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プランルカストカプセル112.5mg「DK」

処方せん医薬品以外の医薬品

添付文書番号
企業コード
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
一般的名称
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
3.組成・性状
3.1組成
3.2製剤の性状
4.効能又は効果
6.用法及び用量
7.用法及び用量に関連する注意
8.重要な基本的注意
9.特定の背景を有する患者に関する注意
9.1合併症・既往歴等のある患者
9.5妊婦
9.6授乳婦
9.7小児等
9.8高齢者
10.相互作用
10.2併用注意(併用に注意すること)
11.副作用
11.1重大な副作用
11.2その他の副作用
14.適用上の注意
16.薬物動態
16.1血中濃度
16.3分布
16.4代謝
16.5排泄
17.臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験
18.薬効薬理
18.1作用機序
19.有効成分に関する理化学的知見
22.包装
23.主要文献
24.文献請求先及び問い合わせ先
26.製造販売業者等

プランルカストカプセル112.5mg「DK」

添付文書番号

4490017M1044_1_10

企業コード

400042

作成又は改訂年月

2023年9月改訂(第1版)

日本標準商品分類番号

87449

薬効分類名

ロイコトリエン受容体拮抗剤
気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療剤

承認等

プランルカストカプセル112.5mg「DK」

販売名コード

YJコード

4490017M1044

販売名英語表記

PRANLUKAST Capsules “DK”

販売名ひらがな

ぷらんるかすとかぷせる112.5mg「DK」

承認番号等

承認番号

21900AMX00478000

販売開始年月

2007年7月

貯法・有効期間

貯法

室温保存

有効期間

3年

一般的名称

プランルカスト水和物カプセル

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

プランルカストカプセル112.5mg「DK」

有効成分1カプセル中
「日局」プランルカスト水和物   112.5mg
添加剤部分アルファー化デンプン、乳糖水和物、軽質無水ケイ酸、プルラン、含水二酸化ケイ素、ステアリン酸Mg
カプセル本体:ゼラチン、酸化チタン、ラウリル硫酸Na、マクロゴール4000

3.2 製剤の性状

プランルカストカプセル112.5mg「DK」

外形
号数3
識別コードPLH
色・剤形蓋部、胴体部共に白色~帯黄白色不透明の硬カプセル剤で、内容物は白色~淡黄色の粉末を含む粒

4. 効能又は効果

  • 気管支喘息
  • アレルギー性鼻炎

6. 用法及び用量

通常、成人にはプランルカスト水和物として1日量450mg(本剤4カプセル)を朝食後及び夕食後の2回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

7. 用法及び用量に関連する注意

高齢者では減量する(例えば、1回1カプセルを1日2回)など注意すること。

8. 重要な基本的注意

  • 〈気管支喘息〉
    1. 8.1 本剤は気管支拡張剤、ステロイド剤等と異なり、すでに起こっている喘息発作を緩解する薬剤ではないので、このことは患者に十分説明しておく必要がある。
    2. 8.2 本剤を投与中、大発作をみた場合は、気管支拡張剤あるいはステロイド剤を投与する必要がある。
  • 〈効能共通〉
    1. 8.3 本剤投与によりステロイド維持量を減量し得た患者で、本剤の投与を中止する場合は、原疾患再発のおそれがあるので注意すること。
    2. 8.4 本剤を含めロイコトリエン拮抗剤使用時にChurg-Strauss症候群様の血管炎を生じたとの報告がある。これらの症状は、おおむね経口ステロイド剤の減量・中止時に生じている。本剤使用時は、特に好酸球数の推移及びしびれ、四肢脱力、発熱、関節痛、肺の浸潤影等の血管炎症状に注意すること。
    3. 8.5 他のロイコトリエン拮抗剤を投与した患者で、因果関係は明らかではないがうつ病、自殺念慮、自殺及び攻撃的行動を含む精神症状が報告されているので、本剤の投与にあたっては患者の状態を十分に観察すること。
    4. 8.6 本剤投与により効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 長期ステロイド療法を受けている患者

    本剤投与によりステロイドの減量をはかる場合は十分な管理下で徐々に行うこと。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子

    主にCYP3A4によって代謝される薬剤

    本剤及びこれらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

    本剤はin vitro試験でCYP3A4により代謝され、これらの薬剤の代謝を競合的に阻害するとの報告がある。

    CYP3A4を阻害する薬剤
    イトラコナゾール
    エリスロマイシン等

    本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

    in vitroin vivo試験でこれらの薬剤により本剤の代謝が阻害されるとの報告がある。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)

      血圧低下、意識障害、呼吸困難、発疹等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

    2. 11.1.2 白血球減少(頻度不明)

      白血球減少(初期症状:発熱、咽頭痛、全身倦怠感等)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。

    3. 11.1.3 血小板減少(頻度不明)

      血小板減少(初期症状:紫斑、鼻出血、歯肉出血等の出血傾向)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。

    4. 11.1.4 肝機能障害

      黄疸、AST・ALTの著しい上昇等を伴う肝機能障害(頻度不明)があらわれることがある。

    5. 11.1.5 間質性肺炎、好酸球性肺炎

      発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増加等を伴う間質性肺炎(頻度不明)、好酸球性肺炎(0.1%未満)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

    6. 11.1.6 横紋筋融解症(頻度不明)

      筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。

    11.2 その他の副作用

    0.1~1%未満

    0.1%未満

    頻度不明

    過敏症

    発疹、そう痒等

    蕁麻疹

    多形滲出性紅斑

    精神神経系

    頭痛、眠気、めまい

    不眠、しびれ、味覚異常

    ふるえ、けいれん、興奮、不安

    消化器

    嘔気、腹痛、胃部不快感、下痢

    嘔吐、胸やけ、食欲不振、便秘、腹部膨満感、口内炎、舌炎、舌しびれ

    循環器

    不整脈(頻脈・心房細動・期外収縮等)、動悸、潮紅

    肝臓

    ビリルビン上昇、AST・ALTの上昇等

    アルカリホスファターゼ上昇

    筋骨格系

    関節痛

    筋肉痛、四肢痛、こわばり、CK上昇

    泌尿器

    蛋白尿、尿潜血、頻尿

    尿量減少、排尿障害、BUN上昇

    その他

    胸部絞扼感、発熱、浮腫、倦怠感、トリグリセリド上昇、出血、好酸球増多、咽喉頭異常感、口渇、耳鳴、尿沈渣陽性

    脱毛、生理不順、乳房腫脹・硬結、乳房痛、女性化乳房

    注):発現頻度は使用成績調査を含む。

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤交付時の注意

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

    16. 薬物動態

    16.1 血中濃度

    1. 16.1.1 健康成人5例に225mgを食後に単回経口投与すると、血漿中濃度は約5時間で最高に達し、その濃度は642ng/mLで、血漿中半減期は約1.2時間である1)

      Tmax
      (h)

      Cmax
      (ng/mL)

      AUC0-∞
      (ng・h/mL)

      T1/2
      (h)

      5.2±1.1

      642.3±151.0

      2348.7±471.3

      1.15±0.13

      平均値±標準偏差

    2. 16.1.2 生物学的同等性試験

      プランルカストカプセル112.5mg「DK」とオノンカプセル112.5mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1カプセル(プランルカスト水和物として112.5mg)健康成人男性に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された2)

      判定パラメータ

      参考パラメータ

      AUC0-24
      (ng・h/mL)

      Cmax
      (ng/mL)

      Tmax
      (h)

      T1/2
      (h)

      プランルカストカプセル112.5mg「DK」

      1998.4±924.3

      567.1±253.3

      3.1±1.1

      3.3±1.9

      オノンカプセル112.5mg

      1956.8±1227.7

      588.5±405.8

      3.1±1.1

      4.3±3.7

      平均値±標準偏差(n=30)

      血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

    16.3 分布

    ヒト血清に対する蛋白結合率は99.7~99.8%であり、その主結合蛋白はアルブミンである(in vitro、限外ろ過法)3)

    16.4 代謝

    プランルカストは主として肝薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP3A4)で代謝される(in vitro4)

    16.5 排泄

    健康成人5例に225mgを食後に単回経口投与すると、投与後72時間までに尿中及び糞中にそれぞれ投与量の0.24%及び98.9%が排泄される。血漿中、尿中及び糞中の主要代謝物は水酸化体で、尿中排泄物の大部分はそのグルクロン酸抱合体である1)

    17. 臨床成績

    17.1 有効性及び安全性に関する試験

    • 〈気管支喘息〉
      1. 17.1.1 国内二重盲検比較試験

        成人気管支喘息に対する二重盲検比較試験において、プランルカスト水和物カプセルの有用性が認められている。また、喘息症状の軽減、併用治療薬剤の減量、肺機能の改善効果が認められている5)

    • 〈アレルギー性鼻炎〉
      1. 17.1.2 国内二重盲検比較試験

        通年性アレルギー性鼻炎に対する二重盲検比較試験において、病型別の改善率は鼻閉を含む病型では61.2%(79/129例)、鼻閉を含まない病型では54.5%(12/22例)である。また、症状別の改善率は鼻閉では71.8%(94/131例)、鼻汁では60.3%(76/126例)、くしゃみでは54.4%(68/125例)である6)

      2. 17.1.3 国内臨床試験

        二重盲検比較試験を含む臨床試験において、改善以上と判定された症例は358例中235例(65.6%)である7)

      3. 17.1.4 国内第Ⅲ相一般臨床試験

        プランルカスト水和物カプセル単独群とプランルカスト水和物カプセルに他の抗アレルギー剤を併用した群との直接比較は行っていない。一方、プランルカスト水和物カプセルに他の抗アレルギー剤を併用した群とプランルカスト水和物カプセル以外の抗アレルギー剤単独群との封筒法による群間比較試験において、改善以上と判定された症例は併用群で26例中19例(73.1%)、単独群で20例中6例(30.0%)である8)

    18. 薬効薬理

    18.1 作用機序

    プランルカストは気管支喘息の基本的病態形成に深く関与しているロイコトリエンの受容体に選択的に結合してその作用に拮抗し、気道収縮反応、気道の血管透過性亢進、気道粘膜の浮腫及び気道過敏性の亢進を抑制し、気管支喘息患者の臨床症状及び肺機能を改善させる。
    また、プランルカストは鼻閉、鼻汁、くしゃみを三大主徴とするアレルギー性鼻炎の特徴的病態の成立に重要な役割を演じていることが示唆されているロイコトリエンの受容体に選択的に結合してその作用に拮抗し、鼻腔通気抵抗上昇、好酸球浸潤を伴う鼻粘膜浮腫、鼻粘膜過敏性を抑制し、さらに鼻粘膜過敏性抑制作用を介して間接的に、ヒスタミン、アセチルコリン及びその他の非特異的な刺激によるくしゃみや鼻汁等の臨床症状を改善する。

    18.2 薬理作用

    1. 18.2.1 ロイコトリエン(LT)受容体拮抗作用

      モルモット肺膜分画及びモルモット鼻粘膜膜分画において、LTC4、LTD4、LTE4の受容体に選択的に結合してその作用に拮抗する。また、ヒスタミン、アセチルコリン及びセロトニン等には拮抗作用を示さず、アラキドン酸代謝酵素にもほとんど影響を与えない(in vitro9),10)

    2. 18.2.2 気道収縮抑制作用
      1. (1) 気管支攣縮型喘息患者の気道収縮反応を抑制する11)
      2. (2) 感作モルモットの抗原誘発気道収縮を経口投与で抑制する12)
      3. (3) モルモット及びヒトの摘出気道平滑筋のLTC4、LTD4による収縮を抑制する(in vitro9),13)
    3. 18.2.3 気道過敏性抑制作用
      1. (1) 気管支喘息患者に経口投与すると、メサコリンに対する気道過敏性を改善する14)
      2. (2) モルモットの抗原吸入によるアセチルコリン又はヒスタミンの気道過敏性の亢進を経口投与で、またLTによるヒスタミンの気道過敏性の亢進を静脈内投与で抑制する12),15),16)
    4. 18.2.4 気道の血管透過性及び粘膜浮腫の抑制作用(抗炎症作用)
      1. (1) モルモットの抗原誘発による気道の血管透過性の亢進を経口投与で抑制する17)
      2. (2) モルモットのLTC4、LTD4による気道粘膜の浮腫形成を静脈内投与で抑制する16)
    5. 18.2.5 肺機能の改善作用

      気管支喘息患者に経口投与すると、努力性呼気1秒量及び最大呼気流量を改善する5),18)

    6. 18.2.6 鼻腔通気抵抗上昇抑制作用
      1. (1) 通年性アレルギー性鼻炎患者に経口投与すると、抗原鼻誘発による鼻腔通気抵抗の上昇を抑制する19)
      2. (2) 感作モルモットの抗原誘発による鼻腔通気抵抗上昇を経口投与で抑制する20)
    7. 18.2.7 好酸球浸潤を伴う鼻粘膜浮腫の抑制作用

      感作モルモットの抗原誘発による好酸球浸潤を伴う鼻粘膜の浮腫を経口投与で抑制する20)

    8. 18.2.8 鼻粘膜過敏性抑制作用

      感作モルモットの抗原誘発によるヒスタミンに対するくしゃみ反応の増強を経口投与で抑制する21)

    19. 有効成分に関する理化学的知見

    一般的名称

    プランルカスト水和物(Pranlukast Hydrate)

    化学名

    N-[4-Oxo-2-(1H-tetrazol-5-yl)-4H-chromen-8-yl]-4-(4-phenylbutyloxy)benzamide hemihydrate

    分子式

    C27H23N5O4・1/2H2O

    分子量

    490.51

    性状

    本品は白色~淡黄色の結晶性の粉末である。
    本品はエタノール(99.5)に極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
    融点:約233℃(分解)

    化学構造式

    22. 包装

    140カプセル(PTP14カプセル×10)、420カプセル(PTP14カプセル×30)

    24. 文献請求先及び問い合わせ先

    株式会社三和化学研究所 コンタクトセンター

    〒461-8631 名古屋市東区東外堀町35番地

    TEL 0120-19-8130 FAX(052)950-1305

    26. 製造販売業者等

    26.1 製造販売元

    大興製薬株式会社

    埼玉県川越市下赤坂560番地1

    26.2 販売元

    株式会社三和化学研究所

    名古屋市東区東外堀町35番地 〒461-8631

    〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞が関ビル

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