトリウム水和物注射剤(900μg/4週)7/162例、対照薬35mg錠(35mg/週)12/163例)における52週間の二重盲検試験において、腰椎(L2-L4)骨密度増加率の最小二乗平均値±標準誤差は、アレンドロン酸ナトリウム水和物注射剤(900μg/4週)投与6.1±0.3%、対照薬の35mg錠(35mg/週)投与5.5±0.3%であった。アレンドロン酸ナトリウム水和物注射剤(900μg/4週)投与と35mg錠(35mg/週)投与の腰椎(L2-L4)骨密度増加率(投与52週後)の最小二乗平均値の差(差の95%信頼区間)は0.60(-0.22~1.42)であり、アレンドロン酸ナトリウム水和物注射剤(900μg/4週)投与は35mg錠(35mg/週)投与に劣らないことが検証された。また、投与52週後における大腿骨骨密度増加率の最小二乗平均値±標準誤差は、それぞれ2.4±0.2%(900μg/4週)及び2.0±0.2%(35mg/週)であった。アレンドロン酸ナトリウム水和物注射剤(900μg/4週)投与と35mg錠(35mg/週)投与の大腿骨骨密度増加率(投与52週後)の最小二乗平均値の差(差の95%信頼区間)は0.48(-0.03~0.99)であり、同程度の骨密度増加効果を示した。本試験におけるアレンドロン酸ナトリウム水和物注射剤投与群(900μg/4週)の安全性評価対象162例中28例(17.3%)に44件の副作用が認められた。主な副作用は、背部痛8件(4.9%)、筋肉痛3件(1.9%)、発熱3件(1.9%)、白血球数減少2件(1.2%)であった。なお、安全性において、アレンドロン酸ナトリウム水和物注射剤(900μg/4週)投与の副作用発現率は、35mg錠(35mg/週)投与と同程度であった5)。
退行期骨粗鬆症患者(有効性評価対象297例)における52週間の二重盲検試験において、腰椎(L1-L4)骨密度増加率(投与52週後)の最小二乗平均値±標準誤差は、35mg錠(35mg/週)投与6.3±0.4%、対照薬の5mg錠(5mg/日)投与5.8±0.4%であった。35mg錠投与と5mg錠投与の腰椎(L1-L4)骨密度増加率(投与52週後)の最小二乗平均値の差(差の95%信頼区間)は0.58(-0.31~1.48)であり、骨密度増加効果は同等であった。また、大腿骨骨密度(投与52週)においても、それぞれ3.0±0.4%(35mg/週)及び2.8±0.4%(5mg/日)であり、同程度の骨密度増加効果を示した。35mg錠投与と5mg錠投与の大腿骨骨密度増加率(投与52週後)の最小二乗平均値の差(差の95%信頼区間)は0.15(-0.65~0.95)であった。なお、安全性において、35mg錠(35mg/週)投与の副作用発現率は、5mg錠(5mg/日)投与と同程度であった6)。
本試験における35mg錠(35mg/週)の安全性評価対象168例中22例(13.1%)に28件の副作用が認められた。主な症状は消化管障害であり、24件[上腹部痛4件(2.4%)、胃不快感4件(2.4%)、胃潰瘍3件(1.8%)、胃炎3件(1.8%)等]であった。また、臨床検査値異常変動は168例中6例(3.6%)に10件認められた。主なものはγ-GTP上昇4件(2.4%)、AST上昇2件(1.2%)、ALT上昇2件(1.2%)であった。なお、5%を超える頻度の副作用は認められなかった。
退行期骨粗鬆症患者365例における2年間の二重盲検比較試験(骨折発生頻度)において、胸腰椎の新規骨折発生率は5mg錠(5mg/日)投与で12.2%、対照薬(アルファカルシドール、1μg/日)で16.7%であり、対照薬に対する5mg錠(5mg/日)の非劣性が検証された。この試験において、投与6ヵ月以降に発生した胸腰椎の新規骨折発生率は、5mg錠(5mg/日)投与では対照薬に比して8.4%低く統計的に有意差を認めた(相対危険減少率66%)。また、2年間における胸腰椎での複数の新規骨折発生率は5mg錠(5mg/日)投与では対照薬に比して4.9%低かった(相対危険減少率67%)7)。さらに、延長試験として実施された3年間の成績においても投与6ヵ月以降に発生した胸腰椎の新規骨折発生率は、5mg錠(5mg/日)投与で7.8%、対照薬で18.8%であり、5mg錠(5mg/日)の有意な椎体骨折抑制効果が3年間にわたり確認された8)。
閉経後骨粗鬆症患者2,027例における錠剤3年間のプラセボ対照二重盲検比較試験において、最初の2年間は5mg/日、3年目は10mg/日投与した結果は下表のとおりである9)。
骨折の種類
骨折抑制率(%)
胸腰椎の新規骨折注5)
47%
2個以上の胸腰椎の新規骨折注5)
90%
新規大腿骨近位部骨折
51%
なお、5mg錠(5mg/日)投与後の平均腰椎骨密度増加率は、海外における10mg/日投与12ヵ月後の値と国内における5mg/日投与48週後の値に類似性が認められた10),11)。また、骨密度増加効果と骨折抑制効果は相関することが確認されている12)。
(注)国内における錠剤の承認された用法及び用量はアレンドロン酸として週1回35mg、あるいは1日1回5mgである。
アレンドロン酸は骨のハイドロキシアパタイトに強い親和性を持ち、ラットでは破骨細胞が存在する骨表面に選択的に分布した。アレンドロン酸は破骨細胞に取り込まれた後その活性を抑制することにより、骨吸収を減少させる13),14)。
動物種
方法
結果
卵巣摘出ラット15)
アレンドロン酸として0.04~5mg/kg/日を卵巣摘出の翌日から2ヵ月間経口投与
卵巣摘出による骨量減少をアレンドロン酸として1mg/kg/日以上の投与量で骨石灰化に障害を与えずに抑制した。
卵巣摘出ラット
アレンドロン酸として0.1、0.5mg/kg/日を卵巣摘出の翌日から12ヵ月間経口投与
アレンドロン酸として0.5mg/kg/日の1年間の経口投与により、卵巣摘出による腰椎の骨量の減少を抑制し、卵巣非摘出ラットと同様の骨強度を維持した。
卵巣摘出ラット16)
アレンドロン酸として0.224、1.12、5.6、28mg/kg/月(28日間)を、それぞれ週2回、週1回又は2週に1回の投与頻度で、卵巣摘出の翌日から3ヵ月間皮下投与
卵巣摘出による大腿骨及び脛骨の骨量の減少を投与頻度にかかわらず、同程度抑制した。また、骨形態により骨吸収亢進も同程度抑制した。
卵巣摘出ヒヒ17)
アレンドロン酸として0.04、0.19mg/kgを、卵巣摘出後2週に1回、2年間静脈内投与
アレンドロン酸として0.04mg/kg以上で骨代謝回転亢進が卵巣非摘出群レベルまで抑制されることが、生化学的マーカー及び骨形態により示された。また、海綿骨量を骨石灰化を障害せずに増加させ、皮質骨の粗鬆性の亢進を防止した。腰椎の海綿骨の強度はアレンドロン酸ナトリウム水和物投与により増加し、骨量と骨強度には正の相関が認められた。
アレンドロン酸ナトリウム水和物は、上記の骨量減少モデルにおいて1年以上の投与(ラット: 1年、ヒヒ: 2年)を行ったとき、骨量減少を抑制する投与量では骨石灰化障害を示唆する結果が得られていない17)。成長過程のラット(Schenk評価系)において、骨吸収を抑制する投与量は骨石灰化を障害する投与量の約1/6,000であり、広い安全域が示されている。
正常イヌ18),19)
アレンドロン酸として0.25~1mg/kgを1日1回、3年間経口投与
正常イヌに臨床用量の約10倍量に相当するアレンドロン酸ナトリウム水和物を3年間経口投与したところ、骨強度に対する影響、微小骨折、骨軟化症を示す所見は認められなかった。
骨折イヌ20)
アレンドロン酸として2mg/kgを1日1回、骨折前9週間、骨折後16週間経口投与
臨床用量の約20倍量に相当する投与によっても、骨折修復部位の骨強度に変化は認められず、骨折の治癒過程に対し影響を与えないことが示された。
アレンドロン酸ナトリウム水和物(Alendronate Sodium Hydrate)
Monosodium trihydrogen 4-amino-1-hydroxybutane-1,1-diyldiphosphonate trihydrate
C4H12NNaO7P2・3H2O
325.12
白色の結晶性の粉末である。水にやや溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。0.1mol/Lクエン酸三ナトリウム試液に溶ける。
約252℃(分解、ただし乾燥後)
1) *MID-NET®を用いた調査結果の概要(MID-NET®を用いたビスホスホネート製剤の腎機能障害患者における低カルシウム血症のリスク評価に関するデータベース調査):https://www.pmda.go.jp/files/000249186.pdf
2) 薬物動態(閉経後女性、単回)(ボナロン点滴静注バッグ900μg:2012年1月18日承認、申請資料概要2.7.6.2)
3) 薬物動態(閉経後女性、単回)(ボナロン点滴静注バッグ900μg:2012年1月18日承認、申請資料概要2.7.6.3)
4) 蓮沼智子ほか.: 臨床薬理. 2012; 43(6): 365-73.
5) アレンドロネート35mg対照無作為化二重盲検比較試験(退行期骨粗鬆症患者)(ボナロン点滴静注バッグ900μg:2012年1月18日承認、申請資料概要2.7.6.5)
6) Uchida S, et al.: J Bone Miner Metab. 2005; 23(5): 382-8.
7) Kushida K, et al.: Curr Ther Res. 2002; 63(9): 606-20.
8) Kushida K, et al.: J Bone Miner Metab. 2004; 22(5): 462-8.
9) Black DM, et al.: Lancet. 1996; 348(9041): 1535-41.
10) Shiraki M, et al.: Osteoporosis Int. 1999; 10(3): 183-92.
11) Liberman UA, et al.: N Engl J Med. 1995; 333(22): 1437-43.
12) Hochberg MC, et al.: Arthritis Rheum. 1999; 42(6): 1246-54.
13) Masarachia P, et al.: Bone. 1996; 19(3): 281-90.
14) Sato M, et al.: J Clin Invest. 1991; 88(6): 2095-105.
15) Azuma Y, et al.: J Pharmacol Exp Ther. 1998; 286(1): 128-35.
16) Seedor JG, et al.: J Bone Miner Res. 1991; 6(4): 339-46.
17) Balena R, et al.: J Clin Invest. 1993; 92(6): 2577-86.
18) Peter CP, et al.: J Pharmacol Exp Ther. 1996; 276(1): 271-6.
19) Balena R, et al.: J Pharmacol Exp Ther. 1996; 276(1): 277-83.
20) Peter CP, et al.: J Orthop Res. 1996; 14(1): 74-9.
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